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永遠のインプレッサ

初代インプレッサの人気は衰えることを知らない。
トップオブザワールドの地位をもぎ取った者は、
やはり何かが違う。

春になると芽を出す樹木のように、
麗しさと愉しさを蘇らせる。

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冬の終末にまとめて大雪が降り、
樹木に過酷な仕打ちを与え、
さらに寒く厳しい3月が訪れた。

春がどこかに消えてしまった。
少し生暖かい朝の雨に誘われ、
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花梨の木を見ると、
洗われた硬い樹皮から元気よく芽吹きが始まっていた。
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雨が上がれば紅梅も満開になるだろう。
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望桜荘の周辺は良い香りで一杯だ。
白梅の後に紅梅が咲き、
散り始めた花びらが庭を白く染めた。

3月26日の夜、
初代インプレッサWRXの最終型、
型式記号GC8F48Dは、

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16万㎞になろうとしていた。

その瞬間を見ようとしたが、
走りの気持ちよさに我を忘れた。
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気付いた時は、既に遅かった。
このWRXは、
最後のマイナーチェンジを受けた「年改コードF型」だ。

このF型から二年遡る。
WRXは平成8年9月にビッグマイナーチェンジを受けた。
その中身はほぼフルモデルチェンジに近かった。

パワーユニットはマスター4と呼ばれる、
最新の水平対向エンジンに置き換えられた。
その結果、
セダンは全て280馬力になった。

シリンダーヘッドが新設計された、
EJ20K型と呼ばれる新世代のエンジンに変わった。
そのターボチャージャーは、
遂に三菱製からIHI製に変更された。

そして改善は多岐に渡った。
WRXという「ドル箱」を、
何とか生き長らえさせようとした執念には、
目を見張るモノがあった。

ただでさえスバルのエンジンは、
ラリーの活躍で切磋琢磨され、
毎年出力が向上していた。

そして遂に平成10年9月、
実質的な最後のマイナーチェンジを迎えた。

それが、今回取り上げたF型だ。
その当時、水平対向4気筒エンジンは
既存の物から、
フェイズⅡと呼ばれる新しいエンジン群に変わりつつあった。

その流れの中で、
インプレッサWRXもフェイズⅡを搭載した。

特に大きな変更が、
クランクシャフトという重要な部品に施された。
スラストメタルは、
位置を変えられ、より高い出力に耐えうる構造に見直された。
見えない部分の改善は多岐に渡った。
併せてドライブトレーン全般も最後の改良を受けた。
エンジンとトランスミッションを結合するボルトは、
6本から8本に増えた。
だから翌年にG型へ切り替わっても、
実質的に何も変わらなかった。
次のマシンの噂も出始め、
バトンタッチするまでのリリーフピッチャーだ。

そして待ちに待った新型がデビューした。
2000年に涙目が颯爽と登場し、
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次の時代の扉を開いた。
今でもインプレッサが残った理由は、
新開発のトランスミッションを搭載したからだ。

TY85型と呼ばれる高出力対応のMTが無ければ、
インプレッサは絶滅していただろう。


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今でも愛好者が後を絶たないのが、
インプレッサに共通の特徴だ。
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コイツはここに戻った時から、
何か不思議な魅力を放っていた。
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ごく普通のWRXなのに、
STIバージョンと変わらぬ「オーラ」を持つ。
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最近、めっきり見かけなくなったが、
磨き抜かれたモデル末期のWRXは、
隠されたストーリーを山ほど持っている。

当時の記録を紐解くと、
面白い事実が次から次へと現れて、
留まるところは無い。
だから元の味に蘇らせる事にした。
それが、これほど愉しいとは思わなかった。

桜の古木 と同じように、
手を掛ける喜びに溢れている。

4年前、このヤマザクラには驚かされた。
それまで見たことが無いほど多くの花をつけた。
                  
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開花まであと少しにせまったヤマザクラを、
力を合わせて手入れした。
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努力の甲斐もあり、
ここ数年、周辺にどんどん子孫が発芽するようになった。
これは一昨年発芽した子孫だ。
枝振りまでそっくりになり、
将来が楽しみだ。

