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BRZの「Z」を深く考える

東京モーターショーで
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BRZのプロモーションの中身を知った瞬間、少し違和感を覚えた。
最初に感じたこの違和感は一体何だったのだろう。
振り返ってみたい。
初めてBRZの広報資料を見たとき「Z」を明確にゼットと読ませた。
フェアレディZの米国における呼称が「ダッツンズィー」であることは、古い人間なら良く知っている。
どうもこの辺りから、米国英語風の発音に、
ゼットの持つ本来のニュアンスが、風化を始めたのだろう。

黒木メイサの新曲名と「BRZ」を掛け合わされて「不条理」を感じた。
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なぜなら「BRZ」はビー・アール・ゼットであり、
「米国英語」風のビーアールズィーでは無い。

BRZはこれからのスバルの行方を占う
重要な存在だ。

なので「Z」には深い深い意味があると思っている。

スバルがトヨタと組んだことを、快く思っていない人も相変わらず多い。
勝手に子会社になったと勘違いしている人も居る。
業務提携と企業買収や第三者割当増資は全く異なる。

この提携を発表した直後から、
「最高の組み合わせ」だと高く評価してきたが、
今でもその思いは変わらない。

もう誰も組もうとしない「ミツビシ」や「ホンダ」を見ると
その差は歴然としている。
また、
同じ時期にGMと袂を分った「スズキ」が、
VWと組んで手痛いしっぺ返しを受けたことは、
クルマの好きな人たちならば先刻ご承知のことと思う。

21世紀に入り、どこの業界にも共通した、
巨大産業生き残りを掛けた椅子取りゲーム。

勝ち組はしっかりと結果を生むが、
残ったモノは、貧乏くじやハズレくじを引かされる。

トヨタと組む効果と、
それゆえに生ずる比類の無い緊張感を想像しながら、
BRZの名前に込められた意味を全く独善的に解き明かしていこう。

これ以降は、軍需に絡む話題を好まない人は、
読みたくない内容でもあろう。
従ってそのような人は読まないで欲しい。
また、
富士重工の広報が聞いたら、
絶対にそんな事は無いというかもしれない。

従って以下の内容は、時代考証や実際に出てきた資料や設計図などを元にした、
100%推察なので、
それだけは承知しておいて欲しい。

ここに重要な宝物がある。
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初代STI社長 故久世隆一郎氏から頂いたものだ。
最初で最後、一度だけお会いした時に、
「私は世界各地で色々な人にお会いしますが、その時々に差し上げているものなんです」
と仰っていた。

アドミラル東郷と読める。

東郷提督に関わる、
「勝って兜の緒を締めよ」を英文化して印刷した、
久世さんオリジナルの扇子だ。
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1905年5月27日、
日本海軍は当時の列強ロシアの誇るバルチック艦隊と日本海で戦火を交えた。
歴史に残る日本海海戦である。
その時、連合艦隊司令長官だった東郷平八郎
連合艦隊の旗艦「三笠」のマストに、Z旗(ぜっとき)を掲げた。

Z旗とは、中世の頃から船舶の通信に用いられる国際信号旗の一つだ。

アルファベットの最後であるZ旗を掲げることで、
東郷平八郎は、決戦の意を全体に伝えた。

そして、あの有名な
「皇国の興廃この一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」の決意と共に海戦の火蓋は切られた。
皇国をスバル、一戦をトヨタとのアライアンスと置き換えてみて欲しい。

世界中をあっと驚かせたこの戦いの劇的な勝利により
日本の名は世界中に轟き渡る。

それ以降、第二次世界大戦で連合艦隊が事実上消滅するまで、
決戦時には必ず旗艦にZ旗が掲げられるようになった。

久世さんの大切にしていた、「勝って兜の緒を締めよ」も、
今のスバルにはとても重要なキーワードだ。

トヨタという「金持ち喧嘩せず」の代表のような企業と組むということで、
自社の持つ極めて優秀な技術を更に磨ける。
そればかりか、
その販売力に頼ることで楽な商売も出来る。

そこに油断が生じる。

従ってこういう時こそ、慎重且つ丁寧で、長いスパンの戦略が必要になる。
焦るな焦るなと盛んに言いたくなるのはそういう理由からだ。
油断して失敗するとどれほど恐ろしいことになるか、ダイハツを見れば分る。
絶対に殺しはしないが、自由に飛翔できる日はもう来ない。

