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やってみないと解らないこと

中津川は快晴だった。
だから郊外からは御嶽山が手に取るように見えた。
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昨日まで小康状態だったのに、
今朝はやけに激しく蒸気を吹き上げていた。

遠くからでも沸き上がるのが見えた。
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でもこれは今に始まったことでは無く、
20年以上続いている事の一環に過ぎない。

いつもやってみなければ解らない、
と拘りを持って生きてきた。
御嶽山も、
登ってみないと解らないことだらけだった。

雪を固めたようなお菓子をもらった。
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食べてみて改めて思った。
何年経っても変わらない味だ。
クッピーラムネを食べて童心に返った。

カクダイと言う会社は、
このお菓子一本で勝負している。
大したものだ。

これを持って遠足に行ったよな。

心地よい爽やかさが脳裏に染みついている。

オトナのお菓子として充分成り立つ。
もう少し大きいサイズを作れば良いと思ったが、
彼らはとっくに作ったようだ。

でもなかなか市場には広がらない。
小さいモノを大きくするのは、
逆向きの力だから、
より多くのエネルギーを必要とする。

商品開発は難しい。

丁度それを食べた時、
工房では6気筒エンジンのメンテナンスが始まっていた。

BOXER6の味も脳裏に染みついて離れない。
いつ乗っても変わらなぬ良い味だ。
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多気筒エンジンの整備に浪漫を感じる。
これを自社の工房で眺めるのは大きな喜びだ。
浪漫の源流は発表当時にある。
あの時の晴れ晴れした気持ちを思い出すからだろう。

憧れのパワーユニットだった。
バブル崩壊の煽りを受け、
短命で終わってしまった。

けれども、
もしSVXを作らなければ、
出来なかった事も沢山あった。

だからSVXにオトコの浪漫やプライドを感じる。

この本格的な水平対向エンジンは、
スバルにしか作れない優れた作品だ。

だからスバルは多気筒を絶対に手放してはいけない。

ただ、「ロマン」だけでは飯が食えない。
「ロマン」も語りながら、
美味い飯も食うために何をしたら良いのか。

これも美味かった。
妻が友人にもらった、
シュトレンというドイツの焼き菓子だ。
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最後の一つを噛み締めて食べた。
クリスマスの前に戴いたが、
日が経つにつれ旨味が増す面白いお菓子だ。
食べ尽くすと春が近い。

シュトレンなんて食べる気にもならなかったのに、
この頃は美味しいと思う。

ドイツに行くと美味しいモノが沢山ある。
そういう物に馴染んできたら、
この味がわかるようになった。

名古屋からドイツを往復するエアラインは、
ルフトハンザ航空だ。
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エアクラフトはエアバスのA340-300を使う。
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4発のワイドボディを持つ高性能旅客機だ。

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とても快適な優れた機材で、
大好きになった。

でもドイツに行くようになるまで、
エアバスを使った記憶がほとんど無い。
どちらかというと、
中華航空機の墜落事故のイメージが頭から離れず、
マイナーなイメージしか持っていなかった。

以前はMD11にも良く乗ったが、
とても繰り返して乗りたくなる機材では無く、
やっぱりジャンボが一番だった。

特に747ダッシュ400は、
スカイクルーザーと言われるほど安定性に富み、
相当な悪条件の中でも安心して飛行が楽しめた。
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ドイツに着いたらスカイクルーザーが駐機していた。
ルフトトハンザはこのエアクラフトも多数運用している。
A340ー300より一クラス大きいので、
より多くの人を一気に運べる。
彼らはスカイクルーザーとAー340をほぼ同数運用し、
ドイツのフラッグキャリアとして大空に羽ばたいている。

けれど欧州でもダウンサイジングが進み、
双発の旅客機に移行が進むようだ。

スバルも製造に関わる777や、
ドリームライナーと言われる787は、
今後の主役に取って代わるだろう。

ところで4発のA340は、
双発のA330と並行して開発されたようだ。
開発コストの低減や、
フライトさせる訓練が共有できるので、
運用コストも低いらしい。

したがって、
それらのトータル性能から、
世界中のエアラインで急激に採用が広まった。

それが一気にシェアを伸ばした理由らしい。

確かに搭乗すると良さが解る。
世界シェアでボーイングを逆転した時もあったと聞いた。

何となく最近のスバルとイメージがかぶる。

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航空機のダウンサイジングが進み、
ジャンボの後継機を開発中止したライバルに対して、
エアバスはA380を開発した。
空飛ぶホテルとも言われる巨大な航空機だ。