ベンチの横にも発芽したが、
ご近所から邪魔になると意見を戴き、
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剪定して残した。
車に轢かれたらそれまでだが、
可能な限り残してやりたい。
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一気に温かくなったので、
環境改善を再開した。
細かい草はピンセットを使って抜き取り、
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散乱している砕石を集め、
苔で優しく被う。
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ヤマザクラは根元にある大きな岩を抱きかかえ、
根を深く川床に向かって伸ばしている。

その岩との隙間から枝が出てくるので、
カットして養生する。
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川に面した幹を、
枝を切除しながら観察すると、
とんでもないモノが見つかった。

白っぽいかさぶた状の菌類を削ったら、
硬い固まりが現れた。
グッと力を加えるとボロボロ落ちた。
Befor
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油断していたら、
腐朽が始まっていた。
醜い状態になりかけていて、
病巣は深く浸潤していた。

取り除いた結果、
大きな穴が開いてしまった。
After
                          
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「いつ」「誰が」「なぜ」「何」をしたのか記録に残す。
取ってしまってからでは説明が難しい。
まず手持ちの金具でグリグリほじり、
穴の上側に張り付いた異物を取ろうとした。

ところがとても硬く一筋縄では取れない。
「サルノコシカケ」のようなイメージだ。

何とか奇麗にこそぎ落とすと、
奥に病巣の様なモノが見えた。

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そこで大きな剪定ばさみを使い、
「てこの原理」で抜き取った。
奥にあったのは、
まるで癌のような病巣だった。
足場は悪いし厄介な場所だったが、
ハサミを病巣に引っ掛けることができた。
力を入れると、どす黒い液体が滲む。
周囲には何かの根が露出し、
まるで血管のようだ。
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ハサミの先で組織を取れるだけ取り、
穴に溜まった屑を歯ブラシで掃除した。

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使い古された歯ブラシが、
意外に効果的に働く。
奇麗に整え薬を付ける。
桜にはトップジンが良く効く。
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命の基本は全て同じだ。
動物も植物もクルマも歳を取るし、
病気にもなる。
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このヤマザクラもそうだが、
歳を取ることで魅力を増すモノが沢山ある。

男にとって、
女性の存在は大きい。
昔別れた女性が忘れられなくて、
もう一度会って抱きしめたくなる・・・・、
そんな想いにさいなまれる事は無いだろうか。

未練や感傷的な話では無く、
単純に「肌合い」のことだ。

このフィーリングは、
一言で語るのが難しい。

世の中にはあちこちに、
「体で感じる相性の良さ」というものがある。
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インプレッサというクルマは、
実に面白い。

「擬人的対象」だ、と言っても良いくらいだ。

軽やかな身のこなしや、
俊敏な加速感。

いくら歳を取っても、
超一流の味がする。
そして一台一台のクルマそれぞれに、
人間の様な個性がある。
それがインプレッサの擬人的特徴だ。

生産を終えて14年になるから、
既にどのクルマも熟女の領域だ。

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オトナの女性と同じで、
これがとても面白い。

いくら年齢を重ねても、
チャーミングな女性はたくさん居るじゃないか。
それと同じだ。

このインプレッサには、
独特の個性が埋もれていた。
熟女は磨かれて輝きを取り戻した。

一緒に過ごした数時間が、
まるで夢のようにステキだった。

これからの「たとえ話」を、
自分が中年の男性になったつもりで読んで欲しい。

中学高校時代は、
容姿も学力も並以上だが、
何となく目立たない女性が居たとする。

その女性と久しぶりに再開したら、
あっと驚いた。
同じように年齢は重ねたが、
若い頃より明るく快活になっていた。
そんな女性と、
WRXはピッタリ重なる。

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クルマ も16万㎞走行すれば各部の消耗は激しい。
ボディもあちこちに痛み、
オーナーは手放すことを決めた。
別れの日は奇跡のような1日と重なった。
翌朝、
未だ誰も居ない工房のシャッターを開けた。
インプレッサが一人佇む。
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そっと撫でる。
エンジンルームを見たくなった。
外観とは裏腹に、
美しいエンジンが存在を誇示していた。
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おもわず「ドキン」とした。
「まだまだいけるわよ」と囁きが聞こえたからだ。