そこに「Z」という文字を使って戒めとしているのだと解釈した。

もう一つ、大きな意味があると思う。
それは「必勝戦策」の存在だ。

昨年暮れに公開された「連合艦隊司令長官 山本五十六」という映画のおかげで、
彼の名が話題の中心に出ることが多くなった。

奇しくも山本五十六の初陣は東郷平八郎率いる日本海海戦だった。

太平洋戦争が真珠湾攻撃から勃発し、
緒戦は勢いの良かった日本も、
ミッドウエー海戦での大敗を境に戦況は大きく悪化していく。

そして山本長官が、
ソロモン諸島で米軍の戦闘機で狙い撃ちされ、
壮絶な最後を遂げると、
ただでさえ国力の差が目立ち始めた戦局は、
一気に守勢へと傾斜した。

1943年4月18日に山本長官を失ってからの日本は、
日々劣勢を極めていく。

そもそも山本五十六は、太平洋戦争の開戦に対し否定的であったとされている。

実は富士重工の前身である中島飛行機の創設者、
中島知久平も彼と同じように日本の資源や工業力の大差を危惧していた。

元軍人だった知久平が、退役してまで航空機製造に拘った理由は、
いずれ航空戦力が戦略の大勢を占めると読んでいたからに他ならない。

従って太平洋戦争における劣勢は、
常に当然の事として知久平の眼に映っただろう。

開戦前からアメリカの航空戦力に鋭い目を向けていた知久平は、
B-29やB-36の開発進行情報を極秘に入手し、
B-29襲来の時期を1944年と予測した。

そして、その危機意識から、
軍部に対して巨大戦艦を中心とする戦略から、
航空機(重爆撃機を含む)を主軸に置く戦略への変更を申し入れたが、
そこまでの戦勝気分が抜け切らない彼らは、
決して耳を貸そうとしなかった。

そこで知久平は中島飛行機単独で「必勝戦策」を練り上げていった。
この存在を知らない富士重工業の役員は居ないはずだ。

大きく分けて4つの概要から成り立っている。
1.日米の軍事生産力の歴然とした差をどのように埋めるのか。
2.アメリカ国民に精神的物質的打撃を与え、戦争意欲を消滅させたい。
3.戦闘機の追跡を許さない速度で米国本土爆撃を可能とさせる6発重爆撃機が必要だ。
4.両国の運命はそれとB-29あるいはB-36のどちらが早く実戦配備出来るかで決まる。

と言うものであった。
その大論文がまとまったのは山本五十六の戦死から4ヶ月経った1943年8月だった。
このように、
必勝戦策の核として「Z機」構想は生まれたのである。

Z機は、超重爆撃機のことを指すと言われても、
ピンと来ないだろう。
B-29より遥かに大きな巨人爆撃機は、
主翼の面積だけで350平方メートルある。

それは既に4発の陸上攻撃機「連山」の開発で実用化されていた、
2000馬力の「誉」を更に5000馬力までチューンして搭載した「超弩級」の爆撃機構想だった。

「戦闘機王国中島」が開発した、世界にも例の無い、
小型軽量で高出力な究極の「戦闘機用発動機」
「誉」を、
左右の翼にそれぞれ3基ずつ搭載して
6発超重爆撃機とすることで、
なんと航続距離1万6000キロを最高時速680キロで飛ぶと言う。

それが後に「富嶽」として具現化していく。
これは、国を憂い、敗戦の惨禍を未然に防ごうとした知久平の大構想であった。
米国本土を日本から爆撃するための、「究極」の兵器は敗戦と共に幻に終わった。
これが、Zに対する強い想いとして、
潜在意識化に横たわっている。

従って、はあくまでもゼットであり、
安易に何でも「ズィー」となると不快感を覚える。

さあ油断しないように、気持ちを引き締めながら、
更に楽しい情報を提供して、
沢山のスバリストやスバラーと喜びを分かち合いたい。

黒木メイサを好きか嫌いか、と言われれば
無責任に感じる今回の行動で、
すっかり嫌いになってしまった。
Commented by suzume33000 at 2012-02-17 16:49 x
ずるーい 続きを〜 メーターの意味も社長のお言葉で教えてほしいです(ターボ無しでも260キロ近く出るということでしょうか?)
社長は以前、トヨタととても良い関係で開発出来たとおっしゃっていましたが、こと販売に関してはスバルはどのような戦略を取るのでしょう?トヨタと差別するために黒木メイサで女性にアピールしているのでしょうか?
Commented by b-faction at 2012-02-17 17:17
suzume33000さん、こんにちは。
どういう広報活動をするつもりだったのかは良く知りませんし、トヨタとの差別化についても詳しいことは見た限りでしか知りません。軽さは性能だし空力がかつて無いほど素晴らしい(CD値0.27)ので、高速でも相当の実力があると思います。ただ、最高速度は知りません。
結論、凄いクルマです。
待ち望んでいた「新世代」のFRスポーツで、これまでなかった味です。
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by b-faction | 2012-02-20 21:14 | Comments(2)

毎日の活動やスバルについてご紹介します


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