レガシィを乗り比べスバルのクルマ作りを考察する
2016年 06月 04日
北海道で行方が分からなくなった男の子が居た。
昨日無事に発見された。
見つかって良かった。
さぞかし恐ろしい思いをしただろう。
自衛隊の施設があって、
そこに居たから助かった。
「動かずじっとしていたのが良かった」と解説があるけど、
裏を返せば、
出るに出られなかったのだろう。
自衛隊の施設があるなんて、
相当の山奥だ。
外は恐ろしい暗闇だ。
北海道にはヒグマが居る。
ヒグマとツキノワグマではスケールがまるで違う。
ヒグマの場合、
たとえ小熊でも舐めてかかると痛い目に遭う。
北海道を訪れた時、
檻に入れられたヒグマが居た。
まだ子供で小さかったが、
「熊手」は強烈だった。
相手はじゃれたつもりだろう。
檻からばっと手を出し、
右足の甲を触ろうとした。
とっさに足を引いたので怪我をしなかったが、
靴紐がズバッと裂けてしまった。
だから舐めてはいけない。
クルマにもスケールがある。
久しぶりにSVXを運転した。
発売から今年で25年だ。
25周年記念と言うことは、
水平対向エンジンが誕生してから、
ちょうど真ん中でこのクルマが生まれている。

このクルマもスケールが違う。
新世代を切り開くレガシィの開発は、
優秀なテストドライバーを同時に生み出した。
それも大量に。
存分に発揮するクルマを完成させた。
企業の身の丈以上に技術開発力があるので、
当時からスバルは本当に面白かった。
このクルマは「舐められない」ために、
スバルが怒濤の勢いで開発したクルマだ。
久しぶりにSVXを全開で走らせた。
全力走行した結果、
改めてロバスト性の高さを実感した。
そして、
「なるほど!動的質感とはこう言う事だ!!」と見直した。
最近のクルマは軽くて剛性が高い。
最新のボディーワークで安全性も飛躍的に向上した。
万が一ぶつかった後も、
スバルのクルマなら乗員の被害が少ない。
どこにも真似できない硬い材料を要所に使い、
強烈なロバスト性も相変わらずだ。
サスペンション基礎特性計測装置を使い、
どのスバルも日増しに素晴らしいクルマへと生まれ変わる。
だがその中にあっても、
SVXは現在も輝きを失わない。
その輝きは明らかに、
「動的質感」の高さから生まれている。
当時、あらゆる可能性を模索しただろう。
だが結果的にたった5年でSVXは消滅した。
一代限りで使い切った、
贅沢なプラットフォームを有する。
このプラットフォームの味から、
「次世代」を感じた。

22年経ち18万キロ走った今でも、
ほとんど性能に衰えを感じない。
この味を知る者は、
再びこの味を目指す。
この時、道の途中にあった奇妙な物に目がとまった。
何となく天空の城「ラピュタ」を思い出した。
それに出るキャラクターに似ている。
その場所にクルマを停め、
近寄ってまじまじと見た。

無残だ。
でもなぜ「ラピュタ」が浮かんだか分かるはずだ。
このクルマのロバスト性も強烈に高い。
何かのショックで目が光り、
再び動き出しそうだ。
そう、まるで「ロボット兵」のようだ。
偶然にも乗ってきたSVXと、
この哀れなKV4は同い年で、
どちらも平成6年に製造されている。
KV4のベース車は1990年にデビューし、
かたやCXWは翌年の1991年に生まれた。
スバルの奥深くで胎動が激しくなった頃を、
この二つのクルマから思い出した。
先日、「日本の古いクルマは文化財だ」というブログを書いた。
その続きを書こう。