内面が美しいと、
いつまでも魅力的だ。

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これはスクラップに出来ないと思った瞬間、
頭に浮かんだ。
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「これから外した部品を活かして蘇らせるか」
RAのような尖ったクルマを改造すると、
副作用が出る。

たまに、性格もひねくれ、
カラダも硬くて、
とても付き合いたくないクルマになることがある。
そういう時は余計なパーツを全て外し、
標準の状態に戻す。

改めて青いSTIのステアリングを握った。
柔軟なカラダに戻り、
エンジンも高回転までストレス無く回る。
等長エキマニに換えた効果で、
スムーズにエンジンパワーが立ち上がる。
低速トルクも力強い。
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ドライバーズコントロールセンターデフで、
前後の駆動力を自由自在に調整できる。
上の画像のようにフリーに設定すると、
まるでFRスポーツのような走りになる。
その上、リヤデフが機械式LSDだから、
締結感が強い。

とても筋肉質な走りをもたらす。
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ダイヤルを回して、
センターデフをロックすると、
直結四駆になる。

すると更に締結感は高まり、
非常に高い脱出能力を発揮する。
これならどんな路面でも、
短距離ランナーのように素早く走れる。

ver.6のRAは
全体的にとてもソリッドだ。
もともと走行距離の少ないクルマで、
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現在でも7万キロ少しだから、
シルバーと比べると半分以下だ。
平成12年式のクルマでは、
異例の少なさだろう。

面白いことに、
RAをひねくれさせたパーツが、
シルバーのWRXをステキに変えた。
少しサディスティックな発想は、
覆い隠された内面を見事に発露させた。

STIのRAはクロスレシオのトランスミッションを持つ。
普通のWRXはワイドレンジのギヤボックスだ。
センターデフも大きく異なる。
RAはDCCDを持つが、
シルバーはビスカスLSDだ。
そのシャシーにしなやかなビルシュタインダンパーと組み合わせると、
凄く良い。

クルマはスペックだけでは語れない。
クロスレシオやLSDを用いなくても、
伸び伸びとしたステキな走りが楽しめる。

エンジンマウントなど、
ゴム製の部品を交換し、
ロールケージまで取り付けた。
これは普通の人にとって全く必要無い。

レプリカが盛んだった頃、
競技をしなくてもロールケージに憧れた。
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これは2003年のラリーフェスタで飾られた、
マクレーの愛機だ。

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大勢のファンが詰めかけた、
忘れられないイベントだ。
既に主力戦闘機は44Sから涙目に移行していた。
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このクルマも強かった。
ペターが人気を集めた。
ドラマティックな走りと、
ハリウッドスター並のパフォーマンス。
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スバルワールドラリーチームは絶頂期に居た。
この翌年、
日本で初めてWRCが開催された。
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スバルは見事に総合優勝を飾った。
10年一昔と言うが、
ここにいる皆は今も全く変わらない。

竹中社長に戴いたサイン入りの「枡」は宝物だ。
当時、
北海道ではソニックブルーのレンタカーまで用意され、
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スバルチームと一体感を持った応援が楽しめた。
レプリカも盛んで面白かった。
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このクルマはラリーに参加するつもりはないのに、
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ラリーコンピューターが付けられ、
レーシーだった。
人生山あり谷あり。
人の心も人気も移ろう。
浮き沈みの激しさは世の習いだ。

スバルが谷に向かうきっかけは、
クルマの性能より組織だった。
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何事も複雑になればなるほど、
問題の根源が見えなくなる。
この頃を境目に、
スバルはWRCの世界で輝きを失い始めた。

そしてリーマンショックがとどめを刺した。

でもそれは根本からリセットする機会になった。
スバルはWRCから卒業した。
2度と「生徒」としてそのフィールドに戻ることは無い。
しかしラリーから卒業した訳では無いので、
その灯火を絶やさないようにして欲しい。

