ノルドシェライフェのドライブトレーニングでモダンスキルを学ぶ
2013年 09月 10日
4月に社員と共にドイツを訪れた。
それほど時間に縛られず、
クルマで自由自在に移動した。
あれからもう半年近くになる。
8月も終わりに近づいた頃、再びドイツを訪れた。
今度はフランクフルトの北西にあるダウンと言う街に滞在した。
今回も時間に縛られず、
一つ一つの街角を大切にクリアしようと考えた。
ニュルブルクリンクを走るように、
旅全体を考えた。
それは一瞬を大事にすると言うことだ。
ニュルでは172個もあるコーナーを、
一つ一つ舐めるように覚える必要がある
単に走るだけでは時間と費用を浪費してしまう。。
ニュルの中にも一つの旅があるのだ。
二度と訪れない場所かもしれない、一つ一つの街をかみしめながら、
時間に囚われず、旅することも大切だ。
ダウンの空には、
熱気球がバーナーを炊き、高く舞い上がる姿があった。
素敵なホテルやカフェが点在し、
のどかな風景が広がる素敵な田舎町だ。
中でも古いお城を改築した「シュロスホテル」はとても素敵な場所だ。
スタッフが皆フレンドリーで心地良い。
そこのレストランは最高級の評価を受け、
連日予約で一杯だ。
そのうえ朝ご飯が最高なんだ。
ドイツに来たら是非宿泊したい。
そして、
ここは伝統的なだけに、色々なものが棲んでいる。
当然、その中には幽霊も居る。
この前宿泊した時、楽しい中年オヤジの幽霊に出会った。
この頃日本では、宿泊したホテルで額縁の裏を確認する人達が居るようだが、
大阪のとあるホテルで、女の幽霊にのしかかられて依頼、
そういうことはある意味、当然のことに思えるようになった。
したがって、シュロスホテルの幽霊も、
皆怖がるが、決して悪い奴では無いので安心して欲しい。
ホテルの窓から見た眺めが絵画のように美しかった。
ホテルのレストランを予約していなかったので、
街に出た。
散策していると洒落たお店が有るじゃ無いか。
さっそく小エビのカクテルを食べた。
プリプリして量も多く美味で、
これを6ユーロで食べることが出来る。
日本円に換算すると780円。
次に温かいオードブル。
これはヴェニンバーグシュニッケン(だと思う)。
これも7ユーロと格安。しかも超美味。
難しい名前だけど見たとおりエスカルゴ。ドイツにも当たり前のように楽しんでいる。
パンと一緒に食べると、美味しい。
この店はバケットでは無く一般的なトーストを添えだ。
そしてメニューに「Grill」書かれていたメインディッシュ。
この店のスペシャル「Grillteller」だ。
2個のシシカパブとポークソテーがデンと乗っかり、その右にハンバーグが見える。
更に肉の串焼きが乗っているのだが、それを皿の上に降ろしたところだ。
まるでチキンライスのような付け合わせのご飯が美味。
思い出してもよだれが出る。これで12ユーロだ。ビールがガンガン進む。
驚いてはいけない。これで一人前だ。
このメニューの下には二人用のプレートとして、
更にお値打ちな盛り合わせが用意されている。
108ユーロの「4人向け」料理もあった。
内容には触れず「赤ワイン1本とシュナップスも4杯ただで付けるぜ!」
とだけ記されていた。
「喰って見やがれ!」という自信に満ちあふれた皿盛りを次にチャレンジしてやる。
翌日、
こういう美女もザクザク居るケルンに行った。
大聖堂の前でウエディングドレスを何のためらいものく引きずりながら歩く。
文化の違いを「まざまざ」と感じた。
日本では仏教徒でも、結婚式ではいきなりクリスチャンになったりする。
どうも気持ち悪い。
ドイツの誇る世界遺産の前で、こんなシチュエーションに出会うとはラッキーだ。
寺社仏閣に文金高島田の西洋版だ。
ケルンの食い物も旨い。
