直噴ターボのツーリングワゴンは究極のレガシィだ!
2012年 06月 10日
GTを最もそれらしく使うには1日に500マイル走ることだと、
SVXが教えてくれた。
それを最新のテクロノジーを駆使したクルマで
改めて試した。

いよいよ、この旅のクライマックスが始まる。
津軽海峡フェリーは
往路に利用した川崎近海汽船の船体と異なり
船首そのものがパックリ開いて自動車を飲み込む。
この模型は往路の川崎近海汽船(シルバーフェリー)が、

今年の4月に就航させたシルバー プリンセスだ。
この最新の船も含めシルバーフェリーは船首の側面にゲートがある。
二つの船会社は、船の作り方も違うし
チェックインに対する考え方も異なる。
どちらも素敵で、文句は一切ない。
帰りのフェリーの名は「びるご」。
フェリー埠頭に着いたら、クルマをチェックインゲートに通すだけで、
一切降りる必要も無くドライブスルー感覚で船のお腹に飲み込まれる(笑)。

こうして近くで見ると、
「日本の造船技術は相変わらず凄い」と改めて感心した。
ちなみに来た時に比べ
どれくらいルートが違うのかシルバーフェリーの航路を見るとわかる。

八戸から苫小牧に比べ、
函館から青森に向かう「びるご」の航海は来た時の半分以下だ。
クルマで旅する北海道は本当に雄大で面白い。
「びるご」はゆっくりと桟橋を離れ、

向きを変えると一気に加速した。

港がどんどん遠ざかって行くと同時に、

さっきまで滞在したホテルが良く見えた。

函館山の裏側にあたる海には大型船が停泊している。
その中に海上保安庁の巡視船も静かに錨をおろしていた。

幸運なことに近くで見ることができたこの巡視船は、
「つがる型」と呼ばれるタイプの一番船だ。
現在国内に9隻配備されているうちの一隻で、
甲板上の格納庫にヘリコプターを搭載した大型船は迫力がある。

大陸に向かって対峙している様子を眺めると、
ここは緊張を伴った場所なのだという事が良く解る。
カバーは掛けられているが、機銃らしきものが見え、
国を守る仕事の大切さと、彼らの任務の重さもひしひしと伝わってきた。

湾を出て海峡に突き進むと周りには何もなくなる。
このフェリーに乗るとイルカなどが泳ぐ姿も見れるらしいが今日はそんな気配はなかった。

その代わり船に寄り添うように飛ぶ鳥を眺める事が出来た。

時期外れのせいか船内はガラガラで、

展望室以外の2等客席には人の気配はない。
展望室も数組の乗客だけでガラガラだ。
妻の習性で、陸地に足が着いていないと心細いらしく、
元気がない。

腹が減っているせいもあるだろう。

そこで船内で少しでもお金を落とすことにした。
その方が結果的に時間も有効に使える。

自動販売機を主体にしたレストランだが、

美しく整頓され清潔に保たれている。

蟹飯を中心に、

ちょっと贅沢な朝食をとった。
あっという間に時間が過ぎ、青森のフェリー埠頭が見えた。

そこにとても素敵な高速船が停泊していた。
「なっちゃんワールド」という、
名前の由来は良く解らない船だ。
8月の繁忙期に期間限定で就航するので、
次はぜひこれに乗りたいものだ。
無事桟橋に着き、下船の案内がある。

乗る時も降りるときも極めてスムーズで簡単だ。
ナビもようやく普通に機能するようになった。

中津川まで997キロ。到着予想時刻は0時22分である。
最新のテクノロジーを駆使した高性能GTと、
日々良くなる道路事情を最大活用し、
いよいよ頭に描いたルートの激走が始まった。

東北自動車道の基点に到着。
東京を避けるため、今度こそ北関東自動車道を使い、
最短ルートで中津川を目指す。
今度はナビの指示は一切無視し、
あくまで参考資料とオーディオとして活用する。

