フォレスターDITで御嶽山に登る!
2013年 10月 31日
多くの部分でレガシィの性能を凌駕した。

そもそもFA20型直噴ターボエンジンは
レガシィ用ではなく、
4代目フォレスターのために開発が始まった。
後から登場したフォレスターの動力性能に見かけ上差があるが、
エンジンから出たパワーがミッションに入る前に減速させている。
そういう訳で、
同じエンジンなのに、
見かけ上出力差がある。
フォレスターはスバル車の中で、
専用チューニングのおかげだろう。
その実力を御嶽山に続く、
激しい高低差を持つワインディングロードで確かめた。
御嶽山は実に有効なブルーピンググラウンドであると同時に、
巨大なテーマパークだ。
そこで、
自分の体を試すと同時に、
クルマの味わいを深く知る。
なぜ御嶽山に魅せられたのか。
今回の登山で閃いたことがある。
もう20年以上前になる。
アメリカのフロリダ州を訪れた。
1990年には自力で米国で売られていたレガシィを逆輸入し、
自分の理想とする店作りにも、
大いに役立てることが出来た。
2007年には社員全員で、

ニューヨークを訪問した。
実はそれ以降、
一度もアメリカに渡っていない。
なぜなら、魅力を感じなくなったからだ。
日本はアメリカの害毒に蝕まれ過ぎた。
ニューヨークを訪問した時、
何かがおかしいと感じた。
その直後、リーマンショックが世界中を震撼させた。
アメリカの文化にもちろん良い面は沢山ある。
しかし、全体的に薄っぺらい。
ディズニーランドなどその典型だろう。
薄っぺらい文化を「凄い」と勘違いしていた。
便利ではあるが薄っぺらい文化と、
食品をはじめとする価格破壊の数々。
何事もバランスが大切だ。
偏りすぎると、
体や精神がおかしくなる。
それらがいかに日本人にとってふさわしくないことなのか、
徐々に解り始めた。
頭ではなく体で感じ始め、
行動を自己分析することにより、
「日本の良さ」を見直すことに繋がった。
木と紙と水を中心に据えた文化は世界に誇れる。
この7年でかなり意識が変わった。
望桜荘がその典型だろう。
日本の木造家屋をサンバー記念館したのも、
その現れかもしれない。
手入れを楽しむココロの余裕も出来た。
特に「苔」に触れるのが嬉しくてたまらない。
アメリカでオーランドを訪れた時、
そのスケールに度肝を抜かれた。
友人の案内でディズニーワールド訪れ、
幼い子供と一緒に楽しんだ時、
心底痺れた。
色の使い方や素材など、
何を見ても「凄い」と心の中で連発した。
しかし今ではそういう空間に疲れを覚える。
それより凄い物が、
身近にいくらでもある。
御嶽山の周辺は、
ディズニーワールドなど足下にも及ばない、
巨大なテーマパークだ。

しかも、僅かな個人ではなく、
大勢の日本人が磨き上げたフィロソフィーに溢れている。
ここなど、ビッグサンダーマウンテンより、
数万倍の味と精神に満ちあふれている。

そう言うならグランドキャニオンがあるだろう、と言う人も居るかもしれないが、
強烈な信仰の対象になっている山は本質的に違う。

ここで、もし事故があっても、
人のせいにすることは出来ない。
全てオウンリスクだ。
例え子供でも、
オトナの品格を備えた者しか来ては行けない場所だ。
そういう場所で、
子供を育てれば日本は今よりもっと良くなるだろう。
昔見た「アドベンチャーファミリー」を思い出した。
良い映画だった。
ここにも、
アイドルが居る。
ふざけたネズミの着ぐるみより、
眼力に溢れた動物のキャラをとくとご覧あれ。

これは、霧では無い。
雲の中にいるようだ。

息をしていると、鼻腔がすぐ水浸しになる。
この写真で見る以上に、
実際には何も見えなかった。
僅か3週間前、
同じ場所でXVハイブリッドを撮影した。

あの時の絶景は微塵も無い。
御嶽山が姿を見せない代わりに、
全ての物に乳白色が混じった、
朧気な景色だけが横たわっている。
何もかもが曖昧。
これはこれでなかなか良い。
まるで夢の中に居るような気分だ。
霊峰の機嫌が悪いわけでもなさそうだ。
風も無ければ、寒さも想像ほどでは無い。
あの山の中腹には、
美しい仏像がいくつも陣取っている。
その中でも一番気の合う友が呼んでいた。
朧気な風景の中で、