特にトンカツの味は格別だ。
よくもまあこれほど似た食べ物があるものだと感激する。
このカフェの昼飯で食ったトンカツはまた格別に旨かった。
ただのトンカツなら「シュニッツェル」だが、
これはマッシュルームの入った美味しいソースが掛けられているので「イエーガーシュニッツェル」という。
夜ならヴァイスビアという濁ったビールが欠かせない。
ケルンにトヨタのモータースポーツ拠点がある事は昔から有名だ。
スバルも確固たる拠点をNBRに作るべきだ。
キムチの匂いが溢れるNBRを見たら、
ちょっと危機感を持つ。
今年もトヨタの長浜さんと一緒にトレーニングを受け友情を暖めた。
彼の運転技術は素晴らしく、文才はモータージャーナリストを越える。
そしてドライブスキルや自動車文化も語れる。
まさしく、
トヨタ自動車の至宝といえる人材だ。
いまさら言うまでもなく、
BRZ/86はスバルとトヨタの申し子だ。
どちらの力が欠けてもこの世に誕生することは無かった。
長浜さんとクルマ天国の地で、
お互いを称え合い、更に改善されたBRZ/86に祝杯をあげた。
ドイツは刺激的だ。
フランクフルトに向かう途中のアウトバーンで、覆面車両に出会った。
日本では滅多に見られないが、
ドイツでは珍しく無いらしい。
スバルもレガシィの開発で、
これ以上に過激なことを繰り返したようだ(笑)
高速テストや燃費試験をしていて、時にはポリスにとがめられたこともあると聞いた。
右前方から突瀬現れたテスト車を、
カメラで狙うと、
ドライバーは凄い勢いでレーンチェンジを繰り返し、
隠れるように合流車線へ逃げた。
さてフランクフルトエアポートで借りた、
今年の相棒を紹介したい。
ベンツのC220。
ベンツらしいディーゼルで効率の良い走りを楽しんだ。
動力性能も見事で、時速220㎞まで出すことが出来た。
高速安定性も言うことない。
但し、内装の質感や
トランクの使い勝手では少し物足りない部分もある。
レガシィの将来を占う上で、
このクルマと走った2000㎞弱は、
実に有意義であった。
さて、
ノルドシェライフェで、
世界屈指のトレーニングを受けた。
クルマの神髄を更に極めるために。
今回お世話になったM社のMr.ロバートだ。
直ぐ仲良しになった。
彼には娘が二人いるそうだ。二十歳と17歳だから彼氏でも出来たら心配な年頃だろう。
夕飯喰い呑んで楽しく語らった。
すると娘の話になり「アウディに乗るような奴とは付き合わせない。家にも入れない」と息巻いた。
全く同感だ。
彼はまだ優しい。自分自身に置き換えると良く解る。殴るかもしれない(笑)
冗談はさておき、
「モダンなクルマにはモダンなドライビングスキルが必要だ」
彼の代表的なセリフのひとつだ。
彼はニュルブルクリンクに於いて、
既に10000ラップ以上の経験を重ねている。
だから発する言葉の意味は実に深い。
ブレーキの扱い方や、
ステアリングコントロールについて、
彼から多くのスキルを学んだ。
ここはその典型的な場所で、
高速ターンが連続する素敵な場所だ。
ノルドシェライフェを走ると、高速道路のように距離標がある。
そのうち169の距離標は右側にクルマを付けるための目印だ。
そのポイントから続く、このジャンピングスポットを、
プランツガルテンと呼ぶ。
ここは春の研修で、
中津スバルのスタッフを真っ先に連れて行った場所でもある。
イメージして欲しい。
右側の169の距離標に寄ってから、
気持ちよくS字を直線的に抜けて駆け下り、
ブレーキ、リリース(ジャンプ)、ブレーキ、ターン。
ワンステアリングアングルで右の縁石の終わりまで寄る。
ここの要点は、
1.ジャンプして着地したら3速にシフトダウン。
2.最初のブレーキは決して軽くではない。スピードにもよるが・・・。
