世の中には、
ある場面に似合うモノと、
想像以上に似合わないモノがある。

オートサロンで見たアウトバックは、
SUVなのに思いの外サーキットが似合う。
ラピスブルーがこんなに良い色だと初めて知った。
しかし惜しい。
これがディーゼルなら、
サーキットを疾走する姿は更に際立ったはずだ。
今からでも遅くない。
早く国内仕様のディーゼル開発に踏み切って欲しい。
渇望しているのはお客様だけでは無い。
日本中のディーラーの戦闘員が、
首を長くして待ち望んでいる。
ヨーロッパの耐久レースで、
ディーゼルが幅をきかすようになってかなりの年月が過ぎた。
ガソリンターボより、
クリーンで経済的なイメージが定着した。
ラピスブルーのアウトバックに、
水平対向ディーゼルエンジンは痺れるほど似合うだろう。
オートサロンでも、
似合う物や似合わない物が数多くあった。
そのなかで子猫のような可愛いモデルは、
この場に彩りを添え良く似合った。

真っ赤なボディカラーや、
初々しい笑顔は、
機械だらけの会場に欠かせない。

しかもその手つきや身のこなしは、
全て計算され尽くして、
ハードなクルマと対照的な艶を見せる。
しかし、
時にはパンツを履き忘れてきたような、
掟破りの技を見せる。
なので、用心しないと、
心臓を鷲掴みされたようなショックに襲われ、
死にそうになる。

ステキな視線を投げつけた彼女に、
「履き忘れていませんか」と、
思い切って聞けば良かった。
ピックアップには、
ぎりぎりの色気が似合う。
その点、
トヨタグループの日野自動車も実に抜かりが無い。
毎年このブースが楽しみだが、
今年は少しおとなしく見えた。
所がどっこい、
そんなに甘いブランドでは無かった。

一見何やら訳のわからないパフォーマンスで、
ふざけているようにしか見えなかった。
帰ろうとすると、
どうしても「ある場所」に立てと言う。

しかもここが絶好の撮影ポイントだから、
この位置で撮って欲しいと言う。
おやおや、
先ほどよりまともなポーズだ、と思いきや、
そこには秘策が隠されていた。
アメリカで「H度」を表すのに、
「X」を使うと聞いた事がある。
トヨタスープラという名前が誕生したのもそのためだ。
セリカXX(ダブルエックス)名前は、
そのままアメリカで売るには、
あまりにもエッチだったらしい。

彼女のコスチュームには、
縦にでっかくXXXと連続に描かれ、
その一番下は危険度ぎりぎりだ。
オトコというモノは、
パンツをはいていようが居まいが、
その下に執着を持つイキモノだ。
トラックとトリプルエックスを結びつける、
広告代理店の生き様に感服した。
トラックを侮ってはいけない。
いすゞと日野とふそうの名を借りたダイムラートラックの三つどもえは、
日本のトラックビジネスに新世代の風を呼び込んでいる。
日野のブースを見た後で、
トヨタのブースに行こうとしたら、
何かに引き込まれるように怪しげな空間に誘われた。
するとどこからか林檎の臭いが漂ってきた。

見覚えのあるクルマが、
目立つ場所に鎮座しているでは無いか。

気合いの入り方が凄いので、
またコンテストで一位を獲得したそうだ。
妻はこの噂を聞いていて、
探し回ったにも関わらずとうとう見つけられなかったと残念がっていた。
トヨタに行こうとする所を引き込むとは、
持ち主以上に妖術を使う憎いサンバーだ。
何しろこの宗派の連中は、
一段とパワーがある。
座主とおぼしき藤田さんと、
谷さん、佐藤さんは、
それぞれ強烈なレプリカを所有している。
サンバーを展示していたブースは、
「みんから」と表示され、
スタッフが忙しそうに働いていた。
その中の一人に「寄っていって下さい」と声を掛けられた。
つい、
「このクルマの持ち主は、とても親しいんですよ」と言うと、
目を丸くして「本当ですか」と言うので、
「良く来てくれるんですよ」と返した。
ついでに「他にもこう言うクルマを作る人が居るんですよ」というと、
へぇ~~~と驚いていた。
三重県に総本山のある、
その門を叩く者が後を絶たないらしい。
恐るべき連中である。
他にもトヨタ教の修行僧が、
甘い匂いを漂わせるクルマを展示した。
痛車では無くて「甘車」を作ったと言うが、
結構イタイ(笑)。

