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レガシィB4の水平対向6気筒と6MTを深く考察する

写真家の二宮さんに、
良い写真が沢山あると褒めて頂いた。
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吹雪の中で佇むB4の美しさを、
よくご覧戴きたい。
クルマの味を食べ物に例えると、
言葉で伝えるより、もっと解り易くなる。

例えば蕎麦を思い出して欲しい。
アレルギーがある人には危険な食べ物だ。
命に関わる。

だが、
日本人には蕎麦中毒も多い。
一度知ったら止められない素朴な味だ。
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行きつけの店が打つ田舎風の蕎麦。
気取ったところなど少しも無い。
少し待たねばならないが、
注文を受けてから打つ事が多いので絶品中の絶品といえる蕎麦だ。
これで大盛り一人前。

この日は特に味に鋭さがあった。
左側のザルをほぼ全て、
山葵だけ少し付け、何も味を付けずにすすり込んだ。

汁など不要だ。
それほど美味たる出来だった。
芳しく、僅かな甘みを感じる冷たい蕎麦かみしめる。

出来れば日本酒を冷やで愉しみたい。
蕎麦だけの香りを愉しんだら、
スッと喉の奥に純米酒と共に送り届けたい味だ。

一枚平らげたら、
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次はこの煮立った鍋を使う。
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この小さなザルに適量の蕎麦を入れ、
さっと汁をくぐらす。
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本当に瞬間で良い。
「蕎麦のしゃぶしゃぶだ」等と、
中でザブザブ揺する人が居るけれど、
そんなことをしてはいけない。


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ネギを放り込んだら、
一気に喉へ流し込む。
細かな緑色の「すんき」が見えるが、
これが抜群な味の打楽器を演じる。
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最後はそば湯だ。

スンキの酸味と、
唐辛子の辛みで、
この中にはオーケストラの奏でる音楽が流れている。

こういう蕎麦らしい蕎麦を一度食べると、
他の蕎麦が霞んでしまう。

「天ざる」も好きだが、
ここでは邪道に思える。
天ぷらの油など冴えきった味覚の中では余分なものに他ならない。
主役は蕎麦であり、
蕎麦以外の何者もあり得ない。

スバルのレガシィも中毒になる味を持つ。
「もっとクルマになる」をキャッチフレーズに、
レガシィは誕生した。

クルマらしいクルマ、
と言う意味だろう。
蕎麦らしい蕎麦は、
混じりけの無い味が嬉しい。
レガシィにも同じ事が言える。

もともとレガシィの主人公はセダンであり、 
ツーリングワゴンはセカンドバッターだった。
その後の歴史を紐解くと解るように、
どの世代でもは丁寧に開発された。

セダンが「特に良い」記憶に残った事がある。
以前も伝えたが2代目レガシィ「TS」だ。
ツインターボのGTでは無く、「素」のツインカムエンジンを搭載車だ。
欧州車も含め、
数あるライバルと共に徹底的に比較された、
自動車専門誌カーグラフィックによる、 ジャイアントテストでも絶賛された。

それはスバル自身だけで無く、
編集者さえ驚かせた快挙だった。

そして3代目になると新たに「B4」というネームを得た。
新たな領域を開拓し、セダン独特の「塊」感がツーリングワゴンを凌ぐほどに思えた。

その歴代のセダンの中でも、
特にデザイン的に優れていたのは4代目レガシィだ。
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しかも「プレミアム」なクルマ造りを追い求めた。
これも歴代のレガシィで群を抜いていた。

何しろ驚いた。
その当時は「6速が欲しい」と願えさえすれば、
希望通りのクルマを作ってくれた。 
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プレミアムな点では極みとも言える、
水平対向6気筒エンジンの搭載車に、
最高に贅沢なWRX用の6速マニュアルトランスミッションを組み合わせた。

3.0R spec.Bはそういうクルマだ。

また、4代目でもブリッツェンは作り続けられた。
6気筒搭載車とは違う角度からのチャレンジだった。
それはポルシェデザインによるプレミアムバージョンだ。
この頃、
「台数を見込めないクルマ」を果敢に作り続ける情熱は、一体どこから生まれていたのか。