カンボジアに出張されている間、
レガシィを整備に預かった。


軽い酸味を感じる。
パイナップルの風味があふれていた。
コンサバティブな北原は、
少し戸惑ったようだ。
だが若い梅田や杉本は、
なかなか美味いと笑顔で頬張った。
中根さんは根っからのBHファンだ。
ロバスト性の高さは明らかで、
SVXで培った技術が生きている。
ターボも良いが、
このクルマから2.5リットルエンジンが、
レパートリーに加わった。
ヒグマのような6気筒エンジンを、
使いこなすだけのブランド力は、
スバルの中に燻蒸されて居なかった。
理由は簡単だ。
国内の販売は軽自動車が主流だった。
そんなネットワークでヒグマを育てることは無理だ。
でも2.2リットルでは少々情けない。
「毛が生えた程度」でターボの素晴らしさの陰に隠れた。
そんな時に面白いエンジンが生まれた。
4気筒の2.5リットルエンジンだ。
デビューした時は地味だった。
軽自動車から見ると、
3ナンバーで二つ飛び越える。
更に税金も軽貨物から比べると、
一年分以上高い。
250Tはエコタイヤを履く地味なクルマで、
税金面で文句を言われた。
その上、生産面で無理があり、
当時はまだ5ナンバー枠から出られなかった。
でも運転すると実にゆとりがあった。
2リットル系のEJ20は、
どうしてもピーキーな特性になる。
それがEJ25には全く無い。
なのでスバルを良く理解するお客様には、
少しくらい税金が高くて関係なかった。
このエンジンは、
結果的にスバルの屋台骨を、
グローバルで支えた。
そして現在では、
主力のパワーユニットに成長した。
BH型レガシィは骨格がしっかりしている。
だから、
その後6気筒エンジンも搭載出来た。

そんな三代目レガシィをまた一代連れ帰った。
中根さんと同じタイプのBH5だ。
まず徹底的に分解して掃除した。
5速マニュアルの2ステージツインターボは、独特の加速感を持つ。


ソニーの製品に面白さはあっても、
信頼性を感じない。
なのでカーオーディオも「だめじゃ無いかな」と思っていたら、
想像した通りになった(笑)。



これでは後続車はたまったものでは無い。
もうもうと出すの煙を見るだけで、
古い時代のディーゼルだと分かる。
この時代のトヨタは、
ディーゼル車を盛んに作った。
でもどのクルマもフロントヘビーで、
車体骨格も脆弱なせいか、
濡れたコーナー走るのは苦手だ。

機能に何の問題も無く、
久しぶりにツインターボエンジンの良さをかみしめた。
車体もがっちりしてるし、
サスペンションも柔軟で、
タイヤが正確に路面をつかむ。
このBH5と並行して、
BP5の仕上げが進んでいた。
室内を完全に分解し、
徹底的に清掃した。

最大で100kgの軽量化に成功した四代目レガシィは、
スケルトンでも美しい。

自動車の開発が、
如何に高度な技術蓄積の上に成り立つのかよく分かる。
基礎をしっかり積み上げたスバルは、
他のメーカーとひと味違う。

中途半端なクルマを売りたくない。
MT車が少なくなった今、
少しぐらい過走行でも大事に整備して、
いつでも欲しいヒトに渡せるように揃える。

けれど、
走行距離だけでクルマを判断しては、
面白くも何ともない。
内装の清掃は男性と女性が分担して行い、
力業の必要な部分を男性が受け持ち、
繊細で念入りな作業を女性が受け持つ。


マフラーもサーモガードシルバーで仕上げる。

これは車検時に是非使いたい純正のケミカル品だ。

出来上がったBP5は、
ここに来た時のやつれた雰囲気を一切払拭した。

タイヤとホイールもばっちりだ。
早速高速道路に乗り、
慣らし運転を始めた。

過給圧の掛かり方がスムーズで、
下から瞬時にトルクが盛り上がる。
ゴムで引っ張られるようなツインターボとはまた違う、


しなやかなサスペンションは、
高速ワインディングでも音を上げない。
約80キロのテストを終えた。
結果は合格だ。

あのコースを馴らしとはいえ、
気持ちよく走ったのでまずまずだ。

やはり5速MTは乗りやすい。
軽いボディに軽いトランスミッションの組み合わせは、
とても気持ちよく相性が良い。
チタンターボの等長等爆エンジンは、
低速からトルクが厚い。
なので、
5速のシフトチェンジは快適だ。
シフトワークを頻繁にする必要が無く、
フレキシブルな走りが可能になる。
長距離テストを終えたBLEも、
下回りを丁寧に手入れした。

峠越えした時、
路面が荒れていたので、
もう一度徹底的に高温スチームで洗浄した。

ジェット水流で狙って洗うので、
細部まで本当に綺麗になる。
機械では絶対にここまで綺麗に出来ない。

次にリフトを下げ、
サイドシルを丁寧に洗う。

より目線に近い位置で綺麗に砂や塩を洗い流す。

洗い終えたら、
もう一度エンジンルームも洗った。

すっきりと汚れを洗い流す。

次の作業に備える。
綺麗に洗った排気管に、

丁寧な防錆処理を施した。

どうしても融雪剤の被害を受けやすい。
一度錆びると元には戻らないが、
進行を止めることは出来る。
このクルマにも錆があちこちで発生しているが、
サーモガードシルバーで仕上げたら、
下回りも見違えるようになった。
レガシィは良いクルマだが、
平成9年にフォレスターを発売していなければ、
今のブランド力を構築できなかった。
一宮の永島さんにようやくフォレスターを納車することが出来た。
このブログを読んでクルマの選択に役立てていただけた。






