来るときはほぼ全行程をインテリジェントモードで走行し、
北海道でも他のモードを選択する必然性を感じなかったし、
その衝動にも駆られなかった。

しかし、気持ち良く晴れた光景と、
貸切状態の道路状況でさすがに野望を感じるようになる。
こうした場所を走ると、
DITがいかに精度の高い燃焼をしているのかが良く解る。
エンジンについてもう一度おさらいしよう。

このピストンはBRZの自然吸気直噴エンジンのものだ。
ピストン表面の窪みを見ると、燃料が扇方にスプレー噴射されていることが一目瞭然だ。

それに対して、こちらは新しく採用された自然吸気2.5リットルDOHCエンジンのFB25型用ピストンだ。
大きく窪んだ独特の形をしていて
先に発表になっった、

この2リットル水平対向DOHCエンジンのピストンとも全く違う。
このようにそれぞれのエンジンに対して極めて多彩な技術が導入されている。
21世紀を生き抜くにふさわしい、
最高の内燃機として新型ボクサーエンジンは羽ばたいている。

このDIT専用ピストンを見ると、
いかに精密に燃料の筒内噴射が行われているのか想像できる。
この冠面は他の水平対向エンジンと異なる芸術的な造形になっている。
まるで福笑いの眉毛のような上部の窪みはバルブに対する逃げだと思われる。
その下にBと打刻された切削面があり、
さらに下方に直噴エンジンに特有の「キャビティ」が設けられている。
このキャビティと呼ばれる窪みは、
「閉じ込められる空洞」というニュアンスを持った単語だ。
吸気バルブの手前で燃料を噴射するこれまでのエンジンは、
ヘッド側に燃焼室を設けるという発想だ。
それに対して、
吸気バルブの鼻先に燃料を噴射するDITの場合は、
ピストン側に燃焼させるための空間を作り出す。
新世代の水平対向エンジンは、バルブの挟み角を狭角化して、
コンパクトな燃焼室を形成している。
直噴ターボは、
これらにより更に小さな燃焼空間を作り出すのだろう。
中央より下にあるキャビティに向け、
6孔マルチホール式の高圧インジェクターから

ガソリンが高精度に分割噴射されていく。
それをエンジン設計の分野ではシロートながら、
薄い知識で解説してみたい。
ピストンが圧縮工程で、
下死点から上死点に向かう時、
タンブルジェネレーターバルブ(TGV)を通して流れ込む空気に、
良く混ざるように燃料が高速で連続して噴射される。
ちなみにタンブルとは縦渦の事で、
ジェネレーターは作り出すという意味だ。
DIT専用の薄型TGVに繋がる
直噴ターボの樹脂製インテークマニフォールドは形も大きく異なる。
こちらが新型2.5リットルの水平対向エンジン用で

こちらがDIT専用だ。

こうした非常に高度な燃焼制御が
「風のように走る」
という表現がぴったりの走行フィーリングを生み出している。
しかしもう一つ忘れてはならないのは、
NAのFB25よりはるかに容量の大きなEGRを持つという事だ。

もともと第三世代の水平対向エンジンコンセプトには、
TGVと中間ロック式のAVCSにEGRを加えて、
低燃費で高出力で環境性能にも対応させた。
排気ガスを還流させることでポンピングロスを減らし低燃費にできる。
具体的には3番シリンダーの排気ガスを取り出す。
この大きな電磁バルブを開けば、
左から来た排気ガスは上に開いた口から勝手にシリンダーに吸い込まれていく。
だから、
当然ポンピングロスは減る。
更にマジックがある。
左側の口の先にはこのパイプが取り付けられている。

