まるでマチピチュの様だった。
4日の朝に訪れた付知町だ。
中津川市内から北へ30分ほどの奇麗な水が流れる街だ。
当社の北原課長が生まれ育った街でもある。
なぜこんな光景が現れたのか。
これは凪と煙の織りなすアナログの世界だ。
便利な時代になった。
持っていたiPhoneをさっとかざすだけで、
簡単にデジタルの世界に収納出来た。
最新のデジタル技術を使えば、
パノラマ写真を始め、
各種の映像技術がとも簡単に手に入る。
風が全く無い穏やかな日。
正月の風物「どんど焼き」から沸き立った煙。
冷たい清流「付知川」の存在。
それらが交わり面白い光景を造り出す。
インスタント食品をデジタルになぞらえると、
手造りの料理はアナログだ。
現在のインスタント食品は非常に高度だ。
冷凍技術やフリーズドライのおかげで安っぽくない。
大量生産できるし、
日持ちも良い。
但し味が画一的で、
深みや面白味に欠け感動するほどでは無い。
日持ちする代わりに、
添加剤や合成調味料が大量に含まれる。
この一ヶ月以内で、
特に美味かったものを思い出してみた。

娘の創作料理は実にアナログだ。数値化されたレシピなど彼女には必要無い。
野生の勘だけだ。
大好きなチーズを使ったグラタン。

こんがりきつね色の部分だけを食べたい。
ホワイトソースはどうでも良いが、
マカロニだけは譲れない。
好きな部分だけ食べると、
妻が激怒する。
それくらいよいじゃないかと思うのだが、
行儀が悪いという。
しかも男言葉で恫喝されるので、
小便を漏らしそうになるほど怖い。
あまりの勢いに次の瞬間ぶっ飛んだ。
これがその証拠だ。

しばらく鱈ちりを見ただけで痛みが蘇る。
中津スバルの忘年会では、
「鶏ちゃん」が登場した。

この地方のB級グルメとして、
この20年ほどですっかり有名になった食べ物だ。
柔らかい鶏肉とタマネギにキャベツ。
独特のタレで味付けした安くて美味しい郷土料理。
クッキングペーパーを敷くのが流儀で、
実にアナログな食べ物だ。
蕎麦もよく食べた。
新蕎麦の季節だから当たり前だが、
一ヶ月以内にかなり喰った。
これは開田の蕎麦で、

下の蕎麦は、
中津川にある、
開田出身の蕎麦屋が作る蕎麦。
ここの味は折り紙付きだ。他の店が味でも量でも霞むほどだ。
これほどアナログな蕎麦屋は無い。
このナックに含まれる、
コシや歯触りや甘みやヌメリは、
とてもでは無いが数値化できない。
山葵だけで一枚喰える。
そんな店はまず無いだろう。
暮れのぎりぎりまで飛び回った。
流石に寒い日もあった。
28日は雪がちらほら舞い、
何処でも良いから蕎麦屋に飛び込んだ。
かけそばとザルを注文し、
先にかけをくれというと、
そこの女性は怪訝な顔をした。
それだけで、
もうレベルが解る。

780円のかけと、

同じ価格でザルが出る。
量は・・・・・・・・。
まとめて1560円だった。
このコスパは疑問だった。
木曽路はお客も少なく商売が厳しい。
その点、
中津のレベルは高い。
あおきの蕎麦が凄すぎるのだろう。
2015年を締める蕎麦を、
30日に食べた。

ここの蕎麦はレシピがしっかりして、
独自の風味と舌触りが魅力だ。

開田高原の中西屋を覚えておこう。
この店が凄いところは、
火曜日以外、
絶対に休まないことだ。
しかも売り切れない以上、
店をしっかり開けてくれている。
腹が減ったとき、
安心していける店だ。
開田高原で昼飯を食い損なうことはまず無い。
伊那谷だと食い損なうことがある。
大晦日を蕎麦で締めるはずが、
目当ての店は年越し蕎麦を打つだけで、
開店休業だった。
そこで、
禁断のソースカツ丼を食った。
千代幻豚を使うので美味い。
肉厚でジューシーで柔らかい。
ご飯に掛けたソウスは、
何とも言いようのない美味しい味がする。
ウスターソウスだが、
掛け方は三島の鰻丼に似ている。
溜まらなくアナログで面白いB級グルメだ。
刺身も美味かった。
年末に後藤さんと忘年会したとき、

居酒屋「源八」が腕を奮った。
年末は、
中津川も急に景気が良くなり、
居酒屋は何処も満員だった。
あっという間に新年を迎えた。
元旦から営業するので、
栄養が必要だ。
昔は外食したが、
今は娘が料理に腕を奮う。
掃除顔終わると一足早く家に帰り、
夕食の支度を調える。

高校生の時に調理師の免許を取得したので、
材料の目利きが出来る。
これはとても都合が良い。
元旦から威勢良くふぐの刺身とてっちりでスタートした。
閉店間際なので半額で入手したという。
大したヤツだ。
今年は息子が嫁をもらうという。
なので年末から我が家には女性が一人増え、
賑やかに年を越した。
元旦の河豚に続き、
翌日は手巻き寿司になった。

そしてすき焼きと続いた。
手料理は本当に素晴らしいアナログだ。
4日の夜からジムが始まった。
体幹トレーニングを始める前に、
一年ぶりに計測器でカラダの構成を調べてもらった。
二年ほど調べていなかったし、
暴飲暴食が続いたのでハラハラしながら計測器の上に乗った。

確かに2年前と比べ、
体重は1.7kgほど増えていた。

しかし体重計に乗って、
両手でセンサーを掴むだけで本当に正確に測れるのだろうか。
デジタル技術の粋を集めると、
カラダの組成さえ瞬時に解る。

二年前に比べポッチャリしたのが丸と星のマークで一目瞭然だ。
これには説得力があった。
デジタルの体重計は、
昔のハカリより遙かに凄い。
でもあの「ぶるんぶるん」と動く体重計も懐かしいなぁ。
体幹トレーニングは、
燃焼させるより姿勢の改善に役立つ。
だから肩こりが防止できる。
これほどアナログな運動は無い。
最近は痩せるためにカラダに付け電流で刺激する、
「なまぐさ」な運動具がある。
まさにデジタル技術と言えよう。
しかしヨガや体幹トレーニングの良さを味わうと、
あのような器具を買う気にならない。
体幹トレーニングを済ませ、
久しぶりに泳いだ。
無理せず500mを軽く流し、
計測してホッとひとあんしんだ。

14分22秒98だった。
やっぱり緊張感を持って仕事に励むと、
結構エネルギーを使うのだ。
12月から1月にかけて怒濤の毎日を送ったが、
健康のバロメーターに変化は無かった。
と言うわけで、
時計はデジタルの方が良い。
カシオの製品をやはり気に入っている。
正確に記録を残すのにもってこいだ。
デジタルとアナログにはそれぞれ良さがある。
デジタルがアナログを駆逐するわけでは無いし、
デジタルしか出来ないことがある。
ただしアナログを高水準に磨くことも大切だ。
最近のクルマを見ると、
それを思うことがしばしばある。
この項は第二部に続くので、
後半を楽しみにして欲しい。