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「肉と包丁」をインプレッサSTI S202で考える

東京オートサロンが無事閉幕した。
スタッフの皆さんも連休最後の休日を楽しんでおられることだろう。
心を込めて「お疲れ様でした」と申し上げたい。

今年は「もうけた」(笑)
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旬を過ぎるとこうなるが、
スバルのミニカーならいくつあっても嬉しい。
なので、
思わず妻と顔を見合わせた。

数ある中で一個だけ500円だったから、
わけありなのだろう。

帰ってから振ってみた。
カラカラと音がする。
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箱を開けると何やら袋が出てきた。
まるでご神体の中に封じ込まれているようだ。
ご利益がありそうだから、
開かずにそっと戻した。
シリアルナンバーも入っている。
3000分の1132番だった。

ホントにうれしい。
良いモノが手に入った。
しかし興味の無い人は500円でもいらない。
価値観とは、そういうモノだ。

暮れの大掃除で、
山本部長が良い物を見つけてくれた。
嬉しそうに、
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「こんな良いモノが出てきたよ」
と届けてくれた。
ショールームのストッカーに放置されていた筆箱だ。

社員の目が細かく行き渡り、
SUBARUの価値観を理解してくれたことが嬉しい。

興味の無い人にはゴミに映っても、
歴史や背景を知ると「宝」として輝く場合がある。
綺麗に削った鉛筆がそのまま入っていた。
蓋の裏を見ると、「Touring Sedan」と記されている。
インプレッサはデビュー当時スポーツセダンを名乗った。
そしてB4やG4と言うあらたな符号が生まれ、
その陰に隠れた。

時代に合わせて遷ろう、
その語源が良く解る。
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レガシィ開発プロジェクトはスバルの歴史に残る一大事業だった。
その総括責任者は中村担当部長だ。
彼がが執念を燃やした次期主力戦闘機は44Bと密かに名付けられ、
全く新しいコンセプトで、
20年先まで読んだ開発が進められた。

そして「もっとクルマになる」を合言葉に、
それは熱く熱く開発を進めた。

国内営業本部長の飯田さんとお話する機会があった。
一度この原点を紐解き、
もう一度振り返ることが大切だと感じた。
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中村さんは本当に純粋な技術者だった。
彼がどういう仕事をしたのか、
レガシィと言う伝承物が如実に伝えている。
当時の中村さんを良く知る人材は、
まだスバルの中に残っている。
役員の目では見抜けないことを、たくさん教えてくれるだろう。

そうすると、
現在の好調さを逆に怖さと実感する。

「勝って兜の緒を締めろ」は、今のスバルの座右の銘だ。

44Bの開発担当者の名を知らぬ者が意外に多い。
当時は今のように開発担当者がクローズアップされることはほとんど無かった。

しかしスバル技術本部の中で、
「中村孝雄」を知らない人は居ないはずだ。

我々の世代はその当時「死に物狂い」で、
レガシィを「売らせられていた」(笑)。
飯田本部長とは「戦友」に近い「同志感覚」がある。

オートサロンの北館でふと足が止まった。
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ここは何やら怪しいコーナーだ。
同世代な絶対お世話になったはずだ。

わが母校は総武線沿線の水道橋駅近くにある。

在学当時そこには芳賀書店という素晴らしい本屋もあった。

東京に出たばかりの田舎者の少年は、
カルチャーショックを受けた。

水道橋から神保町にむかう通りには、
ズラリと本屋が並び、
心臓が口から飛び出すほどの、
驚くべき本を売っていた。

まさに白日夢だった。
何しろ、
はじめは誰もが目を疑った。
「それ」を発見した時、
驚きのあまり校舎に屯する悪友に告げた。
しかし、
誰もが「嘘だ」と信用しない。
そんなものを店頭で売るはずがないというのだ。
強引に悪友をそこまで引っ張っていった。
何しろ一人で長居する勇気が無いので、
道連れにする者が欲しかった。

それを見た悪友は、
皆、驚きのあまり顎を外した。

店頭に堆く積まれた、
淫靡な写真集。
人々はそれを「ビニ本」と呼んだ。

三栄書房には天才がいる。
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これを見た我々の世代は、
必ず反射的に好きな顔の本を手に取る。

そして次に必ず裏を見る。
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ああ懐かしい。
何とイヤラシイ価格の付け方だろうか。
見たい写真がいっぱい詰まっているに違いない。

すると妻が呑気に、
「こんなのもあるよ」ともう一冊見つけてきた。
2冊まとめて2000円。
安い!安すぎる!!
まさにデフレは今でも続いているのだ。

当時のビニ本は良いモノだと1000円。
なぜかベースプライスは500円ぐらいだった。

表紙のモデルの好みと、
透け具合で中身を連想する。
そしてクオリティに対する、「バリュー」を見つけ出すのが極意だった。

さて購入した2冊のモデルは最高だ。
ビニールを開けて「艶のある」本を出す。
新品を一ページずつめくりながら、
「ひひひひひ」と一人でほくそ笑む。

本の中にレオーネのRXからレガシィのRS、
そしてWRXへと繋がる太い線を見た。
スバルのリリースした歴代のハイパフォーマンスカーで、
どうしても忘れられないクルマがある。
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先のブログで「肉と包丁」という表現を使った。
残念だが今のWRXにはピッタリ当てはまるクルマが無い。

