水平対向4気筒自然吸気直噴エンジンの快感を楽しむ

トヨタの誇る直噴ガソリンエンジン技術「D4-S」も素晴らしいが、
この存在なくしてBRZは語れない。
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通称「かちわりコンロッド」
見ての通りバキンと割られている。

水平対向6気筒3.6リットルエンジンの開発で編み出された、
とても大胆かつロジカルな製造方法だ。

この面白い部品はコネクティングロッドという、
ピストンとクランクシャフトを繋ぐ重要な部品だ。

決して不良品ではなく
わざとバキンと割ったものだ。

エンジンの幅を大きくしないで、
ストロークアップをするために編み出された技の一つだ。

見慣れないものなので
何かさっぱりわからない人もいるだろう。

イメージを伝えよう。
メル・ギブソンを覚えているだろうか。
レガシィのイメージキャラクターにもなった男優だ。

彼の刑事ものの映画で、
絶体絶命のピンチを、
自ら肩の骨を脱臼させて逃れるシーンを覚えていないか。

まさにあのような、
逆転の発想だ。

エンジンを組み立てるときに、
固いエンジン構成部品を
斜め下から挿入するには無理があるので、
差し込む直前に「バキン」と割る。
そして、
差し込んで組み付けたらボルトで締める。

割れ方には一つ一つ違いができる。
当然同じものを組み合わせればどれもぴったりくっつく。
だから合わせピンもいらなくて、整合性もばっちりだ。
だからそのままボルトで締めてもズレ無いのだ。

凄い作り方だろう。

新世代ボクサーエンジンには、
すべてこの製法が使われており、
高性能化とコスト低減の両方に大きく寄与している。

BRZに用いられている「かちわりコンロッド」は、
その中でも特に専用設計された軽量タイプだ。

これをなくして、BRZは成り立たない。

が、

これを「めしべ」だとすると、受精するためには、
「おしべ」の花粉に相当するものが必要だ。

その二つが結びつかないと実を結べない。

後述するが、
その花粉、人間でいえば「精子」に相当する部品がある。
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長く寒い日が続いた。
ようやく春のポカポカ陽気が訪れると
待っていましたとばかりに桜のつぼみが膨らんだ。
なんとなく山桜の蕾はエロティックだ。
急な気温上昇は休眠打破になったようで
望桜荘の桜は一気に眠りから覚め、
まるで樹木全体が発情しているように赤く染まってきた。

先週のさくら祭りには間に合わなかったが、
次回はもう少し楽しんでもらえることだろう。

月曜から出張に出かけていた。
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ここは、中部地方のとある場所だ。
BRZをフルテストしたように見えるだろうがそうではない。
この話はまた後日じっくり紹介するとして、
翌日は関東方面で重要な仕事に取り組んだ。
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南アルプスを眺め
反対を振り返ると
八ヶ岳が望める素晴らしいSA。
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ようやく慣らし運転も終わり、
6000rpmまで使うようになって、
官能的なサウンドのとりこになりつつある。
RAにも装着されているサウンドクリエーターには
色々な意見があろうが、そのおかげで走りがよりリズミカルに演出される。

サウンドを体で感じ
クルマの縦軸の動きを
おしりで察知しながら、
ワインディングを走る楽しみを、ぜひ知ってもらいたい。

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仕事を終えほっと一息である。
ローソンで900円ちょっとで購入したワインだが、
プライスレスな雰囲気が超リーズナブルプライスのホテルで味わえた。

サウンドクリエーターは、
ちょうどこんな面白い演出だと思えばよい。
5000円弱で宿泊できる清潔で新しいホテル。
そこにコンビニで購入したスパークリングワインを置くだけで
こんな雰囲気がいともたやすく演出できる。

翌朝、八王子バイパスを過ぎる頃になると、
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雨が降り始めた。

国道16号線沿いには、
実験的な目的を持った出店が目立つ。

とにかく入れ替わりが激しいが、
ここで生き残れば日本全体への出店も期待できる。
そういえば昨年北陸で食中毒を出した焼き肉店も、
あの事件が起きる直前にこの近くに出店した。

今では違う店に様変わりしているが
オープン直後に真っ暗になっていた店を見て、
非常に胸が痛んだ。

そんなある意味、登竜門の場を提供するような雰囲気を持った土地柄だ。
従って相当厳しい競争を強いられる。

初めて見るラーメン屋がオープンしていた。
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ユニークな店構えだ。
開店時間には早すぎて味わうことができ無かったが、
挑発的な演出である。
黄色を使うのはアグレッシブな証拠だ。
人間が本能的に一番嫌う色を、
逆にアイキャッチとして利用する、確信犯的な色の使い方と言えよう。

長く繁盛することを願いながら
楽しそうなラーメン屋を後にした。

ただしBRZには全く不似合いな佇まいではあった。
というのは、
BRZに過剰なトッピングは不要だ。
麺とスープだけでも抜群にうまい。
ただでさえ、ラーメンは稲庭うどんや開田の蕎麦と違い、
素の味がよくわかるものではないので、
余計に不釣り合いなのだが、
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このようにスープが決壊したり、
ニンニクが崩落するような強烈な味ではない。

