
可愛いいだろう。今月生まれたばかりだけど、もう元気いっぱいだ。立派なモノをぶら下げた男の子だった。
木曽馬の里には、
この様に呆けてしまったおばさんも居るが、

ベテランほど重用されている。
何しろ穏やかな性格だから、
子供や老人を乗せるのに向いている。

ホースセラピーという言葉があるように、
馬の背中でイキモノの暖かみを知ることは、
精神衛生上も良い効能がある。
今日も来場者は少ないがちゃんと仕事をして、
生計を立てていた。

ゴールデンウイークを是非「木曽馬の里」で過ごして欲しい。
一時は絶滅しかけたが、
何とか血統は残り、
徐々にではあるが増え続けている。
大切な文化遺産だ。
今ではペットとして飼う人も居て、
昔のように同じ屋根の下に住んでいるのだという。
機械に置き換わり、
役目を終えて消えかけたが、
木曽の人々が改良に改良を重ねた穏やかな馬たちを、
これからも大切に育てて欲しい。
これが何か解る人は相当の自動車通だ。鉄道博物館に飾られている。なぜそんな場所にあるか。
実は国鉄は高速バスの導入にも積極的だった。昭和39年に名神高速道路で高速バスの運行を始めた。その5年後、東名高速においても長距離バスを走らせる事になった。そこで国鉄が各社と共同開発した結果、このDS140型エンジンが、東名高速専用バスに搭載された。
当時、旅客を乗せて長時間高速で走るためには、水平対向エンジンが抜群の効果を発揮したのだろう。フラット6を真ん中で繋いだような、
独特な形のエンジンだ。350馬力を発揮したが、その後このエンジンが他の車両で使われることは無かった。この様にでかくて、製造コストの掛かるエンジンが繁殖できる環境は無い。現在の日本で、オートバイや産業用を除き、自動車用の水平対向エンジンを製造する会社はたった一社だ。
世界でも二社しかない。
ここに並んだ2つのエンジンは、どちらも水平対向4気筒だ。
しかし大きさはかなり違う。エンジンの厚みも違えば、奥行きもかなり異なる。ところで、水平対向エンジンは、特別珍しいものではない。ではなぜ各社が採用しないのか。
答えは簡単だ。見た通り、シリンダーヘッド、カム、クランクケースの数が2倍になる。それはエンジンの原価を押し上げる。だからケチなトヨタは自社開発せず、スバルに作ってくれと頼んだのだ。
現在FA20型水平対向エンジンをオーバーホールしている。偶然EA82型エンジンが横に並んでいるので、ちょうど比較するのに具合が良い。
弁当のおにぎりを見て
ハッとした。

「ダウンサイジングコンセプト」を連想したからだ。
その解釈には幅がある。
何でも小さければ良いというものでは無い。
モノには適切な大きさが、
使い道に応じて存在する。

A12(スバル1000)が、一旦工房に戻った。

内装のリメイクを進め、
メッキの終わったアウターパーツを組み付けるためだ。
外から仕上げないと、
整形を終えた内装部品が組めない。
スバルの歴史は1500ccの後輪駆動車でスタートした。
しかし、
その道は険しかった。
弱者が強者を出し抜くために考え出した、
歴史に残る秀作が、

1000ccのエンジンと、
トランスアクスルを縦置で組み合わせた独自のシステムだ。
この当時の日本では、
排気量が年を追う毎に大きくなるのが当たり前で、
各社はそれで性能の優劣を競った。
こうして現代にも繋がる、
排気量ヒエラルキーが生まれていった。
その時代に、
スバルは決して大成功したとは言えないが、
1300Gのような凄いクルマを作った。
そして、
麻雀で裏ドラが出るように、
その後はまるで博打のような成果を上げた。
軽自動車に留まらず、
スバルは創業の原点を忘れずに前へ進んだ。
時には博打もしたし、
思うように事が進まず苦労も重ねた。
それでも努力を忘れず、
稼いだ金で嬉しい成果を勝ち取った。

