幻の蕎麦に通じるインプレッサの旨味
2011年 12月 18日
インプレッサ SPORT 2WD 1.6i-L
通称型式GP2A52C TOC
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1465
ホイールベース(mm):2645
トレッド前/後(mm):1510/1515
車両重量(kg):1260
サイズ的には全く変わらない。
ホイールベースが20ミリ伸びた。
スポーツはセダンのG4に比べ165ミリ短い。
これも以前と変わらない。
ドライブトレーンは大きく異なる。
水平対向4気筒1.6リットル DOHC 16バルブ デュアルAVCS
内径×行程(mm):78.8×82.0
圧縮比:10.5
最高出力 85kw/5600rpm
最大トルク148N・m/4000rpm
最新型CVT(リニアトロニック)
燃費も凄いことになった。
20.0km/l (JC08モードでは18.8km/l)
主要装備は
キーレスアクセス&プッシュスタート 本革巻ステアリング&セレクトレバー HIDロービームランプ クリアビューパックなど付いていて
お値段は驚きの
1,785,000円(消費税込み本体価格1,874,250円)
待ち焦がれたインプレッサ スポーツが届いた。
初めて乗った印象を率直に伝えたい。
食べるほどに味わいが深まるような、素晴らしく美味なクルマだ。
100キロほど走らせたが、エンジンやミッションのフィーリングだけでなく手に触れるもの全てがスムーズだ。
更に、このクラスの乗用車には無いクオリティを持っている。
その事は真っ暗な夜間のドライブで更に実感できる。
昼間の走行より、あらゆるシーンで神経が研ぎ澄まされるので、
質感は「ヒトの5感」に敏感に反応する。
4代目の水平対向4気筒SOHCエンジンを搭載したレガシィより
数段上の仕上がりに感じる。
走行フィールにおいて
特筆すべきことは2つある。
まずフロントサスペンションの自由度が大きくなり、良く動くので実に気持ちよく段差の衝撃を吸収する。
例えばクルマが動き始め、歩道やマンホールを乗り超える時に、
これまでのインプレッサより、遥かに抑揚が効果的に抑えられ乗り心地が良い。
次にクルマの運動性能の点で大幅な向上が認められる。
リヤサスペンション全体が軽くなったように感じ、極めてスムーズにコーナーを駆け抜ける。
そして現行の5代目のレガシィよりハーシュネスが良いと感じる。
ハーシュネスと言うのは遮音性のことで、
振動やノイズに関しては当然レガシィが素晴らしく良いのだが、
突起を乗り越えたときなどの遮音性に関して、
今度のインプレッサは抜群の素質を持っている。
また、ドアの開閉も極めて楽に出来るし、
ハッチゲートを閉める時のフリクションが徹底的に軽減されていて、
楽になったことに凄く好感が持てる。
やはり閉鎖された空間で試すだけでは解らない事がたくさんあり、
乗れば乗るほど、噛めば噛むほど濃い味がジュルジュルと滲み出してきそうだ。
この車を高速ワインディングの昇りで走らせながら
なぜかBRZの走行フィールが予感できた。
photo:Y.Yamamoto
86ミリのボアとストロークでスクエアに設計された
BRZ専用エンジン「FA20」の特性はFB16とは全く異なるだろう。
ところが「おそらく近い味がするんだろうなぁ」と思った理由は、
リヤサスペンションのサブフレームを見たからだ。
全体の形は似通っていても、前のインプレッサとは異なっていた。
通常のフルモデルチェンジなら、キャリーオーバーされても全く不思議ではない。
なのに、
なぜここまで細部が見直され徹底的に適正化と軽量化が図られたのか。
ここからは全くの推測だ。
違っているかもしれないが、なぜか自信がある。
それは、
アクスルハウジングもきちんと鋳物で作られ逞しさがある。
レガシィのマイナーチェンジでの出来事のように、
華奢にならなかった。
この頃の傾向に習い
ピローボールブッシュも積極的に採用され、
きちんと動く良い足になっていた。
頭に閃いたのは、
BRZの存在だ。
共用化を目指した事で、インプレッサの開発と共に良い影響を互いに享受出来たのだろう。
そのためリヤドラムブレーキという、前時代的なシステムも霧散した。
インプレッサのために開発された新型CVTはステップ比が小気味良く、
動きも早いので、多段式のフルオートマチックにより近い、