3.前輪に荷重をかけた後ジャンプしないと危ない。
4.ブレーキングと3速シフトダウンで右コーナーを駆け上る。
こんな感じだ。
速さを競うのでは無く、
如何に気持ちよく駆け抜けるのか。
その極意がまたひとつ手に入った。
そのキーワードが、
「ガスコントロール」だ。
ロバートはアクセル、とかスロットルより、
ガスというワードを好んで使う。
その意味が走りを重ねる毎に脳裏に刺さる。
そしてちょっとしたトピックスもあった。
コーナーの名前を新しく付け直したのだ。
由来は「シュテファン・ベロフ S」。
若くしてこの世を去った偉大なレーシングドライバーを偲んで付けられた。
逝去から30年経ち、プランツガルテン2を「シュテファン・ベロフ」に改名した。
プランツガルテン2は、ニュルを走ったら忘れることの出来ない2つ目の大ジャンプのところだ。
先ほどの続きをイメージして欲しい。
右コーナーを駆け上がると、
そのあとブラインドステアで左に切り、右の縁石の終わりから、
175の距離標に向けて左に寄って、
ジャ~~~ンプ。
ここがプランツガルテン2だ。
その後、坂を下って176まで進んだら右に寄ってトリックコーナーのS字を抜けて一本杉に向かう。
このS字の右側に彼の名が刻まれた看板が立ったと聞いた。
修了式の席上で、ロバートは修了証を渡して良いものか、さぞかし悩んだことだろう。
出来の悪い奴ほど可愛いと良く言われる。
「グード」とか「スーパー」とか褒めてくれたこともあったが、
今回の受講生の中で心配な一人だったのは間違いない。
ロバートは熱心なインストラクターだから外から走りを見て、その都度、無線機で注意する。
「その黄色いシャツ!気をつけろ!!右側のクリップ甘くこんなにあいとるぞ!」
と檄が飛んだ。
あまりにドヘタで我慢ならなかったようだ。
しかし災い転じて福となる。
幸運にもロバートから直々に、
難所であるハッツェンバッハの攻略法を伝授される事になった。
運転席に座ると、「良く見とれよ!むふー」と言い、ロバートは禁断のMボタンを押した。
それはステアリングにあるMと書かれた秘密のスイッチだ。
そして自分好みに調整したパドルシフトの感度を確かめるとハッツェンバッハに飛び込んだ。
助手席から撮影した動画を紹介したい。
前輪荷重を少し減らし、アンダーステアを出さないよう後輪荷重を増やす。
曲がるためにアクセルを踏むのだ。
論理的に解るようで、
これがなかなか難しい。
しかしハッツェンバッハを果敢に攻めると、
「クッ」と曲がる感じが手に取るように解る。
NBRを10.000LAPこなした強者だからこそ知るラインもあった。
メツケツフェルドからカーレンハードへ向かうポイントだ。
そこの攻略法も伝授された。
ここには2つのアイディアルラインが有るという。
この時、初めて「ファイティングライン」の存在を知った。
この急なコーナーではガードレールにある黄色のマークに向かっていっぱいにクルマを寄せ、
そこから左ターンがセオリーだ。
ところが、ファイティングラインはこれに向かわず、もう少し奥まで左側を走り鋭角にターンする。
2度走ったが、とてもシックリくるラインだった。
ニュルには常に新鮮な話題が溢れている。
4月には気がつかなかったが、
遂にBRZのレースレンタカーも登場した。
レント4リングという会社は4月に我々が利用した所とは別でライバル関係にある。
彼等はニュルを走るための車にBRZを選んだ。
そして、
ロールケージとバケットシートまで装着した。
こいつは面白そうだ。
対するレンタレースカーも黙ってはいない。
先回レンタルした車両が、
すっかりレーシーに生まれ変わっていた。
こちらはトヨタのGT86だ。
ニュルは熱い!
