SVXのホイールをインチアップして現在のタイヤ技術を考察する。
2013年 11月 12日
実際に試して見ないと解らないことは多いものだ。
また、
最新の技術で作られた、
「良い商品」は、
これまでのステレオタイプを打ち砕く時がある。
18インチにホイールを大型化することは、
結果的に成功した。
それは、
エコタイヤの出来が良かったからでもある。
七福の栗粉餅が美味しいシーズン。
この滑らかな餅と栗きんとんのそぼろが、
口の中で至福のシンフォニーを奏でる。
「栗粉餅」を「栗おはぎ」にアレンジした安藤さんの力量は大した物だ。
感心する。
そして同時に、
このようなスバルのクルマに囲まれながら、
仕事が出来る幸せをかみしめ
毎日の積み重ねを大切にしている。
有り難いことに、
仕事が無限に広がる。
しかし消化不良気味になっているので、
整理整頓清掃が毎日の課題だ。
これでようやくこのブログを一旦コンプリートできる。
今月は特に月初から時間の捻出に苦労した。
最新のかわら版を作るために、
一気にドラフトを書いた。
イメージを作り、
平和印刷の渡辺さんに渡す。
彼のセンスと技術で素晴らしい仕上がりになった。
裏面も精魂込めて仕上げた中古車のなかから、
シーズンを考えセレクトした。
すぐに効果の出るチラシではない。
この様なパブリシティは失格かもしれないが読み物として楽しめるように工夫した。
11月3日の結婚記念日には、嬉しいサプライズがあった。
富山の島田さんから結婚記念日のお祝いとして、
甘金丹が届いた。
彼からコメントが届いた。
「レガシィブック、かわら版と共に到着しました。
黒鰤のブログ記事を読み赤鰤の時を懐かしんでおりました。
今後のレガシィからはもうMTは出ない感じですかね?リニアトロニックが良いからなのでしょうけれど。
これからもスバルの代表車種で有り続けて改良・改善を続けて行って欲しいです。
素晴らしい贈り物ありがとうございました。
異動で夜勤がなくなり体は楽になった気がします。
以前、人は日が昇って起きて、沈んだら寝るが摂理だ、と言われたことを感じております。
なかなか行けなくなってしまいましたがこれからもよろしくお願いいたします」
その通り。
人は夜は眠り、昼は働く。
実はその黒鰤の記事がSVXに繋がった。
ピレリのエコタイヤは面白いと何度かこのブログで伝えたが、
それを黒鰤に付けて雨の中をテストした。
実に楽しかった。
既にBRZでも試し、
WRXに付け替えて走らせたこともある。
十分納得できる性能を持っていたので、
一クラス上の前輪荷重も大きな黒鰤で、
18インチにアップすると、どのような潜在能力を発揮するのか試したわけだ。
タイヤの側面には93Wと言う文字がサイズの後ろに記されている。
ところでタイヤのカタログを隅々まで読む人は、
どの程度居るのだろうか。
最高速度とタイヤに関する荷重の基準は、
カタログに必ず記載されている。
インチアップすると内部の空気の量が減るし、
総じて重くなるので、注意しなければならない。
このLIを参考にしてタイヤを選べば、
昔は簡単に付けることが出来なかった18インチを安心して使うことが出来る。
鰤で試したら、
鯨に付けたくなった。
安易にインチアップすると クルマに悪い影響も出る。
やってはいけないことも多々あるので、
決して中途半端な気持ちで、
真似してはならぬ。
タイヤの幅を広げると、
空気抵抗も転がり抵抗も増えてしまう。
だからタイヤ幅を変えずにホイールの径だけ大きくしたい。
扁平率を上げ、タイヤの外径寸法を揃えることを前提に、
インチアップを試みた。
この日は工房をSVXが独占していた。
珍しいことではないが、
クリムソンと、
美しいスプルスグリーンの2台に加え、
シルバーの珍しい個体が工房でメンテナンスを受けていた。
90kg軽量化したオレンジのSVXも相変わらず絶好調だ。
ちなみにオレンジと他に所有する黒の鯨は走行距離が16万㎞を越えている。
