
変な拘りがあって、
飛行機では贅沢を求めないことにしている。
ビジネスクラスを見て「いいなぁ」と思うが、
実際に座ったことはない(笑)。
20年以上前、
一度だけエコノミーのダブルブッキングで、
特別に座らせてもらったことがある。
しかし、
そういう時ほど心苦しいことは無く、
子連れにはかえって酷だった。
それもまた、素晴らしい想い出なのだが・・・。
前日まで非常に忙しく、
緊張感の連続が続いて一日が短かった。
何事も無く出国できるよう、
余裕を持って空港に向かった。
セントレア空港の出国カウンターに行くと、
見慣れない装置があった。

せっかくのチャンスに登録した。
係の人は親切だし、
書類も簡単だ。
A4の申込書を一枚書くだけで、
もう行列に並ばなくても良くなる。

ルフトハンザをよく使うが、親切な航空会社だと思う。
搭乗手続きを済ませ、
必要な小物を買ってゲートに向かった。
いつもとは違う離れた場所だ。

昔ながらの「飛行機に乗るぞ」というこの感覚は悪くない。

手にとって席に着いた。
真っ先にモノクログラビアを開いた。

彼はレディガガの来日を取り上げ、
巻頭で紹介していた。

各席にはモニターが設置され、
映画やニュース、
それに飛行情報を取得できる。
もうアームレストにアテンダントの呼び出しボタンも無いので、
間違って押すことも無い。
イヤホンもモニターにあるジャックに繋ぐ。

ヴィデオシステムが一新されただけでなく、
ユニバーサル化がますます進んでいた。
去年乗った時、
不具合が続いたのは、
そろそろ機械的に限界だったのだろう。
ロシアの領域に入る頃、
昼食の準備が始まった。




気楽にドイツに着ける。
以外におもしろかったのが、
現代版「眠りの森の美女」だった。
良い時代になった。

夏休みの直後と言うこともあり、
空いていたのだろう。
すぐ後ろの女性も一列占有できた。
彼女はロンドン在住で名古屋に里帰りしたのだそうだ。
中央の4座席を独占できたのはラッキーだった。
順調なフライトを締める最後の食事だ。

鰻を食べる。
この鰻がなかなか美味しかった。
着陸も奇麗に決まったが、
何とドイツでもタラップを降りることになった。

ひさしぶりにドイツの大地に足をおろし、
そのままバスに乗った。

バスも相当進んでいる。
連接バスを走らせる速度も速く、
日本とは大違いだ。
空いているとは言え、
ソコソコの乗客があり、
バスはすぐ満席になって発車したのだが、
ここで出国する人は少なかった。
名古屋から手軽にヨーロッパに行けるようになり、
ルフトハンザを使う人は多いようだが、
ドイツはまだまだ遠い国なのだ。

もうその気になれば、
いつでもいくことが出来る。
ガランとしたバゲッジクレームで荷物を待ちながら、
セントレアから旅立てる幸せを感じた。
ドアツードア空港に立ち、
乗り換え無しでドイツに立てる。
さあこれからドラマティックな毎日が始まる。
そのスケジュールを、
ゾクゾクしながら思い浮かべた。