日本に戻り中部国際空港で待つBRZに乗った時、
改めて凄さを悟った。
直後の関東出張でBRZを用いたため、
この2週間の間、全て高性能なFR車ばかり愛用した。
そこで感じた事が二つある。
全く価格の違うM3とBRZだが、面白いほど両者は似ている。
そしてそれぞれに弱点がある。
BRZはこれからもNBRでますます磨かれるだろう。
その時の課題を次のブログに記し更なる改善を期待したい。
もう一つはドライブスキルだ。
何が間違っていて、何が不足していたのか、ようやく掴めた気がする。
まだガスコントロールが不十分だが、
「ワンステアリングアングル」が体に染み込んだ。
有り難いことに我々には「中津シェライフェ」がある。
そこで昨夜検証すると、もやもやが一気に晴れた。
そして「きゅうはち」と別れる時も来た。
以前から親交のある生粋のスバラーに、
出産祝いも兼ねて譲る事にした。
スバル好きの遺伝子がまた増えたことが嬉しい。
きゅうはちとの別れは辛いが、
寂しがっている場合では無い。
気持ちをポジティブに切り替えた。
まもなく恒例の祭典が繰り広げられる。
奴らが来る以上、
青い稲妻で迎撃せねば顔が立たない。
これから暫く、愛機をチェンジして、
昔の自分に戻ることにする。
それほど時間に縛られず、
クルマで自由自在に移動した。
あれからもう半年近くになる。
8月も終わりに近づいた頃、再びドイツを訪れた。
今度はフランクフルトの北西にあるダウンと言う街に滞在した。
今回も時間に縛られず、
一つ一つの街角を大切にクリアしようと考えた。
ニュルブルクリンクを走るように、
旅全体を考えた。
それは一瞬を大事にすると言うことだ。
ニュルでは172個もあるコーナーを、
一つ一つ舐めるように覚える必要がある
単に走るだけでは時間と費用を浪費してしまう。。
ニュルの中にも一つの旅があるのだ。
二度と訪れない場所かもしれない、一つ一つの街をかみしめながら、
時間に囚われず、旅することも大切だ。
ダウンの空には、
熱気球がバーナーを炊き、高く舞い上がる姿があった。
素敵なホテルやカフェが点在し、
のどかな風景が広がる素敵な田舎町だ。
中でも古いお城を改築した「シュロスホテル」はとても素敵な場所だ。
スタッフが皆フレンドリーで心地良い。
そこのレストランは最高級の評価を受け、
連日予約で一杯だ。
そのうえ朝ご飯が最高なんだ。
ドイツに来たら是非宿泊したい。
そして、
ここは伝統的なだけに、色々なものが棲んでいる。
当然、その中には幽霊も居る。
この前宿泊した時、楽しい中年オヤジの幽霊に出会った。
この頃日本では、宿泊したホテルで額縁の裏を確認する人達が居るようだが、
大阪のとあるホテルで、女の幽霊にのしかかられて依頼、
そういうことはある意味、当然のことに思えるようになった。
したがって、シュロスホテルの幽霊も、
皆怖がるが、決して悪い奴では無いので安心して欲しい。
ホテルの窓から見た眺めが絵画のように美しかった。
ホテルのレストランを予約していなかったので、
街に出た。
散策していると洒落たお店が有るじゃ無いか。
さっそく小エビのカクテルを食べた。
プリプリして量も多く美味で、
これを6ユーロで食べることが出来る。
日本円に換算すると780円。
次に温かいオードブル。
これはヴェニンバーグシュニッケン(だと思う)。
これも7ユーロと格安。しかも超美味。
難しい名前だけど見たとおりエスカルゴ。ドイツにも当たり前のように楽しんでいる。
パンと一緒に食べると、美味しい。
この店はバケットでは無く一般的なトーストを添えだ。
そしてメニューに「Grill」書かれていたメインディッシュ。
この店のスペシャル「Grillteller」だ。
2個のシシカパブとポークソテーがデンと乗っかり、その右にハンバーグが見える。
更に肉の串焼きが乗っているのだが、それを皿の上に降ろしたところだ。
まるでチキンライスのような付け合わせのご飯が美味。
思い出してもよだれが出る。これで12ユーロだ。ビールがガンガン進む。
驚いてはいけない。これで一人前だ。
このメニューの下には二人用のプレートとして、
更にお値打ちな盛り合わせが用意されている。
108ユーロの「4人向け」料理もあった。
内容には触れず「赤ワイン1本とシュナップスも4杯ただで付けるぜ!」
とだけ記されていた。
「喰って見やがれ!」という自信に満ちあふれた皿盛りを次にチャレンジしてやる。
翌日、
こういう美女もザクザク居るケルンに行った。
大聖堂の前でウエディングドレスを何のためらいものく引きずりながら歩く。
文化の違いを「まざまざ」と感じた。
