
そして植物と縁を切るための、
石畳化も順調だ。

土を少し削りながら、
石を敷く。
増える芝桜を、
このラインで抑制するためだ。

せっかくなので、
玄関に向かって同じように整える事にした。
現在も作業を続けている。

玄関脇に敷く石は、
川で洗われて丸くなった石だ。

大きさを揃えてカゴに入れてあるので、
境を決めて奇麗に敷き詰める。
こちらのSAB側は山本部長と梅田の担当だ。

チームを分けて進め、
それぞれの個性を出した。

飛び石にすると面白いと、
思わぬ案が飛び出した。
しかし、

一番強く雨の当たるところだから、
オーソドックスに敷き詰めた。
周辺の環境を整えると、
全てに気が満ちる。
見栄えは今ひとつでも、手作りした物からオーラが出る。
いよいよゴールデンウイークだ。
イベントが始まる。
大勢の人を環境を整えてお迎えしたい。

工房の奥にあるSTIギャラリーには、
沢山のバンパーが吊されている。
吊しているケーブルは樹脂だ。
経年劣化すると切れるかもしれない。
危険防止のために、
一気に飾り直した。
朝7時半からバンパーを降ろした。
グループ分けして並べる。
面白い。
クルマの変遷が何となく掴める。
近くにあるスバル1000は鉄で出来たバンパーを持つ。
昔はむき出しで付いてた。
中にはバンパーガードなどと言う、
日本には不似合いなパーツもあった。
殺傷能力を持つような部品を、
愛車に付ける人は居ない。
大きく車種毎に分け、
片っ端から雑巾で拭く。

樹脂は炭素を呼ぶので、
バケツの水はすぐ真っ黒になる。

樹脂バンパーそのものも、
昔に比べると軽くなった。

鷹の目インプレッサは、
グリル部分と一体だ。
次からノーズコーンになる。
歩行者保護の上でも有効だ。
それにデザインを変えれば、
面白いクルマが次々に作れる。

全て拭きおえたら、
役割分担して吊る。

デッドスペースを活用して保管しているが、
改めてオブジェとして眺めた。
とても面白い。
遠方から来店されると、
口を揃えて珍しいと言われる。
軽いから簡単に吊れるが、
バンパーは場所を取るのでなかなかまとめて見る機会は無い。

奇麗に展示を終え、
次の仕事に全力を注いだ。
ゴールデンウイークに備え、
かわら版の構成に着手した。
何とか予定通り校了し、
発送準備も終わった。
富山の浮田さんや、
神戸の安藤さんなど、
遠方から整備にご来店するお客様が目立った。
また埼玉からもスバルファンが来店され、

普段とは違う視点で感想を戴いた。
今年の黄金週間も長丁場だ。
いよいよ民族の大移動が始まった。
ところで、
バンパーを清掃しながら改めてレガシィの変遷に興味を持った。
三代目から四代目になって、
重さが変わったように感じた。
双方の走りを比較したくなり、
いつものMTでは無くATの黒ブリを引っ張り出した。

まずこのクルマを
中津シェライフェで走らせた。
5速ATとVTDの組み合わせは、
スポーツドライブとイージードライブを両手で自由に選べる。
4速ではパドルシフトも少々物足りないが、
5速ならより適切なギヤを好きなように選べる。
延べ80kmを走ったが、
このクルマの特徴はまずエンジンサウンドに現れる。
物凄く心地よい。
この黒ブリは、
まだ6万キロにも満たない良いクルマだ。
富士重工の関連会社で使われていたトップグレードのB4だ。
しかもポルシェデザイン。
これほどの装備だから重役が乗っていたのだろう。
点検整備も欠かさずに実施され、
とても快適に走る。
とても質の高い、
塊感のある走行感覚が楽しめる。
等長等爆のチタンターボエンジンは、
明らかにそれまでとは一線を画す性能を、
レガシィにもたらしている。
そして次に、

3代目のツインターボを用意した。
こちらはB4では無く最終型のツーリングワゴンだ。
このBH5はGT-BのEーtuneⅡで、
まだ9万キロに満たずコンディションも抜群。
全てに渡り奇麗なクルマだ。
乗り始めてすぐ、
大事に使われた抜群の個体だと解った。
良い個体同士で比較する事は、
欠かせない条件だ。
そうすれば5年の差が、
どのようにあるのか良く解る。
興味津々で比較した。
走らせると驚きの性能を次々に発揮した。