こうして、
スバルがWRCから遠ざかると、
熱も徐々に冷めロールケージは工房の片隅で眠ることになった。
それを久しぶりに降ろし、
色褪せていたスパルコのシートと共に、
F型に載せることにした。

まずバラバラに分解し、
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奇麗に拭いて、
取り付ける準備を整えた。
あの頃の熱い思い出が蘇る。
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当時はひとつ困ったことがあった。
体重が増え続け、
動きも緩慢になっていった。
まるでWRXの様な変遷だ。
若い時は少々不摂生な生活を続けても、
それほど深刻な問題は出なかった。
しかし中性脂肪が驚くほど増え、
首が回らなくなった。
軽量化が必要だと真剣に考えた。
歳を重ねたら軽くする。

同じ発想でシルバーのインプレッサを軽量化する。
ロールケージを付けるとその分だけ重くなるが、
車体を補剛できる。
取り付ける前にシートを外す。
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軽いシートに交換すると同時に、
後席を取り払う。
2座席のスポーツセダンに変身だ。
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室内をバラバラにして、
床まで奇麗に洗い隅々まで調べた。

最終モデルのインプレッサWRXは、
標準車まで倒立式ストラットを装備した。

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ダンパーは前後とも機能が衰えている。
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そこで4本とも取り外し、
中古品のビルシュタインに付け替えた。
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次はブレーキシステムだ。
ローターを点検し正確に研磨した。
そうすれば、
キャリパーが標準でも制動力に問題は無い。

ただ全体に相当な疲労感があるので、
完全にオーバーホールする必要がある。
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前輪のキャリパーを分解清掃し、
シールキットを交換した。
次にリヤのキャリパーを外して念入りに点検した。
Befor
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走行距離相応にシールは劣化していた。
前輪同様ピストンを清掃し新しいシールに交換だ。
After
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ブレーキのマスターシリンダーを取り外して、
オーバーホールする。

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マスターシリンダーは踏力を油圧に変える大事な部品だ。

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仕上げにブレーキオイルを抜き替え、
エアー抜きを丁寧に施した。

とりあえず安全に走れる様に点検整備を終え、
どの程度の身体能力なのかテストした。

その結果、
かなり時間が掛かりそうだが、
動力性能に衰えは無く、
面白いクルマに蘇らせられると結論が出た。
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下回りは意外なほど奇麗だ。
エンジンヘッドカバーのオイル滲みをシール交換で改善。
スパークプラグを交換し、
エンジンは快調そのものになった。

シャシーはまずフロントの強化から始めた。
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中古部品で強化品のスタビライザーに交換した。
同時にクスコ製のロワアームバーを取り付け、
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エンジンマウントやミッションマウント、
それにピッチングストッパーも交換した。

続いてリヤセクションに移る。
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リヤスタビライザーも強化品に取り替えた。
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そして排気管をステンレス製のスポーツマフラーに交換した。

すると見違えるようなボクサーサウンドになった。
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リヤデフからオイルの滲みがあるので、
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ドライブシャフトを抜き取り、
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サイドシールを交換した。
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念のためドライブシャフトのブーツも全て交換。
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駆動系とエンジンにメドを付け、
ロールケージを装着する。
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室内に並べた部材を仮に組み立てる。
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狂いの無いように丁寧に摺り合わせ、
穴を開ける位置を決める。
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ポンチで印を付けたところにドリルで穴を開け、
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配線や配管に傷を付けないように注意し、
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ロールケージにボルトを通す。
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乗員を保護する目的の装備だが、
ボディ強度そのものが増す。


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サイドブレーキの根元に、
ブラケットを付ける。

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センターピラーの脇にもブラケットを付け、
最後にフロアトンネルとサイドシルを締結する。
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穴を開けたところを保護するために、
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錆止め材を塗布する。

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入念に塗り乾燥させる。

ロールケージ用にカットしたカーペットを、
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室内に広げて固定した。
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最後に左右のフロアをバーで締結し、
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ロールケージは完了した。

