油断は禁物だ。
会社のパソコンを起動した。
気が付いたら、
勝手にバージョンアップのプログラムが起動していた。
動揺して操作を誤り、
OSをクラッシュさせてしまった。
無断でこんな事がゆるされるのだろうか。
Microsoftの横暴さに怒りを感じる。
何とか復旧させ、
通常の業務に戻れたのは、
メガトレンドの原さんのおかげだ。
近くのエンジニアに任せていると、
こういう時に安心できる。
クルマも同じで、
人の顔の見えるところで常に点検していれば、
万が一の事態に安心出来るはずだ。
なぜ急に強制的なウインドウズ10への移行をさせるのか。
知っている人がいたら教えてほしい。
それにしても、
米国の1社にすべての情報の根元を握られ、
大和魂が泣いてるぜ。
慣らしは順調だった。東京に着くとトリップメーターは299kmを示していた。
燃費は13km/Lと凄い。これは初狩PAから目的地の品川区間記録となった。結局、東京の往路はリッターあたり12.3kmという、とても良い結果を残せた。
別に燃費を伸ばすクルマではないが、慣らしをするなら良い燃費も同時に記録したい。
3000回転以下を守りながら走ったが、実に気持ちがよかった。
雨の高輪が綺麗だった。
翌朝の東京は綺麗な青空に包まれた。
STIを目指し首都高速に乗る。

三鷹は静かだった。
S207の開発用試験車に偶然出会った。

バンパーダクトを偽装テープで塞がれた白いボディは、
過酷な耐久テストを終えた雄姿に見えた。
セミアリニンレザーの耐久力に驚いた。
かなり使いこまれていたが、
まったくやれていない。
このシートクッションの角度が大きいバケットシートは、
とても乗り降りし易い。
Sシリーズはシートに凝るのが「韻」だと実感した。
それともう一つ。
試験車を見て良く解った。
専用のダンロップタイヤは、
とても入念に作りこまれていた。
試験車につけられたタイヤからそれが窺われ、
「この走り味はそこから来るのか」と思わずニンマリしてした。
良く出来た「いなし」の効くタイヤだ。
タイミングを見計らい、
コンチネンタルのSC6と比較したい。
やはり300km位乗らないと、
本当のことは解らない。
たとえ慣らしで3000回転以下しか使わなくても、
引っ張られるように気持ちよく首を振る能力や、
淀みなく回るエンジンの魅力は簡単に味わえる。

一度STIに行ってみたいという妻の願いを叶えることができた。
激務で飛び回る平川社長にもお目に掛かる事が出来た。
STIは大いに活性化している。
NBRでの活躍を願った。
とても幸運な日となった。
天気が良く慣らしを進めるにも都合がよい。
妻は「海が見たい」と言う。
そこで中央道から左に舵を切り、
圏央道を経て東名高速道路に入った。

SGPで盛り上がっているので、
思わず勘違いしてしまいそうだが、
いきなり次のシャシーが400馬力級の出力に耐えるわけではない。
将来を見据えた上質なプラットフォームは期待の星だが、
他のシャシーもまだまだ熟成を重ねていく。
このWRXはもちろん、
レガシィもフォレスターも磨かれるはずだ。
そしてインプレッサでデビューするSGPは、
どんどん改良を重ねながら、
それぞれの車格にふさわしい姿へ変化していくだろう。
S207に400km以上乗ると、
さらにクルマの神髄が解かり始めた。
圏央道には長い長い下り坂のトンネルがある。ここに飛び込むと最高のボクサーサウンドが体の中に染み渡る。
澄んで高音質なエキゾーストノートは、まさにカルテットのように木霊する。
東名高速道路の合流点も魅力的だった。
軽くスロットルを与えると、ピンと張った糸で操られるかのように、綺麗にラインをトレースする。
綺麗な富士山が眼前に現れた。
もう述べ走行距離が400kmを超えた。
そこでセカンドドライバーの登場だ。
3000rpm以下を守れと厳命し、
バックスキンのステアリングを託した。