前回の来訪時に馬籠を楽しまれ、
今度は先日紹介した恵那山麓を目指すためだ。
ブログで紹介した甲斐があった。


とっても美味しい。

美しい自然の風景が広がっている。
それを見るなら歩くのが良い。


そんな時は観光案内所へ立ち寄れば、
とても適切なアドバイスがもらえるだろう。
今井さんは根っからのスバリストなので、
スバルの話も弾むかもしれない。

彼女の愛車は真っ白なRSKだ。
土井さんが久しぶりに立ち寄られた。
現在の住居は飯田だが、
元は兵庫で暮らされている。

馬籠を案内した。
兵庫県の実家には、
奥様のXVがある。
このブログを参考に、
黒いスポイラーを装着された。

カスタマイズを楽しむそうだ。
美味しい南信州のお土産を頂戴した。

売木村で作られる、

黍まんじゅうは、
ほんのり赤く柔らかい。

大津にお住まいの一瀬さんだ。

サンバーのトラックをいつか乗りたいとおっしゃった。
美味しいお土産をたくさん頂いた。


こうしてSVXから一時代前のレガシィに乗り、
フォレスターやXVの変化を楽しむと、
改めて「スバルって良いなぁ」と思える。
そして更に「MTって素晴らしい」と振り返った。
そんな時、土井さんからメールが届いた。
中にはこんな事がしたためてあった。
「代田社長、こんにちわ。
S207、DEに提供されるようですね。
一度経験をさせて頂きたく、
その際は、またよろしくお願い致します」
他にも小暮さんからご要望を頂いている。
「最近スバルからマニュアル車が減った」
「中古車のタマが少ない」
と嘆くより、
乗れるクルマを作り出し、
乗りたい人を増やすのが先決だ。

今年もニュルブルクリンクで得た、
最新のドライブスキルを伝授したい。
7月の中旬からスケジュールするつもりだ。
ノルドシェライフェで学んだ、
正しい高性能車の扱いを、
「特別Bプラン」で伝える。
レクチャーカーはS207だ。
ドライビングレクチャーに要する時間は3時間。
お昼を挟むので、
信州の美味しい懐石ランチも組み込む予定だ。
料金は49.800円(税別)で、
なんとか納めようと考えている。
希望者には江戸の風情をそのまま残す町並みも案内しよう。
詳細は随時ホームページに記載するので、
そちらをご確認いただきたい。
一日一人の限定企画なので、
ご理解を賜りますよう。

我が家のGDAも距離が進み多分年間30000キロ
ペースになりそうです。
暫く乗り換えそうに無いので
こまめなメンテナンスで長く乗っていきたいですね・・
207のDEも期待して待ってます。
ペースになりそうです。
暫く乗り換えそうに無いので
こまめなメンテナンスで長く乗っていきたいですね・・
207のDEも期待して待ってます。
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こぐぷーさん、こんばんは。GDAの再リフレッシュも視野に入れメンテ任せてください。DEは満足していただける内容で企画してます。お楽しみに。

社長こんばんは。
さすがに黒煙を吐き出すディーゼルは見かけなくなりましたよ。まあたまにDPFのススを燃やすのに噴き出しているのはいますが=З・・・
CT195コロナですね。色は6N7あたりかな?
この頃のトヨタのディーゼル車はホントに走らなかった。
コレには2Cエンジンだったと思いますが、その上の2L型や3L型というエンジンも同じく・・・。操縦性は、ダンパーを強化しないとマトモにならなかった。ボクがそれを痛いほど経験していた時期の車ですね、フロント周りの剛性はあまりなかった。これよりももっと小さい車を当時持ってましたが傾向は同だったことを思い出しました。
さすがに黒煙を吐き出すディーゼルは見かけなくなりましたよ。まあたまにDPFのススを燃やすのに噴き出しているのはいますが=З・・・
CT195コロナですね。色は6N7あたりかな?
この頃のトヨタのディーゼル車はホントに走らなかった。
コレには2Cエンジンだったと思いますが、その上の2L型や3L型というエンジンも同じく・・・。操縦性は、ダンパーを強化しないとマトモにならなかった。ボクがそれを痛いほど経験していた時期の車ですね、フロント周りの剛性はあまりなかった。これよりももっと小さい車を当時持ってましたが傾向は同だったことを思い出しました。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
ひょっこりさん、流石に詳しいですね。良くできたマツダのディーゼルも低速連続負荷走行でディーゼル特有の臭い匂いと白煙を出しますね。あれには驚きました。
パルPさん、こんばんは。それはセカンドベストです。内緒ですよ。