今ではマニュアルトランスミッションを搭載した乗用車は、
まさに「絶滅寸前」だ。

あえてこの時期に、
もう一度これらの希少種を徹底的に検証したくなった。
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レガシィB4 3.0R spec.Bを、
雪深い開田高原で心ゆくまで味わった。
6MTを使いこなす絶好の天気が訪れていた。
 開田で走るためには念入りな整備と冬支度が欠かせない。
ホンモノの味を愉しむために、
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まず徹底的に整備した。
4代目の製造が終わり、
多数のレガシィが中古車として海外に流出した。
6速マニュアルのB4を入手すること自体困難だ。
更に6気筒の水平対向エンジンを持つB4は滅多に良い物が無い。

そんな時、懐かしいブラックマイカの良質な車が手に入った。
過去に所有したことのあるB4と全く同じクルマだった。

迷わず手に入れ、まず点検して状態を調べた。
次に中津スバルのノウハウを全て注ぎ込み徹底的に予防整備した。
走行距離は少なく、
痛みやヤレを感じない。

的確にツボを押さえ整備した後、
内外装も徹底的に清掃する。

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6気筒6速マニュアルという触り甲斐のあるクルマだ。
今回はこのクルマを杉本の手に委ねた。
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記録簿を見れば解るように、
予防整備として考えたらお腹がいっぱいになるほどの内容だ。
そしてタイヤを以前から好ましく思っていた、
ティンチュラートに交換した。
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中津川リンクで相性をバッチリ確認し、
6速と6気筒エンジンの組み合わせを久しぶりに愉しんだ。

そしていよいよ開田高原に向かうため、
ウインタータイヤに履き替えた。
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レンタカーのBRZ用に用意したピレリのスタッドレスタイヤを借りた。
今回のテストを安全に進めるため、
用意したばかりのスタッドレスタイヤを役立てた。
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普通のスタッドレスタイヤでも、
ピレリと相性がとても良く、
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シャーベット状の危ない路面も、
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踏み固めたばかりの積雪路まで難無く走れる。
とても軽快な印象のスタッドレスタイヤだ。

4代目レガシィに6気筒モデルが誕生した頃を振り返る。
カーオブザイヤーの栄冠を勝ち取った2003年の興奮も冷め、
レガシィの販売も少し落ち着いた。
発表から半年後に発表された6気筒エンジンは、
旧型とは全く違う性能に生まれ変わっていた。
ポルシェにも部品を供給する、ドイツのサプライヤーから部品を導入。
ボクサー6はバリオカムを纏った。
このエンジンを搭載したレガシィは、 確実にこれまでとは違うお客様を開拓した。
爆発的な売れ方こそしなかったが
B4もワゴンもアウトバックもコンスタントに売れた。

そのうえ、その頃はSTIも絶好調だった。
今ではそんな面影はまるで無いが、
日本でBMWのMに相当するようなクルマを作る会社は、
間違いなくSTIだと本気で思わせた。

そういう勢いがあると作っているクルマ全体の質が変わる。
軽自動車はクオリティを前面に出したR1/R2に置き換えた。
「良いクルかとは何か」と胸を張って主張していた時代だ。
4代目レガシィでは誕生の半年後に6気筒モデルが追加された。
ただしオートマチックしか選べなかった。
そのデビューから1年後に、
満を持して6MTだけを搭載した「spec.B」が追加投入された。
スペックを紹介しよう。
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4635×1730×1435
ホイールベース(mm):2670 
トレッド前/後(mm):1495/1490 最低地上高(mm):150
車両重量(kg):1470
乗車定員(名):5
最小回転半径(m):5.4 
【エンジン】 EZ30/水平対向6気筒3.0L DOHC 24バルブ AVCS+ダイレクト可変バルブリフト
内径×行程(mm):89.2×80.0
圧縮比:10.7
最高出力 184kw/6600rpm
最大トルク304N・m/4200rpm 
【燃料供給装置】 EGI
【タイヤサイズ】 215/45R18 
【ホイールPCD】 5穴 100 
【変速機】 6速マニュアルトランスミッション 
【燃費】 9.8km/l (10・15モード) 
【税抜き車両本体価格】 3,000,000円 