日本では仏教徒でも、結婚式ではいきなりクリスチャンになったりする。
どうも気持ち悪い。
ドイツの誇る世界遺産の前で、こんなシチュエーションに出会うとはラッキーだ。
寺社仏閣に文金高島田の西洋版だ。
ケルンの食い物も旨い。
特にトンカツの味は格別だ。
よくもまあこれほど似た食べ物があるものだと感激する。
このカフェの昼飯で食ったトンカツはまた格別に旨かった。
ただのトンカツなら「シュニッツェル」だが、
これはマッシュルームの入った美味しいソースが掛けられているので「イエーガーシュニッツェル」という。
夜ならヴァイスビアという濁ったビールが欠かせない。
ケルンにトヨタのモータースポーツ拠点がある事は昔から有名だ。
スバルも確固たる拠点をNBRに作るべきだ。
キムチの匂いが溢れるNBRを見たら、
ちょっと危機感を持つ。
今年もトヨタの長浜さんと一緒にトレーニングを受け友情を暖めた。
彼の運転技術は素晴らしく、文才はモータージャーナリストを越える。
そしてドライブスキルや自動車文化も語れる。
まさしく、
トヨタ自動車の至宝といえる人材だ。
いまさら言うまでもなく、
BRZ/86はスバルとトヨタの申し子だ。
どちらの力が欠けてもこの世に誕生することは無かった。
長浜さんとクルマ天国の地で、
お互いを称え合い、更に改善されたBRZ/86に祝杯をあげた。
ドイツは刺激的だ。
フランクフルトに向かう途中のアウトバーンで、覆面車両に出会った。
日本では滅多に見られないが、
ドイツでは珍しく無いらしい。
スバルもレガシィの開発で、
これ以上に過激なことを繰り返したようだ(笑)
高速テストや燃費試験をしていて、時にはポリスにとがめられたこともあると聞いた。
右前方から突瀬現れたテスト車を、
カメラで狙うと、
ドライバーは凄い勢いでレーンチェンジを繰り返し、
隠れるように合流車線へ逃げた。
さてフランクフルトエアポートで借りた、
今年の相棒を紹介したい。
ベンツのC220。
ベンツらしいディーゼルで効率の良い走りを楽しんだ。
動力性能も見事で、時速220㎞まで出すことが出来た。
高速安定性も言うことない。
但し、内装の質感や
トランクの使い勝手では少し物足りない部分もある。
レガシィの将来を占う上で、
このクルマと走った2000㎞弱は、
実に有意義であった。
さて、
ノルドシェライフェで、
世界屈指のトレーニングを受けた。
クルマの神髄を更に極めるために。
今回お世話になったM社のMr.ロバートだ。
直ぐ仲良しになった。
彼には娘が二人いるそうだ。二十歳と17歳だから彼氏でも出来たら心配な年頃だろう。
夕飯喰い呑んで楽しく語らった。
すると娘の話になり「アウディに乗るような奴とは付き合わせない。家にも入れない」と息巻いた。
全く同感だ。
彼はまだ優しい。自分自身に置き換えると良く解る。殴るかもしれない(笑)
冗談はさておき、
「モダンなクルマにはモダンなドライビングスキルが必要だ」
彼の代表的なセリフのひとつだ。
彼はニュルブルクリンクに於いて、
既に10000ラップ以上の経験を重ねている。
だから発する言葉の意味は実に深い。
ブレーキの扱い方や、
ステアリングコントロールについて、
彼から多くのスキルを学んだ。
ここはその典型的な場所で、
高速ターンが連続する素敵な場所だ。
ノルドシェライフェを走ると、高速道路のように距離標がある。
そのうち169の距離標は右側にクルマを付けるための目印だ。
そのポイントから続く、このジャンピングスポットを、
プランツガルテンと呼ぶ。
ここは春の研修で、
中津スバルのスタッフを真っ先に連れて行った場所でもある。
イメージして欲しい。
右側の169の距離標に寄ってから、
気持ちよくS字を直線的に抜けて駆け下り、
ブレーキ、リリース(ジャンプ)、ブレーキ、ターン。
ワンステアリングアングルで右の縁石の終わりまで寄る。
ここの要点は、
1.ジャンプして着地したら3速にシフトダウン。
2.最初のブレーキは決して軽くではない。スピードにもよるが・・・。
3.前輪に荷重をかけた後ジャンプしないと危ない。
4.ブレーキングと3速シフトダウンで右コーナーを駆け上る。
こんな感じだ。
速さを競うのでは無く、
如何に気持ちよく駆け抜けるのか。
その極意がまたひとつ手に入った。
そのキーワードが、
「ガスコントロール」だ。
ロバートはアクセル、とかスロットルより、
ガスというワードを好んで使う。
その意味が走りを重ねる毎に脳裏に刺さる。
そしてちょっとしたトピックスもあった。
コーナーの名前を新しく付け直したのだ。
由来は「シュテファン・ベロフ S」。
若くしてこの世を去った偉大なレーシングドライバーを偲んで付けられた。
