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三代目フォレスターのSTIバージョンを嗜む

そもそも、
背の高いSUVにSTIが関与することを、
以前から苦々しく感じている。
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パワーアップを前提に、
より研ぎ澄まされた走りを求めたいが、
これらのクルマには不向きだからね。

せいぜいハンドリングが少し変わるくらいで、
おためごかしに過ぎない。
やはり販売の主力が背の高いクルマに移行し、
やらざるを得ないのが本音だろう。

WRブルーに塗り、
ピンクのアイコンを付ければ、
お茶の子さいさいで高額車が作れる。

おっと、ピンクと言ってはダメだ。
チェリーレッドていうんだっけ?

高原に向かって、
フォレスターのtSを走らせた。

四日ほど前にアウトバックで来た時は、
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御嶽山は雲に隠れていたけれど、
この活火山も様々な表情を見せる山なので、
いつもこの場所でクルマを停めて風景を楽しむ。

写真では穏やかに見えるが、
この時は強風が吹き荒れていた。

山は恥ずかしそうに顔を隠すだけだが、
山頂は物凄い吹雪かもしれない。

フォレスターのtSで御嶽山に向かったのは、
夕闇が辺りを包んでしまった後だった。
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車両価格は345万円と、
このクラスでは考えられないほど安い。

最新のチューンドバイSTIだが、
その名前を無理やり「tS」とこじつけ、
手軽に衣替えした馴染めない名称だ。

これはチューンドバイと略称された、
「Tune by STI」を、
tSのイニシャルに簡素化しただけで大した智慧は使われて無い。

専用設定の足回りと、
初めてリヤサスペンションに装着されたドロースティフナーが、
舌の肥えたドライバーを魅了するのか、
はたまた落胆させるのか。

背の高いクルマに、
STIの名は相応しくない、
そう主張している以上、
本気で乗り尽くして確かめる必要がある。

だから購入して味わう事にした。
tSがどれほどの本気で作られて、
その実力はどれほど凄いのか。

文句を言うのはその後だ。

本気で走らせるように、
覚悟を決めてフォレスターのtSを買った。

そもそも高速道路を連続走行するならば、
フォレスターはベストマッチとは言えない。

それにも関わらず、
買った理由は以下の通りだ。

1.まず初代からフォレスターが大好きだ。
2.インプレッサベースなのでWRXの様なフォレスターが時々生まれる。

tSがホンモノならば、
久し振りに感動を味わえるだろう。
先日のSUBARUオークションに出品された、
この伝説のフォレスターの再来となるはずだ。
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フォレスターSTI2 タイプMは、
連れて帰るに値する名機だが、
他のコンペティターに奪い取られた。
お見せできないのが残念だ。

tSがタイプMを超える事が出来るだろうか。

発売前にSTIと情報共有した時に、

「色はWRブルーにしました。
社員からもショールーム映えすると好評です。
降ろして乗りますが、
もし気に入らなかったら覚悟しろ(冗談です)」

やんわり恫喝した。

そしたら返事が来て、
「ハンドリングと乗り心地は、
辰己の魂が込められて素晴らしいですが、
それでも社長のお気に召さなければ、
当分方針は変わりませんのであきらめて下さい」
と書いてあった。

諦めて下さいかぁ、
こりゃあ、軽くいなされたな。

それが自信の表れなのだろう。
確かにお値段は安いが、
一つ間違うとバリュー路線の範疇に入る。

これは本体のスバルが歩む道だね。

STIは本来ならばプレミアムなクルマ作りを目指し、
ホンモノのスバリストを唸らせるクルマ作りに励むべきだ。
結局のところ、
このご時勢で、
理想だけ振りかざしても飯は食えないって事かな。
あくまで推測だが、
実は一年ほど前から奇妙な「違和感」が漂い始めた。
だから機会ある毎に、
諦めることなく提言を続ける。
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さあ、
美しいブルーのフォレスターを試す。
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開田高原を巡るコースなら、
一周走らせるだけで、
いとも簡単にクルマの素性がわかる。