本来の目的の一つとして、
クルマ業界全体の息を吹き返させるために、
アフターパーツも百花繚乱にトッピングさせようと
トヨタらしい戦略も絡んでデビューしたFRスポーツだが、
想像以上に出来が良いので、
業界の方々には申し訳ないがトッピングは不要だろう。

その理由は、舐められないクルマ作りに邁進したこと。

スバルの得意な軽量化を徹底的に進めている。

次にトヨタの資金も使えることで、スバル単独ではとてもできないような
太っ腹な開発ができている。
特に過去に懲りたことがある
持ちつけない金を持つことによって引き起こされた無駄遣いをしないように、
厳しい監督のもとで、
きわめてロジカルに設計開発が進められたと想像できる点だ。

その結果、
想像以上の完成度を持って誕生してしまったということだろう。

BRZも誕生して
大切な時期だ。
そう考えたら、またあの場所に行きたくなってしまった。
もう一度この子に会いたいと思った。
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トヨタのおかげで生まれたクルマなのだから、
繰り返すようだが、
しっかりをしないといけない。

私の産んだ子よ」と、
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いくら母親が胸を張ろうとも、
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甲斐性のある父親がいたから、良い子がお腹にできたのだ。
そこを十分認識して販売活動に邁進しようと再認識した。

わが手に収まるトヨタの子種を見てほしい。
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これがトヨタ直系のレクサスGSに先駆けて
BRZに採用された、
直噴D4-S専用に開発されたピストンだ。

実際に触れて、もし見たとしたら、この美しさ、軽さを感じ取った瞬間に、
なぜ過給機は一切不要だと断言したか、解ってもらえるだろう。
燃料噴射の形状に合わせて造作されたピストンヘッドは、
まさに芸術的だ。

ちなみにこちらは、少し古典的になった
EJ20のマスター4が登場する前のピストン。
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ビッグボアであるが故の大きなピストンは、
頑強ではあるが芸術的ではない。

このような技術の結晶をいともたやすくスバルは入手し、
保障された背景の中で最高の作品を生み出した。

それが素の味の良さに繋がった。
絶賛する理由はそこにある。

いくら商売でスバルを売り
スバリストであっても、
めったに満点を付けることはないが、

BRZには現在のところ100点満点を与えて何の迷いもない。
だからこそ、我々の日ごろの仕事に対しても
気合を十分入れ、気を引き締め注意が必要だと
改めて思った。

さっそく中央自動車道に向かった。
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いたるところで桜が満開になっていた。

インターチェンジに入り
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メーターを見たら16℃もある。
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アグレッシブなラーメンではなく、
素材のうまみを生かした食べ物に恋い焦がれるこの頃だ。

再び釈迦堂遺跡博物館を訪れて、
縄文食のレシピのおさらいもしたい。

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こんな風に大規模な発掘作業が行われた釈迦堂遺跡。
高速道路の建設に先立ち
昭和56年に発掘が始まった。
現在その場所に造られた資料館には膨大な資料が納められている。
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綺麗な黄色に映え渡る「レンギョウ」に迎えられながら
2週間ぶりに足を入れた。
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イベントも開催されているので一度立ち寄られたらいかがだろうか。
入館料200円は安い。
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桃源郷として名高いこの地域一帯には桃がたくさん栽培されている。

今でも思い出し懐かしいのは、
学生時代に友人の運転でこの地区を走る国道20号線を東京に向かっているとき、
ついうっかり助手席で眠りにおち
ふと目覚めると満開の桃の花に囲まれていた。

夢かと思った、あの瞬間を一生忘れることはできない。

いよいよ桃のつぼみも膨らんできた。
見ごろは22日だと、
近くに売店を構えるお姉さまからお聞きした。
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さて、詳しく見ていなかった
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縄文食の材料をおさらいしてみたい。

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彼らの生活は、実に自然なことで、
天からの恵みを集め加工して食していたのだ。
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しかし、この見事な土器がそのための道具だけだとは
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到底思えないところに
縄文時代のロマンがある。
さてこの道具と言える縄文土器が、
群馬製作所の太田本工場といえよう。

自動車の生産も
このように複雑な工程を経ている。
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こうした分析結果から考えると
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クヌギの実は
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さしずめ水平対向エンジン。

シラカシの実は
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フリントサスペンション。

トチの実は、
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リヤサスペンション。

ナラの実は
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リヤクロスメンバー。

クリは
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アルミ製のフロントフード。

カヤの実は
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まさにスバルとしか思えないコクピットの操作系。

ヒメクルミは、
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ブレーキシステム。

クルミは
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SVX由来の樹脂製燃料タンク。

このようにスバルの持つ素敵な素材で彩られた、
まるで縄文食の逸品ようなクルマが
BRZだ。



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園内の桜も満開だった。
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目的を果たしたので
クルマを西に向けた。

