ドイツにてBRZを想う
2016年 07月 13日
凄いクルマだけれど、
やっぱり3年前に出会って以来、
一度も欲しくなったことは無い。
残念ながら愛馬の対象にはならない。
それはなぜか。
恐らく国民性の違いだろう。
ノルドシェライフェを走るには文句ない。
走行性能、
いわゆる「走る」「曲がる」「止まる」に100点を与えてもよい。
走りは硬質で重厚感にあふれている。
電子デバイスも最高だ。
特に電子制御サスペンションのレベルの高さは特筆ものだ。
ニュルブルクリンクにも、
応援席が出来ていた。
国中がサッカーに熱心だ。
たとえばロードローラーやパワーショベルのような作業車両にも、
ウインドウを利用して国旗が立てられていた。
ドアミラーには国旗のカバーが被せられ、
最初は何か理解できなかったが、
徐々にそれがサッカーの応援だとわかるようになった。
リヤドアガラスに国旗掲揚するためのブラケットなど、
考えようによっては日本でも大ヒットするだろう。
国民性の違いを感じた。
スポーツが大好きな国情だから、
スポーツカーの文化も根付き、
世界一のスポーツカーが、
この国で続々と登場している。
試合はフランスに惨敗した。
1点目のとられ方に比べ、
2点目があまりに不甲斐なく、
その瞬間にパブリックビューの会場を後にした。
正直に言うと、
ドイツとフランスの試合を見ていても、
何~~にも面白くなかった。
じゃあどうして見たのか。
それは簡単で、
負けたらドイツ人の機嫌が悪くなるからさ。
ドイツがフランスに負けるより、
勝つほうが絶対に良いに決まってる。
そのほうが、
翌日のレクチャーを更に明るく楽しく受けられる。(笑)
だからサッカーが好きなふりをして、
ドイツを応援した。
それだけのことだ。
M社のドライビングレクチャーを受けながら、
毎年M4に乗っている。
年々と進歩を続けるし凄いクルマだと感心する。
まず、
これが作れるか作れないかを別にする。
その上で、
「スバルが作るべきスポーツカーやクーペではない」と感じた。
その理由の最たるものは、
室内設計上避けることのできなかった不可解なディメンションだ。
最適なドラポジにピタリと合わせ、
コックピットに収まるまではよいけれど、
何かしら異質な空間にいる感覚がぬぐえない。
とにかく空間もそうだが、
身の回りに窮屈感がある。
時々不用意に右足がアクセルペダルに触れるのも、
言葉に表せない奇妙な空間設計から生まれている。
斜めになって座るような、
独特なドラポジは、
5対5の前後重配との引き換えで生まれたのかもしれない。
だが、
どうしても馴染むことのできない決定的な部分だ。
もう一つはDSGだ。
いくら高性能でも操る楽しさではMTに一歩譲る。
以前より随分一般路でも素直になったが、
発進時のバックから切り返して発進する時など、
トルコンのあるオートマチックに乗りなれた体だと馴染めない。
ならばいっそのことクラッチのあるMTの方が自由で楽しい。
スバルにはWRXというスポーツセダンがある。
最新のM3は良く似た雰囲気を漂わせている。
むしろこちらの方が好ましい。
特にリヤビューはこの通り良く似ている。
WRX同様にスポーツセダンであって、
あくまでもスポーツカーではない。
「M4はスポーツカーではなくクーペだよ」と言われるかもしれない。
それはその通りだ。
でもそう言ってしまうと、
ポルシェにも同じことが言えるだろう。
ドイツを訪問する前に、
S207をギャラリーの奥に格納した。
そしてBRZを相棒に選んだ。
日本を代表するスポーツカーの一つで、
セントレア空港を往復するためだ。
BRZで高速を飛ばし、
レクチャーを受ける前と受けた後で、
クルマの印象がどう変わるか確かめたかった。
やはり軽さは性能だ。
BRZのパワー不足はいかんともしがたい事実ではあるが、
軽さがそれをカバーするところも大きい。
アウトバーンやニュルブルクリンクでは、
アンダーパワーであっても、
日本の高速道路では十分な高性能さを発揮する、、、、
というよりも軽やかで楽しい。
セントレアに到着し、
BRZのエンジンキーをひねった瞬間、
何とも言えない安堵感が体中にあふれた。
帰国したその翌日は、
大阪で会議があった。
税制の傾向をまともに反映した経済事情だという。
確かにその通りかもしれない。
そんなことより、
食い倒れの大阪でどんな弁当が出るのか楽しみだった。
せっかくのチラシずしが、
べったりしたシャリのせいで台無しだ。
酢飯の按配もよくない。