この日は、
瞬間的に全部で9頭の鯨が社内に居た事になるわけだ。
SABの前に勢揃いした3頭の鯨を紹介しよう。
この三台を並行して楽しいクルマに仕上げている。
並行して問題解決とリフレッシュを進めている。
黒い鯨は、
昨年エアコンの修理にお金を掛けた。
既にシャシーのブッシュ類など全て新品に交換済みだ。
最も新しく仲間に加わった中央のシルバーは、まだリフレッシュの途中だ。
走行距離は13万キロを超えている。
グリーンのS4には既に念入りな整備が施された。
77816kmと2番目に距離の少ない個体だが、
整備に掛けたコストは他のクルマと変わらない。
後はエクステリアを整えるだけだ。
この鯨の背後にあるSABの中には3台の鯨が棲んでいる。
9万キロの稀少なパールホワイトはバージョンLの極上車。
クリムソンからスパークイエローに塗り直したVLは139000キロ走行しているが、
サンルーフを持つ珍しい車だ。
そしてグリーンのS3は7万キロと最も走行距離が少ない。
黒鯨で少し気になったことがある。
元々何となくコックピットが薄汚れていた。
そこで思い切って大がかりな清掃に取り組み、
このように、
外せるモノは全て外して床を直接洗浄した。
過去の痕跡を全て取り除くために。
高圧洗浄機でカーペットを丸ごと洗って、天日に干した。
可能な限り爽やかに蘇らせる。
外装で気になっていたルーフとクオーターガーニッシュのペイント劣化も改善した。
雨晒しで放置した割には頑強な塗装だったと思う。
早めに直して大切に温存する理由は、
整備技術も錆付かせないようにするためだ。
なぜこれほどまでに、
SVXとBRZ
に惹かれるのだろうか。
SVXは開発の場をヨーロッパに求め、
従ってNBRでも、
徹底的に走り込まれクルマを基本から磨き上げた。
ちなみに、その時のパイロットは、
現在STIに移籍された渋谷真氏だ。
BRZを開発した時のテストパイロットも彼が務めた。
二つのクルマに繋がる系譜が明らかになった。
大好きなクルマは、
いずれも同じ調教師によって躾けられていたのだ。
それが惹かれる理由なのだろう。
SVXがデビューした1991年頃は、
今と比べタイヤに要求されるレベルも異れば、
ところがその後、タイヤの進歩は著しく、
統一規格にも色々な変化があった。
タイヤにはロードインデックスというもの記されている。
SVXに標準装備されたタイヤのサイズも、
開発当時は高性能な部類のタイヤだった。
その頃のスバルで225/50R16と言うサイズは、
かなり思い切ったサイズだ。
サイズ表示の後ろについている「92W」をロードインデックス(LI)という。
92の示す意味は1本の負荷能力が630kgあると言うこと。
Wの示す意味は時速270㎞まで耐える言うことだ。
今では300㎞/h以上も可能とするタイヤがあり、
それだけでも平成の初期とは随分環境が変わった。
ちなみに、
展示場にあるインプレッサのタイヤを見てみよう。
ミシュランのパイロットスポーツには、
205/50ZR16 87Wと記されている。
この表記でZRとある理由は、
この規格が定められた当時は、
時速270㎞を出せる究極の速度カテゴリーとして「Z」を記したからだ。
ところが、
順番に新しいタイヤが生まれ、
LIが混在している。
だから、
このタイヤの場合、
複雑なことになっていた。
究極のZRでありながら、
87という数値で負荷能力が545kgである事を示し、
更に速度記号のWで270km/hまで最高速度が出せるよと、
改めて書かれているわけだ。
負荷能力を下げれば当然タイヤを軽く出来る。
だからインプレッサWRXには十分な能力だ。
このようにタイヤそのものが変わり続けるわけだから、
過去の理論だけでタイヤを選択する必要も無い。
昔なら、
いたずらにインチアップすることは危険だ。
空気の量が減り、タイヤが耐えられなかったりする。
それに対して今では正確な規定値がある。
