GC8と「油揚げと小松菜の煮浸し」
2009年 02月 11日
昨日は、月一回の戦略的な仕入を敢行した。
仕入れで大切にしている事は、
トレーサビリティを充実させることだ。だから、毎月欠かさず、「そこ」に行く。
自分の持つ才能が、一番発揮できる場所だとも思っているからだ。
子供の頃からスバルばかり、40数年間見続けてきたおかげで、
クルマの「様子」から、機関性能の状態を感じ取り、肌の感じや、匂いだけで、そのクルマの持っているストーリーを垣間見る事が出来る。
なんか骨董屋さんのように、聞こえるかもしれないが、
我が社はれっきとした「古物商」でもある。
ところで、普通の人は、「この不景気に?」と驚くかもしれないが、
現在の中古車仕入れ相場は、瞬間最大風速が吹き荒れ、高騰している。
したがって、安易に手が出せない。
大晦日にマグロの刺身や、
脂の乗った鰤の切り身を買うようなものだと思っているからだ。
だがそんな時に、ちょっとトレンドラインから外れたモノの中から、優れた素材を、自分ならではの「目利き」
で探し出すのもプロとしての醍醐味だ。
そういう眼を光らせると、「買って欲しい」オーラを体中から搾り出し、佇んでいる奴が必ずいるものだ。

500台近いスバルを見極めながら、歩き回るうちに、こいつに出会った。
その様子は、何となく薄汚れ、くたびれた感じだが、バージョン4であることに気づくのに
大して時間を必要としなかった。

乗り込んで、エンジンをかけると、見かけとは違って、かなりコンディションが良くいクルマだと直ぐにわかった。オーナーに愛されたクルマだと直感し、つれて帰る事にした。
一見、バンパーをこすった傷に見えるが、そこに「ストーリー」が有る。

おそらくこれは、「ドライビングランプ」か「スポットランプ」を付けた痕だろう。
ナイトランで、視界向上を求めるとは・・・・
相当運転好きのオーナーだったと想定できる。
こういう人物は、クルマのメンテナンスに絶対気を使う。
だから、リスクもあったが、300キロ以上自走して帰ってきた。
真剣に走らないと解らない事がある。
このクルマも、一般路では、気が付かなかったが、
高速道路を飛ばすと、
かなり大きな車体振動が出る。
しかし、これを「なだめながら」走るのも面白い。
そのうち、癇癪は収まり、落ち着いてきた。
エンジンオイルの確認とタイヤのエアチェックは、
行きつけのガソリンスタンドですぐに済ませる。

そのあとは、自己責任でクルマと対話しながら、

帰って来る訳だが、
こんなに楽しい事は他に無い。
そして遂に、
中津川インターチェンジの手前、3キロからのストレートで、
最盛期の走行性能が蘇った。
今回の仕入れは大成功だった。
まるで、飛行機を着陸
させるような気持ちで、ウインカーを左に出す。
5速から3速まで連続してシフトダウンし、ランプウエィに滑り込ませる。
充実感溢れる一瞬だ。
でも、たまには命がけの事もある。
ちょうど一年前の同じ2月の仕入で、極上のR2をつれて帰る途中のことだ。
フルスロットルで巡航中に、いきなり右全輪がバーストした。
パンクする事は、稀にあるが、
高速走行中の前輪バーストは、長い運転経験の中で初体験。
幸い、上手く路肩に寄せる事ができて自分もクルマも無傷だった。
また、
つい先日の7日の日曜日には、
時速×○キロで走行中に、ミッション破損。
これは、極度のエンジントラブルで下取したサンバーの、オーバーホール後の
品質確認テストで発生した。
瀕死の状態で工場に持ち込まれた「彼」は、オーナーに全く愛情を注がれていないかわいそうなクルマだった。
クランクシャフトとピストン以外は、概ね交換という大手術でエンジンは元通りになったが、トランスミッション内部にも病巣を抱えていた。いわゆる末期のがん患者のようなもので、走行テストするまで、外観からは変速機内部の異常を看取れなかった。
走り出して、なんとも手ごたえの悪いシフトフィーリングに悪寒を覚えながらルーティンワークを進めると・・・
5速が走行中に抜け始めた。
なだめながら戻る途中、聞いた事の無い「悲鳴」が車体後方から聞こえた。
シフトミスをした時などに出る、
「ギャリン」という音に混じって「バキッ」と骨が折れたような、
ホントに嫌なこれまで聞いたことの無い音だった。
幸いにも、インターチェンジまで数キロだったので、
4速で何とか工房までたどりつき、リフトに乗せたら、
それでご臨終。
今後の整備に活かせるようバラバラにして分析している。