強い味に強い味が被るとくどくなる。
煮物は良いが揚げ物は落第点だ。
梅雨時のじめじめ感を一掃するようなさわやかさが欲しかった。
それでも、
この弁当は日本的で体にやさしい。
会議を終え名古屋に向かった。
会議を終え名古屋に向かった。
さらに経由して次の目的地で周年イベントに参加した。
周年記念だけあり、
ステーキランチもあるし、
ブラックカレーも用意されるなど多彩な昼食だった。
肉牛蒡蕎麦と名付けられていたが、
これがネギと調和して実においしかった。
ドイツ訪問前後でBRZを一気に1000km近く走らせた事になる。
軽さや扱いやすさはもちろんだが、
MTの楽しさに改めて惚れ直した。
それと自然なドライビングポジションが良い。
サービスの行き届いた駐車場で、
出し入れを係りの人がやってくれる。
「お待たせしました」と言われて振り返ると、
そこにBRZが佇んでいた。
「なんて可愛らしいんだろう」と、
心底思った。
ドイツで濃いクルマばかりを見てきたからだろう。
その時の印象は、
今日初めて出会ったこの娘にソックリだ。
わかるかなぁ・・・・わかんないだろうなぁ。
ドイツで黄色のスポーツカーを数多く見た。
どのスポーツカーも素敵だった。
スバルにとって、
澄んだ明るいイエローは、
スバルFF-1sport以来、
スポーツをイメージさせる重要なカラーだ。
今月BRZは大きな節目を迎えた。
初めてのビッグマイナーチェンジで、
様々な部分が大幅に改良され、
ほとんど別のクルマになったと言える。
それほど大きな変化を遂げるから、
デザインにも新しいコンセプトが注ぎ込まれた。
2年間以上に渡りダイナミック&ソリッドを燻蒸し、
それは走りにも及んだ。
ドイツに滞在すると、
自動車文化の高さを感じる。
特に自動車のボディカラーをリードしている。
トレンドはドイツから始まるといっても良いぐらいだ。
イエローの耐候性を高め、
ボディに染まるよう改良を重ね、
赤味の掛かった黄色はあまり存在しない。
スバルにも明るいレモンイエローが誕生する。
ダイナミック&ソリッドのデザインコンセプトが、
反映されたチャールサイトイエローだ。
受注開始当日に発売予定の半数が売れたという。
新しいBRZは、
走りも革新的に変化を遂げた。
86も同じように改良され、
既に乗った人は驚きととも「GT」の凄さを語った。
楽しみに待とう。
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pastel
at 2016-07-08 21:11
x
こんにちは
チャールサイトイエロー、カスタードクリームみたいでGC8インプレッサの黄色に似ていますね。
TRDのサイトを見ていたら86用パーツでなぜかSTIのフレキシブルドロースティフナーがありました。トヨタなら自社開発しそうなのに、スバルのパーツそのまま使うなんてスバルの技術力がトヨタを上回ったのかな~?なんて思ってしまいました。
チャールサイトイエロー、カスタードクリームみたいでGC8インプレッサの黄色に似ていますね。
TRDのサイトを見ていたら86用パーツでなぜかSTIのフレキシブルドロースティフナーがありました。トヨタなら自社開発しそうなのに、スバルのパーツそのまま使うなんてスバルの技術力がトヨタを上回ったのかな~?なんて思ってしまいました。
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b-faction at 2016-07-09 05:46
pastel さん、こんばんは。底の深いトヨタを上回るのは無理です。企業規模が違いすぎます。長所を伸ばす事がスバルの将来を決めますね。
はじめましてです。いつも楽しく拝見しております。今年の1月から、FWDのインプレッサスポーツ1.6I-Sに乗っています。5000kmを走りました。毎日の通勤が愉しくて仕方がありません。本当にいい車で買ってよかったです。そこで1つ質問があります。
STIのフレキシブルタワーバーなるパーツに興味があるですが、さらに運転が愉しくなるのなら付けたいのですが、3万円以上もするので迷っております。不必要でしょうか?正直なアドバイスをお願い致します。
STIのフレキシブルタワーバーなるパーツに興味があるですが、さらに運転が愉しくなるのなら付けたいのですが、3万円以上もするので迷っております。不必要でしょうか?正直なアドバイスをお願い致します。