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水平対向6気筒エンジンは、
高原で素晴らしいハーモニーを奏でた。
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極めて標高が高い場所に、
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最高の湯が湧き出ている。
この時の気温は、
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ジャスト摂氏0度だった。
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温泉を飲んで元気モリモリになったら、
下りのワインディングで素晴らしいエンジンを心ゆくまで味わう。
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加速感は極めてリニア。
抑揚の無いクルマの動きが、
かえって心をウキウキさせる。
同じミッションかと驚くほどWRXとは違う手応えのシフトレバー。
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ここで加速する時、澄んだ金属音の混じった、
ステキな排気音がエンジンベイの奥から聞こえてくる。

この6気筒エンジンしか出せない最高のフィーリングは、
解る人にだけ解れば良いという、
極めて高い立ち位置からリリースされたとしか思えない。

良い物は食えば解ると、
拘り抜いて打たれる「蕎麦らしい蕎麦」と同じだ。
言い方を変えれば「商いが下手」。
いつも行列を作るような店では無いが、
蕎麦好きを惹きつける魅惑の味に近い。

だからレガシィ3.0R spec.Bは、
行列が出来るほど売れなかったが、
スバルのクルマが好きな種族を、
惹きつけて放さない深い味を持つ。
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この日走った距離は245㎞だった。
燃費はリッター当たり10㎞どころか、
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想像以上の伸びを示した。
決しておとなしく走ったわけでは無い。

このエンジンを直噴に磨き直し、
アイドリングストップも可能にしたらどうなるのか。

クルマらしいクルマは、
蕎麦らしい蕎麦を忘れられないヒトにとって、
強烈な魅力を持つ。

しかし、
ほとんどのヒトはそれを知らない。
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その理由は簡単だ。
スバル自身が、
スバルらしいスバルを一番知らないからだろう。

おわり

Commented by きたろう at 2014-01-02 00:35 x
新年明けましておめでとうございます。
元旦から素晴らしい記事読ませていただきました。
「スバル自身がスバルらしいスバルを一番知らないからだろう。」という記載を読んで、スバルも大きい会社になり、社員の方が皆、製造した車種を体験している訳ではないのだと気づきました。
ぜひ、水平対向6気筒6MTの楽しさと静粛性を理解してもらいたいものです。特に、加速時のエンジン音の澄んだ音は威圧感少なく気に入っています。最近のスバルはCVTのせいなのか、燃費重視のせいなのか、がさつな感じの音のためとても買い替える気になれません。
一方、6気筒でネックなのは燃費。アイドリングストップや直噴化で解決されたら最高です!
6気筒6MTの素敵な車が登場するのを期待しています。それまで私のB4BLE6気筒6MTはもつのかちょっと心配ですが・・・。
Commented by きたろう at 2014-01-02 00:39 x
もう一つおまけで。
中津スバルのメンテナンスは徹底的ですね。
記録簿の内容の盛りだくさんにビックリしました。
交換している部品類は私も参考になりそうです。
Commented by b-faction at 2014-01-02 07:18
きたろうさん、明けましておめでとうございます。音のチューニングを真剣に考えたBL系の排気音は本当にステキです。ホンモノ感があると思っています。また気軽にコメントして下さい。お待ちしています。
Commented by 永島 達也 at 2014-01-02 11:16 x
代田社長 様  あけましておめでとうございます

今年もよろしくおねがいします。社長のブログは、1つの題目を取っても毎度改良がされており、数日間は同じ内容を読ませていただきますが、見ごたえのある内容です。スバルをしっかり熟知させている社長だから出来る業ですね。私も、こちらにて勉強させてもらっていますので、これからも楽しみにしております。

