
プレスディも混雑したが
更に多い黒山の人だかりだった。
平日でこの調子だから最終日はきっと更に盛り上がることだろう。

徐々に展示物も変更され、
新しい発見もあり、とても有意義だった。
岐阜スバルの一行をツアーガイドしてきた。

土岐泉店と関店の店長をはじめとする、
若手の有志たちだ。
彼らの愛社精神は素晴らしい。
そして
スバルを少しでも自分の身内も含めた
肌身に近いところへ浸透させようと言う
熱心な意欲を感じた。
岩田社長からも、よろしくとの依頼を受け、
ガイドにも気持ちがこもる。
東3号館は、初めて来ると少し解りにくいので、
スバルブースを中心にポイントを説明した。
今後の商談にぜひ役立てて頂きたい。

とりあえず、今回の出張の成果は後日報告するとして、
前回のブログの続きを
紹介したい。
BRZはクーペだ。
だから久しぶりにサッシュレスドアが復活した。
三角窓がある。

この部分は以前ならドアミラーガゼットだった所だが、
ドアミラーを新型インプレッサと同じくドアパネルに直付けしたので、
ガラス入れ替えることで前方視界を確保している。
このボディもSIシャシーなのだろうが、あえて名乗らない。
サッシュレスを捨てSIシャシー化したからだろう。
ドアガラスはようやくポルシェのように、
開けるとわずかに下がり、閉めるとスッと上昇して、
空気の反発による閉まりの悪さを解消した。
座ってみた。

発売を楽しみにして欲しい。
もうムフフフフ・・・・・・なのだ。
モーターショーでも順番待ちに長蛇の列が出来ている。
トヨタブースとは違い、
スバルでは座れるように配慮が行き届いている。
11日までまだ十分時間はあるので
ぜひ座ってみて欲しい。
クーペ好きにとってありがたいのは
乗り降りのしやすさで
SVXやインプレッサのtypeRで苦労している身にとって、
天国のようだ。
サイドシルもこれまでのスバルと異なる。

メーターはシンプルで

目覚めさせてみる。

こんな場所でエンジンをかけるような
唐変木にはなりたくないので
クラッチを切らずにそっとプッシュスタートスイッチを押す。

この頃のクルマはスピード感が無いので、
タコメーターの横にデジタル速度計があるとありがたい。
インパネ装飾はトヨタと異なる。
R2で驚くほど鮮烈に感じたメタリックパネルが付く。

この人は、

イスタンブールから来たディストリビューター。
トルコでも発売前から大勢の人が待ち望んでいるらしい。
幅が広いので、むさくるしい大男と一緒に走る時も、
肘が触れ合わない室内幅だと言うことが、
これで実感できた。
大いなる収穫だ。
BRZの後姿は、
バッジ以外トヨタと共通だ。
しかし、フェイスはガラリと違う。
ただ、心配なことが一つだけあったので、
実際にその部分の様子を、どうしても自分自身の手で確かめたかった。
それは、
灯火器だ(笑)

コの字になったポジションランプが端だ。
ちゃんと綺麗に点灯する。

これなら納得だ。
各社ともエコや軽自動車に傾注する中、
スバルとトヨタが夢の共同開発を進め、
両者の社長の肝いりで、お互いの最強の技術を隠すことなく出し合い、
難産に難産のうえ、ようやく辿り着いた「愛の結晶」だから、
世間の耳目が集まって、当然といえよう。

この開発が明らかになった当初から、
素晴らしい事業だと感心し、それに対して陣頭指揮を取る、豊田章男ファンになったことはお伝えしてきている。
そして、今はトヨタに塩を送り、
スバルは一歩控えて、
ホンモノを愛する人、あるいはスバルが好きで好きでたまらない人にだけ、
正しい布教活動を発信していこう、と言うのが持論である。が、
それに対してヒステリックな反応も多かった。
先日も、前国内マーケティング部長だった名古屋スバルの栗原社長と激論を交わした。
「スーパーGT参戦など時期尚早」という意見を伝えると、
彼にとって、腹に据えかねる内容らしく、
かなりご機嫌を損ねたようである。
しかし、もう一度あえて言いたいが、
スバルにはスバルらしい売り方が必要なクルマで、
今から焦らずともじっくり大切にBRZを育成し、
トヨタの申し出が無かったら、この世に誕生しなかった「愛の結晶」を、
母親のような目で育むべきだ。
父親役を、きちんとトヨタに担わせるためにも、
大和ナデシコらしく、一歩陰に下がると値打ちも上がるように感じる。
しかし、スバルは全開で行くようだ。