それにしても、大したクルマだ。
低速域の直進性はインプレッサをしのぐ素晴らしい安定感だ。

まあスポーツカーだし、
200万円台が最低価格だから
格が違うといえども、この安定性は秀逸だ。

しかも燃費が良い。
走り方でクルクル燃費が変わるインプレッサに対して、
実に変動が少ない
結局今回も最終的な燃費はリッターあたり13キロで、
一番悪い時でも11キロ台になることはなく
ほとんどぶれなかった。

伊那インターで高速道路を下りて
権兵衛トンネルを抜けると木曽路だ。
そこを北に折れ御嶽山に向かって駆け上った。
まだ軒下には雪が残り
寒々としているが、ここの空気はやはり格別。
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昼食には少し遅かったが
開田高原まで何とかたどり着きクルマを停めた。

素材の味を満喫するために。
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このような蕎麦湯を楽しめるところは
そんなに多くない。
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椀にたっぷりと注いだ中に
出汁を注ぎ込んで
大胆な味わい方ができる、
開田高原ならではの逸品だ。

満腹になったのでBRZに戻る。
ここの気温は5℃。
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下界との気温差
なんと11℃!
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ヘビーウエットなターマックを思う存分攻めた後、
無事帰着。

今回のトータル距離。
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オドメーターの表示は
ついに3000キロを超えた。
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BRZに乗れば乗るほど、クルマを操る原点に引き戻される。
この感覚は久しく遠ざかっていたもので、
懐かしさと新鮮さが複雑に交錯する面白いものだ。

まだ、一度も最高回転まで鞭を入れたことがない。
その楽しさを、そろそろ解禁できる時が来たようだ。

終わり
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Commented by ふるかわ at 2012-04-14 21:23 x
代田様
本日はBRZの試乗をさせていただき、ありがとうございました。
久々にマニュアルの楽しみを思い出しました。
また、お時間をいただきまして楽しいお話と桜餅を頂きました。
久々に楽しい時間を過ごさせて頂きました。
次回のエクシーガ、楽しみにしております。
ありがとうございました。
また情報頂けたら幸いです。
寒暖の差が厳しい折、ご自愛ください。
Commented by b-faction at 2012-04-15 07:05
ふるかわさん、おはようございます。ご来店ありがとうございました。開店直後のタイミングでしたのでゆっくりお話できて良かった。あの後はお客様が絶えず試乗に1時間くらいお待ちいただく時もありました。流石に今日は右足が少し痛みます(笑)。今年のスバルには今後も大いにご期待ください。安心と愉しさをリリースします。
Commented by なべ田 at 2012-04-15 13:25 x
代田社長様
一昨日はお忙しい所を有難う御座いました。
短い時間ではありましたが密度の濃い有意義な時間を頂きましたこと
心より感謝申し上げます。
社長から頂いたパワーで確実に何かが変わりました。
素晴らしいターニングポイントの日でした。

今後とも宜しくお願い致します。
Commented by b-faction at 2012-04-15 14:23 x
なべ田さん、こんにちは。遠いところまでお出かけいただきありがとうございました。九州四国経由のショートカットを教えていただけたので今後の活動範囲が広がりそうです。

またぜひお会いしましょう。
Commented by しまだ at 2012-04-16 10:26 x
昨日はすっかり長居をしましてすみませんでした。桜と22Bにとても癒されました。走る22Bもお見かけできましたし。
お土産コーナーの空間、大好きです。入っていくとのぼりが2本立っててビックリしましたが(笑)
走りの気持ちよさは軽からスーパースポーツまで味は違えど普遍であることを感じた一日でした。御社に行くとほんとに車が元気になるので不思議です。
Commented by b-faction at 2012-04-16 10:37
しまださん、深夜のご帰還だったようでお疲れ様でした。二日間の試乗距離が200キロを超えましたので盛況だったことがよくわかりました。BRZとWRXを同じ日に乗ると、たとえ同乗とはいえ熟女と生娘の違いがよくお分かりいただけたと思います。
Commented by 福島 at 2012-04-16 20:47 x
代田社長様
昨日はお忙しい中、長時間お相手下さってありがとうございます。
恐る恐るの拙い運転でしたがBRZの乗り味に洗脳されそうになりました。同乗させて頂いた時の車の動きが「雑味の無いすっきりした旨さ」で低重心と重量配分を突き詰めると、車ってこんなに気持ち良く曲がるんや~って快感でした。
あの後で立ち寄った本屋さんで、たまたま三栄書房の「SUBARUのテクノロジー」なる本を入手。
昨日の「味」を出すスバルのレシピを復習している所です。
日帰り500kmを気持ち良くこなしてくれる愛車も大好きなのですが、純粋で活き活きとした娘にも浮気したくなる一日でした。
Commented by b-faction at 2012-04-17 10:01
福島さん、おはようございます。お土産をありがとうございました。また、コナラプロジェクトへの募金を今回もありがとうございました。開田テストの機会に二宮さんに届けます。今回、イベントの試乗ですべての方にまず同乗していただきました。その後でステアリングを渡し味を楽しむ企画でした。ご満足いただけましたか。非常に手間はかかりますが、正確な知識を得ていただけたと思っております。また、ご来店ください。お待ちしております。
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by b-faction | 2012-04-13 12:32 | Trackback | Comments(8)

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