続編:「自動車開発と人間の造った自然環境の類似点」
2011年 05月 21日

ルクラが新発売になって
あっという間に一年たった。
なぜかこのクルマを正当に評価する機会を逸していた。
ようやくルクラで長距離を走る機会が来た。
それでその前に
どうしても試しておきたい事があった。
15日の日曜日に
R2のスーパーチャージャーを100キロほどテストした。
これにはわけがある。
このクルマは、小型車並みの走行性能が味わえる。

加速感
操縦安定性
制動能力
どれをとっても軽自動車のカテゴリーでは
一流だ。
ところがそれがかえって「仇」となりその後の富士重工のクルマ造りにおける、
大きな流れの変化の
きっかけになったクルマだ・・・と実は密かに思っている。
この車を境にして
スバルの陰陽がきわめて明確になり始めたからだ。
これは
決して悪い事ではないが、
注意しないと行き詰まると感じている。
R2の特にレアなピスタチオグリーン。
このタイプのSには
めったにお目にかかれない。
そして
もう一台、とてもハイセンスな色だと思う
レディッシュモーブの4WD
をコレクションしていた。
つがいで展示していたのだが

こちらの相棒が先に嫁いだので、
健康状態を確かめつつ
約100kmほど
中津川リンク「オールドコース」で試した。
前輪駆動車ならではの
軽快さで久し振りに初夏の陽気の中を気持ちよく走れた。
こうして改めて眺めると、
なかなか面白い
洒落た色だと実感できる。
R1も含め、軽自動車には不似合いな、
プレミアムな世界を持っている。
そして翌日の16日、
初めてルクラを
300キロ以上走らせた。

ルートは
中津川から埼玉県の越谷まで
高速もあれば
都内の一般道路も走り
新宿の高島屋の駐車場にも入れてみた。
背高ノッポの割りに
直進安定性が
素晴らしく良いのに感動。

何よりも凄いのは
広い室内空間。

越谷の叔父にルクラカスタムを購入してもらったので
慣らしながら納車し

ニコニコ顔の二人と一匹に挨拶して
関東平野を後にした。
ルクラ、
なかなか便利なシティランナバウトだ。
いいじゃないか。
こういう、シャトレーゼのお菓子のようなクルマ。
気負わずに乗れて、
とってもバリューだ。
さて、
帰りの足は下取のサンバーディアスワゴン4WD
17年式のスーパーチャージャーだ。

最新技術で造られた軽自動車のあとで、
いくら伝統のフルフレームの4輪独立サスを持つ
農道のポルシェ
といえども
命がけのドライブだ(笑)
ほとんど同じ年式の
R2と乗り比べると
同じスーパーチャージャーでも
天地の差がある。
黄砂なのかスモッグなのか
霞んでいる建設中のスカイツリーを
左に見ながら

とってもナーバスなディアスワゴン4WD スーパーチャージャーを
山の手トンネルにもぐりこませると
全く動かない渋滞に巻き込まれる。
集中工事かと思いきや
トラックが立ち往生。

日頃の点検をしっかりやってもらいたいと
つくづく思う。
ただでさえ疲れる車なのに
渋滞でストレスが溜まり
右腕が妙に痛い。
しかも
このクルマの場合、
特に高速道路では
ひとつ間違ったら、
死に至り易い。
発表当時はこのカテゴリーで
トップクラスの安全性を誇っていた。
エアバッグはサテライト方式を採用し
しかも運転席は標準装備。
ドミンゴ譲りの
Y字型フレーム構造は
6人乗りとしてドイツに輸出するぐらい
高い安全基準を満たしていた。
しかし、さすがに古さを否めない。
重い割には全方位安全
とは言えないのも事実なのだ。
従って、しっかり緊張感を高める必要がある。
そうするとどうしても
癒しを求めたくなる。
それで例の場所に寄り道した。

今月の11日にもアウトバックで東京に出張した。
その時は激しい雨も降っていた。
ところが、
あのクルマは疲れと言うものを感じさせないので
今回のように
どうしても開田高原に
寄りたいと思わなかったが
今日は
如何ともし難い。
でも毎月、東京を短時間で往復していると
季節の移り変わりが敏感に感じ取れるようになるので、
本当に楽しい。
中央自動車道は
起伏に富み、
自然の豊かな中を走るので、気分も最高だ。
四季折々の情景が
その瞬間ごとの彩りを添えて、
スクリーンに飛び込んでくる。

そして移動にあわせて
季節がピョンピョンジャンプするので、
リピートして楽しめる(笑)
ここ木曽馬の里には
こぶしの花がまだ残る。
また4月の陽気に逆戻りしたみたいだ。
ブルーベリーも芽吹いたばかり。