これは裸の状態で、右側から入った排気ガスが左側にあるバルブに導かれる。
このパイプにはウオータージャケットが取り付けられて、
エンジン冷却液が循環し熱い排気ガスをしっかり冷やしている。
充填効率も高めている。
これによって、燃料を直噴することで燃焼室の温度を下げるのと同時に、
ターボ特有の圧縮空気の温度上昇に対し冷却する効果を得られるから、
アンチノッキング性が向上する。
また、燃焼後のガスは不活性ガスのため、
還流する量を増やせば増やすほど、
理論上の燃費も向上する。
だって吸入する空気に酸素がないから、
燃料を必要としない。
高出力と低燃費という相反する性能を見事に具現化したとともに、
独特な爽快感のあるDITならではエンジンフィーリングを導き出した。
燃料を直接筒内に噴霧すると気化熱を奪うので、
過給することで高温になりがちなターボエンジンにふさわしく、
自然吸気のBRZ以上に変化が体感できる。
それに加え、
スバルのターボエンジンで初めて外部EGRシステムを装着することで、
燃焼後の不活性ガスを冷やして還流させた。
これらが燃焼室の温度コントロールにどれほど効果があるのか、
長い距離を走れば走るほど実感できた。
どんな走り方をしても、
以前のターボエンジンのような燃焼変動が少ないので、
極端な燃費悪化を誘発させない。
その上、更に高出力なエンジンになった。
これらのことから、
DITはターボエンジンでは異例の10.6対1という高い圧縮比だ。

リンゴ畑が広がる風景を楽しみながら走ると

来た時に分かれた八戸への分岐点が表れた。
あっという間の4日だったと感慨深くなるのもつかの間、

岩手県に入ると絶景が現れた。
来る時には気が付かなかったが、雄大な山だ。
その後、天候が激変した。

激しい雷雨が襲ってきた。
まるでBRZで遭遇した春の嵐のような土砂降りで、
新型車に対する洗礼と受け止めた。
さすがにGTらしく何の苦労もなく悪天候を駆け抜ける。
GTを名乗るのにやはりAWDシステムは欠かせない。
圧倒的な操縦安定性だ。

雨が和らぐと薄日が差す。前方に高速道路専用の巡回パトカーが道路状況を確認していた。
また苦言を呈すようだが、
中日本高速道路などのように高コストをかけてすべて黄色くペイントする必要があるか再考すべきだろう。
東北や北海道では、
単純に上下を塗り分けた車ばかりのようだ。

この方が安いだろう。
なぜこちらに統一しないのか
そのあたりも良く解らないので知っている人がいらっしゃったら教えてほしい。

激走を重ね北関東道に入るといよいよ夕日が視野に入るようになった。
雨が上がってから

これまでのインテリジェントモードから、
S#モードを選択した。
8段変速のメリハリある走行フィールを楽しんだ。
今回のマイナーチェンジで使用上、
最も良いと思うのがこの改善だ。

SIドライブの選択スイッチは、
ステアリングホイールの右クラスターに新たにセットされ、
極めて使いやすい。
左手の親指でブラインドタッチするだけなので
これまでよりはるかに安全だし、
俊敏に操作できる。
ちなみにSとIモードのオートマチック走行では、
燃費効率の高い無段変速だ。
そしてパドルシフトでマニュアル操作する時は、これまで通りの6段変速になる。
一番素敵なのは
#モードの切り替えを「オオカミスイッチ」らしく蘇らせてくれた事だ。
オオカミスイッチを押す前の液晶カラーディスプレィの表示が

押した瞬間にこのように変わる。
8段変速に合わせ過給圧がスポーティに立ち上がるエンジンコントロールに変わる。
これはヨーロッパの多段式オートマチックトランスミッションを搭載した、高額な高性能車に負けない、
連続かつダイレクト感のある加速フィーリングだ。
8速巡航時のエンジン回転数は1700rpm。この時の速度は100キロちょうどだ。

この速度から右足の親指にミリ単位で踏み代が変わる程度の力を与えるだけで、
クルマが自由自在に加速する。
こんな楽しい世界はDITだけのものだ。
中津川ではなく
「はこだて」で旅は無事終わった。