トヨタには今壮大な野望が渦巻いている。
数年経つと今のマツダどころでは無い、
大きな花を開かせるだろう。
その本山が運営する大学だから、
かなりの希少車をベースに、
新たな法話を大胆不敵に形作った。
それに比べると、
教祖の居ない会社は上げたり下げたり忙しい。
一昨年は走れないほど上げたかと思えば、

今年はノーマルより下げてきた。
あくまでもコンセプトモデルで実験しているに過ぎない。
ここでトレンドを探ることも大切な仕事だ。
前回のモーターショーで、
実に見苦しいエクシーガのXV版を出した。
苦言を呈して以来、
何も動きが無いがどうするのだろうか。
本格的に脚を上げ、
大きなタイヤを着け、
グッとホイールを外に出せば良い。
もし出来ないと、
イメージだけで買った人が、
客観的に走る姿を見た時、
ガックリと肩を落とす事になるだろう。
動的質感を標榜するスバルが、
逆方向に行くのは良くない。
ポップスターにローダウンは似合わない。

このコンセプトカーは、
ひと世代前のインプレッサXVそのものだ。
北米や中国ロシアへ行くクルマは嵩上げし、
国内と欧州は標準車高だった。
国内で売る自信が無く、
開発費を節約したのが理由だ。
外観だけ変え、
シャシーは標準車高のままだった。
日野のトラックがカッコイイ理由は、
機能性を確保してスタイリッシュに演出しているからだ。
それがオンナの演出とピッタリマッチし、
企業の考えと、
広告代理店の考えに絶妙な阿吽の呼吸がある事を窺わせる。
それに対してスバルの取った道は、
ポツリと他のクルマと何の因果関係も無いコンセプトカーを唐突に並べた。
とはいえ、
彼らが何も考えずにこのような真似をするはずが無い。
現在XVを使っている人達に楽しい提案だ。
数多くの仕掛けの中で、
ほとんどのエクステリアパーツが、
そのまま流用できる。
カスタマイズパーツが少ないXVを、
これらのスポーツアイテムで着飾ることが可能だ。
間もなくデビューするパーツを紹介しよう。

なかなか面白い形のフロントスポイラーは、
STIの拘りを感じさせる良いデザインだ。

エッジの効いたサイドステップも美しい。
オーバーフェンダーに付いているオーナメントを、
「STIパフォーマンス」と入れ替えれば良い。

このパーツも、
既にSTIの韻として定着しているから、
XVの「ローダウン派」にはとてもしっくりするパッケージになること間違いない。
オートサロンで評判が良ければ、
きっと発売されるだろう。

元々腰の高いXVには、
ルーフスポイラーが良く似合う。
このデザインもなかなかイケテル。

ダウンスプリングを入れたら、
軽量ホイールは必須アイテムだ。
STIの軽量ホイールは、
標準タイプとは違う方向性だが、
これも良く似合う。

インテリアには、
洒落たセンスが溢れていた。
本来ならポップスターでやりたかったことじゃないだろうか。
デザイナー達が、
やりたかったことを思う存分吐き出したようだった。

X-BREAKと共用したりせず、
こうすると更にステキな車になるだろう。

オレンジより、
テーマカラーのイエローをあしらう方が、
圧倒的にステキだ。

以前からクロストレックを出して欲しいと願っているが、
あえてスバルは「クロススポーツ」で挑戦してきた。
これもスバルの「韻」として認めるが、

機能性の高いクルマには、
機能美を出したほうが色気がある。

バンパーのサイドを飾るブラックのプロテクターは、
高速道路で追い越す度に、
すらりと長い足に、
短いスカートを掃いたようなかっこよさだ。
パンツが見えそうなコケチッシュさが、
XVの魅力だろう。
カスタマイズなら名案だが、
メーカーのやるべき道はクロストレックだな。
その方が似合うと改めて思った。