話を元に戻そう。
やはりGC8は素晴らしい。
体にピタッとフィットした感じで、
噛み締めると、旨みのある出汁が口の中にジュッと出る感じだ。
妻の作る酒のつまみで楽しみなのは煮物だ。

このような、自然素材を生かした物が好物で、
とくに、「油揚げと小松菜の煮浸し」は僕の大好物だ。

その、油揚げに田中屋の「すし揚げ」

を使った物が特に美味だ。
噛み締めた時に、柔らかいけど、
充分な歯ごたえがあり、ふわっとした食感。
甘いコクの有るしょうゆ味が、小松菜と抜群のハーモニーを奏でる。
連れ帰ったGC8はそういう味を持っている。
早速、
内装仕上のプロ、「ミセス大鶴」の手で溜まった垢を落とす。

整備士の協力もあり、半日でバラバラになって、
とっても気持ちよさそうだ。

彼女の手にかかると、
たとえば
シートもこんなに綺麗になる。

※befor
大鶴マジックだ。

※after
暫くの間は、しっかりとリハビリして、
最高のコンディションに蘇らせ、
その経過はHPで公開していくつもりだ。
http://www.takenet.or.jp/~subaru/maintenance/maintenance_svx.htm
楽しみにして欲しい。
仕入れで大切にしている事は、
トレーサビリティを充実させることだ。だから、毎月欠かさず、「そこ」に行く。
自分の持つ才能が、一番発揮できる場所だとも思っているからだ。
子供の頃からスバルばかり、40数年間見続けてきたおかげで、
クルマの「様子」から、機関性能の状態を感じ取り、肌の感じや、匂いだけで、そのクルマの持っているストーリーを垣間見る事が出来る。
なんか骨董屋さんのように、聞こえるかもしれないが、
我が社はれっきとした「古物商」でもある。
ところで、普通の人は、「この不景気に?」と驚くかもしれないが、
現在の中古車仕入れ相場は、瞬間最大風速が吹き荒れ、高騰している。
したがって、安易に手が出せない。
大晦日にマグロの刺身や、
脂の乗った鰤の切り身を買うようなものだと思っているからだ。
だがそんな時に、ちょっとトレンドラインから外れたモノの中から、優れた素材を、自分ならではの「目利き」
で探し出すのもプロとしての醍醐味だ。
そういう眼を光らせると、「買って欲しい」オーラを体中から搾り出し、佇んでいる奴が必ずいるものだ。

500台近いスバルを見極めながら、歩き回るうちに、こいつに出会った。
その様子は、何となく薄汚れ、くたびれた感じだが、バージョン4であることに気づくのに
大して時間を必要としなかった。

乗り込んで、エンジンをかけると、見かけとは違って、かなりコンディションが良くいクルマだと直ぐにわかった。オーナーに愛されたクルマだと直感し、つれて帰る事にした。
一見、バンパーをこすった傷に見えるが、そこに「ストーリー」が有る。

おそらくこれは、「ドライビングランプ」か「スポットランプ」を付けた痕だろう。
ナイトランで、視界向上を求めるとは・・・・
相当運転好きのオーナーだったと想定できる。
こういう人物は、クルマのメンテナンスに絶対気を使う。
だから、リスクもあったが、300キロ以上自走して帰ってきた。
真剣に走らないと解らない事がある。
このクルマも、一般路では、気が付かなかったが、
高速道路を飛ばすと、
かなり大きな車体振動が出る。
しかし、これを「なだめながら」走るのも面白い。
そのうち、癇癪は収まり、落ち着いてきた。
エンジンオイルの確認とタイヤのエアチェックは、
行きつけのガソリンスタンドですぐに済ませる。

