いよいよ3台目のBRZを愛でる。
2012年 12月 20日

御嶽山に抱かれた「きゅうはち」はそれはそれは嬉しそうだった。
そうなると操る方も心が躍る。
澄んだ空気のなかでクルマもヒトも深呼吸しながら光り輝く高原を走り抜けた。
購入までに時間がかかるBRZだが、年末になり思わぬチャンスが転がり込んだ。
手に入らないとあきらめた人がいたら、
是非一度ディーラーを訪れて欲しい。
地域格差はあるかもしれないが、「〇〇モノには福がある」と言われるように、
幸運な出会いがあるかもしれない。
「きゅうはち」とは思わぬ出会いだった。
発表直後にたった4%しか受注を集めなかったRA。
売り手であるディーラーが「スピーカーコードすら無い」の一言でビビったはずだ。
確かに上のグレードの方が安心して売れる。
ところが何しろ「軽さは性能!」という基本中の基本が忘れられない。
この味を一度知ると忘れることが出来ない。
だからまた欲しくなった。
偶然だが、このクルマと同時にすぐ購入できるBRZがあと3台あり、
その中にSのレザーパッケージを持つ6MTがあった。
迷いに迷った挙げ句にRAを選んだ。
あくまでも念を押しておきたいが、
Sが駄目だと行っているわけではない。
先のブログでも述べたように、
スポーツカーライフを楽しむとき、
プッシュスタートボタンを押す手順は重要な演出だ。
その証拠にレースを楽しむヨーロッパの連中が皆RCやストリップドアウト(RAの欧州における呼称)を選んでいるわけでは無い。

この気さくなスイスのドライバーは、

オートエアコン付きの最上級を戦うマシンに仕立てた。

中身は外してあるだろうが、エアバッグ付のレザーステアリングもそのまま使っている。
かたや
こちらの86はスパルタンなモデルだ。

この様に人それぞれの楽しみ方がある。
それなのに何故またRAを選んだのか・・・・・それは
自由に想像してもらってかまわない。
たった218万円でポルシェにすら無いボクサーエンジンをフロントミッドシップに搭載したピュアスポーツカーが買えるんだぜ。

最高にレーシーで地を舐めるように走るスポーツカーに乗ると、
そのあとレガシィに乗り換えたとたん、シートリフターを操作してシートを下げようとする(笑)
冗談では無く本当だ。自然に右手が動くから不思議だ。
当社でBRZを何ヶ月も前に契約して頂いたお客様にも、
ようやく2台ほど月末の納車が決まった。他の皆様には申し訳ないがもう少しお待ち頂きたい。
お待たせした代わりに、ご希望があれば、しっかりと操縦方法までレクチャーし、
この最高の「走り味」を手軽に楽しめるお手伝いをしたい。
お正月までに「ソニックデザイン」のスピーカーを付けるつもりだ。
専用設計らしいがRAには取り付けできないらしいので北原課長と装着実験してみる。
またリヤディヒューザーも装着する。
マフラーが見劣りすると大宮が心配しているが、
実は今のところマフラーには全く興味が無い。
RAの素っ気ないほど目立たないマフラーが気に入っている。
出力特性も悪くないしサウンドも良い。
パワーウインドウにエアコンが付いて電磁式のトランクオープナーまであるクルマが
スパルタンだとはとても言えない。
でもこの素っ気なさを大事にするのもまた一興かと思う。
違った意味でのスパルタンな味がその中にあるような気がするので。
ステアリングホイールも替える気にならない。
そもそも昔はプラスチックだった。
シート表皮も悪くない。
「きゅうはち」にまずスタッドレスタイヤを取り付けた。
どうせ慣らし運転なので「中古の冬タイヤ」をとりあえずあてがった。
中古と言えども、このホイールはなかなか似合う。
美人は何を着ても似合うのだろう。
いつもの味見コースを予定通り走らせた。
きっちり

この距離で
この燃費に驚いた。

決しておとなしく走ってはいない。
回転数は控え、馴らしのセオリーは守ったが、
最高のスポーツドライブを高低差1000メートル以上で楽しめば、
それなりの代償は必要だ。
エンジンの低燃費性能もさることながら
駆動系の抵抗がとても少ない。
というのも思わぬ失敗をしでかした。
以前のスバルに乗り慣れた関係で、ヘッドライトスイッチを入れっぱなしにすることが多い。
日常生活の中でヘッドライトは常に点灯させているので、
少し無頓着になっていた。
この頃、新型車はキーを抜かないとヘッドライトが消灯しない。
それこそ手順の見直しが必要だ。
2時間ほどキーを付けたままクルマを離れた。
戻ってセルモーターを回すと「カチカチカチカチ」と情けない声を出す。

いくら消費電力の少ないHIDでも低温下で2時間以上も付けっぱなしではバッテリーはお手上げになる。
助けを呼べばすむことではあるが、試しに一人で押してみると軽々と動くでは無いか。
幸運にも後ろに向かって僅かだが傾斜がある。
その時、付近にヒトもいなければ障害物も無い。
そこで一旦クルマに座り、キーの位置、トランスミッションの位置、サイドブレーキの解除を確認し、
さっとリングを引いてバックに入れる予行演習をした後、
後ろに向かってクルマを押すと、あらららら、スーっと動くでは無いか。
飛び乗ってギヤをバックに入れクラッチをポンと繋ぐと
極めて自然にエンジンが始動した。
「よっ!D-4S!!なかなかやるじゃん」と褒めてやりながら急場を脱した。

この頃、押し掛けする機会などほとんど無かったが、
古き良き時代を思い出した。
クラッチケーブルが切れたクルマを「クラッチレス」で運んだり、
様々な苦労をした経験がこの頃は少しずつ生かせない時代になった。
そんなわけでまたMTライフに戻ったので、きゅうはちに良いアイテムを与えようと思う。
MT愛好者の皆さんに役立つ情報を発信したい。
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