最終的に960キロを走った。

この実力で

この燃費に文句のある奴など居ないだろう!
さて最後に総括すると、
やはり究極のレガシィはツーリングワゴンだ。
しかもこのエンジンを搭載したモデルこそレガシィの中で、
最もレガシィらしいレガシィだ。
そして、アウトバックやB4とは袂を分かつ時も近づいた。
この動力性能を将来最も活かせるのは、
モーターショーでスポットライトを浴びていた「スポーツツアラー」だ。
あれが、
レガシィ「スポーツツアラー」としてデビューするのか定かではないが、
このさきが楽しみだ。
1.6リットルのDITの存在も明らかになっているので、
WRXがインプレッサと決別した事も楽しみになってきた。
そしてアウトバックは、
このプラットフォームより更に容量が大きくても良いだろう。
進むべき道が違うからだ。
B4もさらに堂々として良い。
この実走距離2400キロに及んだロングドライブで、
スバルの将来は相変わらず明るいと確信できた。
今後がますます楽しみだ。
SVXが教えてくれた。
それを最新のテクロノジーを駆使したクルマで
改めて試した。

いよいよ、この旅のクライマックスが始まる。
津軽海峡フェリーは
往路に利用した川崎近海汽船の船体と異なり
船首そのものがパックリ開いて自動車を飲み込む。
この模型は往路の川崎近海汽船(シルバーフェリー)が、

今年の4月に就航させたシルバー プリンセスだ。
この最新の船も含めシルバーフェリーは船首の側面にゲートがある。
二つの船会社は、船の作り方も違うし
チェックインに対する考え方も異なる。
どちらも素敵で、文句は一切ない。
帰りのフェリーの名は「びるご」。
フェリー埠頭に着いたら、クルマをチェックインゲートに通すだけで、
一切降りる必要も無くドライブスルー感覚で船のお腹に飲み込まれる(笑)。

こうして近くで見ると、
「日本の造船技術は相変わらず凄い」と改めて感心した。
ちなみに来た時に比べ
どれくらいルートが違うのかシルバーフェリーの航路を見るとわかる。

八戸から苫小牧に比べ、
函館から青森に向かう「びるご」の航海は来た時の半分以下だ。
クルマで旅する北海道は本当に雄大で面白い。
「びるご」はゆっくりと桟橋を離れ、

向きを変えると一気に加速した。

港がどんどん遠ざかって行くと同時に、

さっきまで滞在したホテルが良く見えた。

函館山の裏側にあたる海には大型船が停泊している。
その中に海上保安庁の巡視船も静かに錨をおろしていた。

幸運なことに近くで見ることができたこの巡視船は、
「つがる型」と呼ばれるタイプの一番船だ。
現在国内に9隻配備されているうちの一隻で、
甲板上の格納庫にヘリコプターを搭載した大型船は迫力がある。

大陸に向かって対峙している様子を眺めると、
ここは緊張を伴った場所なのだという事が良く解る。
カバーは掛けられているが、機銃らしきものが見え、
国を守る仕事の大切さと、彼らの任務の重さもひしひしと伝わってきた。

湾を出て海峡に突き進むと周りには何もなくなる。
このフェリーに乗るとイルカなどが泳ぐ姿も見れるらしいが今日はそんな気配はなかった。

その代わり船に寄り添うように飛ぶ鳥を眺める事が出来た。

時期外れのせいか船内はガラガラで、

展望室以外の2等客席には人の気配はない。
展望室も数組の乗客だけでガラガラだ。
妻の習性で、陸地に足が着いていないと心細いらしく、
元気がない。

腹が減っているせいもあるだろう。

そこで船内で少しでもお金を落とすことにした。
その方が結果的に時間も有効に使える。

自動販売機を主体にしたレストランだが、

美しく整頓され清潔に保たれている。

蟹飯を中心に、

ちょっと贅沢な朝食をとった。
あっという間に時間が過ぎ、青森のフェリー埠頭が見えた。

そこにとても素敵な高速船が停泊していた。
「なっちゃんワールド」という、
名前の由来は良く解らない船だ。
8月の繁忙期に期間限定で就航するので、
次はぜひこれに乗りたいものだ。
無事桟橋に着き、下船の案内がある。