おおよその結果は想像できる。
クルマはしっかりと仕上がっているはずだ。

辰己さんが味付けしたなら、
理屈抜きで気持ちが良いだろう。

上下のダンピングが程良く抑えられ、
硬めの脚でもピョンピョン跳ねないはずだ。

助手席に座ると特に感じる。

以前の事だが助手席にむっちゃんを乗せ、
高原のワインディングを攻めた時、
クルマ酔いに強いはずの彼女が、
珍しく酔ってしまった。
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17時少し前、
薄暗くなった中津川を出発し、
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降ろしたてのフォレスターで開田高原に向かった。

19号線を左に折れ開田に向かう。
その前に新しく出来た道の駅で休憩した。
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宵闇でも際立つ美しいフォルムで、
WRブルーがSUBARUらしさを象徴した。

全くクルマが走っていない、
高原のワインディングロードを、
慣らしを兼ねて軽く攻める。

やはりステアリングギヤ比は、
ダルで物足りない。

もっとクイックな方が好みだけど、
フォレスターベースだとここが限界なのだろう。

三岳から開田に抜けて、
右側にcafe KAZEが見えてきた。
ひとやすみしよう。
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さっそくギャラリーが集まったので、
降ろしたてのフォレスターtSをお披露目した。

マスターのお気に入りは、
左右シンメトリカルなエキゾーストパイプだ。
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この店の自慢は美味しいココアだ。

それで暖を取りながら、
マシュマロを薪ストーブで焼きながら食べた。

これが実に美味しいのだ。

マスターは朝から晩まで「トムソーヤ計画」を続けたらしい。
それは店の隣にある大きな樹木に、
ツリーハウスを取り付ける事だ。
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これはツリーハウスと言うような単純な小屋ではなく、
もう立派な別荘じゃないか。

プロ裸足だね。
今度ここに泊まらせて貰おう。

kazeに別れを告げ、
更に奥を目指すと、
かなり激しい山岳路が続く。
中間地点に到達し、
いよいよここから中津川に戻る。
気温は氷点下4度だ。
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基本的にこれまでエクシーガやレガシィに設定された、
過去のtSと同じように、
ステアリングに対して素直に応答するクルマだ。

クルマがお辞儀したり、
ロールしようとする姿勢をうまく「いなす」から、
とても気分良く走る事が出来てストレスが無い。

かと言ってそれら二つのクルマと全く同じでは無い。

元々三代目フォレスターは、
NAバージョンにしろ、
ターボの上級モデル「Sエディション」にしろ、
高速領域の走りにおいて、
どう贔屓目に見ても飽和状態だ。
(他社のSUVに比べればはるかに優位だけどね)
その代わりラフロードでは抜群の走行性能を発揮する。

そのオンロードにおける飽和状態の走りを、
辰己マジックで巧みに中和させている。
彼を仙人と呼ぶ人が多いのは、
このような理由からだ。

まさに押さば引く、
引かば押すのタイミングで、
シャシーがプッシュプルのハーモニーを奏でる。

ローリングとピッチングを、
まるでサテライトから引っ張るように緩和させる、
不思議な中和力が働くのだ。
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とにかくコーナリングが気持ち良い。
フォレスターの走行姿勢に乱れが無い。

御嶽に別れを告げた。
数日前とは打って変わり、
風も無く穏やかな夜だった。

とても青い月に辺りを照らされ、
御嶽山がまるで水に浮かんだように、
その幽玄な姿を現していた。

この時に「逆さ御嶽」が現れた。
クルマを停めてフォレスターを見たら、
WRブルーの車体に御嶽山が映っていた。
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二つの明かりの下に、
逆さになった御嶽山が映り込んでいる。

肉眼で見た姿は、
もっと素晴らしくて、
目に焼き付いたまま消えない。

WRブルーのボディが引き寄せた、
絶好のチャンスだった。

2010年12月19日午後9時7分の記事を再構築。

Commented by マツダパンダ at 2010-12-18 21:06 x
個人的に非常に楽しみです! 現行フォレスターには座ったことがあるだけで運転したことはないので、社長様の感想は今後の資料となると思いますから。
Commented by b-faction at 2010-12-18 22:56
マツダパンダさん、こんばんは。
語る時間が足りず、とりあえず画像をお楽しみ下さい。

凄くいい車で気に入りました。
ATを望む人には文句なしです。
Commented by Willy Jr at 2010-12-18 23:26 x
今日は朝日の写真を撮りに行くといって、自宅近くで走りを楽しんできました。(笑
コレクションの為にWRX STI tsパンフレットを貰いに。。。