ドライバーズシートを取り付けた。
ブルーのアルカンターラだ。
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コ・ドライバー側には、
赤いスパルコを取り付け、
ボロボロになっていたステアリングと、
シフトノブを交換した。

更にクラッチをオーバーホールし、
フライホイールを軽量化した。

中古の軽量フライホイールを装着前に丁寧に研磨し、
奇麗に蘇らせた。
あえてノーマルクラッチと組み合わせたら麗人が誕生した。

時代の移ろいの中で、
急激に変わるモノもあれば、
加速を弱めたモノもある。

机の上にも、
25年前ならパソコンは無い。
オフコンはあったが、
机の上に置いたのはワープロだった。

それがPC98になり
PCーVANを使ったメール送信に苦労した
大きなモニターで画像を見せる事さえ、
簡単に出来なかった

隔世の感がある。

但し、「実態」が無い。
箱の中にある「数値」に置き換えられる。

クルマは複雑になったものの、
基本は25年前と大きく変わらない。

取り巻く環境はどうか。

高速道路網は拡充し、
パーキングエリアも良くなった。
東京を走ると良く解るが、
昔に比べ流れが良い。
何よりも、
ソーシャルネットワークが一番変化した。

25年前に「ある問題」が顕著になった。
テレビに釘付けになる子供は、
親の言うことを聞かなくなった。

家族の中心にテレビが座り、
それで育てられるようになると、
親よりもテレビの中にいる、
タモリや萩本欽一を親のように見て、
サンマやたけしをまるでアニキのように慕った。

親の力が弱くなっていく反面、
どこのテレビ局も今よりずっと力があった。

メディアの主軸が徐々に移り始めたきっかけは、
ウインドウズ95の誕生からだ。
戦勝国の米国で生まれた基幹技術は、
グローバルに広がり、
飛躍的に便利なネットワークを造り上げた。
PCの世界は急激に広がり、
現在ではスマートフォンを筆頭に、
タブレット型端末が時代の先頭を走っている。

それらを器用に使いこなすかどうかで、
生活する愉しさとか、
便利さに差が出るようになった。
つくづく思う。
時代は繰り返す。
昔の子供が親兄弟よりテレビの出演者を重視したように、
今の若者は現実社会よりSNSの世界を重視し、
重用するようになった。
テレビ局や新聞社も足元が揺らぎ始めた。
NHKが迷走している。
白紙の辞表を要求した会長も考え物だが、
深夜のニュースを見ると憂鬱になる。
ツイッターを併用して番組を編成して、
本当に良いのか。

不器用でも良いこと」が器用になった。
その代わり本来ならもっと「大切にしなければいけないこと」が、
随分「不器用」になった。

命の重さを子供に伝えるには何が大切か。

一度無くした命は戻ってこない。

そして、その時の「失い方」によっては、
残された者達の辿る運命に大きな差を生じさせることもある。
「命の重さ」をどう伝えるのか、
これは実に難しく、
大きく我々にのしかかっている。
でも、近頃ではあまりにもそれが不器用で、
ヒヤヒヤすることが多い。
もし自分の子供と関わるのが不器用だと、
周りの人との関わり方も、
当然不器用になる。

