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トヨタ MIRAI レースデビュー

8月最後の締めくくりに、
かわら版206号を校了した。

清々しかった。
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日曜日のレースも清々しかった。
世界で初めてトヨタの燃料電池車が、
公式なレースに参加した。

そのピットクルーとして、
レースに参加した。

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前日の土曜日には、
妻も鈴鹿サーキットに向かった。

スーパーGTの応援が目的だった。
夫婦で東西を代表するサーキットに乗り込んだが、
勝利の女神を自称するだけあり、
BRZは久しぶりに表彰台に上った。

土曜日の午後、
富士スピードウエイに向かうことを知っているかの如く、
栄養食が届いた。
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ビールとこれさえ有れば、
苛酷なサーキット活動も余裕で乗り切れる。
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平方さん、
ありがとうございました。
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顔の見える農産物は本当に嬉しい。
やかりサーキットは苛酷だった。
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到着してまず眼に入ったのが86軍団だった。
土砂降りで近寄れなかったが、
楽しそうなミーティングだ。

ピットに向かうと、
既にミライが存在感を示していた。
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EVレースのカテゴリーでの参加である。
仕掛け人はモータージャーナリストの菰田潔さんだ。
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10時半の予選に続き、
決勝は16時半が予定されていた。
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予選の結果は4位で、
なかなか良い位置に付けた。
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予選の終わったミライを、
食事中の皆に代わり、
留守番して守った。

こういう時に、
空腹を感じないので非常に便利だ。

興味深いことがあると、
それまで蓄えた脂肪を燃焼し、
何も食べ無くても全然平気だ。

ミライもそんなヤツで、
予選後の疲れた体をモノも言わずに休めている。

自分のカラダで蓄えた養分を燃焼させるように、
ミライは蓄えた水素と、
空気中の酸素を結合させ、
水に換えると同時に電気を取り出す。

そしてそれをニッケル水素バッテリーに充電し、
バッテリーはモーターに給電する。

従って目新しいのは、
スタックと呼ばれる水素と酸素を化合させる部分だけで、
あとは既存技術の蓄積上に、
このクルマは存在する。

いきなり発電した電力でモーターを回すのでは無く、
電池で給電させる所に、
トヨタのハイブリッド技術が活かされている。

システムを起動させるのも、
12Vを使った既存のシステムだ。

従ってもし12Vのバッテリーを放電させてしまうと、
このクルマはただの箱になり、
うんともすんとも言わない。

ところが起動させてしまえば、
実に逞しく能力を発揮する。

メインスイッチが入って、
ガソリンエンジンならアイドリング中の状態だ。
エアコンはマックスで作動中だ。
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予選でバッテリーの温度が上昇したので、
エアコンで冷やすという作戦だった。
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電池は後席のバルクヘッド後方にあるので、
車内の温度を下げれば電池も冷やせる。
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車体に湿気が蒸着して、
室内が冷蔵庫のようになっているのが解る。
エネルギーフローは発電していることを示しているが、
ほとんど音もしな静かな世界だ。

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この状態で走行可能距離は333kmと出ているが、
予選の走りはかなり激しいので、
それから弾き出された数値だろう。
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その証拠に水素はまだほとんど満タンで、
この後日暮れまで走り続けても、
水欠(ガス欠の水素流表現)の心配は無い。
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排気管は排水管で、
車体後方左側に口を開けている。

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排出物は水だけという、
理想的な乗り物だが、
世の中はそんなに甘くない。
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新しいシエンタは面白いクルマだ。
コストパフォーマンスも抜群だから、
大ヒットして当たり前だ。

カメムシ色の良いクルマ、と表現したら、
皆さん笑って下さった。
ミライの開発に関わった人達だ。
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ミライ企画本部の野正さんに詳しい話をお伺いした。
何となく気が合うはずで、
彼は3代目と4台目のB4のオーナーでもあった。

前の担当はアクアだそうで、
今の愛車は当然アクアだ。
流石にもうスバルを愛用できないが、
カタログを読むと欲しくなるから絶対に見ないそうだ(笑)
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いよいよ決勝レースだ。
スターティンググリッドへは人力で入れる。
ちなみに、
このクルマはトヨタの広報車両なので、
一切手を加えられることは無く、
完全なノーマル車だ。

菰田チームは大勢の人間が居るので良いが、
プライベートチームだと人手の足りない所もある。



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ミライはもう一台参加した。
これはメーカーの広報車では無く、
カートップ誌が所有するクルマだった。

