
社員全員で朝7時半から工房を大掃除した。
今日は高いところに集中して、汚れを拭き取った。
掃除のあとの清々しさを想像すると、
前の日から皆で段取りするのも楽しみだ。
9時半を過ぎ、掃除も終わりかけた頃、
とても嬉しい来客があった。

埼玉の松井さんが
愛車インプレッサに「STIパフォーマンスパッケージ」を装着するために
遠路はるばる来てくださったのだ。
そして、欲しかったミニカーまでお土産に戴いた。

なかなか手に入らないので、涙が出るくらい嬉しかった。
インプレッサに数点のパーツを装着後、
松井さんは「車の変化が楽しみだ」と

風のように去って行かれた。
スバリストはこうあるべきだといつも思う。
自分でクルマを操る悦び。
そして、其処に行かなければ手に入らない何かを
常に追いかける楽しみ。
同じ価値観を持つものにだけ分かち合える喜びだろう。
ところで、

この見事な干し柿を見て欲しい。
「市田柿」だ。
これは、駒ヶ根にお住まいの22Bオーナー、山本さんに
この正月に頂いたものだ。
冷蔵庫に入れてあるとはいうものの、見事な美しさを
ずっと保っており、良質な果物はカビが生えたり、腐ったりしないと言うことを
証明している。
伊那谷で取れる、りんごも有名だ。
良いりんごも放っておくと、どんどん干からびて
ドライフルーツになる。
決して腐ったりはしない。
腐る果物は、
おそらく過度な化学肥料を与えて
見栄えだけ良くしたり、
農薬を散布して
人間に都合の良い商品になっているものではないか、
と常々訝しく感じている。
そういった過程を経た果物は、
醗酵するには都合が悪く、
空気中の酵母を呼び寄せたりはしないようだ。

だから良い果物は乾燥しながら醗酵し
表面にこのように美しい白い衣を身に纏う。
悪い果物はこのようにはなら無い。
この美しい市田柿と
中津川名産の「栗きんとん」をコラボレートした、
素晴らしい和菓子がある。

この御菓子を食べると、中津川を誇りに思う。
「一休」という和菓子屋の創作した
「干し柿と栗きんとん」の、

甘さのハーモニー。
今では、中津川の多くの菓子屋も、
右に倣うしかない状況になっているが、

やはり元祖は他の店を圧倒している。

先月から「圧倒的な差」を見せ付けるあるものが販売されている。

期間限定の「杣(そま)の木漏れ日」だ。
他の店が類似品をリリースするようになってから、
販売終了直前に、売り出されるようになった。
通常よりも一回り大きく、価格は据え置き。
元祖の意地を見せている。
そういう点は、
スバルの4WDシステムと他社の相違に近い。
これを食べると
違いの分かる男を思い出す。
STIの商品企画部 西村 知己さんだ
彼は酒を飲まないが、味覚は鋭く、
旨いものをよく知っている。
STIとは、何たるかを、
キチンと語ることが出来る人物だ。
STIのブランド力は、
WRCにおける苦労の積み重ねや、
これまで「Sシリーズ」
を継続してきたたゆまぬ努力の結果、
一流になったと、思っている。
その結果、今強く求められるのは
番人の存在だ。
富士重工から、
STIと称して販売される車は、
このところ益々
「半端じゃない」ものばかりになった。
森PGMなど、STIブランドのインプレッサのためだけに仕事をしている。
これは凄い事だと思う。
ところで
満面に笑みをたたえて、
森さんが誇らしげにしているが、

コンセプトAが、ついにA-Lineとして姿を現した。
正直なことを言うと、
ずっとインプレッサのSTIにオートマを出すことは反対だった。
ところが、彼は出すと言う。
しかもスペックを一切明かさず、ニコニコしているのだ
そればかりか、「MTと比較してサスセッティングなど一切変更してません」
とか「アニバーサリーの良いところなんかも全部取り入れました」
など、ニクイ言葉をどんどん発するのだ。
「まあ乗ってみてください」と自信に溢れた様子が
何も言わなくても「グサグサ」とハートに刺さってきた。
実は、AT化に批判的だった理由は
今から10年以上前、
GC8にATが追加発売されたが、
とても成功したとは言えないクルマだったからだ。
でもあえて、このクルマを購入し
シムスレーシングの助けを借りて
カスタマイジングして
当時めちゃくちゃ愉しい思いをした。
ただし
標準車でも当時280馬力がスバルの当たり前になりつつある状況下で
220馬力というスペックでは、
スポーツワゴンのSTIも含め、
なんとなく中途半端で
AT=コンプレックス。
そんな図式が頭の中に出来つつあった。
それが今でもこびりついている。
でも、森PGMのことだから、
絶対つまらないクルマにはしないだろうな、と思っていたところ、
発表されて「あっ」と思った。
富士重工の歴史始まって以来、
オートマチック車として初の「300馬力化」を達成した。
そういえば
S402は285馬力ながら、図太く超フラットトルクな2,5リットルエンジンで
オートマチック的に扱えるユニークな特性。