タイヤとホイールの存在は、
クルマ全体の存在感に大きく影響する。
韓国車でも19インチをニュルブルクリンクで装着しているのを見ると、
「スバルよ、しっかりしないか」と、
どうしても言いたくなってしまう。
もう最新型のクルマでは、
20インチが当たり前なのだ。
シルバーの鯨を使って、最新のエコタイヤがどのような効果を発揮するのか試す事にした。
限定車なので、BBS製の軽量ホイールを標準装備している。
縁あって当社に持ち込まれたクルマだ。
朽ち果てないように可愛がるつもりで手入れを進めてきた。
エンジン関係はオイル漏れを改善しウオーターポンプも交換した。
フロントのロワアームブッシュなど、操縦系のオーバーホールも既に施してある。
この後はリヤマフラーやデフを取り外し、
サブフレームにあるブッシュまで交換する計画になっている。
走行距離は13万kmを越えている。
どこまでフレッシュなクルマに蘇らせることが出来るか楽しみだ。
このクルマに密かに隠し持っていた、
18インチのSTI軽量ホイールを使う事にした。
このホイールは軽いとは言え、
ホイールだけで1本9キログラムほどある。
SVX用に幅はそのままでインチアップすると、
比較的軽いチンチュラートと組み合わせても、
1本で20キログラムを少し越える。
それに対して、
軽いBBSと組み合わせた16インチは、
このように、
とても軽い。
だから重くなったバネ下重量を考えサスペンション本体から手を付けねばならない。
フロントサスはオーバーホール済みだから、
リンクやブッシュを全て交換し、てある。
注文したビルシュタインダンパーには中津スバルオリジナルのセッティングが施してある。
ビルシュタインダンパーに交換した。
リヤサスはとりあえずダンパーだけ交換し、
テスト走行に備える。
リヤも後日完全にオーバーホールするが、
大きなメンバーを持つので作業に時間がかかる。
STIのホイールセットに、
標準品を重ねてみる。
5㎜ほど大きくなってしまうが、
それほど大差の無い外径だ。
そして装着すると、
Befor
After
これほど雰囲気が変わるのだ。
軽くいつものコースを走りタイヤの表面を優しく均した。
しかし、他のクルマが品質向上していくと、
このクルマの内装が汚れている事が残念でならない。
このクルマも徹底的に分解する事にした。
面白いほど汚れが落ちた。
女性の手による丁寧な作業は、
クルマの持ち味を見事なまでに蘇らせる。
トランクをきれいに洗うことが出来た。
助手席も運転席も取り外し、
マットをきれいに洗った。
18インチにアップしたタイヤを取り外し、
清掃して組み付けが終わった黒いSVXに装着した。
おなじみの見慣れたホイールから交換すると、
STIの18インチが一段と際立つ。
黒いSVXは存在する個体数そのものが少ない。
20周年のイベントでも僅かしか見かけなかった。
このクルマのシャシーもリフレッシュしたてあるが、
専用開発したビルサスだけをオレンジのSVXに譲ってしまったので、
シルバーと対比する時に好都合だ。
ここでしっかり走り込んでおけば、
ビルサスの有無による効果を正確に比べられる。
18インチのチンチュラートP1を移植された黒鯨は、
予想以上
の走りを繰り広げた。
まず高速道路上で水を得た魚(鯨)のように、
とてもイキイキと、
滑るように走る。
標準ダンパーだと、低速時の段付で、
どうしても乗り心地の角が出る。
しかしハイウエイではそれほど気にならなかった。
何よりも軽々と転がる感じがたまらなく良い。
80㎞走行した後のサーフェイスだ。
チンチュラートP1はピレリのエコタイヤだ。
転がり抵抗が小さいことはこれまでのテストで承知していたが、
SVXでなぜこれほど軽快さが際立つのか。
ひとつの理由はエンジンだ。
バネ下重量が少しぐらい重くなっても、
高トルクな3.3リッター水平対向6気筒エンジンのおかげで、
重さは一切外に出ないのだろう。
もう一つはフライホイール効果だ。