乗る時も降りるときも極めてスムーズで簡単だ。
ナビもようやく普通に機能するようになった。

中津川まで997キロ。到着予想時刻は0時22分である。
最新のテクノロジーを駆使した高性能GTと、
日々良くなる道路事情を最大活用し、
いよいよ頭に描いたルートの激走が始まった。

東北自動車道の基点に到着。
東京を避けるため、今度こそ北関東自動車道を使い、
最短ルートで中津川を目指す。
今度はナビの指示は一切無視し、
あくまで参考資料とオーディオとして活用する。

来るときはほぼ全行程をインテリジェントモードで走行し、
北海道でも他のモードを選択する必然性を感じなかったし、
その衝動にも駆られなかった。

しかし、気持ち良く晴れた光景と、
貸切状態の道路状況でさすがに野望を感じるようになる。
こうした場所を走ると、
DITがいかに精度の高い燃焼をしているのかが良く解る。
エンジンについてもう一度おさらいしよう。

このピストンはBRZの自然吸気直噴エンジンのものだ。
ピストン表面の窪みを見ると、燃料が扇方にスプレー噴射されていることが一目瞭然だ。

それに対して、こちらは新しく採用された自然吸気2.5リットルDOHCエンジンのFB25型用ピストンだ。
大きく窪んだ独特の形をしていて
先に発表になっった、

この2リットル水平対向DOHCエンジンのピストンとも全く違う。
このようにそれぞれのエンジンに対して極めて多彩な技術が導入されている。
21世紀を生き抜くにふさわしい、
最高の内燃機として新型ボクサーエンジンは羽ばたいている。

このDIT専用ピストンを見ると、
いかに精密に燃料の筒内噴射が行われているのか想像できる。
この冠面は他の水平対向エンジンと異なる芸術的な造形になっている。
まるで福笑いの眉毛のような上部の窪みはバルブに対する逃げだと思われる。
その下にBと打刻された切削面があり、
さらに下方に直噴エンジンに特有の「キャビティ」が設けられている。
このキャビティと呼ばれる窪みは、
「閉じ込められる空洞」というニュアンスを持った単語だ。
吸気バルブの手前で燃料を噴射するこれまでのエンジンは、
ヘッド側に燃焼室を設けるという発想だ。
それに対して、
吸気バルブの鼻先に燃料を噴射するDITの場合は、
ピストン側に燃焼させるための空間を作り出す。
新世代の水平対向エンジンは、バルブの挟み角を狭角化して、
コンパクトな燃焼室を形成している。
直噴ターボは、
これらにより更に小さな燃焼空間を作り出すのだろう。
中央より下にあるキャビティに向け、
6孔マルチホール式の高圧インジェクターから

ガソリンが高精度に分割噴射されていく。
それをエンジン設計の分野ではシロートながら、
薄い知識で解説してみたい。
ピストンが圧縮工程で、
下死点から上死点に向かう時、
タンブルジェネレーターバルブ(TGV)を通して流れ込む空気に、
良く混ざるように燃料が高速で連続して噴射される。
ちなみにタンブルとは縦渦の事で、
ジェネレーターは作り出すという意味だ。
DIT専用の薄型TGVに繋がる
直噴ターボの樹脂製インテークマニフォールドは形も大きく異なる。
こちらが新型2.5リットルの水平対向エンジン用で

こちらがDIT専用だ。

こうした非常に高度な燃焼制御が
「風のように走る」
という表現がぴったりの走行フィーリングを生み出している。
しかしもう一つ忘れてはならないのは、
NAのFB25よりはるかに容量の大きなEGRを持つという事だ。