対するA-Lineが300馬力の高出力2.5リットルエンジンを採用して
ATなのにMT的に振り回せる、ユニーク極まりない商品だ。

実は、オートサロンに向かうときの脚に使ったのが
オヤジの乗っている名車「チューーンドバイSTI 2007」のAT。

スタッドレスを履いている唯一の高速ツアラーなので、
オートサロンの往復に貸してもらった。
久しぶりに長距離高速走行を堪能したが
STIマジックでATをチューンすると
ノーマルとこんなに違うのかと改めて見直した。
たとえば、S#モードで急減速すると
協調制御して自動的に小気味良くシフトダウン。
パドルシフトで連続的にシフトアップしても
よく言うことを聞く。
DSGだと、こうはいかないなと感心し
5速のATのスポーツシフトを磨くと
かなりいけるんじゃないかと気が付いた。
S402で高い評価を得た2.5リットルのスポーツエンジンを
インプレッサ用にドーピングし、

チューンドバイに採用した5速スポーツシフトを
GRB専用に熟成させて搭載したら、

どんな「美味しいクルマ」
になるのか。

彼の笑顔を見れば一目瞭然だ。
ATであることにコンプレックスを感じない製品が
スバルからも登場したことは、商品に幅が出来てとても良いことだと思う。
そして、冒頭の話に戻そう。
食べ物の世界を例にたとえると
自分の食生活の中で
これから、「ホンモノ」と
大量生産され安いけれど
「味が希薄」なものを区別しなければならない。
それは、ただ単純に旨いまずいの話だけでなく
食の安全性に繋がるようになってきた。
だから、旬の味を
出来るだけ自然の摂理に従って楽しみたい
それが「悦び」に繋がるからだ。
スバルのクルマ造りに当てはめると
STIの商品企画に自然の摂理を活かし、
「旬」の持つ意味を大切してほしいと思う。
市田柿と栗きんとんの
優れた甘さのコラボレートが、
なぜSTI的なのか。
体に優しく
美味しいのだ。
STIは富士重工の先鋭として
常に一歩先をリードしながら「本物の味」が分かる人のために
きちんと熟成させた作品をリリースしなければならない。
だからこそ
STには番人が非常に重要な存在として必要だと思う。
伊藤健前取締役が実現した
メーカーの生産ラインにまで入り込んで
根本的な部分
からSTIらしさを醸成させると言う壮大な試みは
「旬」の大切さを感じさせながら
永久に引き継がれてほしい。
そういう私も「旬」を感じています。(笑)
今まで車はノーマルで乗るものだと思っていたのですが、「STIパフォーマンスパッケージ」の発売で今しかないと思い立ち本日に。
追加で「STIラテラルリンクセット」も装着し、同時装着がお薦めと言いたいぐらいコーナリングでの安定感が増す、しかし乗り心地は変わらない!
まさに辰巳マジック!!!
そして、初物の装着とお聞きしましたが一発での「セッティング!」に感激しています。
左に流れるクセがなくなりました。
本当に走るのが楽しくなる~。
紅白スバル・ミニカー、喜んで頂き幸いです。
ニヤニヤ眺めながら、土曜の午後を過ごしています。
有難うございました。
S-GTをチューンドバイの味に近づけるという
楽しい仕事をさせていただき、有難うございました。
前面投影面積の少ないS-GTに、
もしSTIと同じパフォーマンスのパワーユニットを移植すると、
どんなクルマになるか。
ニュルを走らせたらこのほうが速いと
ある師匠がおっしゃったそうです。
松井さんのカスタマイズされた愛車は、
センスよくまとまって素敵ですね。
夢の中に出てくる
次のコンセプトカーを見たような気がします。
今度は一緒に「とうじそば」を食べましょう。
その詳細はまたブログで紹介します。