1輪あたり3.5キロほどバネ下重量が増えたことで、
フライホイールのような効果が出ている。
すなわち慣性重量が大きいから、
一旦回り出してしまうと、軽くアクセル空けるだけでクルマがすっと前に出る。
それが軽快な反応として右足から体に伝わってくるのだろう。
それにしても驚いた。
机上の空論では成り立たないことも多い。
好きな現行型WRX(GRBあるいはGVB)がなかなか手に入らないので、
偶然思いついた暴挙に近い行為だ。
だがサスペンションを倒立のビルシュタインに交換したり、
確実なオーバーホールを施した上で、
最新の理論で作られたタイヤを装着すると、
思いもよらない楽しいクーペに蘇った。
シルバーのSVXを清掃して、
リヤサスをオーバーホールしたら、
上質なSVXとして蘇らせる。
6気筒エンジン搭載車が、
如何にスバルにとって重要なポジションなのか、
改めて語りたいと思う。
おかげ様で楽しい時間を過ごすことができました。
ニュルで自分そんなこと言いましたっけ?(笑 記憶ないです(笑
合っているような合っていないような...。
帰る途中、ロールケージを組んでもらった元WRCラリードライバーのKさんに社長のことお話したら、すごく興味持ってました。グループNのGC8でアジパシに参戦していた方で、KITのコヤブンさんともお知り合いです。
また近くまで行ったらお邪魔させてください。
インチアップによってジウジアーロデザインがさらに洗練されたようですごくスタイリッシュですね。
S402と同じホイールですか?
とても15年以上たった車とは思えません。続編楽しみです。
しばらくの間お待ち下さい。その前にインプレッサの続報を。
早々、市街地を54㎞ほど走りましたが燃費計が9.3㎞➡総走行㎞が60㎞そこそこでの燃費には驚きました。インテリジェントモードオンリーとは言え常時3,000回転前後まで回しての燃費。同じ感じでGH8は8㎞そこそこでしたから嬉しい誤算です。時代の進歩とエンジン効率の進化には脱帽です。(これからエンジンに当たりが出て高回転を使った場合が心配ですが・・・)
それにしても取説の本の厚さには閉口しています。インホメーションメーターやアイサイトそしてナビの操作方法を覚えるのに頭の固くなった年齢には難易度の高い嬉しい新機構です。(^^”
取説は字か細かいのでネットでスバル取説pdfを拡大して重要と思われる箇所だけ見ようと考えていますが社長の言われる「読まないためについてくる」に妙に深々と頷いて納得をしてしまいました。(^^”
当方、黒のBPですが、先日ホイールをガンメタからRAYSのゴールドホイールに付け替えました。サイズは純正に準じるものですが、愛車に対する印象が変わり、良かったなと感じております。スバル車にゴールドホイールは、個人的にしっくりきます(笑)SVXがそのようにイノベーションすると非常におもしろそうです!続編、お待ちしております!
今年の2月より中古ではございますが念願のスバル車を手にいれました。
その頃より社長のブログを読ませていただおてます。
毎日更新していないかと心待にしております。
家の親父もスバル乗りで最後のサンバーを今は乗り回しております。
いつか、中津スバルさんに2台でお邪魔できたらなと夢見ております!
これからも面白いブログを心待にしております。
突然のコメントしつれしいました。
CG8は中央道の犬山~多治見間の登り坂でも4速にダウンしてアクセルを踏めば加速していってしまうような暴力的な反応が気持ち良いです。バババババッ!
いつもお読み頂きありがとうございます。
親子二代でスバルを楽しめるのは最高ですね。
東京からなら近いですからいつでも遊びに来て下さい。
またお気軽にコメント下さい。これからもよろしく。
奥に写る3台の脇役俳優からするとまるで15年前に撮影された画像の様です。
社長の事ですから偶然ではなく「狙って」撮影されたものと思ってますが深読みでしょうか?