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b-faction at 2016-07-10 13:59
奈良の野生鹿さん、3万円は高いでしょうか。自動車の部品です。それを「以上もする」と思うのなら止めた方が良いです。それ以下の価格で買えるパーツはもっと止めた方が良いです。一年間の間にお金を貯めて良いタイヤを選ぶ方がもっと運転が楽しくなります。タイヤの方が遙かに影響を与えます。2万キロ走ったら新品のお勧めタイヤにして下さい。
パーツではなく、まずは良いタイヤを履いてみます。ありがとうございました。
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b-faction at 2016-07-10 15:26
奈良の野生鹿さん、ぜひ!ブランドに囚われずしなやかさで選んで下さい。
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たぬき丸
at 2016-07-15 11:06
x
はじめまして。
この度スバリストデビューする事になり、このブログにたどり着きました。
一度読み始めると小説のように時間を忘れて過去へ過去へと読み進めてしまいます。
そこで気になる記事を拝見しました。
2012年12月1日の記事でアクセラとフォレスターをたすき掛けに考察されていました。
偶然にも現在2012年式アクセラを所有しており、フォレスターXTの納車待ちをしている状況です。
私は試乗しただけでは少しの違いしか計り知ることができなかったので、「あぁなるほど」と思いながら読ませていただきました。
ネットの情報量は膨大とはいえ、さすがにこの2台を比較しているページは少ないです。
納車を目前に控え、楽しみな反面車を好きにさせてくれたアクセラとの別れが辛くなってきました。
初めてハンドルを握り、アクセルを踏み込みシートに押し付けられた時の気持ちよさ、そのペースでコーナーへ突入した時の感動、忘れられません。
だいぶハードルが高いですが、SJGフォレスターにもかなりの期待をしています。
私自身はこのブログのおかげでスバル車への興味、知識共に高まってきています。
残す準備といえば、アクセラとの最後のドライブです。
長くなりましたが、毎回の更新楽しみにしております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
この度スバリストデビューする事になり、このブログにたどり着きました。
一度読み始めると小説のように時間を忘れて過去へ過去へと読み進めてしまいます。
そこで気になる記事を拝見しました。
2012年12月1日の記事でアクセラとフォレスターをたすき掛けに考察されていました。
偶然にも現在2012年式アクセラを所有しており、フォレスターXTの納車待ちをしている状況です。
私は試乗しただけでは少しの違いしか計り知ることができなかったので、「あぁなるほど」と思いながら読ませていただきました。
ネットの情報量は膨大とはいえ、さすがにこの2台を比較しているページは少ないです。
納車を目前に控え、楽しみな反面車を好きにさせてくれたアクセラとの別れが辛くなってきました。
初めてハンドルを握り、アクセルを踏み込みシートに押し付けられた時の気持ちよさ、そのペースでコーナーへ突入した時の感動、忘れられません。
だいぶハードルが高いですが、SJGフォレスターにもかなりの期待をしています。
私自身はこのブログのおかげでスバル車への興味、知識共に高まってきています。
残す準備といえば、アクセラとの最後のドライブです。
長くなりましたが、毎回の更新楽しみにしております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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b-faction at 2016-07-15 12:06
たぬき丸さん、こんにちは。良い選択をされましたね。日本の国情に良くあった高性能車です。特にCVTを作らせたら世界最高のメーカーですから、期待外れになることは無いでしょう。ターボを選ばれて大正解だと思います。
by b-faction
| 2016-07-13 20:47
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