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スバルのクルマづくりを異端から眺める

ほぼ一か月間の間、新旧のエクシーガを比較しながら
このクルマの持つ魅力を面白いほど引き出せた。
まずこちらを存分に楽しみ
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photo:Kazu Ninomiya

SPEC
【車種名】
スバル エクシーガ 2.5i EyeSight
【型式】
YAME58C EXC
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4740×1775×1660
ホイールベース(mm):2750
トレッド前/後(mm):1525/1530
車両重量(kg):1570
乗車定員 7名
【エンジン】
FB25/水平対向4気筒2.5L DOHC 16バルブ AVCS
内径×行程(mm):94×90
圧縮比:10.0
最高出力 127kw/5600rpm
最大トルク235N・m/4100rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
リニアトロニック(マニュアルモード付)
【主要装備】
パドルシフト 電動パワーステアリング HIDヘッドランプ 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン 17インチアルミホイール VDC デュアルエアバッグ
【税抜き車両本体価格】
2,400,000円 外装色:アイスシルバー・メタリック
エコカー減税・補助金対象車

どっしり粘るクルマに変化したことを確認した。

そしてFWDがなぜ消滅するのかを、
再検証してみた。
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【車種名】
スバル エクシーガ 2.0i-S
【型式】
YA4B54C MXC
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4740×1775×1660
ホイールベース(mm):2750
トレッド前/後(mm):1525/1530
車両重量(kg):1520
乗車定員 7名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC 16バルブ AVCS
内径×行程(mm):92×75
圧縮比:10.2
最高出力 110kw/6000rpm
最大トルク191N・m/3200rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
スポーツシフト リニアトロニック
【主要装備】
電動パワーステアリング HIDヘッドランプ 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン 17インチアルミホイール VDC デュアルエアバッグ
【税抜き車両本体価格】
2,200,000円 外装色:グラファイトグレー・メタリック
環境対応車普及促進税制非適合(当時)

こうして両車の具体的なスペックを並べるだけで、
くどく言わなくても新しい方が良いに決まってる。

しかし、どうしてもFWDをもう少し堪能したいと思い、
真夏の東京まで走らせた。

もしスバルの若いセールス諸君がこのブログを見ていてくれたら、
君達にはここを強調したい。
新型の2.5リットル搭載車と
旧型の2.5リットルを比較しても
ほとんど意味が無い
違いだけなら商品マニュアルを見れば、
当たり障りのないことがたくさん書いてあるからよーっく読んでほしい。

その上でこれから先を理解してほしい。
あえて
旧型のFWDと比較することに大きな意味があるんだ。

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オドメーターも戻る頃には1万キロを超すだろう。
このブルーメーターもあっさりしていて、
エクシーガらしさを誇張している。

高速道路を永福で気まぐれに降り
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代々木公園を抜けて
表参道に向かった。
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吉田 拓郎の歌が
思わず耳の奥に木霊する。

表参道 原宿は

なつかしすぎる 友達や

人に言えない 悲しみすら

風が運んで しまう街
(風の街より)
うーん、カラオケに行きたくなってしまった。

レガシィより車両重量のあるエクシーガだが、
とっても軽快に走る。

確かにEJ20は最新のFB25より低速トルクも少ないし
環境対応や燃費の点でも遥かに見劣りするが、
3000回転前後のトルクの太い領域にハマッタ時の気持ち良さは何とも言えない。

他のクルマには無い特殊な快感だ。
なぜか。

それは、このクルマがFWDだからに違いない。
以前から前モデルのレガシィ2.0Rを褒めている。

以前、STIが商品化の直前までこぎつけながら、
お蔵入りした商品がある。

当時のFHIは、
世界戦略の中でAWD以外はスバルのブランドステートメントにそぐわないという、
ステレオタイプに憑りつかれていた。

従って国内以上に、重要なブランドを担う、
STIに対して商品化を許さなかったのではないかと、
勝手に妄想している。

このクルマが実際世に出ていたら、
ナローボディのインプレッサももう少し違う売れ方をしただろう。

1500ccかターボしか売れないという
いびつな商品構成は、当時から蔓延していた。

このクルマの誕生を切望していたが、
かなわぬ夢となった。

しかしその後誕生したエクシーガは、
大雲PGMを頭とする
チームワークの賜物で、
EJ20型水平対向4カム4バルブ自然吸気エンジンを、
全てのモデルに搭載するという快挙を成し遂げた。