残念ながら乗る機会にまだ恵まれていない。
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スバルはSUVの頂点にアウトバックを据えた。
以前は海外で売るB9がフラッグシップだった。

B9に乗る機会に恵まれなかった。

日本でも売ったら面白かった。
サスペンションも専用設計だし、
後に開発された3.6LのBOXER6も相性抜群だ。

熟成を続けた6気筒エンジンは、
BR型のアウトバックに始めから搭載された。

しかし4気筒の新型エンジンがあまりにも素晴らしく、
完全にマルチシリンダーの出番を奪ってしまった。

改めて初期型のBR9を確かめようと、
爽やかなワインディングを目指してクルマを走らせた。

前方を眺めていたら、
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冠雪した南木曽岳が目に飛び込んだ。

この辺り一帯を昔から土石流が襲う理由は、
この山にぶつかった雲が大量の雨を降らせるからだ。

昨年の土石流も、
ここにぶつかった雨雲から異常な雨が降り、
突然起きた。

木曽山脈一帯は花崗岩で出来ている。

だから産業の乏しい木曽の山奥に、
この様な大規模リゾート施設も出来上がった。
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このホテル木曽路は、
長石の鉱山を営む会社によって設立された。

バブルの前に長石の生産は最高潮になった。
ここは日本有数の長石の産地でも有る。
この道路の右下には鉱山が有り、
そこに精製プラントも直結して作られた。

妻御宿は観光地としての価値が高いのに、
通過点に過ぎなかった。

このホテルが出来たので、
妻御宿の近くに大規模な宿泊が可能になった。

それが中仙道の宿場町を、
浮かび上がらせた功績を感じる。
だが似合う姿かというと、
不思議な感覚で一杯になる。

江戸時代の名残が匂う木曽山中に、
欧風リゾートを作る行為は逆向きの力だ。
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膨大なエネルギーが必要だった事だろう。
それを賄えたのは眠っていた資源を活かせたからだ。

大雨が降ると土石流が発生するメカニズムは、
中央アルプスと呼ばれる木曽山脈全体に共通する。

その南端が恵那山系だから、
中津スバルの上流も土石流の巣になるわけだ。
そこから転がり出た石は使いやすい。
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だから会社周辺を整えるのに使う。
望桜荘の前を昨年の春から奇麗に整え、
芝桜を植え付けた。
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手作業だからやむを得ないが、
少し杜撰な部分があった。
同じ川石でも、
良く見ないと、
後からとんでもない事になる。
丸の部分にある石は、
ちょっと見ただけでは他と変わらない。
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そこでは邪魔なので、
手前の方に取り出した。
隣りに玉竜も植えた。
水道管のメーターから流れる雨水の、
土留め位なら丁度よい。
ところが思ったよりも脆かった。

この冬の冷え込みは例年より厳しい。
雪に埋もれた間に姿を大きく変えた。
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あまりの変貌ぶりに驚いた。

これが「蛇抜け」の原因なのだ。
使ってみなければ解らない。
この辺りの石を、
杜撰に使ってはいけない。
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かくも脆く崩壊してしまう。
これを見た瞬間にスカイマークを思い出した。

少し杜撰な印象を持つ、
スカイマークが経営破綻した。
搭乗する機会が無かったので、
経営や運行に関してとやかく言える立場では無いが、
注目の浴び方が杜撰だと感じた。

A380のキャンセルがきっかけとなり、
経営破綻が表面化した。

ヨーロッパの連中は、
「ちょっとごめん」で済むような甘い奴らでは無い。

VWと組んだスズキがほとほと手を焼いているように、
契約は徹底して守られる。

また油断すると、
まるで冗談かと思うような、
非常識な損害賠償も要求される。

スバルも昔、
某シートメーカーに手を焼いたはずだ。
確かに良いシートだが、
もうこれから使う必要は無い。
スバル自身のサプライヤーで充分やれる。

あの手のブランドに頼らず、
自分のところでもっと凄いモノを創れば良い。
無駄なブランド料は高コストに繋がる。
今のスバルはそれを徹底して進める方が、
自分たちのためにもなるだろう。