逝去から30年経ち、プランツガルテン2を「シュテファン・ベロフ」に改名した。
プランツガルテン2は、ニュルを走ったら忘れることの出来ない2つ目の大ジャンプのところだ。
先ほどの続きをイメージして欲しい。
右コーナーを駆け上がると、
そのあとブラインドステアで左に切り、右の縁石の終わりから、
175の距離標に向けて左に寄って、
ジャ~~~ンプ。
ここがプランツガルテン2だ。
その後、坂を下って176まで進んだら右に寄ってトリックコーナーのS字を抜けて一本杉に向かう。
このS字の右側に彼の名が刻まれた看板が立ったと聞いた。
修了式の席上で、ロバートは修了証を渡して良いものか、さぞかし悩んだことだろう。
出来の悪い奴ほど可愛いと良く言われる。
「グード」とか「スーパー」とか褒めてくれたこともあったが、
今回の受講生の中で心配な一人だったのは間違いない。
ロバートは熱心なインストラクターだから外から走りを見て、その都度、無線機で注意する。
「その黄色いシャツ!気をつけろ!!右側のクリップ甘くこんなにあいとるぞ!」
と檄が飛んだ。
あまりにドヘタで我慢ならなかったようだ。
しかし災い転じて福となる。
幸運にもロバートから直々に、
難所であるハッツェンバッハの攻略法を伝授される事になった。
運転席に座ると、「良く見とれよ!むふー」と言い、ロバートは禁断のMボタンを押した。
それはステアリングにあるMと書かれた秘密のスイッチだ。
そして自分好みに調整したパドルシフトの感度を確かめるとハッツェンバッハに飛び込んだ。
助手席から撮影した動画を紹介したい。
前輪荷重を少し減らし、アンダーステアを出さないよう後輪荷重を増やす。
曲がるためにアクセルを踏むのだ。
論理的に解るようで、
これがなかなか難しい。
しかしハッツェンバッハを果敢に攻めると、
「クッ」と曲がる感じが手に取るように解る。
NBRを10.000LAPこなした強者だからこそ知るラインもあった。
メツケツフェルドからカーレンハードへ向かうポイントだ。
そこの攻略法も伝授された。
ここには2つのアイディアルラインが有るという。
この時、初めて「ファイティングライン」の存在を知った。
この急なコーナーではガードレールにある黄色のマークに向かっていっぱいにクルマを寄せ、
そこから左ターンがセオリーだ。
ところが、ファイティングラインはこれに向かわず、もう少し奥まで左側を走り鋭角にターンする。
2度走ったが、とてもシックリくるラインだった。
ニュルには常に新鮮な話題が溢れている。
4月には気がつかなかったが、
遂にBRZのレースレンタカーも登場した。
レント4リングという会社は4月に我々が利用した所とは別でライバル関係にある。
彼等はニュルを走るための車にBRZを選んだ。
そして、
ロールケージとバケットシートまで装着した。
こいつは面白そうだ。
対するレンタレースカーも黙ってはいない。
先回レンタルした車両が、
すっかりレーシーに生まれ変わっていた。
こちらはトヨタのGT86だ。
ニュルは熱い!
日本に戻り中部国際空港で待つBRZに乗った時、
改めて凄さを悟った。
直後の関東出張でBRZを用いたため、
この2週間の間、全て高性能なFR車ばかり愛用した。
そこで感じた事が二つある。
全く価格の違うM3とBRZだが、面白いほど両者は似ている。
そしてそれぞれに弱点がある。
BRZはこれからもNBRでますます磨かれるだろう。
その時の課題を次のブログに記し更なる改善を期待したい。
もう一つはドライブスキルだ。
何が間違っていて、何が不足していたのか、ようやく掴めた気がする。
まだガスコントロールが不十分だが、
「ワンステアリングアングル」が体に染み込んだ。
有り難いことに我々には「中津シェライフェ」がある。
そこで昨夜検証すると、もやもやが一気に晴れた。
そして「きゅうはち」と別れる時も来た。
以前から親交のある生粋のスバラーに、
出産祝いも兼ねて譲る事にした。
スバル好きの遺伝子がまた増えたことが嬉しい。
きゅうはちとの別れは辛いが、
寂しがっている場合では無い。
気持ちをポジティブに切り替えた。
まもなく恒例の祭典が繰り広げられる。
奴らが来る以上、
青い稲妻で迎撃せねば顔が立たない。
これから暫く、愛機をチェンジして、
昔の自分に戻ることにする。
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シルバーインプ
at 2013-09-09 21:26
x
こんにちはです
やはり22Bは良いですね
青い稲妻に乗り換えですか 見たかぎりD型かな??
