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米国産OUTBACKの優れた生産技術と品質管理

最後にアメリカに渡ってから、
もう8年になる。

その時は三代目インプレッサのデビューにあわせ、
海外研修の場をニューヨークに求めた。

あれから時は流れ、
米国は以前にも増して身近な国になっていた。

まずホテルにチェックインして、
コンセントがほぼ同じだという事に驚いた。
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パソコンもカメラの充電器も、
日本のモノと共用が可能だ。

このところドイツしか行ってないので、
少し間隔が麻痺していた。

アチコチに見慣れたブランドが溢れているし
海外に来た実感が湧かなかった。

今になって、
もっとビックリした事がある。
上の画像のテレビに、
人の顔が写っていた。
電源を入れた覚えが無いので、
人が写るはずはない。
こう言う事はことさら珍しくも無い。
怖くは無いが、
世には色々と不思議なことがある。

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出国前に山のハム工房「ゴーバル」で戴いた生ハムを、
帰国翌日の晩餐で楽しんだ。
さすがに養豚から手がけたハムだけあり、
実に味わい深い。
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大量生産している生ハムより、
出した時に硬さを感じる。
香りもやや強めで軟弱な生ハムに親しんだ人だと癖を感じるかもしれない。
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ところが一口頬張り、
噛み締めた途端に、
その豊潤で気高い食感の虜になる。

旨いのだ。

あの工房で桝本さんが作るから、
この様な味が出るのだろう。

米国ではアウトバックが絶好調だ。
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その理由は色々ある。
でも最大の理由を知るのに苦労は入らない。

それは実に簡単な事だ。

アウトバックは旨い。
乗ると良く解る。
日本仕様も旨かった。

こちらでは輪を掛けて旨い。

何故旨いのか。
設計は日本だが、
このクルマは米国人のために米国内で作られている。
米国の生産拠点を見て良く解った。

ものづくりには優れた設備はもちろんだが、
それに関わる人々の情熱や環境が素晴らしいと良い生産物が実る。

それを「工房」と括ってみたい。
SIAという工房で作られたアウトバックは、
ハム工房「ゴーバル」で作られた生ハムのように旨かった。

工房がどれくらい大切か解っていても、
さて実際に何をやるか。

やはり大事なことは設備に愛情を注ぐことだ。

今年の冬から春にかけて、
工房の改善に力を注いだので余計に感じた。

アメリカへ出発する前に、
北原課長は黒錆転換剤を塗り終えた。
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彼の判断で、
刷毛塗りから吹きつけに切り替えた。
帰国後の作業に備え下地を完璧に整え、
一区切り付けたかったようだ。
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奇麗に塗り終えると、
柱と同じような変化が現れた。
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帰国後、
さっそく改善を再開した。
土曜と日曜の朝礼で遂に仕上げが終わった。

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555ブルーに彩られた地中リフトは、
誇らしげにその姿を横たえていた。
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工房の設備に愛情を注げば、
それが良い仕事の第一歩に繋がる。
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下地作りの大切さが、
同じ作業で明確に解った。

冬の一番寒かった頃、
シャッターを清掃しながら、
近くにあるサイドスリップテスターを塗装した。

この時は簡単に脱脂しただけで塗り終えてしまった。
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柱を塗る前までは、
下地作りに今ほど拘りを持っていなかった。
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その結果、僅か二ヶ月あまりで既に劣化が進んでいた。
下地が如何に大切か、
全員の気持ちの中に浸透したはずだ。
今回の経験は今後の品質向上に必ず生きる。

出国前にもう一つあるピットも改善した。
検査ラインのピットの他に、
オイル交換専用のピットがある。
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まず廃油回収機をつり上げ外に出した。
この回収機のおかげでオイル交換が手際よく出来る。

オイルは重力の法則で抜くのが一番だ。
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以前はマットを敷いていたが、
汚れが目立たず、
他に拡散させる可能性がある。
最近は敷くことを止めた。
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床の汚れを奇麗に落とす所まで、
出国前に済ませた。
こちらの担当は、
吉村と杉本だ。

帰国後さっそく塗装に取り組んだ。
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リフトと並行して、
こちらも二日で塗り終えた。

昨年の今頃は、
望桜荘周辺で環境を整えていた。

秋に間引きした芝桜を株分けして増やし、
望桜荘の前庭に移植した。


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                  2014.4.17

帰国するとその芝桜が見事に咲き誇っていた。

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                2015.4.19
思い起こせば、
この計画も熟考を重ね決断した。
数年かかる事業計画を立てコツコツ進めることは、
自動車開発では当たり前だ。