「お主は今年、3度ニュルブルクリンクに詣でたはずだ。
わしには2度しか会いに来ぬのか」と・・・・。
摩利支天に惹かれる理由は解らないが、
この姿が目に浮かぶので、
一気に登ろうと身支度を調えた。
台風の影響で小雨のぱらつく朝、

麓の王滝村は美しい紅葉に包まれていた。
御嶽山に登るために、
登山口に向かうまでの間を、
最高の馬と過ごす事も大切な目的だ。
曇り空で今ひとつ彩りが冴えない景色だが、
寒くも無く、暑くも無い環境は、
フォレスターにとって嬉しい環境だ。
適度に湿った空気を、胸一杯に吸い込んで、
280馬力のポテンシャルを余すところなく発揮した。

美しく色づいた広葉樹の中を走ると、
ある場所から人家が全く途絶え、
標高2000メートルを超える世界が広がり始める。
そこでもフォレスターの素晴らしい走りに、
一切の陰りは見られなかった。
極めてクオリティの高い走行安定性を引き出す、
最も大きなポイントは、
車体後部の剛性にあるように感じる。
今年、このルートを使ってテストするのは3度目だ。
フォレスターは、
先月のBRZや今月初めのXVハイブリッドとも違う、
質感の良さを持つ。
その質の高さに魅せられた。
エンジンはインテリジェントモードに固定。
パドルシフトもほとんど使わず、
クルマをステアリングと右足だけで制御する。
確かなラインを描くように、両手でしっかりと握る。
可能な限り道幅を一杯まで使って、
ダンスを踊るように速く、楽しく駈けのぼる。
クルマをテストした後は、
自分の体を使って新しい靴をテストする。

徐々に買いそろえてきた下着やストックに、
インナーウエアと念のためダウンジャケットを購入。
型落ちのオレンジのオーバーウエアも全てアウトレットで揃えた。

左側のお世話になった靴から、
いよいよ本格的な登山靴を確かめる時が来た。

シャンクの入ったソールのデザインは、なかなか逞しく、
信頼性の高いグリップ力が期待できそうだった。
決してアウトレットに拘ったわけでな無かったが、
新製品にフィットする物が全くなかったので、
残り物を1万数百円で購入した。
モンベルで嬉しいことは、
対話しながら商品が選べることだ。
履き方や紐の結び方なども教えてもらい、
試乗して選んだら、
アウトレットの商品が意外なほどシックリ来た。
ストップウオッチをセットして、

9時30分ジャストにスタート。
乳白色の景色の中を歩き始めた。
靴の効果はすぐ現れ、いつもよりとても快調だ。
あっという間に樹林帯を抜けた。

天気が悪く、紅葉を楽しめることが出来ないのが残念だが、
景色にとらわれず集中して登れる。
明らかにグリップが良く、体重を掛けた時の安心感が違う。
変形しない靴底のおかげか、
てこの原理のような効果で体が持ち上がる。

八合目にさしかかり、
時計を見ると1時間少し経過していた。

高度は「ニコニコ」と表示されていた。
グラフを見ると快調に登っていることが良く解る。
念のために数度、靴の紐を締め直し、

緩める所を調整しながら頂上を目指した。

調整してから20分ほどで九合目にさしかかると、

雲海に切れ間が生じ、南アルプスが僅かながら顔を出した。
ほとんど人に会わなかったが、
ここで初めて後ろから来た人に道を譲った。

ひょいひょいと身動きの良い登山者だった。
同じようにキャメルバッグを背負っているが、
短パンにタイツという軽量なスタイルだった。
その足取りの軽さに見とれてしまった。
やはりクルマもヒトも軽量化はとても重要な課題だ。

王滝頂上に達すると、

登り初めてから1時間48分経過していた。

フライホイールのように、
一定の速度で体を一歩ずつ前に進めた。

山頂が見えたところで、
先ほどの男性に出会った。

バネ下の動きが良い見事な足回りだ。
ふと思った。
「これこそSTIに求めたいコンプリートカーの能力」。
カタログモデルでは満足できない顧客に、
特別な動力性能を持つ個体を作り、
更に軽量化して磨き上げる。
ストイックでありながら、
鋼のような強靱さと、柳のようなしなやかさを併せ持つ、
個性際立つクルマだ。