ナチュラルでスポーティーなフィーリングになっている。
このトランスミッションには、まだまだ隠し玉がたくさん存在するのだろう。
細部を見れば見るほど驚かされる。
またその事は詳しく語りたいが、コンパクトで軽量な設計を極めた理由は、
インプレッサに乗せるためだけではなく、その次を視野にいれ設計されたと見て間違いない。
フロントデフへのアウトプットをこれまでとは全く違う位置に持ってこれたのは、
コントロールバルブをトランスミッションの上部に移動したためだ。
しかしこれだと重力の法則に反し、オイルが自然に下がってこないので、
オイルバスという、風呂桶のような構造にする事で、安定した油量を保てるようになっている。
そして特筆すべきことは、これまでとは異なるチェーンバリエーターを採用したことだ。
これが
ショートピッチタイプのチェーンバリエーターだ。
ドイツの名門シェフラー社にあるルークブランド。
かのバン・ドーネ・トランスミッシー社も今ではルークの中に吸収され、
その遺伝子がこの優れたチェーンを生み出した。
一つ一つのチェーン構成部品を短く締結する事で、プーリーに当たる時の角度が緩くなるため、
伝達効率が更に向上するだけでなく静粛性の向上にも大幅に寄与した。
したがって、CVT自体の発するノイズはレガシィのリニアトロニックよりかなり少ない。
新エンジンFB16の印象は昨年フォレスターでFB20とE-4ATを組み合わせて味わった印象と、
全く次元が違うと思う。
ここまで新エンジンの特性がはっきりと出ていなかったからだ。
しかし、
さすがスバル。
一年間でネガを徹底的に潰し更に研ぎ澄まされた。
既にG4のアイサイトも注文してあるので、
2リッターとリニアトロニックが大幅に軽いボディと組み合わされたらどうなるのか、乗るのが楽しみだ。
吉永社長、
そして
竹内PGM、
最新のインプレッサ、
おおいに気に入りました。最高です!!!
こんな素晴らしいインプレッサを開発してくれてありがとう。
彼らの率いる「乗りに乗った」スバルは、
やはり只者では無い。
男の執念を感じる。
これこそスバルの底力だ。
2012年に向けスバルの今後はますます楽しみだ。
ところで、幻の蕎麦ってナンだって?
ここまで来てそう思う人も多いだろう。
これが何かを明かすことは
ブログ上では避けたい。
かわら版を楽しみにして欲しい。
そこにヒントがある。
通称型式GP2A52C TOC
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1465
ホイールベース(mm):2645
トレッド前/後(mm):1510/1515
車両重量(kg):1260
サイズ的には全く変わらない。
ホイールベースが20ミリ伸びた。
スポーツはセダンのG4に比べ165ミリ短い。
これも以前と変わらない。
ドライブトレーンは大きく異なる。
水平対向4気筒1.6リットル DOHC 16バルブ デュアルAVCS
内径×行程(mm):78.8×82.0
圧縮比:10.5
最高出力 85kw/5600rpm
最大トルク148N・m/4000rpm
最新型CVT(リニアトロニック)
燃費も凄いことになった。
20.0km/l (JC08モードでは18.8km/l)
主要装備は
キーレスアクセス&プッシュスタート 本革巻ステアリング&セレクトレバー HIDロービームランプ クリアビューパックなど付いていて
お値段は驚きの
1,785,000円(消費税込み本体価格1,874,250円)
待ち焦がれたインプレッサ スポーツが届いた。
初めて乗った印象を率直に伝えたい。
食べるほどに味わいが深まるような、素晴らしく美味なクルマだ。
100キロほど走らせたが、エンジンやミッションのフィーリングだけでなく手に触れるもの全てがスムーズだ。
更に、このクラスの乗用車には無いクオリティを持っている。
その事は真っ暗な夜間のドライブで更に実感できる。
昼間の走行より、あらゆるシーンで神経が研ぎ澄まされるので、
質感は「ヒトの5感」に敏感に反応する。
4代目の水平対向4気筒SOHCエンジンを搭載したレガシィより
数段上の仕上がりに感じる。
走行フィールにおいて
特筆すべきことは2つある。
まずフロントサスペンションの自由度が大きくなり、良く動くので実に気持ちよく段差の衝撃を吸収する。
例えばクルマが動き始め、歩道やマンホールを乗り超える時に、