ニューヨークオートショーで、
新型アウトバックがデビューした。
この出で立ちなら、
名実共に6気筒エンジンが似合う、
ホンモノのフラッグシップだ。

吉永社長をはじめ、
スバルのスタッフに心から「おめでとう」と申し上げたい。
これで昨年からアメリカで続く、
ワールドプレミアも一巡する。
WRXからSTIに続き、
B4からアウトバックへと繋がった華麗なデビューはひとまず幕を閉じるだろう。
しかし、まだまだ小手調べに違いない。
正直なところ、
スバルはもっと大きなクルマをリリースするべきだと思う。
良い物は売れる。
大きくなったB4を見た訳では無いが、
恐らくこれまでとは違う本物志向の顧客を、
スバルに振り向かせる起爆剤になることは間違いない。
使い分けの中で、
大きさは「何かの縛り」で決められる。
全く縛りが無ければ、
カーデザイナーは何でもやりたいように出来る。
ところが素晴らしいデザインを究める中で、
エンジンとタイヤは一番縛りを与える。
そもそもエンジンが無ければ、
クルマはもっと美しくなるだろう。
だから小さいに越したことは無い。
既に2.5リットルNAのエンジンキャパシティで、
3リッターフラット6並の動力性能を手に入れた。
それに、
HEVシステムのおかげで、
4気筒を6気筒並みに振動抑制できた。
そして2リッター直噴ターボは、
ラクラク300馬力を発揮しながら、
燃費も良く排出ガスも少ない。

ドクターカーを覚えているだろうか。
まさしくダウンサイジングコンセプトだ。
大きな救急車型のドクターカーより小さい。
悪路走破性にも長け、
全天候型なので雪道にも強い。
ハイパワーエンジンを搭載したので、
高速道路も余裕で走れる。
新しいパッケージは絶妙な大きさで、
乗り降りしやすいポジションに座ることが出来る。
この機動性に優れたフォレスターだからこそ、
一刻を争う任務を担うドクターカーに指名された。

ドクターカーの住み家も整った。
この車両基地から救急救命活動に飛び出していく。
ここで現在の活動実績を報告しよう。
3月1日からの本格稼働に伴い、
既に出動回数は50回を数えた。
重篤な患者を救命するためにドクターカーは走る。
35回の救命活動の内、
2件は現場で人工呼吸装置を付け、
そのまま多治見市にある県立救急救命センターに運び込んだ。
その結果、
これまでなら助からなかった命が、
ドクターカーの活躍で救われた。
また最近、
ドクターヘリと連携して、
自動車事故の負傷者を救命した。
正面衝突で腸管破裂した重傷者を、
ドクターカーと救急車をドッキングさせて応急処置し、
ドクターヘリで処置できる病院へ搬送したのだ。
活躍しているドクターカーに、黄金比を感じる。
改めて「格好いいな」と思った。
大きさの上では少し膨らんだが、
最新のフォレスターは、
このカテゴリーで、
ダウンサイジングの匂いが漂う。
立ち位置を良く考えて、
適切な大きさを与えた。
そして最適なパワートレーンを搭載し、
初期化した。
STAP細胞で有名になった言葉に、
初期化がある。
どちらかというと我々の世代は、
フロッピィディスクを想像するが、
摂理を説明するのに都合の良い言葉だ。

ヤマザクラが見事に散った。
ザーッと花びらを見事に散らす瞬間に立ち会えた。
散った花びらは望桜荘を奇麗に彩った。

建物を撤去し、
異物や雑草を取り除き、
美しく維持してきた。
そろそろ、潤いを与えたくなった。

このように芝桜を株分けして植えてみた。
驚くような生命力だ。

一冬この場所で過ごした沢山の苗をまず望桜荘の前に植えた。
まだ60株くらい残っている。

芝桜が少ないように見える理由は、
絡み合った部分を妻が丁寧に間引きしたからだ。
あちこちで窒息して腐りかけていた。
元気そうに見えても、
無秩序に広げると、
他の植物に悪影響を及ぼすばかりで無く、
自らも死に絶える。
間引きした部分を、
ポットに植えて静かに冬を越した。
大地に移植したとたんに花を咲かせるほど、
どれも元気だ。

望桜荘の前を花畑にする以上、
建物と縁を切る必要がある。
壁際に石を敷いて、

前後の傾斜と、
左右の水平に注意しながら作業を進めている。
この石も全て初期化してある。改善作業を進めると、
あちこちからゴロゴロと石が出てくる。
それを細分化した。
砕石は生物に関わりの無い場所に移動し、
自然石は雨に晒した。

この様に植生をコントロールしながら、
雨水を上手く流すことで、
庭から移植した竜舌蘭や、
カンゾウがスクスクと育っている。

雨に晒した石は、
使い易いばかりで無く、
だから何となく気持ちも良くなる。

自然石や、植物を活かしながら、
この初期化した土地にどのような潤いを与えるのか、
終わりの無いテーマが広がっている。
一旦乾燥させ、池も初期化したから、
何も水生生物が居ない場所に、
ツツトビゲラが繁殖した。
ブログ愛読者のご厚意で、
この生き物の名前が解った。
清流に住むこの虫のおかげで、
肉食系の川魚がまるまると太れる。
この池の上に紅梅がある。