しかし整備工房において、
そのようなことはまずあり得ない。

一寸した工夫が、
望桜荘の前庭をこれほどまでに美しく飾った。

計画通りとは言え、
一年間でこれほど奇麗になると猛烈に嬉しい。
まだ隙間はあるけれど、
この角度から眺めると美しさが更に際立つ。

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遠くに本館が見える。

看板の装着も研修中に全て終わっていた。
西側の看板も一旦取り外され、
下地が整えられた。
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そして新たなシンボルマークのLED看板に変わっていた。
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出国前に正面玄関の看板も取り外された。
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こちらも帰国すると新しくなっていた。
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タワーサインが取り外されたあの日の青い空に比べ、
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四月に入ると太陽の見えない日が続いた。
新しいシンボルに交換された日も、
そう言えば酷い天気だった。
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帰国すると足場は分解され、
見事に新たなシンボルが起立していた。
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東側から見た交換前の風景は、
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夜になると大きく印象を変えた。
コンテンポラリーな雰囲気になり、
いつもの交差点ではないと錯覚した。

日本に帰国した時、
成田空港の天候が悪化し着陸に手間取った。
その上長時間滑走路で待機させられたので、
セントレアに着いた時、
予定より1時間以上遅かった。
結局中津川に戻った頃は夜中で、
新しいサインの点灯した様子は、
どこか他の都市部と勘違いするほどだった。
新たなサインはとても素敵だ。

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黄色いロゴマークを外した時、
その前の看板の痕跡も現れた。
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その下地を整え、
新たな看板に交換された。
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こうしてリフレッシュが終わり、
中津スバルも気持ちを新たに27年度をリスタートできた。

スバルが米国に設立したSIAは、
群馬の工場に比べると歴史が遙かに短い。
1987年の3月17日に会社が誕生し、
量産を開始したのは1989年9月11日だ。

この工場の中には、
職人達が愛情を注ぎ込んだ拘りの工房が各所に存在した。
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だから抜群の品質を誇っている。
まさに平成の歴史と共にこの工場は育った。
その一つの証がこのトロフィーだ。
JDパワー社の最優秀工場品質賞を2013年に獲得した。
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トヨタカムリだったのが惜しいが、
米国内に何カ所もあるトヨタ自身の工場で取れない賞を、
SIAは見事に勝ち取った。

SIAはスバル主導で建設が始まった。
だが当時単独で工場を作るほどの力は無かった。
現在は「スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク」が正式名称だが、
いすゞとの合弁事業だった名残が社名に残っている。
「スバル・いすゞ・オートモーティブ」がSIAの由来だ。

今でこそトヨタとホンダもこの州に工場を構えたが、
設立当時の28年前は何も無かった。
SIAはインディアナ州で初めての自動車生産基地だ。

会社の玄関に入り、
まず目に付いたのがJOB1(ジョブワン)と呼ばれる生産第一号機だ。
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初代レガシィが展示されているとは思わなかった。

中津スバルでも同じクルマを保管している。
それが出来る事に誇りを覚えた。
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案内してくださったのは、
SIAの副社長を務められる森川幸治さんだ。

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現在3802名がこの工場で働いている。
2直体制でフル生産が続いており、
現在年間生産能力は31万台あるが、
いくら作っても足りない状態が続いている。
現在はトヨタカムリの受託生産も含まれているが、
来年にはその関係も終了する。

トヨタの都合でカムリの生産をSIAから他に移すらしい。
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トヨタと資本関係が生まれ、
この工場でカムリを作る事がスバルを大きく育てた。
そのトヨタともお別れだが、
スバルはこの工場を単独で操業するに充分な力を身に付けた。
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設立当時の体力では、
単独進出など無理だった。

当時の田島社長は、
プラザ合意後の急激な円高の環境で、
海外生産に踏み切った。
その時にタッグを組んだのがいすゞだった。

ところがいすゞはスバルより先に「選択と集中」の道を選んだ。

中型トラック以上のメーカーとして生き残りを賭けた結果、
SIAは彼らにとって不要な生産拠点となった。

そして2003年にいすゞは米国生産から撤退し、
SIAはスバルの100%子会社となった。
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このスバルのラインの他に、
当時存在したいすゞのラインでトヨタカムリの生産が始まったのは、
2007年の2月だ。
前回の研修でニューヨークを訪れた頃に重なる。

それ以前からスバルの生産量は順調に増えていったが、
スバルトライベッカやバハではいすゞの抜けた穴を埋めることは出来なかった。

そこをカムリが見事にカバーしたおかげで、
翌年の2008年にはいすゞの抜けた穴を完全に埋めるに至った。

そこから蛻変が始まった。
トヨタカムリの生産台数は、
2008年から昨年までほぼ横ばいだ。

ところがスバルの生産台数は、
2010年の年産10万台から、
翌年の2011年には年産16万台と一気に1.6倍に成長した。
その後も右肩上がりを続け、
昨年こそフルモデルチェンジの谷間で僅かに前年を下回ったが、
新型アウトバックが大成功したことにより、
2015年度の生産計画はSIAの歴史上初となる、
30万9000台たなった。