流石に彼女もエンジンの滑らかさに驚いたようだ。
まったく意図せずこれまでのSTIのつもりで車を発進させた。
タコメーターの針は簡単に4000回転を超えかけた。
あわててスロットルを緩め、
ランプウエイから本線に入った。

横目で富士山を見ながら、
掛川を超え静岡県から愛知県へと差し掛かった。
助手席で気持ち良く仮眠し、
十分な休息が取れた。
そこで運転を代り、
ダミーウエイトを助手席に据えた。

実に安定した錘だ。
まるで観音菩薩が鎮座したようで実に縁起が良い。
ここで重要なことがまた良く解った。
超一級のスポーツカーほど乗り心地が良い。
ドイツでほぼ90%をNBRで走るために使われたポルシェを見た。
その助手席に乗った時、
ポルシェの乗り心地の良さに感動した。
ポルシェGT3RSも、
このような仕上がりのシャシーだった。
S207の脚にはいくつもの評価があるけれど、
この脚なら楽しくノルドシェライフェを攻める気になれる。
「STI」が更にホンモノに近づいた証しだろう。
ぴょんぴょん跳ねる子供じみた脚では、
安定した接地性能が得られず、
タイヤの性能を生かし切れない。
なので、
不安定なコーナリングしか出来ない。
もっと言えば、
下りの超高速ラインでクルマが信用出来ない。
だからスロットルを100%踏み込み切れない。
風のように駆け抜ける楽しみは、
この脚から生まれるはずだ。
助手席に座るとそれが実に良く解る。
NBRで優勝した記念に生まれたメモリアルカーは、
それにふさわしい資質を持っていた。
復路の走行距離は500キロをちょうど超えた。

このトリップメーターBでの燃費は、

11.4km/Lとなり、
往復で走った距離は854キロになった。

トータルの燃費もほぼ同じになった。
燃費偽装の無い(笑)正直な値だ。
再びWRXに乗り始めて5日が過ぎた。

納車おめでとうございました。
今日から下林さんはWRXのオーナーだ。
それもS4のスポルヴィータだ。
STIとS4は骨格を共有し、
スバル史上最強のボディを纏っている。
既にドライブを存分に楽しまれただろう。
日本らしい4WDのハイパフォーマンスカーは、
米国でも大人気だ。
S207の味はステーキでは無く、
和食の持つ優れた味だ。
特に慣らしの間は本性を出さないので、
刺身の味に近かった。
東京から戻り、
肉の続いた毎日から解放され、
いつもの居酒屋に行った。

こぶで〆た鯖も旨いが、
初鰹と組み合わせると最高の味が楽しめる。
良く調律されたダンプマチックのビルサスを初鰹とすると、
引き締まったホールド性を持つシートはしめ鯖だ。
セミアリニンレザーを張った、
樹脂一体成型のパネル構造を持つレカロシートはすぐれたGT性能も兼ね備える。
エンジンの味は、
本マグロの赤身だろう。
滑らかでトルクフルなバランスドエンジンは、
熟成したマグロの酵素が出す味だ。

そしてツブ貝の胆が持つ強烈に刺激のある旨味は、
スバル史上最もクイックなステアリングギヤボックスだ。
そして安心感のある美味しさは、

真鯛の兜煮に通じる安定性の高いブレーキシステムだろう。
前後ともモノブロックの素晴らしいキャリパーは、
ほほ肉と魚卵のハーモニーに似ている。
1000kmまであと130kmだ。
第2ステップの慣らしが待ち遠しい。

いずれドライブエクスペリエに特別コースを設定し、
レクチャーカーに用意する。
楽しみにしてほしい。
ところで
明日21日から23日の月曜午前中まで、
S4のGT-Sハイパフォーマンスタイヤ仕様を用意した。
こちらは2日半に限り無料で試乗ができる。
なので、
希望者は電話かメールで予約してほしい。
可能な限り同乗するので、
楽しい話をしようじゃないか。
ー終わりー