絶対負けられない戦に臨むときは、
本気になる事を証明している。

大雲PGMが
SOHCエンジンででお茶を濁さなかったのは、
国内市場だけを視野において、
開発したためだろう。
一番安い190万円のクルマさえ
DOHCエンジンを搭載していたのには驚いた。

まさに画竜点睛とは、
こういうものだ。
エンジン屋の彼らしい最も大きなこだわりをこの部分に見ることができる。
エクシーガはいつも身近に揃えておきたいクルマとして、
大切なスバルの商品群の一角に育った。

その走りがあまりにも良かったので
リニアトロニックを搭載した時、
すぐさま導入したのがこのエクシーガというわけだ。
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インプレッサでかなえられなかった夢が、
エクシーガでかなえられた。

カテゴリーは違うけど
この組み合わせを良しとして、
走行フィールを紹介したい。

FWDのエクシーガはかなりスポーティで、
リニアトロニックのおかげで
アクセルのツキが非常に良い。

高速道路を思いっきり元気よく走ると、
やはり前輪でクルマを引っ張っているのだなあと実感するときもあるが、
前輪にうまく荷重をかけ十分なトラクションがあるので、
破綻したりしない。

むしろ、このコーナーでもう少しクルマを外に出したいな、
と思えばアクセルを少し開けてやるだけで、
容易に外側に出るし、
鼻先をコーナーの内側に向けたければ、
少しアクセルるを戻せばよい。

FWDをセオリー通りに操れば、
ステアリング操作をほとんどしなくても、
高速コーナーを楽しく駆け抜けられる。
FWDの良さを伝え続けてきたが、
エクシーガだからこそ許されたDOHCエンジンとの組み合わせだ。

残念ながら今後は二度と復活しないだろう。
それはレガシィで得た結果と、
全く同じことが起きたからに相違ない。

ここでレガシィに目を向けてみたい。
先月の仕入れではBH系と言われる3代目レガシィを沢山仲間に受け入れ、
その良さをこのブログでもしっかり紹介した。

今月は四代目と五代目のレガシィを良く吟味してそれぞれ2台仕入れた。
一台は
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このB-SPORTという人気モデルで、
SOHCエンジンと5MTを組み合わせた、
中津スバルにピッタリのレアな逸品だ。

それより更に面白いのが
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2.0R specBという、最後の最後に登場した、
自然吸気DOHCエンジンを積んだ「切り札」だ。

残念がら商業的にはパッとせず、
B-SPORTやアドバンテージラインのような花火にはならなかったが、
とっても良いクルマである。

そもそも、プレミアムガソリンを給油しなければならないために、
徹底的に嫌われ者になってしまった感があったが、
SOHCの持つ「これで十分じゃないか」という満足感に対して、
DOHCは「開田高原のプルーン」のように、
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味わえば味わうほどその良さが癖になる美味さがある。

ちょうど下取りで入ってきた
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このレガシィは
まだ、リヤゲートに古い名残があるが
こちらはその名残を一掃しただけでなく、
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アルミ合金を使って軽量化した。

また、一部では不評だったが
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モジュール化されたエアコンとオーディオの操作系に
高いクオリティを今でも感じている。
それをさらに磨いて
後席の居住性も向上させ
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specBの象徴ともいえる
ビルシュタインサスペンションを
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身にまとった。