よく観察したら、
奇麗な白い花が咲いている。
昨年は全く気がつかなかったが、
いつの間にか自然に発芽したようだ。

可憐な花にプラズマグリーンのアクセント。
ハイブリッドのXVを思い出させる花だ。
その右手には、

ホワイトパールの美しい花が咲いている。
インプレッサスポーツを思い出させる。
この花が何か解る人に、
是非名前と特徴を教えてもらいたい。
初期化した大地には、
植生遷移が訪れる。
森林火災や、
土石流で荒れ野原になると、
はじめは苔などが生え、
草木が繁るようになり、
やがて森へと姿を変える。
良く考えたら、
梅や桜が急に自然発芽を始めた。

この苗木は必ず大きく育つだろう。
ブルーベリー畑にも、
植生遷移は訪れていた。

芝桜の間から、
松が芽を出している。
あっという間の出来事だ。
初期化から見守ると、
面白いことが解ってくる。
草木しか持たなかったスバルを、
それで上等だと思い込んだ人々は、
一人前になることを「肥大」と決めつけた。
樹木を持た無いスバルを、
それで良いと思うことは「井の中の蛙」に等しい。
スバルは、
リーマンショックで初期化し、
植生遷移している。
ところでスバルが初期化しているのに、
全く自らが初期化できない。
と言うのも若いつもりで無理したのか、
カラダが悲鳴を上げたのだ。
更衣室で着替えようと、
左足を持ち上げた瞬間、
腰にピキッと痛みが走った。
気力を失わせる痛みだ。

このHR-Vをレスキューした。
CVTがぶっ壊れて動けないため、
キャリアカーの台上で無理をした。
でもその前に日には、
ジムで45分間「リンパトレナージュ」というトレーニングを受けたばかりだ。
それほど激しくカラダを使わず、
むしろストレッチしたのに、
なぜか具合が悪くなった。
休みたくないほど忙しいのは、
幸せな証拠が、
一人で出来る事にも限界がある。
藁をも掴む思いで、
近くにある診療所の門を叩いた。
こうして治療院に行くはめになると、
座面の高いSUVが沢山売れる訳だと、
改めて解った。
乗り降りしやすくて、
腰に負担が掛からない。
関西のOさんは恐るべき友人だ。

一切知らせていないにもかかわらず、
変調を察したらしい。
腰を痛めたその日に、
彼から「凄いモノ」が届いた。

望桜荘に入った人なら知っているだろう。

サンバー記念館と銘じたこの施設には、
空冷2気筒エンジンを搭載した2代目サンバーが納められている。

そこに一枚の写真がある。
もともと仏壇があった場所だ。
仏壇はその家の中核を成す大切なモノだ。
それを取り払った後、
何を充てるのか。
普通ならあれこれ迷うところだろうが、
スルスルと何かにたぐり寄せられるように、

ダライ・ラマ法王14世が収まった。
安芸の宮島の友人から戴いた、
この肖像と直筆のサインを飾る場所に相応しいと感じたからだ。
それを見たOさんが、
折を見ては様々な気遣いをしてくれる。
きっと何かを感じ、
貴重な水に「少しずつ飲め」と一言だけ記して送ってくれたのだろう。
全く無縁な不思議な香り。
お香でも無い。
何か解らない。
けれども遺伝子の中に遠く搔き込まれたような、
懐かしい匂いだ。
こうした「引鉄(ひきがね)」は思わぬ考えを引き出すことがある。
真のダウンサイジングとは何か。
今後スバルはどのようにBセグメントを初期化するのか。
スバル1000のような小さなセダンは、
ハッチバックやミニバンに派生し、
時代に合わせて繁殖した。
まず植生遷移のように、
スバルが初期化するとして、
小排気量のセダンに戻れるか。
あり得ない話だ。
そんなモノを作っても誰も買わない。

面白い成功例がある。
商売上手なBMWは、
守り続けてきたFR路線を傷つけないよう、
上手く他のブランドを利用した。

時代遅れにならぬよう、
小粋なFWD路線にも上手くコマを進めた。
BMW製だと知っていても、
同じ欧州圏で作られたミニなら誰も文句は言わない。
どんどんデカくなっていくが、
文化性に溢れて、
アイデンティティにも全く陰りが無い。
ならばスバル360をモチーフに、
小さなエンジンを積んだミニカーを作るのはどうか。