従って、始まったものは応援する。

特別にコックピットを観察させていただく。

この最新ウエポンの凄いところは、
全てSTIの手により製作されたことだ。
彼らの口からはっきり聞いたので間違いない。
これまでのように競技車を外部の組織に作らせるのではなく、
STI自らがやれる力を備えた。
ココが一番の見所だ。

生産車の印象を色濃く残すテールランプ。

サイドビューに誇らしげにBRZと刻まれている。

以外にあっさりとしたロールケージの奥に
操縦席がある。

BRZは全てスバルが開発したようなものだが、
トヨタが居なければ、この世の中に生まれてくることは無かった。
相手もあれだけスバルを立ててくれるのだから、
むきにならず、余裕を見せて、
まず、しっかりトヨタに売ってもらって、スバルはそれで潤うことが大切だ。
また、スバリストには本物を知る人間が多い。
ということは、むきにならなくても、真実を追い求めるものは必ずスバルにやってくるはずだ。
会場で、運命の出会いのようなものを感じる人物に会った。
彼が生みの親だと直感したが、間違ってはいないと思う。
増田PGMやトヨタの多田さんがひのき舞台に立つのは当然だ。

しかし池田さんに初めて会った途端、何か言いようもないオーラを彼から感じて意気投合した。
凄い男だ。
こういう人材がスバルに居る以上、何も焦る必要は無い。
またスバルが放つ「新世代のFR教」を世界に発信するこの熱い男が居る。

グローバルマーケティング本部の安宅さんが放つ、その論理的で雄弁な「BRZ愛!」は、今後の各国で新たなスバルの境地を開拓する布教活動に生きる事だろう。
話は変わるが、モーターショーに行く直前に、思わぬニュースが飛び込んできた。
トヨタが正式な車名として「86(ハチロク)」を公表したからだ。
これには本当に参った。
モーターショーの会場では、スバル関係者の中にも「へんてこな名前だ」と言う人がいたけれど、
とんでもない勘違いだ。
それにしても、考えれば考えるほどトヨタは流石だなと、
tSを自由気ままに操りながら、帰る車中で唸りっ放しだった。
BRZは素直なネーミングで気に入っているが、「86」という名前との差は、
決定的に大きい。
自動車を売る量に比例する、
トヨタの背後に存在する圧倒的な文化の差だと感じている。
それを使いこなす
豊田章男のセンスは大した物だ。
「ハチロク」には「フジヤマ」や「スキヤキ」と一緒で一発でイメージを感じさせる何かがある。
それも圧倒的な国際感覚だ。
ハチロクの一言で世界に向けてライトウエイトスポーツを閃かせる・・・、
そこをきちんと押さえ、あっさりと実行出来るところが、
トヨタのものすごい力量だと、改めて実感した。
持っている文化の量の差なのだ、とまざまざと感じた。
中島の血を引くスバルなら、太平洋戦争が如何に無謀なものだったのか良く解っているはずだ。
あまりにも力量に差のある相手と、真っ向勝負する必要は無い。
焦らず、あわてず自らにふさわしい道を歩もう。
我々はまだまだ、この分野ではコドモなのだ。
もっと、リアルワールドで勉強してから、じっくりと持ち味を活かすように
スバルはBRZを売るべきだ(その内容には深い意味があるが)。
ネーミングの差からも伺えるように、既にトヨタは海外で「ハチロク」を日本の文化として定着させている。
客観的に見て、更に我等がなすべき仕事は、
スバルだから実現できたFRスポーツの、
正確な走らせ方まで周知しなければならない。
中津スバルとしては、
走り方のレクチャーまで含めた
パッケージとして、
BRZを息の長い戦略で販売し続けたいと思っている。