もともと第三世代の水平対向エンジンコンセプトには、
TGVと中間ロック式のAVCSにEGRを加えて、
低燃費で高出力で環境性能にも対応させた。
排気ガスを還流させることでポンピングロスを減らし低燃費にできる。
具体的には3番シリンダーの排気ガスを取り出す。
この大きな電磁バルブを開けば、
左から来た排気ガスは上に開いた口から勝手にシリンダーに吸い込まれていく。
だから、
当然ポンピングロスは減る。
更にマジックがある。
左側の口の先にはこのパイプが取り付けられている。

これは裸の状態で、右側から入った排気ガスが左側にあるバルブに導かれる。
このパイプにはウオータージャケットが取り付けられて、
エンジン冷却液が循環し熱い排気ガスをしっかり冷やしている。
充填効率も高めている。
これによって、燃料を直噴することで燃焼室の温度を下げるのと同時に、
ターボ特有の圧縮空気の温度上昇に対し冷却する効果を得られるから、
アンチノッキング性が向上する。
また、燃焼後のガスは不活性ガスのため、
還流する量を増やせば増やすほど、
理論上の燃費も向上する。
だって吸入する空気に酸素がないから、
燃料を必要としない。
高出力と低燃費という相反する性能を見事に具現化したとともに、
独特な爽快感のあるDITならではエンジンフィーリングを導き出した。
燃料を直接筒内に噴霧すると気化熱を奪うので、
過給することで高温になりがちなターボエンジンにふさわしく、
自然吸気のBRZ以上に変化が体感できる。
それに加え、
スバルのターボエンジンで初めて外部EGRシステムを装着することで、
燃焼後の不活性ガスを冷やして還流させた。
これらが燃焼室の温度コントロールにどれほど効果があるのか、
長い距離を走れば走るほど実感できた。
どんな走り方をしても、
以前のターボエンジンのような燃焼変動が少ないので、
極端な燃費悪化を誘発させない。
その上、更に高出力なエンジンになった。
これらのことから、
DITはターボエンジンでは異例の10.6対1という高い圧縮比だ。

リンゴ畑が広がる風景を楽しみながら走ると

来た時に分かれた八戸への分岐点が表れた。
あっという間の4日だったと感慨深くなるのもつかの間、

岩手県に入ると絶景が現れた。
来る時には気が付かなかったが、雄大な山だ。
その後、天候が激変した。

激しい雷雨が襲ってきた。
まるでBRZで遭遇した春の嵐のような土砂降りで、
新型車に対する洗礼と受け止めた。
さすがにGTらしく何の苦労もなく悪天候を駆け抜ける。
GTを名乗るのにやはりAWDシステムは欠かせない。
圧倒的な操縦安定性だ。

雨が和らぐと薄日が差す。前方に高速道路専用の巡回パトカーが道路状況を確認していた。
また苦言を呈すようだが、
中日本高速道路などのように高コストをかけてすべて黄色くペイントする必要があるか再考すべきだろう。
東北や北海道では、
単純に上下を塗り分けた車ばかりのようだ。

この方が安いだろう。
なぜこちらに統一しないのか
そのあたりも良く解らないので知っている人がいらっしゃったら教えてほしい。

激走を重ね北関東道に入るといよいよ夕日が視野に入るようになった。
雨が上がってから

これまでのインテリジェントモードから、
S#モードを選択した。
8段変速のメリハリある走行フィールを楽しんだ。
今回のマイナーチェンジで使用上、
最も良いと思うのがこの改善だ。

SIドライブの選択スイッチは、
ステアリングホイールの右クラスターに新たにセットされ、
極めて使いやすい。
左手の親指でブラインドタッチするだけなので
これまでよりはるかに安全だし、
俊敏に操作できる。
ちなみにSとIモードのオートマチック走行では、
燃費効率の高い無段変速だ。
そしてパドルシフトでマニュアル操作する時は、これまで通りの6段変速になる。
一番素敵なのは
#モードの切り替えを「オオカミスイッチ」らしく蘇らせてくれた事だ。
オオカミスイッチを押す前の液晶カラーディスプレィの表示が