走りが楽しくなるワクワクする車は良いですね♪
それに美しい、逆さ御嶽♪

今度、ココアで釣ってCafe Kazeに行って見ようかしら。
Commented by 日下部 at 2010-12-19 06:16 x
お久しぶりです。フォレスターはかっこいいなぁって思ってましたが、やっぱ今見てもかっこいいですね。僕も今から御嶽にスキーをしに行ってきます!
御嶽の効能を得てきます!
Commented by b-faction at 2010-12-19 07:07
Willy Jrさん、おはようございます。
kazeは洋風メニューが豊富なので、洋食党には魅力あるでしょう。
僕は掟破りの「居酒屋」として愛用してます(笑)
奥さんとタイチ君をぜひ連れて行ってあげて下さい。
ツリーハウスはもうすぐ完成です(マスターたちの手作りです)
Commented by b-faction at 2010-12-19 07:10
日下部さん、おはようございます。今日は風も無く絶好のスキー日和ですね。楽しんできてください。
昨日もいっぱいのスキー客でkazeは賑わってました。
また遊びに来て下さい。26日以降なら日下部さんに試してもらっていいですから。
Commented by GH3 at 2010-12-19 16:51 x
やっとフォレスターtSが見れるんですね!
近いうちにお邪魔させていただきます!
Commented by b-faction at 2010-12-19 20:28 x
GH3さん、こんばんは。
23日から24日迄の2日間だけ他の場所に行きますので
ご注意下さい。
後は大丈夫です。室内も渋いし走りも最高です。
Commented by detto at 2010-12-20 10:59 x
はじめまして。いつもブログを拝見させていただいております。
SF-SGとフォレスターNAでした。逆さ御嶽、きれいですね!
NAにはない、エアインテイクが鏡のごとく作用したのだと推測しております。
Commented by b-faction at 2010-12-20 12:37
dettoさん、始めまして。
ドキッとするほど綺麗でした。
答えの方は惜しいですね。
正解はルーフの中央部分を使いました。苦肉の作です。
でも、ほぼ正解とさせて戴きます。
チコチコを贈りますので、非公開コメントかメールで住所、氏名、電話番号をお知らせ下さい。
Commented by マツダパンダ at 2010-12-20 13:51 x
あのバイパス(?)との合流地点の写真は、驚愕ものです。中和した足回りですか。全く持って、スバルの潜在能力には脱帽です。いいですね。
MTの現行フォレスターにあの足回りがつけば、自分の悩みは解消されそうです。
ただし、最近はエクシーガも気になっていたりします。CVTがチェーン式でしたっけ?あのロンドンタクシーのような外観も結構好きだったりしますから。
Commented by b-faction at 2010-12-20 19:04
マツダパンダ さん、こんばんは。
いつもそうなんですが、Sを乗る前には、一切の論評や
カタログさえも可能な限り見ないようにしています。

もともとラフロードで飽和状態にならないように設計されていますから、
今度のチューニングで、
そのあたりに影響が全く無いのも
凄い事だと思います。

kazeの駐車場から全開でダッシュしたときに思いました。
マスターには申し訳なかったけど。

多人数で使うなら
絶対エクシーガが良いですよ。
Commented by mtontake at 2010-12-21 07:18 x
先日白い車も青い車も偶然すれ違いました
こちらは軽トラ「地元の足はもっぱら軽トラです」だったんで判らないはずです
今度はサンバーのストライパーですれ違いたいですね
逆さ御嶽は私も昔何度かやってまして、そのときは車ではなくゴーグルのミラーレンズでやってました
Commented by b-faction at 2010-12-21 10:58
mtontakeさん、鋭い観察力、さすがですね。
白い車ならまだしも、青いほうまで目撃されるとは、参りました。

電光石火の早業のつもりだったのですが(笑)
サンバーならすぐ解るし、
例の秘密兵器も存在感抜群ですものね。
癖の強い味を持つものほど、
「ハマル」と手放せませんね。
逆さ御嶽の先輩のご指導を基に、次は夜ではなく
夕暮れを狙ってみます。
今回、偶然に撮影できたのですが、
新車のため鏡面状態なのと、
ブルーの塗装のマッチングが良かったのでしょうか。
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by b-faction | 2020-04-05 14:15 | フォレスター | Comments(14)

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