まず全くノーマルの排気系は軽快なサウンドを奏でた。
低速トルクもあり、
クルマが「シュパー」と前に出る。
「えーっ!ツインターボも良いじゃ無いか!!」
と意外な印象から始まった。
塊のように「ぴしっ」とした走り味は、
黒ブリの方が良かった。
けれどもこのツーリングワゴンは、
何とも言えない「しなる」様な走りをする。
緩さが逆に良いのかもしれない。
4速オートマチックだが、
山岳路だとかえってそれが気持ち良い。
なぜだろう、
ちょっと狂気じみた走りになってくる。
手のひらに収まる感じが強いのだ。
ツインターボに拘り、
手放せない人の気持ちが痛いほど解る。
深夜のテストだったので、
BH5を真っ暗な中で乗り降りしたが、
BL5に比べてさほど落胆を感じなかった。
逆に現行のBR系は質感が物足りない。
何度も言うようだが、
ドアの開閉時のがっかり感だ。
真っ暗だと余計に感性が際立つから、
手抜きが解る。
まずBL/BP系のドアトリムを見て、
申し分の無いドアトリムだと納得する。
BP5にフルモデルチェンジした時、
助手席でドアグリップを握り、
しみじみと「良い仕立てだ」と感じた。
このクルマから、
年式の古いBH5に乗り換えてもがっかりしない。
理由は、

インナハンドルが付いている。
ところが、
いくら持つ部分の素材だけを良くしても、

この現行型のドアは、
手抜きだと解る。
オーラが出ていないし、
作り込みも軽自動車と変わらない。
レガシィをフラッグシップと自負するなら、
こんなことを絶対にやってはダメだ。
一番安いベンツだって、

そんな馬鹿な事はしない。
プライドがあるからだ。
次のレガシィのライバルは、

これくらいのドアトリムにしても当たり前だろう。
素材だけでごまかそうとするような、
馬鹿な真似は絶対にヨーロッパでは通用しない。
ただし、
何に対しても言えるが、
良いところもあれば、
悪いところもある。
ドアトリムにけちを付けただけで終わらせたら、
5代目レガシィが泣くだろう。
久しぶりにBM9で思い切り走る事にした。
まず念入りに点検整備し、
ディスクパットを交換した。
雨中の走行に備えタイヤも新品を用意した。
リニアトロニックの伝達効率が良いので、
実に無駄なく動力が路面に伝わる。
エンジン回転数を稼がなくても、
気持ちよく加速する。
初期のチェーンバリエーターは、
現行タイプよりロングピッチだ。
だから独特のミッションノイズを発するが、
逆にスポーティにさえ感じる。

現行型の一番の美点は、
振動騒音に対する懐の深さだ。
シャシー構造をゼロから見直しているので、
以前より静かさは際立っている。
サスペンションストロークも大きくとれたので、
当然乗り心地も良く、
路面のつぎはぎや橋脚の段差を乗り越える時に感じるショックがとても少ない。
ただし、
シャシーを構成する部品の何点かが鋳物からプレス部品に変わったので、
伝わってくる感触が4代目とは少し異なる。
そこがいわゆる「落雁」のような味なのだ。
日本で使うことの出来ない、
時速200㎞オーバーの領域では問題になるが、
アメリカも含め何ら問題は無い。
それよりも圧倒的な差がある。
スタビリティだ。
BHもBPも、
ステアリングから手を離したらこのクルマのような訳にはいかない。
路面のアンジュレーションで、
即座に修正しないとクルマが左右どちらかに僅かであるが流れる。
やってはいけないことだが、
もし手を離したら危なくて乗れない。
しかし、
5代目の美点は「クルマに任せて安心」と錯覚するような、
安定感を見せる所だ。
もちろん、
全く流れない訳では無い。
ところが、
安心感が違う。

ワインディングも面白い。
「玉手箱」のおかげでギヤがいくつでも作れる。
それに加えフラッグシップのレガシィだけは、
NAのエンジン搭載車でもS#を選ぶことが出来る。
スイッチを右に回すと、
そのとたん、
本当にエンジンサウンドが半音上がる。
パドルシフトを操作すると、
もうこれで充分かな、と思わせる動力性能を発揮する。
アイサイトも便利だ。
しかしレヴォーグのVer.3を経験してしまうと、
「進歩は凄い」と納得せざるを得ない。
このクルマがデビューした当時、
感動したほどだった。
今回乗ると、
トンネル内でのライン認識の甘さ、
同じく濡れた路面における白線認識力の差を如実に感じた。
ぶつからない性能も日々刻々と進歩しているので、
これから先も楽しみな技術だ。
そういう良いクルマが、
なぜ格下のクルマと見間違うようなインテリアになるのか。
その遠因は、
軽自動車のようなやり方で、
リーマンショックなど、
冬の時代を乗り切ったからだ。
軽自動車にも凄いクルマはあった。
ちょうど定期テストを頼まれ、
大好きな車のステアリングを握った。
まだ2万キロしか走っていない事もあり、
抜群の性能を維持したままだ。
まるで軽自動車に乗っているとは思えない。
Bセグメント並みの質感だ。
むしろサスの動きなど、
こちらの方が上で、
ステアリングに対して、
的確に向きを変えるし、
剛性感のあるボディとその接地性は、
未だにトップクラスの性能を誇示している。
このクルマを企画した当時、
BP系もそうだが、
商品開発に凄味と余裕があったのだろう。
しかし販売実績が伸びないと、
当初の良さがこねくり回され失われていく。