山頂に到着すると、
静寂な空間だけがそこにあった。
スタートから2時間11分が経過していた。

この時、

弐の池までくっきりと見えた。

来て良かった。
するとその時、
これまで全く気がつかなかった不思議なモノを見つけた。
弐の池から左方向にある断崖に目を移したら、

極めて奇異な物体を見つけたのだ。
上の写真の、
中央にある尾根のやや左、

壱の池の対岸付近に、
まるで突き刺さったように不自然な物体がある。
興味を引かれ、
「今日こそ!」とお鉢巡りを試みたが、

その壁は厚かった。

崖を下ろうと決心した瞬間、
急に地獄谷からモクモクと雲がわき上がってきた。

同時に猛烈な風が吹いて、

この時は、さすがに恐怖を覚えた。
こんな時は撤退だ。

階段に戻ると、
下から雲が立ちこめ視界が悪くなった。
先を急いだ。

山小屋の裏は既に数メートル先も見えない。
ここから先の下りはとても滑りやすい。
新しい登山靴はここでその威力を発揮した。

視界が悪い場所で、
足下が安定することは
心理的にも楽だ。

これまでよりずっと楽に歩くことが出来た。

これはタイヤと同じだ。
グリップを生むための、
コンパウンドとトレッドパターンを工夫し、
求められる用途に合ったタイヤのコンストラクションを組み合わせる。
実に奥が深い。

いよいよゴールが近くなった。
砕石を敷いた歩きやすい場所だが、
ここも下りは良く滑る。

ここでも浮いた石に足を取られることが無く、
しっかりとソールが路面を掴み、
効果を十分に発揮した。
それにしても誰も居ない。

来た道を振り返る。
やはり誰も居ない。
山頂から雲が追いかけてくるようだ。

今日のタイムは4時間32分51秒だった。
高低差は

約1000mある。

クルマにカメラを置いて一枚撮影したら、
背後まで雲が降りてきた。
これ以上居ても仕方が無いので

フォレスターに跨がり

山を下りる事にした。

下りが続くワインディングロード。

フォレスターが別の顔を見せる時だ。
今ではスバルのラインナップで、
大きい部類に属すが、
その操縦性能はすこぶる面白い。
これはSUVの走りではない。
重いクルマでは、タイヤの選択に注意が重要だ。
オンロードからラフロードに至るまで、
性能を引き出すためには、
タイヤの役目は非常に大きい。
また、クルマの持つポテンシャルを、
正確に引き出すためには、
フレッシュなタイヤが必要不可欠だ。
一般的にスリップサインのことは良く知られている。
残り溝の限界を示すモノだ。
しかしタイヤの性能を十分引き出せる限界は、
五分山までだ。
それを十分承知の上でドライブを愉しんで欲しい。
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それであれば11月登録に変更をと相談。8日頃の納車になります。
早く「森の人」で山岳路を走りたいものです。(笑)
(取敢えず日光「いろは坂」ですね。)
XTオーナーは「DIT」のエンブレムと「XT]のエンブレムを付け替える人が多いようですメーカーもDITをSTIとは別に何か妙案を捻り出すと商品価値がアップするような気がします。

デリケートそうなエンジンのようですからMTには不向きかも知れませんね。
パドルシフトはステージア以来になるので暫し慣れが必要かも知れませんが慣れると楽しいですよね。(^^v
S#はスバルが与えてくれた遊び心満点の?アイテムだと思います。
1,000km点検が終わったら中津まで行く計画でおりますが高速道はここ8年間は年1回の運転だけなので一抹の不安が有りますがアイサイトが助けてくれるでしょうから披露軽減ですね。笑
その時にはフレキシブルタワーバーの取り付けをお願いしたいと思っているのですが社長的には装備不要な商品ですか?GH8には取り付けているのですが効果体感が鈍感な私には分からないのですが有る無しで有ればコーナーの頭の入りが良くなったなぁ~と言う程度で・・・(爆)(泣)ただフロントサポートキットやリアフレキシブルバーも同時に付けたので尚更?分からないのかも知れませんが・・・
フォレスターはフレキシブルタワーバーだけは付け後は全てノーマルのままで乗ろうかと思っています。


でもやっぱり道は混んでいますし、田舎道を気持ちよく車で走れる地元はいいなと思ったり(笑)
ずっとクルマ派でしたが最近はニーハンのニンジャでも買おうかと思っています。
まずは二輪の免許ですが(笑)
リニアが通れば中津川も発展し、経済的にも発展が楽しみですが、今の良さをしっかり残してほしいなあ!