きっとエアバスも焦っていた。
だから相手選びが少し杜撰になった。

出来上がってしまったA380を見て、
スバルと陸上自衛隊の関係を思い出した。

航空機のキャンセルはただ事では済まない。
膨大な開発費を大量生産でまかなうことが出来ないからだ。
キャンセルが続けば誰でも焦る。

エアバスはA380を買うと言ったエアラインが、
ニッポンのフラッグキャリアでは無い事を知っていたはずだ。
またその会社がLLCだと言うことも知っていた。

だが焦ると誰でも杜撰になる。

ところで最近のスバルは黄色をCIに使わないが、
スカイマークの色使いが、
安売りを連想させるからかもしれない。

スバルも相手が航空自衛隊では無く、
陸上自衛隊だから少し勝手が違ったのかもしれない。
本来なら航空機と縁が遠いが、
正面装備でヘリコプターが欠かせない。
コブラからアパッチへ移行させる必要もあった。
どちらも焦ったのだろうか。
「杜撰」な影はそういう時にちらつく。

でもやってみなければ解らない。
強烈な戦闘ヘリコプターを完成させた。

機種は違うけれど、
御嶽山の噴火でもヘリコプターが大活躍した。

有事の際に自国を守ることがどれほど重要か、
焦臭い地域で起きていることから学ぶ必要もある。

スバルの積んだ経験は、
決して無駄では無いはずだ。

エアバスはA380を作った。
その経験は次のA350で活かされる。
新世代の双発ジェットは、
ドリームライナーを吹っ飛ばす可能性も持つ。

と言う事は、
世の中がダウンサイジングに動いていく中で、
大きなクルマも作る必要がある。

数こそ減るだろうが、
大排気量エンジンが全て死滅するとは思えない。

スバルは水平対向6気筒エンジンという、
優れた資産を大切に残して欲しい。

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アウトバックの走行安定性は、
やはり素晴らしい。
この様な山道を走ると、
胸のすく思いで一杯になる。
まず静粛性で他を大きく上回る。
リニアトロニックと高トルク水平対向エンジンのマッチングも良い。
だから、吸い寄せられるように加速する。

XVにもフォレスターにも無い、
別格の味だ。

アウトバックはB4を押さえ込み、
完全にスバルのフラッグシップに収まった。
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まだ出たばかりだったリニアトロニックだが、
潜在能力の大きさに今さらながら驚く。
これがベースになって、
300馬力まで対応する、
スポーツリニアトロニックが出来上がった。
そして遂にディーゼルエンジンにまで搭載が可能になった。

改めて専用開発された水平対向4気筒エンジンの良さも解った。
可変バルブリフトをオゴリ、
トルクの出方が凄く自然なだ。
だから6発と遜色ない性能を垣間見せる。
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マッキントッシュを採用したインテリアも、
フラッグシップとしての意地を覗かせた。

この4気筒のアウトバックは、
妻が買ってくれたお菓子を思い出させる。
この和菓子は彼女にそっくりな手触りだ。
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なかなか甘えさせてくれる。

握りしめると柔らかく、
何やら思わせぶりな黒い点がある。

そっと歯を立てて、
柔らかい餅の味を楽しんだ。

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粒餡と新鮮な苺を包んだ大福餅は、
まるで豊穣な大地のようだ。
人を温かく包み込み豊かな作物も実る。

けれども和菓子のフラッグシップでは無い。

どのクルマでフラッグシップを作るのか、
スバルに課せられた命題だろう。


オレンジのフォレスターが届いた。
とても食欲をそそる良い色だ。

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ショールームに入れる前に写真を撮りたくなった。

スバルも大胆になった。
何事もやってみなければ解らない。

スバルがオレンジを大胆に使えるようになった原点は、
BEAMSとのコラボレートにある。

彼らがスバルの背中を押したと、
勝手に解釈しているだけだが。

なぜならオレンジを見た時に、
そのきっかけがいとも簡単に想像できたからだ。

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かわら版168号で、
XVとBEAMSの関連特集を組んだ。