これまでのインプレッサより、遥かに抑揚が効果的に抑えられ乗り心地が良い。
次にクルマの運動性能の点で大幅な向上が認められる。
リヤサスペンション全体が軽くなったように感じ、極めてスムーズにコーナーを駆け抜ける。
そして現行の5代目のレガシィよりハーシュネスが良いと感じる。
ハーシュネスと言うのは遮音性のことで、
振動やノイズに関しては当然レガシィが素晴らしく良いのだが、
突起を乗り越えたときなどの遮音性に関して、
今度のインプレッサは抜群の素質を持っている。
また、ドアの開閉も極めて楽に出来るし、
ハッチゲートを閉める時のフリクションが徹底的に軽減されていて、
楽になったことに凄く好感が持てる。
やはり閉鎖された空間で試すだけでは解らない事がたくさんあり、
乗れば乗るほど、噛めば噛むほど濃い味がジュルジュルと滲み出してきそうだ。
この車を高速ワインディングの昇りで走らせながら
なぜかBRZの走行フィールが予感できた。
86ミリのボアとストロークでスクエアに設計された
BRZ専用エンジン「FA20」の特性はFB16とは全く異なるだろう。
ところが「おそらく近い味がするんだろうなぁ」と思った理由は、
リヤサスペンションのサブフレームを見たからだ。
全体の形は似通っていても、前のインプレッサとは異なっていた。
通常のフルモデルチェンジなら、キャリーオーバーされても全く不思議ではない。
なのに、
なぜここまで細部が見直され徹底的に適正化と軽量化が図られたのか。
ここからは全くの推測だ。
違っているかもしれないが、なぜか自信がある。
それは、
アクスルハウジングもきちんと鋳物で作られ逞しさがある。
レガシィのマイナーチェンジでの出来事のように、
華奢にならなかった。
この頃の傾向に習い
ピローボールブッシュも積極的に採用され、
きちんと動く良い足になっていた。
頭に閃いたのは、
BRZの存在だ。
共用化を目指した事で、インプレッサの開発と共に良い影響を互いに享受出来たのだろう。
そのためリヤドラムブレーキという、前時代的なシステムも霧散した。
インプレッサのために開発された新型CVTはステップ比が小気味良く、
動きも早いので、多段式のフルオートマチックにより近い、
ナチュラルでスポーティーなフィーリングになっている。
このトランスミッションには、まだまだ隠し玉がたくさん存在するのだろう。
細部を見れば見るほど驚かされる。
またその事は詳しく語りたいが、コンパクトで軽量な設計を極めた理由は、
インプレッサに乗せるためだけではなく、その次を視野にいれ設計されたと見て間違いない。
フロントデフへのアウトプットをこれまでとは全く違う位置に持ってこれたのは、
コントロールバルブをトランスミッションの上部に移動したためだ。
しかしこれだと重力の法則に反し、オイルが自然に下がってこないので、
オイルバスという、風呂桶のような構造にする事で、安定した油量を保てるようになっている。
そして特筆すべきことは、これまでとは異なるチェーンバリエーターを採用したことだ。
これが
ショートピッチタイプのチェーンバリエーターだ。
ドイツの名門シェフラー社にあるルークブランド。
かのバン・ドーネ・トランスミッシー社も今ではルークの中に吸収され、
その遺伝子がこの優れたチェーンを生み出した。
一つ一つのチェーン構成部品を短く締結する事で、プーリーに当たる時の角度が緩くなるため、
伝達効率が更に向上するだけでなく静粛性の向上にも大幅に寄与した。
したがって、CVT自体の発するノイズはレガシィのリニアトロニックよりかなり少ない。
新エンジンFB16の印象は昨年フォレスターでFB20とE-4ATを組み合わせて味わった印象と、
全く次元が違うと思う。
ここまで新エンジンの特性がはっきりと出ていなかったからだ。
しかし、
さすがスバル。
一年間でネガを徹底的に潰し更に研ぎ澄まされた。
既にG4のアイサイトも注文してあるので、
2リッターとリニアトロニックが大幅に軽いボディと組み合わされたらどうなるのか、乗るのが楽しみだ。
吉永社長、
そして
竹内PGM、
最新のインプレッサ、
おおいに気に入りました。最高です!!!
こんな素晴らしいインプレッサを開発してくれてありがとう。
彼らの率いる「乗りに乗った」スバルは、
やはり只者では無い。
男の執念を感じる。
これこそスバルの底力だ。
2012年に向けスバルの今後はますます楽しみだ。
ところで、幻の蕎麦ってナンだって?