カタログモデルのSTIは素晴らしい。
だが、
「出来上がって」しまっている。
例えspec.Cでも刃物には例えようが無い。
その点コンプリートカーのS202は、
スイートスポットを定めて、
買い手を絞り込んだ。

そういうプレタポルテのようなクルマは、
海外でよく見かける。

S202を運転していたら、
偶然にもプレタポルテが現れた。
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このメルツェデスは高性能で、
走りも見た目も凄い。

ただし、
バカ高いレストランで「豪華に食べる」出来上がった逸品。
「肉と包丁」のイメージなど微塵も感じない。

ああ、肉よ、
ああ、それを切る優れた包丁よ。

その二つで、
美味しい料理を作りたい。
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S202はSTIの中興の祖と言えるクルマだ。
オートサロンのスバルブースでは「肉と包丁」に相当する素材は無かった。
淋しくなった。

会社に帰ると、
「S202をテストしてもらえませんか」と声がかかった。
エンジンの調子が良くない。
まるで拗ねたようだ。
ひねくれたわけでは無いが、
散歩にも行けずご機嫌が悪い。

気分転換に連れ出すと、
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相変わらずの高性能ぶりを発揮した。

今のSTIでは考えられないほど、
クルマ全体に鬼気迫るモノがある。

エアバッグを左右とも取り払い、
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シンプルなMOMOのステアリングを装着。
質素なメーターは要点をきちんと押さえ、
スパルタンだ。
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凄く軽いクルマだ。
運動性能は非常に高いが、
ナーバスで誰にでも乗りこなせる代物では無い。

そのじゃじゃ馬感が堪らない。
極め付けは、
DCCSの装着をあえて見送った事だ。

これは危ないからだろう。

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こんなクルマを300台作れる、
「幸せな」時代の名残だ。
スパルタンなシートに、
ちょっとWRCを感じさせるマット調トリム。
ホイールとブレーキも凝っている。
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当時、ピレリタイヤと鍛造ホイールを組み合わせ、
1輪当たり1kgも軽量化。
スバルとピレリが手を結んだのは、
22Bの誕生以来だ。

初めてオートサロンで黄色いプロトタイプを見たとき、
冗談かと思った。
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320と悪戯のように記されて、
ウイットを感じた。
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そして刺激的なオンナを盛り合わせ、
オートサロンらしさを充満させた。

それを今のスバルには望めなくなったが、
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今年のブリヂストンで見つけた。
特にオンナとハチロクの取り合わせは最高だった。
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この時「肉と包丁」
を再び感じた。

それに比べスバルブースはどうか。
用意されたコンプリートカーは、
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「きゃりーぱみゅぱみゅ」だ。
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クスコからこの子を借りて、
そばに立たせると良い。
紅白歌合戦で歌う姿と重なり合った。

レガシィとSTIを掛けて、
「きゃりーぱみゅぱみゅ」と解く。
そのココロは「訳が分からない」
それに比べS202はとても解りやすい。
                        
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発売当時酷評された丸目は、
徐々に個性を身に付け猛禽類より鋭さを持った。

エクゾーストノートも凄い。
このチタンマフラーは軽さと効率と快音を併せ持つ。
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悪魔の囁きを奏でる。

リヤドアの鉄板はギョッとするほど薄い。
そして同じように薄いドアガラス。
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占めると「バシャン」と割り切った音を出す。

同じように薄いリヤガラス。
もちろんリヤワイパーなど装備していない。
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とにかくリヤセクションは「ペランペラン」だ。
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そのスパルタンな印象が堪らない。
不思議なほど安っぽさを感じさせず、
戦闘機のように研ぎ澄まされた魅力がある。
当然好みは別れる。
が、
こう言うクルマが欲しいヒトには、
ぶすりと心臓に魅力が刺さる。
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性能を重視のヤスポイラーは、
素材がずば抜けて良い。
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もう11年経つのにまるでのように生き生きとしている。

エンジンルームは、
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スバルそのもので、
武装も忘れていなかった。
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スバルの歴史上初めてオイルクーラーを標準装備。
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こういう過激なクルマは、
安全に走らせないと良くない。
存在を誇示するフォグランプを、
デイライトとして常に活用した。
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スバル1000スポーツからff-1。
1300G sportからレオーネRX
レガシィRSからインプレッサWRX
全て太い線で繋がっている。
スバルはどの時代でも常に刺激的なクルマを世の中にリリースした。

悲しいことにWRXと名前が分離した途端に、
滞留している。
10年前を凌駕できないスバルに歯がゆさを感じてならない。
戦闘機メーカーの末裔が、戦闘力を忘れているから萎える

たとえナーバスであろうとも
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それを制圧し従わせる。

自動車家畜論のもう一つの側面だ。

Commented by 平田正一朗 at 2014-03-08 20:44 x
S202は名車ですね。中古でしか買えませんがいつか手に入れて大事にしたいものです。
Commented by b-faction at 2014-03-09 15:30
平田さん、そうですね。追い込まれたときだったから、余計に凄かった。軽いクルマは面白いですね。
S202に早く巡り会えると良いですね。
Commented by 平田正一朗 at 2019-01-25 20:52 x
10年近く乗っているGDB型のSTIワゴンの調子が悪く乗るたびに故障する感じなので、そろそろS202に買い替えかなと思ってます。
もうおっさんで性能を発揮できないかも知れませんけど。
Commented by b-faction at 2019-01-25 21:20
平田さん、こんばんは。S206も良いですね。こちらの方が疲れません。
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by b-faction | 2013-01-14 11:27 | Comments(4)

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