ナビも純正であることを誇らしげに謳うようになった。
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計器の視認性も悪くない。
B-SPORTのメーターには
レッドルミネセントメーターという
最上級のモノが与えられているが、
specBはカタログモデルなので
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標準仕様だ。しかしパドルシフトとうまくコーディネートされた
すっきりしたメーターなので良い感じだ。
それに加えB専用の、
薄いブルーをあしらったヘッドライトがとても良い。
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こうしてみていくと、
クレードル構造で抜群の静粛性と、
ゆとりあるサストラベル(サスペンションの上下に動く余裕)を確保した代わりに、
失ってしまった味も少なからずあるのだという事を作り手自身がメッセージとして発しているように思う。

新型レガシィを
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この美味しい梨だと考えれば
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解ってもらえるだろう。

プルーンのような以前のレガシィ(BP5)の味を
エクシーガはたくさん引き継いだ。

今月、レガシィ2.0RのspecBが我々のもとにやって来たのは、
偶然というより必然だろう。

間もなく誕生すると噂される、
エクシーガ2.5i EyeSight specBは、
そういう韻を踏んだクルマだろう。
これまでに培ったspecB伝統のチューニングが、
余すところなく発揮されるに相違ない。
なぜなら、エクシーガなら開発がとてもやり易いからだろう。

どのような仕上がりなのか実に楽しみだ。

一か月間にわたり
エクシーガを根本から見直し
このクルマの素晴らしさを味わってきたが、
いよいよ次のステージに移ろうと思う。

お客様と共に9月のスバルを楽しみたい。
その相棒は
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BRZの6ATだ。
痺れるぜ!


Commented by にのみや at 2012-08-28 20:49 x
今晩は。
夕方見たブログが、また進化して・・・
ビックリでした。

この場を借りて・・・
ミワさん・イシイさん・フクシマさん、今晩は・・・バタバタしてて
もっと畑の中などご案内したかったのですが、出来なくってすみませんでした。
合言葉『中津スバルの社長のブログを見た!』とってもうれしかったですよ♪

メカ的なことはよくわかりませんが、オレンジのSVX(でしたっけ)を初めてみた鮮烈をBRZ(RA?)は超えて・・・
実は、『S』はいつ来るんだろうか?なんて想ってました。
もうすぐですね。
Commented by b-faction at 2012-08-28 21:03
にのみやさん、今晩は。プルーンの収穫ご苦労様です。昨年の教訓を即座に生かすという田中さんの凄さを改めて実感しました。これはクルマの開発にも生かせるヒントがありそうです。
Commented by にのみや at 2012-08-28 21:48 x
実は、昨年プルーンがアカバチにやられた後
ブルーベリーでテストして
「こいつなら大丈夫かもしれない」って・・・田中さん。
私も、畑を見回って実感しました。
だから、今年のアカバチ対策は昨年からの想定事項でした。
来年が、アカバチとの勝負です。
Commented by 韮崎のaki at 2012-08-28 22:39 x
とってもスバリストの身にしみこむ文章でした。梨もプルーンも味わいたくなりました!(よだれが垂れそう。。)

BE5 RS-B 5MT 乗りですが、軽快でしっとり奥深い走りは、まだまだ現役です。
Commented by Toshi at 2012-08-28 22:45 x
考えて見れば、あの不思議な共存体験が今年の虫たちとの対話に繋がったのかもしれません。ショッキングな体験でした。
Commented by Toshi at 2012-08-28 22:52 x
韮崎のakiさん、こんばんは。今年はブルーベリーがとにかくスゴイ。是非行ってみてください。合言葉をお忘れなく。
Commented by なべ田 at 2012-08-29 01:44 x
明日の夜はBRZの記事を拝見出来るかと想って居りましたが・・

NAコンセプトは待望どころか切望して居りました。
FFのエクシーガは凄く気に入りましてデモカーとしては最長の2年間当社に居ました。

それから先日電話でお話した際の86のお話は
在庫車と受注のマッチングのお話を致しましたつもりです。

開田でのテストレポートお待ちしております。
Commented by b-faction at 2012-08-29 20:15
なべ田さん、こんばんは。電話の話は忘れちゃいました。すみません。
やっぱり借りたクルマを少し乗るのと、じっくり愛機として走らせるのは天と地の差があります。元気よく走ってきました。
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by b-faction | 2012-08-28 11:15 | Comments(8)

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