絶対に成功しない。
スバルでは逆立ちしても出来ない。
上州の空っ風や木枯らし紋次郎の文化では、
このセンスに追いつくのは100年掛かっても無理だろう。
最新型のミニのヘッドライトを見よ。
エンジン搭載位置にも心が惹かれる。
軽自動車から撤退したが、
その原因の一つは、
R2をタントやワゴンR並に売ろうとした事だ。
R1の本質は、
最後まで全ての売り手側に浸透しなかった。
売る者が正確に本質を掴めず、
マーケットサイズも小さければ成功に導けるはずが無い。
ダライ・ラマの水で頭が冴えると、
腰が痛いことさえ閃きに変わる。
ダウンサイジングで、
スバルの執る道はSUVしか無い。
そのような観点から、
初期化を考えるとヴィジブが如何に正統なクルマか、
ようやく理解出来た。
モーターショーでこのクルマを見た時には、
正直なところピンと来ない点も多くあった。
ところがフォレスターX-BRAEKに乗り、
改めてスバルの実力を噛み締めた。
背の高いSUVなのに、
オフロードヴィークルのような、
ネガティブなドライブフィールは一切無い。
腰が痛い時だからこそ気がついたのだろう。
クルマを使う視点が変わった。
高齢化社会が話題に上るようになってから、
かなりになる。
今後クルマの乗り降りが容易かどうかは、
重要な選択基準になるだろう。
恐らく需要がこれからも生じ、
多くのお客様の購買対象になるはずだ。
だからヴィジブはスバルを初期化するクルマとしてもってこいだと思う。
本格的な機動力を持ち、
高速ツーリングの愉しさまで併せ持つ、
それがスバルというブランドのコアなイメージだ。

はじめヴィジブはディーゼルエンジンと、
ハイブリッドを「なんちゃって」搭載してデビューした。
しかし日本で選ぶべきパワーユニットはそれではダメだ。
こうして見ると、
冒頭に述べたようにクルマのデザインを縛る要素が、
エンジンとタイヤだと言うことが良く解る。
フロントオーバーハングを減らしたいのは、
いつの時代も変わらない願いだ。
スバルが直列4気筒ではなく、
水平対向エンジンを選んだ理由も、
前輪駆動車のオーバーハングを減らすためだった。
ここで水平対向エンジンの作り方をおさらいしよう。
設計の上で水平対向4気筒エンジンを作る場合、
まず直列エンジンを頭に浮かべる。
それを「アジの開き」を作るように、
クランク軸はそのままにしておき、
#1・3シリンダーを残して、
#2・4シリンダーを180度開けば出来上がる。

しかし、そのままではシリンダー間が間伸びし、
とてもコンパクトとは言えない。
だから上にあるEA82は、
シリンダー間をぐっと詰めてコンパクトにしている。
直列4気筒ではクランクジャーナルのベアリングは5個ある。
それが水平対向エンジンでは、
左右に分かれた気筒間でベアリングを省略できるので、
3つに減らせた。
ただし、左右に分けたから直列4気筒の半分になるかというと、
そう簡単にはいかない。
写真で見ると解るように、
左右のシリンダーはオフセットしているため、
おおよそ2.5気筒分の長さになっている。
第二世代のEJ20は高出力化をめざし、
直列4気筒と同じような5ベアリング方式に変わった。
そのため気筒間は少し離れることになり、
コンパクトという点では逆行することになった。
4カムになったヘッドは以前より大きく、
重量の面でも相当増えた。
結局第三世代の水平対向エンジンも、
上限を2.5リットルと定めたため、
寸法上は少しもコンパクトにならなかった。

ただし、
将来を見据え、補機類のレイアウトが自在にできるよう、
工夫が凝らされている。
特に動弁系は大きく変わった。
ミラーサイクルに近い動弁機構を持つようになり、
熱効率は飛躍的に向上している。

しかしその分重量が増え、
決してよりコンパクトになったとは言い難い。

そのような制約があり、
ダウンサイジングコンセプトの1.6L DITも、
寸法上ではこのエンジンと全く変わらない訳だ。
そうなると、
スバルがよりコンパクトなエンジンをラインナップに加えることは、
もう不可能だと思える。
なぜなら、
まったく新しいシリンダーブロックまで設計し、
製造設備まで整えなければならない。
だから別形式の水平対向エンジンを開発することは、
巨額の投資を必要とする。
とてもではないが、
今後の自動車ビジネスで、
それを回収する事は不可能だろう。
ところが、
一つだけ面白い方法があった。
スバルの水平対向エンジンは、
元々4気筒も6気筒も交流生産できる強みがある。
幅さえ同じなら応用が利くはずだ。
絶対にスバルでしかやれない「ウルトラC」があった。
これから先、
スバルがワクワクさせてくれることを願いながら、
次のブログで想像を続けたい。
おわり