眠くなるので
朝から一切何も胃袋に入れず、
楽しみの場所にやってきた。

中西屋だ。
蕎麦を食べながら
「あるじ」と語り合うのも
とてもオツで更に蕎麦の味が冴える(笑)
腹がいっぱいになったので
高原を散策する。
ダイスケの丘の白樺が芽吹いている。

向かう先は当然コナラの木と木曽馬のところだ。
先ず病状が深刻なコナラに面会する。
どれほど酷いか分析してみた。
下の二枚の写真は

2008年の4月16日に台風のような春の嵐が、
この開田高原を襲った直後の様子だ。

木の周りにおびただしい枯れ枝が散乱し
何が起きたのかと心配になった頃だ。
海綿不朽菌の影響で、
立ち腐れしていく恐ろしい前兆が現れていた。
そもそも海綿不朽菌が無かったら
大変な事になる。
枯れた木が土に帰らず、あたり一面ゴミの山と化す。
こういう菌類がいるおかげで
役目を終えた樹木が土に帰るのだ。
じゃあ、なぜ生きている木にこいつが取り付くのか。
これは、人間に当てはめると
ガンのようなものではないだろうか。
免疫力が弱まり、本来なら木が持つ自然の力で
菌類を寄せ付けないはずなのに、
内部でどんどん増殖し崩壊させてゆく。

この原因は根にあると樹木医さんは睨んだようだ。
全く同意見だ。

この画像は2008年の12月10日の様子だ。
それにしても
数年間でこれほど酷く悪化して、
見る見るうちに弱ってきているのに
助けようとしている人たちを行政は阻害しているらしい。
芝生を剥ぎ取る事に許可も出さなければ
予算もつけないのだ。
二宮さんが、ちょっとだけでも剥がさせてほしいといっているのに
それさえ許されぬようでは、
この木も間も無く命を失うだろう。
下の二枚を見て欲しい。

これが現在の根の周りと、部分切除された南側の幹だ。

その痛々しさを証明する為に
ここが良く見える峠に登る事にした。

上から見ると一目瞭然の光景だった。
昔は大地に根を張り
土の表面の下で行なわれる
醗酵から生まれるミネラルを
水分と共にたくさん吸収していただろうに
見かけは美しくなった公園だが
木の周りはビッシリと芝に覆われ
養分どころか酸素さえ欠乏しているに違いない。
人間にとって見た目が良い事でも、
植物にとって不都合なことはいっぱいある。
ここに
自動車開発との共通性を感じる。
特にスバルのこのところの開発姿勢が
極めて良く似た状況に写る。
レガシィがマイナーチェンジした頃に、
更にこの部分を詳しく分析してみたい。
さてコナラに話を戻す。
この木の生命は行き詰まっている。

暗い気持ちになったので

今年生まれた子馬に会いに行った。

眠いのかちょっともこっちを向かない。
しかし、この姿勢と角度が
本当にぬいぐるみのようでむちゃくちゃ可愛いんだ!
余りしつこく呼ぶので

「ちょっと、あんた、いいかげんにおしよ!」と母親がガンを飛ばしてきた。
なので、ここを切り上げ
もうひとつのとても心配な出来事を
調査分析しようと、御嶽山に足を向けた。
と言うのも
東京に向かう前日の日曜日、
R2をテストした直後のことだ。
本田さんからこんなメッセージが届いた。
「開田は、ようやく遅い春を迎えて、桜が満開です。
そして、山菜のシーズンが到来し、タラの芽、アサツキを戴ける季節にようやくなりました。
コナラの進展は今のところありませんが、少しずつでも前に進みたいと考えております
また、相談いたします。
種まき爺さんは、先週の大雨で姿を現しましたが、種まき爺さんの背面に大きな
雪崩の跡が見えます。かなりの規模で、雪が茶色に変色しており、一部土砂の
崩落も伴っているものと思慮しております。
異変の前触れではないかと心配もしております」
聞き捨てなら無い話だ。

ここは現在標高おおよそ1100メートルだ。
東京の海抜ゼロ地帯から移動してきたので
右上に表示された1日における標高差が1100メートルと出ている。

ここでは霞んでいる事もあり良く解らないので
やまゆり荘の辺りまで移動する。
更に600メートルほど高い場所だ。

ここから雄大な御嶽を眺めたら
異変はすぐにわかった。
S字のような大きな傷跡が出来ている。
開田でもこんな事を見た事が無い人が多いらしい。

この傷跡の左側は剣が峰だ。
いわゆる一番高い場所で3067メートルを誇るパワースポットだ。

一昨年から昨年に掛け、御嶽山の魅力に更に取り付かれ
何度か登ったが
頂上を目指すと

左側には噴煙の噴出口があり、

その奥には地獄谷がぱっくりと口を開け

まさにここは活火山なのだと実感できる。
頂上から見るとそこから右の方に一之池がある。

ほとんど水が溜まる事のないこの池の更に右方向に
コバルトブルーの美しい水を抱く

弐之池がある。
この池が先週の大雨で溢れると同時にもし崩落したなら
あの恐ろしい傷跡がなぜ出来たのか納得できる。
それにしても、何としてもまた登ってみよう。
あの美しい池と山小屋や貯水タンクが
無事であることを祈りたい。
そして、大切な癒しの場である
この滝も無事であることを祈って止まない。