自分のD型も25万キロオーバー あちこち壊れ始めました^^;
やはり22Bは良いですね
青い稲妻に乗り換えですか 見たかぎりD型かな??
自分のD型も25万キロオーバー あちこち壊れ始めました^^;
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b-faction at 2013-09-10 07:03
シルバーインプさん、G型です。素直なクルマに戻すため苦労を重ねました。25万㎞ですか・・・・。朽ち果てるまで付き合うしかないですね。
こんにちは!NBRはもちろん、ドイツの町や食べ物もおもしろいですね〜♪
モダンな車にはモダンなドライビングスキル・・・深いですね。スキルアップにつながるよう、カートを春より始めました(笑)モダンという言葉には、程遠いマシーンですが・・・
やはりレガシィは素晴らしい車だなと感じます。どの世代も、それぞれの良さがあり、さすがはスバルのフラッグシップです。さらなる進化が楽しみでなりません!!
モダンな車にはモダンなドライビングスキル・・・深いですね。スキルアップにつながるよう、カートを春より始めました(笑)モダンという言葉には、程遠いマシーンですが・・・
やはりレガシィは素晴らしい車だなと感じます。どの世代も、それぞれの良さがあり、さすがはスバルのフラッグシップです。さらなる進化が楽しみでなりません!!
Commented
by
B-faction
at 2013-09-12 16:20
x
博多人さん、カートに打ち込めるなんて羨ましい。精度の高いVDCや重量配分、高いレベルの製造技術などスバルのクルマはまだまだモダンになって行くでしょう。これからもたのしみです。
Commented
by
KAZU
at 2013-09-13 21:59
x
はじめまして!
86と悩んでいたのですが、このブログのBRZへの熱い想いを読ませて頂き先日BRZを契約しました!
試乗時にブログでおっしゃていた事を少しですが感じることができ、BRZで間違いないと思うことができました。
納車はまだ先ですが楽しみでしょうがないです!
これからもBRZの記事楽しみにしています。
86と悩んでいたのですが、このブログのBRZへの熱い想いを読ませて頂き先日BRZを契約しました!
試乗時にブログでおっしゃていた事を少しですが感じることができ、BRZで間違いないと思うことができました。
納車はまだ先ですが楽しみでしょうがないです!
これからもBRZの記事楽しみにしています。
Commented
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b-faction at 2013-09-14 07:04
KAZUさん、おはようございます。BRZ契約おめでとうございます。想いが伝わり大変嬉しいです。手のひらの上で操れるような素敵なクルマを楽しみにお待ち下さい。またコメントをお待ちしています。
Commented
by
KAZU
at 2013-09-14 11:33
x
Commented
by
b-faction at 2013-09-15 17:15
KAZUさん、コメント楽しみにしています。
Commented
by
イバタ
at 2013-09-15 17:18
x
こんにちは。
ブログの方、いつも楽しく拝見しております。
先月伺った際は、会社をご案内頂きありがとうございました。友人と共に楽しい時間を過ごせて良かったです。また時間が取れたら伺いたいです。
NBRのドライブトレーニングは、魅力的ですね。
ブログの方、いつも楽しく拝見しております。
先月伺った際は、会社をご案内頂きありがとうございました。友人と共に楽しい時間を過ごせて良かったです。また時間が取れたら伺いたいです。
NBRのドライブトレーニングは、魅力的ですね。
Commented
by
b-faction at 2013-09-16 07:21
イバタさん、おはようございます。またご来店下さい。NBRは第5の故郷みたいになりました。
とても不思議な場所ですね。
とても不思議な場所ですね。
by b-faction
| 2013-09-10 11:21
| 社長の活動
|
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