代田社長 様
この度は、ありがとうございます。
長く愛せる逸品と心から思える、愛機フォレスターとなりました。
私もロバスト性の高さを、これから体感します。
同業の仕事で、社長の所へ初めて訪問させていただいてから約5年経ちました。BRZの前で一緒に撮っていただいた写真をパソコンのライブラリで見てました。私自身、ふくよかになってしまいましたが。。
今回も心とパソコンにしっかりメモリーさせていただきました。これからの日々も、愛機と共にワクワクに変えて行ければと願っています。
DEもAプランから学習したいですしね。
こちらこそ、これからも愛機共々よろしくお願いします。
この度は、ありがとうございます。
長く愛せる逸品と心から思える、愛機フォレスターとなりました。
私もロバスト性の高さを、これから体感します。
同業の仕事で、社長の所へ初めて訪問させていただいてから約5年経ちました。BRZの前で一緒に撮っていただいた写真をパソコンのライブラリで見てました。私自身、ふくよかになってしまいましたが。。
今回も心とパソコンにしっかりメモリーさせていただきました。これからの日々も、愛機と共にワクワクに変えて行ければと願っています。
DEもAプランから学習したいですしね。
こちらこそ、これからも愛機共々よろしくお願いします。

この以前のマーク2の2LTに乗った事は有りましたね。酷かったのは日産のLDとRD系エンジンでした
トヨタ系ディーゼルの数倍は黒煙吐いてた記憶が有ります。ただLD20Tの性能は良かった(笑)トルクはスカスカでしたが上が伸びた(笑)ガソリンツインカムターボがリミッターでガクガクしてる横を涼しげな顔で抜いていく性能でしたね。煙幕並の黒煙でしたが。
トヨタ系ディーゼルの数倍は黒煙吐いてた記憶が有ります。ただLD20Tの性能は良かった(笑)トルクはスカスカでしたが上が伸びた(笑)ガソリンツインカムターボがリミッターでガクガクしてる横を涼しげな顔で抜いていく性能でしたね。煙幕並の黒煙でしたが。
永島さん、おはようございます。
仕事が楽しくてゆとりが出来たのだと思います。ふくよかになることも大切ですね。
KV3でAプランすると、これはこれで目から鱗が落ちます。軽自動車ですけど舐めたらあきまへん(笑)。
是非やってみて下さい。
仕事が楽しくてゆとりが出来たのだと思います。ふくよかになることも大切ですね。
KV3でAプランすると、これはこれで目から鱗が落ちます。軽自動車ですけど舐めたらあきまへん(笑)。
是非やってみて下さい。
元中の人さん、もっと凄いのはダイハツのリッターディーゼルでした。でも技術力は凄かった。シャレードディーゼルを商品化した底力を決して忘れない。だからダイハツと組んだことも嬉しいんですよ。昨日の敵は今日の友です。

あぁ(笑)忘れてました。
デトマソ仕様のディーゼルターボとハイルーフ仕様のディーゼルマニュアルに乗った事有ります。少々時間が経ってた車両だったのでアイドルでの振動は凄かったですけど(笑)AC焚いても30Km/L近く走ったのには驚きました。加速はしなくなりますが(笑) そうですよね。昔はバチバチと火花が散ってましたが今じゃ提携相手とは。分からないもんですねぇ。
デトマソ仕様のディーゼルターボとハイルーフ仕様のディーゼルマニュアルに乗った事有ります。少々時間が経ってた車両だったのでアイドルでの振動は凄かったですけど(笑)AC焚いても30Km/L近く走ったのには驚きました。加速はしなくなりますが(笑) そうですよね。昔はバチバチと火花が散ってましたが今じゃ提携相手とは。分からないもんですねぇ。
元中の人さん、サンバーでもディーゼル計画したくらいですからね。あの頃は面白い時代でした。
by b-faction
| 2016-06-04 20:29
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