どう考えても、あの濁流は、
このあたりに、

続いているような気がするからだ。


ただ、リアから見た感じが余り好みではなかったんですよね。R1のリヤスタイルなら良かったんですが。
しかし、最近設計の軽自動車は本当に優秀ですよね。シートとかも昔に比べたら、雲泥の差を感じます。
R1がもしリッターカーとして発売されていたら、
ある意味、本当に欲しかったスバル1000の再来になっていたでしょう。
決して水平対向エンジンにコダワル必要も無く、
良いFF車としてもっとたくさん売れたと思います。
その意味でも軽自動車の4気筒戦略は
長い目で見て成功したとはいえないと思います。


私の先輩が、そのモデルが軽自動車枠で発表されたとき、憤慨していましたから覚えています。「あんなに横幅を縮めたら、デザインが崩れる。おれ、デザインモデルで市販されていたら、欲しかったのに・・・。」とか言ってましたっけ・・・。だけどその先輩のお父さんはアウディA3からR1に乗り換えて、楽しく年金生活されているみたいです。
大体、ジャスティって水平対向だったのかなと思います。エンジン形式は余りこだわる必要は無いかもですね。
なんかエンジンとか専門家でないと分からないですが、気筒数が多いから日常生活に役立つとは限らないみたいですね。バブルの時1.8リッターや1.6リッターを6気筒化したエンジンが流行りましたけど、今は皆無(?)ですし。ダイハツなんかは2気筒に戻りつつあるみたいですし。

5MTのディアスワゴン4WDスーパーチャージャー持っています
エコ的な意味もあってメインに使用していますが
「ナーバス」という表現、妙に納得しました。
良い部分も多いんですけどシャトレーゼとは対局かもですね。
同時にR2にとっても興味が湧きました。
プロトタイプのR1は本当にカッコよかったですね。
ボクも正直なところ、ホントにほしいのは「アレ」です。
以前は群馬のビジターセンターに飾ってありました。今はスバルアカデミーにあるのかな。いずれにせよザパさんのデザインしたものはどれも素晴らしいですね。外装も内装も。
それを理解できる日本人が少ない事が残念です。あっアメリカ人もそうかな。
彼のコンセプトは「バリュー」と対角に位置するのかもしれません。
真意を汲み取っていただけてとても嬉しいです。
見方を誤ると誤解を招く内容ですので。
R2はそもそもFWDが面白い。
R1もそうですけどね。
横置きエンジンだから駆動損失も少ない。
その点ではインプレッサやレガシィより有利です。
今後とも宜しくお願いします。

行政訴訟ものになるかも。名古屋で友達が弁護士をしているので、相談してみましょうか?
ちょっと、過激なことはさておき、子馬への母馬の愛情が感じられて上記写真は楽しかったです。
私も、馬ではないですが、小さいとき子牛をいじっていたら、母牛に角ではじかれました。痛かったです。目の下に当たっただけで済んだので、失明はしませんでしたけど。
爺さんが和牛を飼っていたので、近くにそんな環境がありました。懐かしい記憶を思い出してしまいました。

近年の芽吹きより1週間ぐらい遅かったような気がします。
先週の水曜日はまだ膨らんでいただけでした。
木曽馬は本当に穏やかで、
そういう点はとても癒されますよ。

当方D社版ルクラを所有していますが、先日ひっそり生産終了となったようでビックラッコ(笑)です。ゆったりとした雰囲気で普段使いには申し分ないのですが…、一所有者としては非常に残念ですね。
D社版はモデル廃止でしょうが、ルクラには何となく次期型があるのかなぁと感じています。
御嶽山、早く事態が収束して、記事中の画像のような以前の姿に戻って欲しいです。
廃止になって相場が上昇し驚きました。良いクルマなのにスライドドアじゃ無いからと言う理由でブレイクしませんでした。トレンドを掴むのは難しいですね。
ボクは御嶽登山をオウンリスクで、危険を承知の上で楽しんでました。
エネルギーがあるから惹きつけられました。
実際にこの頃トレンドラインに乗りつつありました。
それが結果的に大きな被害と悲しみを生んでしまいました。
そっとしておくべき山になったのだと思います。
この山へのチャレンジはピリオドを打ちます。