そのあとは、自己責任でクルマと対話しながら、

帰って来る訳だが、
こんなに楽しい事は他に無い。
そして遂に、
中津川インターチェンジの手前、3キロからのストレートで、
最盛期の走行性能が蘇った。
今回の仕入れは大成功だった。
まるで、飛行機を着陸
させるような気持ちで、ウインカーを左に出す。
5速から3速まで連続してシフトダウンし、ランプウエィに滑り込ませる。
充実感溢れる一瞬だ。
でも、たまには命がけの事もある。
ちょうど一年前の同じ2月の仕入で、極上のR2をつれて帰る途中のことだ。
フルスロットルで巡航中に、いきなり右全輪がバーストした。
パンクする事は、稀にあるが、
高速走行中の前輪バーストは、長い運転経験の中で初体験。
幸い、上手く路肩に寄せる事ができて自分もクルマも無傷だった。
また、
つい先日の7日の日曜日には、
時速×○キロで走行中に、ミッション破損。
これは、極度のエンジントラブルで下取したサンバーの、オーバーホール後の
品質確認テストで発生した。
瀕死の状態で工場に持ち込まれた「彼」は、オーナーに全く愛情を注がれていないかわいそうなクルマだった。
クランクシャフトとピストン以外は、概ね交換という大手術でエンジンは元通りになったが、トランスミッション内部にも病巣を抱えていた。いわゆる末期のがん患者のようなもので、走行テストするまで、外観からは変速機内部の異常を看取れなかった。
走り出して、なんとも手ごたえの悪いシフトフィーリングに悪寒を覚えながらルーティンワークを進めると・・・
5速が走行中に抜け始めた。
なだめながら戻る途中、聞いた事の無い「悲鳴」が車体後方から聞こえた。
シフトミスをした時などに出る、
「ギャリン」という音に混じって「バキッ」と骨が折れたような、
ホントに嫌なこれまで聞いたことの無い音だった。
幸いにも、インターチェンジまで数キロだったので、
4速で何とか工房までたどりつき、リフトに乗せたら、
それでご臨終。
今後の整備に活かせるようバラバラにして分析している。

話を元に戻そう。
やはりGC8は素晴らしい。
体にピタッとフィットした感じで、
噛み締めると、旨みのある出汁が口の中にジュッと出る感じだ。
妻の作る酒のつまみで楽しみなのは煮物だ。

このような、自然素材を生かした物が好物で、
とくに、「油揚げと小松菜の煮浸し」は僕の大好物だ。

その、油揚げに田中屋の「すし揚げ」

を使った物が特に美味だ。
噛み締めた時に、柔らかいけど、
充分な歯ごたえがあり、ふわっとした食感。
甘いコクの有るしょうゆ味が、小松菜と抜群のハーモニーを奏でる。
連れ帰ったGC8はそういう味を持っている。
早速、
内装仕上のプロ、「ミセス大鶴」の手で溜まった垢を落とす。

整備士の協力もあり、半日でバラバラになって、
とっても気持ちよさそうだ。

彼女の手にかかると、
たとえば
シートもこんなに綺麗になる。

※befor
大鶴マジックだ。

※after
暫くの間は、しっかりとリハビリして、
最高のコンディションに蘇らせ、
その経過はHPで公開していくつもりだ。
http://www.takenet.or.jp/~subaru/maintenance/maintenance_svx.htm
楽しみにして欲しい。

GC8は、本当に素晴らしいクルマですね。
乗っても乗っても飽きません。15年目の今も、いまだにエンジンをかけるたびにワクワクします。噛んでも噛んでも味が薄くならない感じですね。まったく不思議なクルマです。
鮮度が高いほうが美味いのはいうまでもありませんが、2年半も寝かせて熟成!?させても、旨味が落ちなかったことは驚きでした。
いつの日か、A〜G型のすべてをコレクションするのが夢です。
御社のように大事に保存して、何10年かしたら、若い世代の人を驚かせたいですね。自分が、現代になって1300Gスポーツから与えてもらった感動を再現したいです。途方もない夢ですが。
乗っても乗っても飽きません。15年目の今も、いまだにエンジンをかけるたびにワクワクします。噛んでも噛んでも味が薄くならない感じですね。まったく不思議なクルマです。
鮮度が高いほうが美味いのはいうまでもありませんが、2年半も寝かせて熟成!?させても、旨味が落ちなかったことは驚きでした。
いつの日か、A〜G型のすべてをコレクションするのが夢です。
御社のように大事に保存して、何10年かしたら、若い世代の人を驚かせたいですね。自分が、現代になって1300Gスポーツから与えてもらった感動を再現したいです。途方もない夢ですが。
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マリオさん、コメント有難う。自然食材の味の良さを感じます。
このクルマを完成させた暁には、ぜひ「味見」してもらおうと思ってます。
1300Gのマフラーもその頃完成するでしょう。繊細な味覚を感知出来る体になるため、マクドは食べず、インスタント食品を徹底的に避け、ご飯を自分で炊いて海苔や納豆や御漬物で食事しましょう。ご飯には思っている以上に良質なたんぱく質があります。日本人は米を食おう。
このクルマを完成させた暁には、ぜひ「味見」してもらおうと思ってます。
1300Gのマフラーもその頃完成するでしょう。繊細な味覚を感知出来る体になるため、マクドは食べず、インスタント食品を徹底的に避け、ご飯を自分で炊いて海苔や納豆や御漬物で食事しましょう。ご飯には思っている以上に良質なたんぱく質があります。日本人は米を食おう。
by b-faction
| 2009-02-11 23:10
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