さて、今回のブログ楽しみにしておりました。澄んだエンジン音は、体感したことありますが、さすが水平対向6気筒ならではですね。
下りのワインディングの写真も楽しさが感じました。

私も、少しは味がわかってきた感じはありますがまだまだ勉強の身です。w
Commented by b-faction at 2014-01-02 13:58
永島さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
Commented by ロッキー at 2014-01-16 14:18 x
先日 発表されたトヨタFT-1 ひょっとしてコイツにボクサー6が搭載されているかも、と思いました。FT=富士&トヨタです。FT‐86も両社合作でしたね。

かつてトヨタがスバルの株主になった時、友人に「そのうちインプにアルテッツアの、レガシィにカルディナのバッジが付くぞ。」と言っていましたが・・・。
Commented by b-faction at 2014-01-16 15:51
ロッキーさん、それはあり得ないでしょう。なぜならFT86とは全く違うセグメントなので、トヨタにフラット6は必要ない。スバルとトヨタの企業規模には雲泥の差があり、レクサスは大排気量の素晴らしいエンジンを既に沢山持ってます。もう一つご心配される事態にならないようスバルをしっかり買って下さい。会社が元気なら、そんな暴挙を許さないでしょう(笑)。
Commented by vigorist at 2014-05-28 18:20 x
初めまして。
3.0Rspec.B、ホントに最高です。
私の愛車は7月末に丸9年の車検を予定しており、走行距離は間もなく200,000㎞です!!
ここまで大きなトラブルは全くなく、至って好調そのもの。燃費は通勤で11㎞/Lを確実にマークしてくれます。
BLEとの日々をブログに綴っておりますので、よろしかったらご覧になってやって下さい。
Commented by Fujiwara at 2016-05-03 01:40 x
代田社長
ご無沙汰しています。
この4月に海外勤務からやっと大阪へ戻って来れました
昨年は車検に行けず申し訳ありません。

>そんな時、懐かしいブラックマイカの良質な車が手に入った。
>過去に所有したことのあるB4と全く同じクルマだった。
これって、うちの子?では??(笑)
10年選手ですがまだまだ元気に頑張ってくれています。
今は週末しか乗ってやれず、ちょっと可哀想ですが…。

次も考えたいのですがEG33、EZ30Rに代わる「心に届く」
車がなかなか見つからず…悩ましいです。
国内ではH6が入手できないため、狙うとすれば海外仕様の
Liberty 3.6R辺りでしょうか??
オーストラリア仕様なら右ハンドル車がありますが
個人での逆輸入はやはり敷居が高いですね。
今暫くは3.0Rspec.Bに頑張ってもらわないと…。

また、お邪魔させて頂きますので宜しくお願いします。
Commented by b-faction at 2016-05-03 08:07
Fujiwaraさん、おはようございます。やっと理解出来ました。どうされたのかなあと気になってました。海外に居られたのですね。
>過去に所有したことのあるB4と・・・
そう!fujiwaraさんの愛機のことです。
6速と6発の組み合わせじゃ無いと悲しいね。
ご来店、お待ちしてます!
Commented by Fujiwara at 2017-09-05 19:00 x
代田社長
ご無沙汰しています。

先程お電話させて頂きましたが来週末にお伺いさせて頂く予定です。
今回はしっかり手を入れてメンテナンスをお願いしようと思います。

13年目で乗り換えも検討しましたが、この車に代わるモノが見つからず…
こうなったらとことん付き合って末永く乗り続ける事に決めました。

私の加年齢(腰)に合わせて、足回りの変更もお願いする予定ですので
北原さん含めまたご相談させて下さい。

よろしくお願いします。
Commented by b-faction at 2017-09-06 14:50
Fujiwaraさん、昨夜の報告にご連絡頂きましたことが添付されていました。お元気でなによりです。楽しみにお待ちしています。
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by b-faction | 2014-01-01 20:12 | レガシィ | Comments(12)

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by b-faction