新宿村の住人として、
ヤクルトスワローズのユニフォームにも関わったBEAMSは、
スバルともご近所づきあいをしてくれた。

凄くステキなコラボレートだった。

このフォレスターは、
ショールームに置くより、
実際にフィールドで活躍する姿が似合うだろう。

リヤから見ると、
どうしてもXVほどサマにならない。

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決して悪くは無いが車格の違いが現れる。

ハッキリした目的を持ち、
オレンジを選ぶのなら良いだろう。

XVを見てとっさにオレンジを注文したような、
深い魅力を感じさせてはくれなかった。

もしこちらに6速マニュアルがあったなら、
迷わず選んだかもしれないが。

色の見方はヒトそれぞれなので、
一つの参考になれば幸いだ。

SJ5の新旧同型が見事に揃った。
フォレスターのレポートは、
次のブログで詳しくまとめる。

これから比較テストを始めるので、
お楽しみに。
終わり

Commented by アゲイン at 2015-02-03 11:58 x
これほどまでに現行フォレスターを褒めて頂けると、
それをチョイスした私を褒めてもらってるようで
光栄です!
Commented by naka at 2015-02-03 12:54 x
こんにちは。

2007年。

今乗っている2004年式のレガシィ(2.0GT 5MT)の初回車検時に、代車として借りたのがフォレスターのエアブレイクでした。

普段乗っているターボ+MTとどのような差があるのかと乗り込みましたが、意外や意外、車体も軽くエンジンも滑らか。
特に鼻の軽さを感じました。

ハンドル操作に対してキビキビ車が動き、楽しくて楽しくて、その夜奥多摩まで走りに行ってしった事を思い出します。

Commented by b-faction at 2015-02-03 13:59
アゲインさん、今回の年改でMTが特に良いんですね。乗り比べたので良く解りました。
Commented by b-faction at 2015-02-03 14:01
nakaさん、GD譲りのシャシーでしたから。あちらが熟成する度に良くなっていきましたね。
Commented by はつ at 2015-02-05 13:31 x
社長、こんにちは!
今回は、【杜撰】がテーマですね。航空機のダウンサイジングの流れは早かったのでしょうか。B747-400ハイテクジャンボは国内で退役してしまいましたが、いろんな意味で名機でした。飛行機の世界は、インチ主導米国とミリ主導仏欧の二極化が激しいですが、日本製航空機が飛び交うのを期待せずにはいられません。FHIもMHI、MRJやホンダJETのようにオリジナル完成機を製造してもらいたいですね。
飛行機屋だからこそできるボクサーです。
それから、社長の仰るように、大排気量ENGは無くしてはならないと思います。まだ、フラッグシップと言うには物足りない気がしますがやめてしまっては元も子もない。
最後に、台湾の飛行機事故についてニュース映像見ましたがあり得ない飛行姿勢で驚きました。懸命に宅地を避けコントロールしたクルー、乗客の方々のご冥福をお祈りするとともに、この事故が何かしらの【杜撰】が原因でない事を願います。
Commented by b-faction at 2015-02-05 17:08
はつさん、こんにちは。スバルは双発機で懲りちゃいましたね。技術を温存し再び歴史に残る飛行機を作って欲しいですね。
Commented by f3.5 at 2015-02-05 21:10 x
いつも楽しく拝見させて頂いております。
記事内容には則しませんけれども現在、初めてのスバル車BM9を所有しています。
水平対向エンジンゆえに普段から疑問に感じていたことは、
エンジンオイル量をレベルゲージで確認する際、
どのタイミングで行うのが基本なのでしょうか?
例えばエンジン停止直後とか、停止10分後とか!?
経験豊かな社長さまのご教示をよろしくお願いいたします。
Commented by b-faction at 2015-02-05 22:45
f3.5さん、こんばんは。走り始める前に見ます。一度抜いて奇麗に拭ってもう一度差し込む。
表裏を確認してちゃんと着いていればOKです。水平対向だからと言ってオイルのはかり方が特別に違うわけではありません。もちろん平坦な場所でね。
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by b-faction | 2015-02-05 11:48 | Comments(8)

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