ここまで来てそう思う人も多いだろう。
これが何かを明かすことは
ブログ上では避けたい。
かわら版を楽しみにして欲しい。
そこにヒントがある。
Commented
at 2011-12-19 02:29
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2011-12-19 02:30
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
b-faction at 2011-12-19 06:57
佐々木さん、ありがとうございました。シェフラーは名門ブランドだと、今回つくづく感じました。
0
Commented
by
なべ田
at 2011-12-19 19:09
x
お待ちして居りました。
的確なレポートと技術的な考察何時もながら恐れ入ります。
とにかく全ての質感が素晴らしく気持ちいい
走りだけではなく居住性や使い勝手の利便性にまで細かい配慮がなされた本当に良く出来た車だと実感して居ります。
富士重工というメーカーの持つ力は本当に凄いと思います。
ここまでやって来るなんて・・もう本当に最高!です。
未だに乗るたびに興奮と感動が!!
週末はスバルを選んでもらえなかったお客様に
あえて乗って頂きましたがとても良い感触を得て居ります。
戦えますよ!この車は!!!!
的確なレポートと技術的な考察何時もながら恐れ入ります。
とにかく全ての質感が素晴らしく気持ちいい
走りだけではなく居住性や使い勝手の利便性にまで細かい配慮がなされた本当に良く出来た車だと実感して居ります。
富士重工というメーカーの持つ力は本当に凄いと思います。
ここまでやって来るなんて・・もう本当に最高!です。
未だに乗るたびに興奮と感動が!!
週末はスバルを選んでもらえなかったお客様に
あえて乗って頂きましたがとても良い感触を得て居ります。
戦えますよ!この車は!!!!
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b-faction
at 2011-12-19 21:26
x
なべ田さん、凄いですよね。一昨日から社員が交代で家に乗り帰りしていますので、僕はお預けの状態です。
またテストしてみますが、今日はかわら版作りに明け暮れました。BRZに集中して原稿を作成してたので、頭の中はBRZのドライブシュミレーションで一杯です。
またテストしてみますが、今日はかわら版作りに明け暮れました。BRZに集中して原稿を作成してたので、頭の中はBRZのドライブシュミレーションで一杯です。
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by
なべ田
at 2011-12-19 23:43
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これだけ素晴らしい車が出て来たのですから
今回は連投をお許しください(笑)
スタッフの皆様が交代で日常でお使いになること素晴らしいです。
きっと体感したスタッフの皆様の数だけ御社ならではの説得力ある言葉をお客様に伝えられるのでしょう。羨ましい限りです。
インプレッサがここまで来れば次なるBRZは・・・
日本の車のレベルが劇的に進化するこの瞬間・・・・
こんなエキサイティングな時がこの時代にやって来るは!!
今回は連投をお許しください(笑)
スタッフの皆様が交代で日常でお使いになること素晴らしいです。
きっと体感したスタッフの皆様の数だけ御社ならではの説得力ある言葉をお客様に伝えられるのでしょう。羨ましい限りです。
インプレッサがここまで来れば次なるBRZは・・・
日本の車のレベルが劇的に進化するこの瞬間・・・・
こんなエキサイティングな時がこの時代にやって来るは!!
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b-faction
at 2011-12-20 07:15
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連投歓迎です。なべ田さん。
僕も感動のあまり、かわら版連投です。昨日は158号の原稿作成で一日が終わりました。157号でインプレッサ、続く158号でBRZを懇親の力で紹介します。
僕も感動のあまり、かわら版連投です。昨日は158号の原稿作成で一日が終わりました。157号でインプレッサ、続く158号でBRZを懇親の力で紹介します。
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by
マツダパンダ
at 2011-12-22 22:10
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ご無沙汰しています。何よりもここでのインプレッションを楽しみにしていました。丁寧な説明、ありがとうございます。購入意欲がわきました。
昔、MTで運転を覚えたせいでMT車にまた乗りたいと思っていますが、CVTの出来がよければ、CVT車も良いと思っているのです。
そうなると、今度のインプレッサはグレード選定で迷いますね・・・。
つうか、早くローンを組める人間になろう・・・。
昔、MTで運転を覚えたせいでMT車にまた乗りたいと思っていますが、CVTの出来がよければ、CVT車も良いと思っているのです。
そうなると、今度のインプレッサはグレード選定で迷いますね・・・。
つうか、早くローンを組める人間になろう・・・。
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b-faction
at 2011-12-23 07:37
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マツダパンダさん、お久しぶり。勉強頑張ってますか。1.6のi-Lか2リットルのアイサイトのSが良いと思いますよ。
by b-faction
| 2011-12-18 20:17
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Comments(9)