人は、
まず家族の中で暮らし、
徐々に隣り近所と関わる。
次に教育の場で人と関わり、
卒業して社会人になれば、
働く場を中心にソサイアティを持つ。

悲観すべき事。
それは、若い人達が簡単に人を殺す事だ。

そして新聞で詳細な報道が無くても、
匿名で無責任な情報だけは、
ネット社会で無秩序に広がる。

マンションの路上で手当たり次第人を刺し、
一人の男性の命を奪った若い男は、
SNSを声高らかに謳いながら連行された。

人付き合いが不器用でも、
SNSを器用に扱えばベビーシッターも簡単に見つかる。

振り返ると、
出勤すると、
まずパソコンに電源を入れる。
習慣になっている。

片時もスマフォを手放せない。
洗脳されている。
すると、
習慣の中に入り込んだ悪魔の姿に、
気がつかないことも多くなる。

自分の子供をベビーシッターに預けた。
どういうわけか死んでしまった。

その若い母親が、
我が子を殺した訳では無いが、
習慣の中に悪魔が入り込んでいた。

冷静になぜ起きたのか分析し、
自分自身に置き換えて、
これらの事件を客観的に見る必要がある。

クルマとデジタルは、
切っても切れない関係になった。
そして、
自動運転技術でどこがイニシャティブを取るのか、
水面下では激しい争いが繰り広げられている。

ウイーン協定により「軌道上」以外で、
自動運転は出来ないと定められている。
でも、
グーグルは物凄い量の画像データを蓄積し、
他人の庭先まで覗き込み写真を撮る。

アメリカのやり方を見ると、
自分たちに都合の良い方向なら、
国際協定も容易に見直させるだろう。

既にナビが無いと、
ドライブに行けない人が増えた。

スバルのアイサイトは、
他社に先駆けた素晴らしい技術で、
「安心と愉しさ」という二つの要素を安価にお客様に提供している。

しかしアイサイトはクルマの基幹技術では無い。
これだけに囚われると、
「習慣の中に悪魔が潜む」だろう。

以前からトヨタはスバルにとって、
「最高のパートナー」だと言い続けている。

トヨタと互角に付き合うために、
スバルに欠かせないモノは何か。

それはアイサイトでは無い。

大切なことは、
クルマの基幹性能を極限まで磨くことだ。

アイサイトも大切だが、
エンジン開発やトランスミッション開発に
優先すべき事では無い

檜舞台に登って油断すると、
酷い目に合うだろう。

メディアはハシゴに登らせ、
引きずり下ろす悪魔だと言うことも忘れてはならない。

アナログ車を乗り回すと良く解る。

クルマの基幹性能は何かという事が。
永遠のインプレッサ_f0076731_11404765.jpg

エンジンとトランスミッションは、
他の全てに勝る大切な要素だ。

それがことごとく解る。
今快調なスバルだからこそ、
次の一手を「世界最高級のエンジン技術」に定めて欲しい。

DITで天狗になると、
その鼻はすぐ「へし折られる」。
改めてエンジンルームを見た。
永遠のインプレッサ_f0076731_11410892.jpg
ストラットタワーバーも無い。
ドノーマルの心臓だ。

このクルマの魅力は、
永遠のインプレッサ_f0076731_11412335.jpg
ポピュラーも上手いが、
演歌を歌わせたら周りを痺れさせる。

なかなかの芸達者で、

永遠のインプレッサ_f0076731_11413759.jpg
ちょっと小股の切れ上がった良いオンナ。

もう一度、
素っ裸にしてしまった。

タンジェリンオレンジの艶やかな姿を楽しみに。

Commented by ヒデ@2.0R specB at 2014-03-29 02:36 x
こんばんは。
いつもブログ楽しませて頂いています。
日曜にはタイミングベルト交換、点検でお世話になる予定でおります。
よろしくお願いいたします。
タイミングベルトも交換しますので、まだまだ乗りたいBP5Eの2.0R specBですが、レヴォーグにも興味しんしんです。
WRCに「生徒として」戻ることはないというコメントもとても気になります。
日曜に伺った際、もしお時間あるようでしたらお話お聞きしたく思っております。
よろしくお願い致します。
Commented by b-faction at 2014-03-29 06:57
ヒデ@2.0R specBさん、いつもありがとうございます。明日は一日おります。お待ちしております。
Commented at 2014-03-29 17:16 x
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Commented by b-faction at 2014-03-29 21:03
タナベさん、受注おめでとうございます。BRZ WRX IMPREZA LEGACY どれも楽しみですね。デモカーはB4の六気筒にしましょう。
Commented at 2014-03-29 23:05 x
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Commented by シルバーインプ at 2014-03-30 09:08 x
GC8はやはり良いですね
F型以降の物ですね
懐かし~同じライトニングシルバーかな 
自分はD型でしたが去年25万キロで手放しました
Commented by b-faction at 2014-03-30 11:47
シルバーインプさんのDはタービンがIミツビシからHIに変わったクルマですね。ニュルアタックが本格的なり始めた頃かな。これは1998年式ですからFですね。新世紀レガシィがデビューした年のクルマです。消費税アップの翌年です。
Commented by b-faction at 2014-03-30 12:15
タナベさん、特約店の人が何かおっしゃってましたか(笑)
Commented at 2014-03-30 14:56 x
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Commented by b-faction at 2014-03-30 15:54
タナベさん、登録規制が掛かっているからですね。
年度末、休み明け月曜が最終日だと、昔なら家に帰れなくなる人も居ましたね。時代は変わりました。
Commented at 2014-03-30 17:27 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-faction at 2014-03-30 19:03
タナベさん、いよいよ明日が最後の勝負ですね。当社は受注で締めるので登録は関係ないのです。
Commented at 2014-03-30 20:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-faction at 2014-03-30 22:06
タナベさん、どういたしまして。お互い頑張りましょう。
Commented by ヒデ@2.0R specB at 2014-04-01 00:08 x
こんばんは。
日曜日はお忙しい中色々とお気遣い頂きありがとうございました。
アドバイス頂きましたようにバルブなど交換していきたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。