極めて凡庸な素材に変わってしまったインパネや、
後方視界が悪いから売れないと、
頭の硬い販売会社からけちを付け続けられ、

余計な造作で美しさを失ったリヤドアなど、
レベルの低いマイナーチェンジが度々繰り返された。
かすかに残る、
開発した当時の面影。
作品は正直だ。
作り手の思いを確実に反映する。
このクルマに手抜きはない。
開発に余裕があったことは、
この視点からも良く解る。
凝った作りのコンビネーションランプは、
スバリストの目を肥やしてくれた。

だからオーラが出ている。
進歩では無く退行するとオーラは出ない。
中期経営計画で存在したリッターカー計画を棚上げしてまで、
急遽投入した背高ワゴンだった。
だがそれは絶滅への序章だった。
スバルデザインセンターで、
密かにお披露目されたこのクルマを見た瞬間、
絶望に近い悲しみを覚えた。
かすかにR2の良さを残したインパネだったが、

コンビネーションランプが全てを壊す。
これには拘りも、際立つ良さも感じない。

退行の証は、

ここに集約されている。
確かに500ミリリットルのペットボトルは入る。
しかし真ん中にへそのある、
いかにも汚れが溜まりやすそうなドアグリップは、
お粗末そのものだ。
ステラを見た目だけで評価した訳では無い。
このボディ形状だと、
その構造上避けられない事がある。
どうしても重心高は高くなる。
その上、重くならざるを得ない。
それはともかくとして、
もっともハイパワーで楽しく走れる4WDのRSを用意した。、
スーパーチャージャー付のDOHC4気筒はヴィヴィオから続く出力優先のパワーユニットだ。
まず高速道路を手始めに、
連続で180㎞ほど走らせた。
広い視界。

スバルの4輪独立サスは乗り心地が良く横風にも強い。
4つの脚が路面をしっかり掴む。
スーパーチャージャーが付いてるので、
動力性能も申し分無い。
R2よりも遙かに物入れも多く、
500㎜のペットボトルもドアポケットに入る。
お客様の意見を十分反映し、
やれるだけの事をやったクルマだ。
実はステラに初めて乗った時、
「一流料亭の賄い飯」という表現をした。
そして岐阜スバルの発表会で、
挨拶を頼まれ、
壇上で「最高の焼き鳥屋が作る親子丼のようなクルマです!」と、
自分としては最高の褒め言葉のつもりで叫ぶと、
会場は静まりかえった。
決して悪いクルマでは無い。

後方視界も抜群だし、
室内も広い。
しかし乗り終わって感じた事は、
「所詮、軽自動車はこの程度なのだ」と言う事だ。
どこの会社でも作れるし、
出せる性能には限りがある、
というのが正直な気持ちだ。
このセグメントで、
全力で戦っても意味が無く、
むしろ最新のステラカスタムRに乗ると、
「これは今までで一番良い!」と思う。
最新のプレオは、
燃費性能と価格のバランスがとても良い。
木曜日に納車するプレオには、

ヴィヴィオの面影がダブル。
これで十分だと思う。
初めてルクラで長距離走行した時、
「このクルマ、安穏として良いなあ」と思った。
これから先、
軽自動車では「世界で一番」を目指す事は出来ない。
それどころか、
今は燃費を重視する。
すると、
なまじRSは走ろうとすると強烈な性能を現す。
だからこの手の車には必要以上の動力性能になり、
逆に経済性は追求できない。
どこもスーパーチャージャーなど使わないから、
調達コストも高くなり台数が出ないと言う悪循環を引き起こす。
同じように背の高いクルマでも、
有り余るほどのコストがかけられるなら話は別だろう。
今一番気に入っているのはフォレスターだ。
支払総額で400万円を超えると、
やはりクルマの様子に大きな違いが出る。

これから、
続々とスバルから新型車がデビューする。
さてさて、
リアルワールドで、
それぞれのクルマは、
どれ位の驚きを与えてくれるだろうか。
実に楽しみだ。
フォレスターは、
初対面の時から強烈なオーラを出していた。

本当に良いクルマだ。
ドレスアップすればするほど、
クルマの質感は高まる一方。
大きく見えれば見えるほど、
ますますカッコイイ。
次のレガシィは、
それを超える感動を与えてくれるだろうか。
直接見ることの出来る日が待ち遠しい。
しかし、
ドアトリムだけは少し心配だ(笑)
怒髪天にさせられない事を祈りながら、
発売を楽しみに待つ。