来訪者はさぞかし驚いただろう。
いきなり「苔即人生」と言われても、
「なんじゃそりゃ」と心の中で首を捻ったに違いない。
「金曜日(27日)は、よろしくお願いいたします」と丁寧な連絡があった。
そして追記があった。
【参加者様】
カートップ様:岡山の総合中古車店様(1名)
K Produce nice様:大阪のオデッセイ専門店様(2名)
タックス横浜様:神奈川のラシーン専門店様(1名)
ユーロスポーツ様;香川のマセラッティ専門店様(1名)
JPメンテナンス様:神奈川のボルボ専門店様(5名)
「15人のりのマイクロバスで参ります。
テキストを作成しましたのでご確認頂ければ幸いです。
彼らしい入念な準備が整っていた。
立原さんは、
船井総研では珍しい無類のクルマ好きだ。
優秀な経営コンサルタントの期待に応えるために、
朝から来場を心待ちにしていた。
最初にご本尊様に面会して戴き、
このクルマが何者なのかを説法した。
スバルを売ると言うより、
むしろスバルに惚れて、
一緒に暮らしているのはなぜか。
それと「草むしり」がどう関係するのか。
正直に伝えた。
このオッサンは何を考え生きているのか。↓
↑参加者の真摯な視線を強く感じた。
後で解ったが、
見つめる女性の視線に炎が宿っている。
熱く語る姿に、
高木社長も影響を受けたのだろう。
怪しく髪を逆立てて決意を表明している。
でも社員は本当に正直だ。
「ほんとなの~???」と、
思わず顔に出した部下が可愛い。
皆さん、安心して欲しい。
多分、
高木社長は燃えたに違いない。(と思う・・・・)
立原さん、お疲れ様でした。
次の目的地へと嵐のように去って行った。
バスの向こうに見える格納庫には、
色々な道具が備えてある。
なかでも飛び切りの武器がピンセットだ。
は~~~~ん??
と思われるかもしれない。
来場された皆さんに、
「今思う事は、苔即人生」と言った瞬間、
一斉に「???????????」
無理も無かろう。
何しろ、
ここに這いつくばって草を抜いて見せた。
這いつくばらないと苔の中は見えない。
そこにはまだ細かい草がある。
冬は活動を停止し、
静かに春を待つ草に対して、
苔はお構いなしに発育する。
だから寒い時に力を蓄えさせる。
這いつくばって草を取ると、
苔から良い香りが漂う。
まるで新茶の様な、
とても甘い匂いを感じる。
但しそれが解るまでには、
相当な作業を積み重ねる必要がある。
辛い時こそ丁寧に働き、
絶対値を高め力を蓄える。
「苔即人生」
数日前に飛び散った、
花びらの後始末も終えた。
勢いづくのが解るだろう。
光合成さえ出来れば、
苔の持つパワーが一気に高まる。
僅か数日で、
変化が如実に解る。
苔色の包みをお土産に戴いた。
中にはお煎餅が入っていた。
美味しかった。
社員皆が喜んだ。
ありがとうございました。
この煎餅を詳しく知りたくて、
グーグルで検索した。
名前の通った有名なお煎餅だった。
しかし面妖だ。
それ以来パソコンで検索画面を開く度に、
この煎餅がクドイほど出てくる。
テレビを無料で見るように、
インターネットにも当然CMが必要だ。
来訪の翌朝、
かわら版が予定通り折り込み、
師走商戦の準備を整えた。
目を引くチラシがいくつかある。
閉店するそうだ。
おもわずドキットしてしまった。
バイパスの一等地にあるお店のスクラップアンドビルドが進んでいる。
「閉店」にはセールがつきものだから、
最も即応性のあるチラシだ。
但し一回限りだろう。
本当に閉店するのなら効果抜群だが、
そうじゃ無いと最近は顧客の目が肥えた。
行ってみたら小さく「店舗改装につき」と書いてある。
これは何度も繰り返すと効果が薄れる。
最近はインターネットがとてもあざとい。
一旦顧客の目を引きつけ、
傾向を掴むと、
アフェリエイトという仕掛けで追い回す。
もう一枚のチラシが目に止まった。
「岐阜」と書いてある場所に、
栗きんとんの写真があるからだ。
「これは中津川か」と精読すると、
どうもそうじゃ無い。
全く知らないお店の名前が載っている。
聞いた事は無いが、
作る以上存在するのだろう。
無名のお店でも、
全国ネットで商いできる素晴らしい仕組みが出来た。
最近は店舗が無くても、
強敵と戦いながら商売できる。
良い時代になった。
ただし仮想店舗というヤツには、
ろくでもないヤツも巣くう。
奇しくもオウムの菊池被告が無罪となった頃、
「村上」某に強制捜査が入った。
オウム信者で洗脳され、
事件に荷担したと烙印を押された。
全国に指名手配され逮捕されたのに、
無罪になったのはなぜか。
疑わしきは罰せずという罪刑法定主義の根本に乗っ取れば、
理解出来る話だ。
なぜか彼女と横井庄一さんがダブった。
グァム島なのか、
相模原なのかの違いだけのように感ずる。
苦しい毎日だっただろう。