Commented by b-faction at 2014-04-01 10:50
ヒデ@2.0R specBさん、昨日はご来店ありがとうございました。これからも精一杯メンテナンスさせて戴きます。よろしくお願い申し上げます。
Commented by かんさいこし at 2014-04-15 22:39 x
ネットで知る情報は部分的なもので、最終的には自分の目で見て知る必要がある。真剣に調べ物をした経験のある人なら同意して貰えると思うんですが、ふと世間を見るとネット「だけ」で判断する人が多いのだろうかと感じることがあります。
かく言う自分も、ともすれば習慣に悪魔を潜ませてしまうのかもしれません。大切にするべきものを取り違えないようにありたいものです。
Commented by b-faction at 2014-04-16 15:08
かんさいこしさん、こんにちは。気がつかないうちに、悪魔が入り込んでくる気がして怖い時があります。ネットが発達したことは紛れもない事実です。でも無くなったり、一切遮断されたらどうなるか。それを常に予測して備えることも大切だと、この頃特に思います。
Commented by 三河人 at 2014-04-18 10:56 x
 初スバルの三河人といいます。いつも拝見させて頂いております。
XVHV のスタイルが気に入り試乗、契約 いや~ぁ 実に楽しい 今まで経験したことの無い良いくるまですねぇ~5ヶ月待った甲斐ありました。現在5,000km走行、スバルって乗ったひとにしか分からない車だと思います。今は、友達、親戚、スバル良いぞって広告しています。これからもスバリストのサポートお願いします。
Commented by b-faction at 2014-04-18 16:35
三河人さん、こんにちは。スバルらしいハイブリッドに仕上がりました。やっぱり解りますか~~?4気筒なのに6気筒の味がするでしょう。それが食べたことの無い味なんですよ。このユニットを作ったSUBARUのクソ度胸に感謝する毎日です(笑)。これからもよろしくお願いします。
Commented by がっちゃん at 2014-04-20 07:32 x
GC8 TypeRを所有しています、25万Kmを超えまだまだ手放す気にはなりません。昨年、一旦は車高長にした足回りを保管しておいたOH済みビルシュタインに戻し、ノーマル形状の足回りの乗り味のすばらしさを実感しています。いじってみてわかることですが、この車はノーマルが一番です。
Commented by b-faction at 2014-04-20 09:53
がっちゃん、その通り!バンプストロークを十分確保しないと持ち味が出ません。
Commented by 美のつぼです at 2014-06-08 01:59 x
ブレーキホースーわ替えないんですか
タッチが良くなります
今年の5ゼロ月に御前崎で鉄のスクーターが80台走りました YouTubeで
鉄のスクーターランで検索したら
見られます 水平対抗6気筒わなめらかですね FFレックスを初めて新車で買って乗ってました 燃費も20前後
走って 良かったです ツインビスコの
レックスがLSD効果が あって良い車でした
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by b-faction | 2014-04-17 11:06 | インプレッサ | Comments(23)

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