その内21万台がスバルで約10万台がカムリだ。
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工房の優秀性はこの画像から良く解る。
整理整頓清掃が行き届き、
非常に美しい工房だ。
3輪自転車がアチコチに見受けられるが、
これは営繕チームのツールステーションだ。

工場を快適に維持するための装備を造り出す能力も兼ね備え、
活発に活動する頼りになるチームだ。

その他にIPCという組織もある。
こちらはケン ボーマン氏だ。
IPCでテストドライバーを務める、
SIAのキーパーソンだ。
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IPCとはインプロセスコントロールの略称で、
製造過程における品質管理を担う重要な部署だ。

今回特別にSIAにあるテストコースに入る許可をもらった。
テストコースでは1日に5回生産したクルマの抜き取り検査が行われている。

一週2.2マイルのオーバルコースは、
インディアナ州で2番目に長いコースだという。

そう、
インディアナポリスのモータースポーツウェイに次ぐ規模なのだ。
彼のアテンドで二つの重要なスバルをテストした。

それは次のブログで。

Commented by スバル好きの中学生 at 2015-04-21 20:11 x
こんばんは。お疲れ様です。そしてお帰りなさい!
アウトバック、いいですね~。これを見て思ったのですが、アウトバックは米国仕様のほうが本流という感じがしました。やっぱり日本仕様にも3.6はハイエンドとして存在すべきだなとも思いました。
そういえば、レヴォーグマイチェンされるそうですね。もう1年も経つんだなとも思いつつ、その内容にびっくりさせられました。もはやアイサイトに死角はないかも!?
Commented by くにゃオール at 2015-04-21 21:42 x
社長こんばんは。
レガシィとアウトバックやカムリも日本ではとにかく大きなクルマになってしまいましたね。
自宅のご近所さんにそれぞれお持ちになっている方がいて、車庫の幅ギリギリで駐まっているのを見ると特にそう感じますし、本当にアメリカンサイズですよね。

TMCもSIAの許容量を見ていて、受託を解消したのかもしれませんね。じゃないとSIAが自社のクルマを増産できないと本末転倒ですもんね。
そんなところにボクはスバルとトヨタの仲のよさが感じられますね。

抜け出した当のいすゞは自宅の近所でなんとかやっているようですよ 古~い工場ですが。
たまに積車に乗っている作り立てのエルフにシボレーのボウタイを付けたのを見かけます、まだGMとやってるみたいですね。

ところで、北原課長の使っているスプレーガンはミニガンに見えますけどどうでしょう?それにしても器用な方ですね。
仕上がりもキレイに塗りあがってますからね。
Commented by ナナサン at 2015-04-22 04:57 x
遠征お疲れさまでした。
って 何ですか1枚目の写真 Σ(゚д゚lll)
ことさら珍しい事では無い とサラリと流されてますが…
うっかり夜間に見つめてしまい トイレに行けなくなりました
有るんですね こう言うこと( ̄◇ ̄;)
Commented by b-faction at 2015-04-22 16:11
スバル好きの中学生さん、行ってきました。今度はボディサイズが世界共通なので日本仕様もカッコイイです。日本仕様の場合六気筒はB4の方が似合います。アウトバックにはディーゼルですね。レヴォーグには米国仕様で一足先に採用されたアイテム中心に充実します。でも実際に国内に行き渡るのはまだ当分先です。
Commented by b-faction at 2015-04-22 16:15
くにゃオールさん、それほど大きく感じないのですがトライベッカと並べて、立派になったんだと実感しました。
新しいアウトバックに乗ると、例えぎりぎりのスペースでも置けるモノなら乗りたくなります。
クルマって本来そういうモノですよね。
カムリもB4もそうですが、アメリカでもセダンの市場が縮小していように感じました。だから工場を借りてまで作る必要が無くなったんだと思います。
Commented by b-faction at 2015-04-22 16:19
ナナサンさん、ドイツでは実物も見たので・・・。
大阪で昔泊まったホテルでも酷い実物が出ました。
アレに比べたら全く大丈夫ですよ。
Commented by ナナサン at 2015-04-23 04:29 x
代田さまは 霊感お持ちなのでしょうか?
私はオカルト現象を否定しませんが 自身は 虫の知らせ 金縛り程度しか体験していません。
ですので単独でも夜間ドライブ バイクツーリング 車中泊 野宿 などなど
割と何でも平気で楽しんでおりましたが…
ドイツ 大阪 今回のお話 聞かなかった事とさせて戴きます(−_−;)
※やはりドイツでは “ドイツ人の ”ですか?
Commented by b-faction at 2015-04-23 11:08
ナナサンさん、ドイツで見たのは小太りのお兄ちゃんですね。白いシャツ着て話に加わってました。楽しそうに僕らの話を聞いてましたよ。
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by b-faction | 2015-04-20 20:31 | Comments(8)

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by b-faction