押した瞬間にこのように変わる。
8段変速に合わせ過給圧がスポーティに立ち上がるエンジンコントロールに変わる。
これはヨーロッパの多段式オートマチックトランスミッションを搭載した、高額な高性能車に負けない、
連続かつダイレクト感のある加速フィーリングだ。
8速巡航時のエンジン回転数は1700rpm。この時の速度は100キロちょうどだ。

この速度から右足の親指にミリ単位で踏み代が変わる程度の力を与えるだけで、
クルマが自由自在に加速する。
こんな楽しい世界はDITだけのものだ。
中津川ではなく
「はこだて」で旅は無事終わった。

最終的に960キロを走った。

この実力で

この燃費に文句のある奴など居ないだろう!
さて最後に総括すると、
やはり究極のレガシィはツーリングワゴンだ。
しかもこのエンジンを搭載したモデルこそレガシィの中で、
最もレガシィらしいレガシィだ。
そして、アウトバックやB4とは袂を分かつ時も近づいた。
この動力性能を将来最も活かせるのは、
モーターショーでスポットライトを浴びていた「スポーツツアラー」だ。
あれが、
レガシィ「スポーツツアラー」としてデビューするのか定かではないが、
このさきが楽しみだ。
1.6リットルのDITの存在も明らかになっているので、
WRXがインプレッサと決別した事も楽しみになってきた。
そしてアウトバックは、
このプラットフォームより更に容量が大きくても良いだろう。
進むべき道が違うからだ。
B4もさらに堂々として良い。
この実走距離2400キロに及んだロングドライブで、
スバルの将来は相変わらず明るいと確信できた。
今後がますます楽しみだ。

あるフェリーに乗船した時のこと、2階に上る行列がスロープの途中で止まってしまいました。オイオイ、こんな状態のまま出港かよと思っていると・・・ブーッブーッというブザー音とともにスロープの低い方が徐々にせり上がっていくじゃありませんか。そしてスロープはそのまま2階フロアとなっていきます。
これはッ!!
気分は母艦搭乗員!!
船の中には諸元を書いたパネルがどこかにあるはずなので探したところ、あったよ、ありました。最高時速は22ノット超と判明。ということは、さんふらわあは改造空母として立派な戦力になるじゃないですか!隼鷹、飛鷹といいコンビになったかも。
但し、母艦のエレベーターはブザー音でなく、チン、チンという鐘の音だったので、さんふらわあも改良の余地はまだまだありますぞ。
これはッ!!
気分は母艦搭乗員!!
船の中には諸元を書いたパネルがどこかにあるはずなので探したところ、あったよ、ありました。最高時速は22ノット超と判明。ということは、さんふらわあは改造空母として立派な戦力になるじゃないですか!隼鷹、飛鷹といいコンビになったかも。
但し、母艦のエレベーターはブザー音でなく、チン、チンという鐘の音だったので、さんふらわあも改良の余地はまだまだありますぞ。
0

なっちーさん、同感です。フェリーに乗ったのは本当に久しぶりで、構造を覗き見ると武者震いします。シルバープリンセスには乗船できなかったのですが、三菱重工下関造船所製でした。航海速力が20.5ノットなのでもっと速度は出せそうですね。大型トラックが92台、乗員500名、乗組員30名でした。帰りの船の2階デッキは何一つなく、じっと見てるといろいろ妄想しました(笑)