村上は有罪になり3年の執行猶予が付いた。
執行猶予が開けた途端、
蠢き始めた。
コイツは本当のワルだろう。
なぜか。
マネーゲームを自分のためだけにやっている。
自分さえ良ければ、
他人などどうでも良いと思っている。
ヒルズ族と呼ばれた連中は、
皆仮想空間の中で手っ取り早く稼ぐ。
そういうことが性に合わない。
「苔即人生」
モーターショーを振り返る。
このメーカーも地道な努力を重ね今の地位を築いた。
ただし好きになれないブランドだ。
地に足は着いているが、
顧客選別がいかにもあざとい。
杭を打ってロープで仕切り、
気に入ったヤツしか入れない。
それは間違っていない。
各種のブランドを手に入れたからだ。
BMWも大衆車は敷居を下げ、
ステキな展示をしている。
この辺りはスバルが逆立ちしても作れない世界だ。
だから真似する必要は無い。
しかしこれは違う。
本来のSTIはこの分野を目指すべきだ。
次のWRXはこれを作るしか無いだろう。
その頃には状況も変わるだろう。
生産に余裕が出来れば、
又昔のような軽いクルマに期待できる。
そのまま足を向けると
レクサスがあった。
なかなか悪くない。
色の使い方が良いからだ。
タンカラーをしっかり定着させ、
お洒落でお値打ちなクルマも造り始めた。
なかなか地に足の付いたクルマだと思う。
そういう目でレクサスもスバルを見ている。
久しぶりに出光の高野さんにお目にかかった。
「よい機会だから紹介します」
高野さんに紹介されたのは、
レクサスのキーパーソンだった。
レクサスの製品開発を司る、
チーフエンジニアの加藤武明さんだ。
レクサスがドンドン良くなるのは、
彼の力なのかと大いに納得した。
スバルも次はモーターだと力説し、
夢を見せてくれる。
ただし、株価維持に囚われ、
短期で利益だけを求めると、
ヒルズ族のように急激に業績が下がるだろう。
スバルの本分は、
息の長い地道な開発にある。
夢は夢で良いけれど、
もう少し地に足を付ける。
すると、
このクルマだけは欲しい。
軽自動車の愛好家がまだ居る事を忘れないで欲しい。
大急ぎでまとめたが、
これで11月を締めくくる。
ダイハツの展示は素晴らしかった。
御見事です。
特にこの人には桁違いの魅力を感じた。
これを縁と言うのだろう。
何しろ二度訪れ二度とも目が合うなんて、
よっぽどの縁が無いと不可能だ。
凄い美人だ。
この笑顔を目に焼き付けて欲しい。
この後の話と関係がある。
また会いたいと心から思うのも、
この笑顔を拝みたいからだ。
トヨタブースに足を伸ばした。
トヨタブースの一番は、
最新のプリウスだろう。
プリウスはミライを彷彿させる。
トヨタの底力を見た。
トヨタならではの電動技術だ。
しかし、
これがリッター当たり何キロ走ろうが、
まるで興味を感じない。
ミライにも感じたが、
この無機質で人間味の無いロボットのような車から、
笑顔を感じる事が出来無い。
笑顔は、
人類の進化を象徴している。
笑顔ほど人と人の関係を素晴らしくするモノは無い。
それ以上に、
このプロジェクトが凄い。
スバルの大陸制覇は、
フォレスターのPRを兼ねたプロジェクトだ。
こっちは違う。
トヨタは目的を絞らず、
大陸横断を続けて居る。
実に人間臭い壮大なプロジェクトだ。
だから笑顔がステキだ。
ランクルを象徴する。
担当する山田さんは、
とても明るい人物だった。
元は畑違いの仕事だが、
このプロジェクトを推進するキーパーソンの一人だ。
トヨタの持つ底知れない余裕を感じる。
同じようにふそうにも魅力を感じた。
僅かなアンケートで、
このグッズを受け取った。
日本製だ。
一部は中国製だが、
ハッキリ日本製と謳っている。
ふそうは三菱のマークを捨てない。
しかし中身はダイムラーだ。
これだけの力があるのに、
なぜ三菱のマークが必要なのか。
ダイムラーを名乗る方が相応しい。
本気になれば凄いナビを作る三菱電機や、
宇宙へ羽ばたく三菱重工に比べ、
自動車の持つブランドイメージはあまりにも淋しい。
実態通りに社名を付ければ顧客がもっと増えるだろう。
ランエボを作るより、
軽自動車を共同開発する道を選んだ。
淋しいが、
昔の三菱自動車は二度と復活しないだろう。
トヨタのコーナーで山田さんに会い、
この一ヶ月間、
山田さんとの触れ合いが多かったと改めて思った。
滋賀県の山田さんがDEに参加されると、
愛知県の山田さんもDEにいらっしゃった。
お二人とも満足して戴けてとても嬉しい。
次のBプランに備え腕を磨いて欲しい。
いよいよ12月だ。
彼が手ぐすね引いてやってくる。
活動の場所はBプランのエキサイトコースだ。
遂に調布飛行場を離陸した。
中津川に着陸するまであと僅かとなった。
12月のブログは、
久しぶりに噛み応えのあるクルマで始めよう。
おわり