私は高校3年の夏休みに、奥穂高に登ったことがあります。頂上付近はかなり険しいですね。一歩間違えば奈落で、落石もあったりして危険でした。
7月にそちらにお邪魔した際に、Cinturato P1を大変リーズナブルな価格で購入、交換させていただきました。あれから4000kmほど走りましたが、大きく変わったと思うのはハンドリングです。クイックになりました。
昨日二十歳になりまして、ロープウェイの方ですが、御嶽山へ走りに出掛けました。紅葉がかなり綺麗ですね。初代B4 RSK、ワインディングロードで最高に気持ちがいいクルマです。
友人が最近よく海外旅行に行っていますが、私は日本をあちこち回った方が絶対面白いと思い、休日になれば、レガシィで旅しています(笑)。九州ですと、少し前に先輩とくじゅうに登ったことがあります。タイヤ同様、靴の大切さを身に染みて感じたことを覚えています。
発表されたばかりの特別仕様車も見ていて素直に良いなぁと思います。今までの歴史も踏まえられている筋の通った車だからこそ、とりつかれるんでしょうね♪

3000m級はもう冬なので、良い子は近づかないようにしましょう。

御嶽山にはもう来年の秋まで登らず体力維持に努めます。
さあこれから東京までひとっ飛びして、新しいタイヤのテストです。お楽しみに。

フォレスター検索でこちらを知りました 内容の濃さにびっくり!スバル道の学びとして拝読しております このたび、初代レガシー、3代目ランカスターに続いて、フォレスターiL-es(ジャスミン)を納車待ちしております 初代は10年、ランカは15年、それぞれ長女、次女の成長に付き添う愛犬の如き、野遊びのよき相棒でした 今回はXVと比べて迷いに迷いましたが、女房との車中泊を考えての選択です XTのパワーは求めませんでしたが、セントバーナードのような愛嬌ある顔が好きになれそうと女房・・・老後のアウトドアをゆったり支えてほしいと願っております ところで、レガシーに比べてローリングがありそうですが取扱いのコツなどご教示頂けたら幸いです 初めての投稿なのに妄言をお許しください 雪国より
グランドキャニオンに対する信仰心を持つ先住民族のことは、話の流れの中で省きました。そこはおっしゃるとおりだと思います。
御嶽の断崖絶壁で、薄っぺらい米国流のアミューズメントに犯された自分を振り返り、その瞬間脳裏に閃きました。
米国の校正明大で解り易い良さと、
文化の薄さから生じる傲慢な悪さを率直に語ったつもりです。

カラーチョイス・・・前のランカも抹茶色、野鳥対策保護色のつもりなんです、笑
ドラポジご指南・・・う~ん、なるほど!ブレーキング含め、矯正の要あり、寺子屋の入り口に立っている気分です。これはいよいよ北陸から木曽路の春ルート、走りたくなってきました、笑 雪国よりそちらの新緑のほうが早いでしょう・・・
耳学問をひとつ・・・
深層心理学の方面で Deep Ecological encounter なる認識があるようです 「深い自然との出会い」だけがもたらす治癒・・・これはアミューズメントの対極でしょうか・・・
はやくフォレスターと焚き火したい親父でした

スバル愛用者にはナチュラリストがサイレントマジョリティで棲息していますね 私も自然観察指導員モドキです 雪国の守り神、ブナやナラ林の中でスバル車が夕闇にかがやく、賢治のドングリ案内役にみえる一瞬があります 幻視か 野の生き物には所詮よそ者 、、、苔を愛でる代田さんにカンパイ!

侘び寂びの極は最後に岩石愛撫とか…その一歩手前はなんだろう…いんや、苔は植生更新の開拓民、荒れ地が森へとすすむ素地を作るパイオニア!林床にはいつくばり、マクロレンズでのぞく風倒木の苔はいのちあふるる密林じゃ~、ね!…スバルの基礎、真摯な技術、縁の下の苔に通じるのではないでしょうか…おっと、ここは代田さんの心眼の世界ですね…
深山幽谷、明鏡止水、じっと渓の波紋に聞き入り、イワナを釣らずただみつめる…中部地方の落葉樹林帯は奥深く…
ん~、藪沢用スパイク地下足袋、脚絆、編み笠を初代レガシーに積み込んで四半世紀…いまだジムニー結界を破れず、苦笑…
(邪道ネタでごめんなさい)…ぜひとも御庭拝見致したく候…
今日の雪国、弥生ふぶきをランカで高速240KM、土に張りつく苔の如き安定感がうれしくもあり、これが最後かなぁ…しみじみ走りました次第…