予選一位は86だ。
EVにコンバートされたクルマで、
飛び抜けて速い。
自分のクルマと同じモノが、
スターティンググリッドで一番前に居るのは何とも嬉しい。
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駆け寄って一言応援の言葉を申し上げた。
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EVにコンバートと言えども、
その中身は物凄い。

充電も専用の発電機で行われ、
レーシングカーとしての装備も完璧だ。
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搭載されている制御装置も只者では無い。
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この様なスペシャルモデルから、
広報車両まで、
一緒に走れる所が、
このレースの醍醐味だ。
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スターティンググリッドのミライに近づき、
水素の状態を確認した。
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全く減っていない。
ただ世の中は甘くない。
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レースのような苛酷な状況だと、
機械的に負担が大きいと感じれば、
すぐセイフティモードに切り替わる。
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水素がある限り発電できるから、
電力も余裕で使える。
電気自動車なら、
ここでしっかり節電して本番に備える。
だから放電する要素は一切無くす。

ミライはお構いなしだ。
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LEDヘッドライトが美しく光っている。
スタート直後からこの2台が飛び出した。

86との差がだんだん広がる。
空力特性も良いし、
搭載している電池システムも本格的。
それに加え2段変速のシステムを持つ。

ピットロードで減速する時に、
ゴツンという変速音を聞いた。

これでは流石のミライも歯が立たないが、
2位のポジションは最後まで譲らなかった。

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最終ラップではトップと2位の間は
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1分13秒ほど開いた。
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この後にリーフが続く。
実はリーフ同士の駆け引きや、
運転の技量、
また車両の差がとても面白く、
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時間が有効に使えるなら、
一台買って参加するのも悪くないと思った。

トップ争いより、
リーフの抜きつ抜かれつのレースに、
思いの外酔いしれた。
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チェッカーフラッグをくぐった2位のミライがピットに戻る頃、
アイミーブが息も絶え絶えにチェッカーを受けた。

これがなかなか感動的で、
少しジーンときた。
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電気を使い果たしたミーブと、
世界陸上でゴール後に倒れ込む選手の姿が重なったからだ。

この様にゴール直後に電欠する事も無く、
ミライは終始独走状態だった。

とは言うものの、
レースの駆け引きは並大抵では無い。

菰田さんならではのレース運びなのだろう。
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拍手で栄誉をたたえた。
トヨタ自動車広報部の
本多グループ長が満面の笑みを湛えていた。

「菰田さんにそそのかされて出ちゃいました」と仰っていたが、
素晴らしいチャレンジだったと思う。
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本多さん、
野正さん、
菰田さん、
本当におめでとうございました。

総合優勝の86のドライバーと、
2位の菰田さん。
3位はリーフの中で一番速かったドライバーだ。
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当然クラスが違うので、
リーフだけの表彰がある。

3位の女性レーサーは車体に初心者マークを貼っていた。
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初心者どころか、
堂々とした物だ。

それに美人じゃ無いか。
EVレースから目が離せなくなった。

Commented at 2015-09-02 00:52 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-faction at 2015-09-02 08:50
KENさん、ありがとうございます。今朝は東京です。相棒は、後輪駆動運動車です
Commented by くにゃオール at 2015-09-02 23:00 x
社長こんばんは。
日曜日をエンジョイされたようですね。
めったに無い事と思われますし、記事を読んでみたり動画を見ると、とても楽しそうですからね(笑)。
なんだか、和気あいあいとした雰囲気のレースで、参加者の皆さんも楽しそうな表情なのがよくわかります。

一つだけ意見があるのですがよろしいですか?
何でスバルがいないんだろう?と不思議に思えてならないのです。ここに、EV化したステラがいてもいいのに・・・。GT選手権やBRZと86のワンメークレースだったり、確かにスバルもいることは間違いないのですが、もっと身近なレースに出たり、主催してもよさそうな気がします。

それこそ、トヨタとダイハツと3社で共通に販売しているプレオ+とミライース、ピクシスエポックあたりで3社共同開催でもいいからワンメイクレースをしたら面白いと思うのですがどう思いますか?競い合うのではなく、ふれあう事を目的に。

ボクの、ふと思ったことそのままなので、こんなコメントすると社長を含めご覧になられている皆さんは気分を悪くされるかもしれませんがお許しください。
Commented by b-faction at 2015-09-03 18:15
くにゃオールさん、こんにちは。
スバルはとても強烈なEV技術を持ってますが、ラミリオン事業の売却と共に封印しました。だからこの後の電動化で温存した技術が活かされると思います。スバルがレースをするなら土の匂いのする場所が一番相応しいと思っています。そこではやはりガソリンエンジンが一番向いてます。
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by b-faction | 2015-09-01 14:09 | Comments(4)

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