ご無沙汰致しております。
なるほど、旅の完結はとなり町の「はこだて」でしたか
しかしもうあれから一ヶ月経つのですね早いものです。
個人的にスバルの将来が明るいと確信出来たのはしつこい様ですが
インプレッサのFF15インチ仕様の実力を知った時点です。
ベーシックモデルにしてあのレベルは今のスバルの実力を端的に示すものだと個人的には思って居ります。そしてDTIと刷新されたCVT、
もう我々が残念に思う様な事が起こる事を予想する方が難しいかと思います。
選択と集中はやはり大正解でしたね。
あと個人的なお話をもう一言だけ申し上げるならば趣味で持ってる古いのを除けばもうVWゴルフを私が買う事はないだろうと思います。
なるほど、旅の完結はとなり町の「はこだて」でしたか
しかしもうあれから一ヶ月経つのですね早いものです。
個人的にスバルの将来が明るいと確信出来たのはしつこい様ですが
インプレッサのFF15インチ仕様の実力を知った時点です。
ベーシックモデルにしてあのレベルは今のスバルの実力を端的に示すものだと個人的には思って居ります。そしてDTIと刷新されたCVT、
もう我々が残念に思う様な事が起こる事を予想する方が難しいかと思います。
選択と集中はやはり大正解でしたね。
あと個人的なお話をもう一言だけ申し上げるならば趣味で持ってる古いのを除けばもうVWゴルフを私が買う事はないだろうと思います。
なべ田さん、一か月たちましたね。インプレッサのリニアトロニック搭載車は、「到底生産対応ができない」ほど現場を混乱させる売れ行きだったようですね。2月に販売したクルマが未だに納車できないのはつらいです。24時間365日生産し非常時対応してくれているようですね。

お疲れ様です。
御社の様に有力な販売店さんですとかなりの受注残をお持ちでしょう。
もしかすると来年の表彰資格分を既にお持ちだったりして?
当社は先月で昨年度分が終わりましたんで攻めるしかないです。
もらった在庫表とにらめっこしながらフリー在庫は全部俺が売ってやる位の気持ちではありますが絶対数が余りにも少なすぎます。。気合も空回り気味ですが(苦笑)
まあとにかく前に進むしかないと自分に言い聞かせて日々やっております!
御社の様に有力な販売店さんですとかなりの受注残をお持ちでしょう。
もしかすると来年の表彰資格分を既にお持ちだったりして?
当社は先月で昨年度分が終わりましたんで攻めるしかないです。
もらった在庫表とにらめっこしながらフリー在庫は全部俺が売ってやる位の気持ちではありますが絶対数が余りにも少なすぎます。。気合も空回り気味ですが(苦笑)
まあとにかく前に進むしかないと自分に言い聞かせて日々やっております!

なべ田さん、そんなに都合よくいくわけないじゃないですか。それよりBRZが大変です。バレンタインデーの内見会で初受注したクルマさえ9月納車です(涙)

代田社長
御苦労様です、ご無沙汰しております吉田です(忘れられたかな?)
相変わらずのご活躍、北の国から拝見しておりますよ~
奥様、お嬢様もお元気そうでなによりです!!
北海道来られたのですね、会いたかったです!
こちらも家族3人元気に過ごしてます(もう一人ほしいな~)
とにかくご無沙汰して申し訳ございませんでした
帰る時には、連絡させて頂きますのでよろしくお願い致します、
では、益々のご活躍お祈りしております。
御苦労様です、ご無沙汰しております吉田です(忘れられたかな?)
相変わらずのご活躍、北の国から拝見しておりますよ~
奥様、お嬢様もお元気そうでなによりです!!
北海道来られたのですね、会いたかったです!
こちらも家族3人元気に過ごしてます(もう一人ほしいな~)
とにかくご無沙汰して申し訳ございませんでした
帰る時には、連絡させて頂きますのでよろしくお願い致します、
では、益々のご活躍お祈りしております。
吉田さん、お久しぶりです。忘れるはずないじゃないですか。元気かなーと思いながら、途中で寄りたい衝動に駆られましたが、函館プロジェクトを優先してしまいました。次には必ず立ち寄ります。こちらに来られたらぜひ声をかけてくださいね。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
しまださん、こんにちは。ハイブリッドより先にXVですね。おたのしみに。
前回以上の素晴らしい仕上がりですよ。
前回以上の素晴らしい仕上がりですよ。
by b-faction
| 2012-06-10 19:09
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