人気ブログランキング | 話題のタグを見る

S207のダンプマチックを高原で試す

後ろに見えるのは霧ではない。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23075253.jpg
地上から湧き上がる水蒸気が雲に変わったのだ。
ここは標高2000メートルの世界だ。

ここに到達するまでの道程は、
高速道路の走りから始まった。
飛ばせば飛ばすほど安定する。
気持ちが良かった。

そして一般路を走った。
交通量の少ない国道は、
S207にとって、
持ち味をより引き出せる場所だ。

この時は驚いた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11135249.jpg
遠くが見えないのだ。
突然白いカーテンの様なモノが左方向の景色を遮断していた。

次のコーナーを曲がると、
恐ろしいほどの雨が降り、
道路がまるで川のようになった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11142348.jpg
今年の夏は天候が激変する。
まさにNBR24hを思い出すような天候だった。

流石だ。

このように天候が急変し、
道路状況が劣悪を極めた時の、
シンメトリカルAWDの安定した走行には、
どんな人でも脱帽するしかないだろう。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11140072.jpg
あっという間に路面が乾いた。
本当によく曲がる。

このシャシー性能は、
コーナーが現れるたびに、
ドライバーを感動の坩堝に誘い込む。

高速ワインディングロードの操縦性能は、
甘美の一言だ。

そして更に面白さを極めるために次のステージに移った。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11105696.jpg
林道も悪くない。

S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11113244.jpg
でもS207で面白く走れるのは、
このシチュエーションが限界だろう。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11114372.jpg
時速40km台に入るような状況では、
本領を発揮できない。

もちろん買い物や通勤に便利なクルマでもない。

使えなくは無いが、
そんな事に使っても、
ちっとも面白くないからね。

低速領域での快適性が行き過ぎると、
「S」らしく無くなる。
ただ日本市場で売るには意識せざるを得ない。

だからこのクルマにはダンプマチックが採用されている。
コンフォートバルブを追加した、
ビルシュタインの特別な脚だ。

本当はもっと低速でよく動き、
高速になればなるほど路面にへばりつく脚が良い。

でもそれが一番難しく、
1000万円を超えるクルマの領域になる。

本来ならば、
SシリーズはMT専用開発で1.4トン以下を狙うのが理想だ。

今のような市場環境を踏まえ、
その領域をRA-Rに任せると良い。

一発面白いクルマも期待したいところだ。
そのように割り切ると、
別の鋭さが出て面白くなる。

最近のクルマは快適性能と安全性を重視しているので、
ほとんど1.5トンを超えている。

S207の走行距離は、
ようやく4000kmを超えた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_10594595.jpg
1万キロ乗らないと、
本当の意味で慣らしは終わらない。

加納さんに収めたイエローエディションも、
2000キロを超えようとしていた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23080262.jpg
NBRのステッカーを貼り、
「物凄く良い」と気に入っていた。

それなのに内緒で売り払ってしまった。

惜しいことをした。
1万km乗って本当の性能を知ってからでも遅くはないのに。

加納さんは、
「せっかく当選したのにすぐ売るのは申し訳ない」と思ったようで、
しばらく秘密にされていた。

6月の事だ。
ある場所で目の前に売った覚えのあるS207が現れた。
S207はセリにかけられ哀れだった。

連れて帰っても良いと思ったが、
「売り手」は何か勘違いをしていたようだ。

1か月間、
買い手がつかぬまま繰り返しセリにかけられた。
結局最後までそこでは買い手がつかぬまま、
突然プツリと姿を消してしまった。

先月の中頃の事だ。

すると東京で、
別のイエローエディションが現れた。
全くの未使用車で走行距離はゼロだった。

そのクルマが競り落とされた時、
価格は半年で70万円も下落した。

実はそれでも高いと思った。

その理由は600万円の壁だ。

残念ながらその上を目指す素材がない。
惜しいがSTIは役不足になった。

彼らがいくら優秀でも、
素材が4気筒のボクサーターボでは、
600万円を超えるクルマを作れ無い。

たとえS207が一日で売り切れた凄いクルマでも、
新車の価格はベース車が555万円だ。
台数限定のプレミアムカーだから売り切れたが、
その価格を超える価値は無い。

買う買わないはもちろん自由だ。
価値観は個人が決めるものだし。

でもプレミアムカーの世界では、
「所詮4気筒」なのだ。

あのポルシェがダウンサイジングの世界に降りてきた。

だからこそSTIは上を狙うべきだ。
EJ20のボクサーターボユニットでは、
今の値付けが限界だ。

ところで加納さんは何が欲しくて手放したのか。
それは以前紹介した「赤ブリ」だった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23082001.jpg
このクルマが改善されていく様子を、
興味深く見ていて下さったようだ。

実は加納さんには既に黒鰤をお譲りしている。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23083082.jpg
このクルマに感激し、
スバルを見る目が変わった。

右から左にクルマを流しているわけではないので、
クルマの質も当然高くなっている。

黒鰤には「天然モノ」持つ味の良さがあったはずだ。
そんなことを考えながら、
S207を道の脇に寄せエンジンを止めた。

路傍に薔薇苺が群生していた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23084449.jpg
食べ時に出会えるのは千歳一隅一隅のチャンスだ。
緑色から完熟に変わると、
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23085639.jpg
指でつまんで、
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23091124.jpg
そっと引くだけでポロリと採れる。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23093237.jpg
髭が生えているが、
それがたまらなく良い。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23094424.jpg
ドイツで毛の生えた付け合わせの花を食べた。

あれと同じで歯触りが良い。
そしてこの実の中から爽やかな甘さが広がる。

黒鰤や赤鰤と、
この薔薇苺の味がどこかで繋がった気がした。

路傍に止めた理由は薔薇苺を見つけたからではない。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23103132.jpg
この道を気持ちよく走っていて、
思わぬ衝撃を左前輪から感じた。

S207では消えたと思っていたが、
この速度領域でなぜなのか。

納得がいく理由が欲しくてクルマを停めた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23105079.jpg
来た道を振り返る。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23110262.jpg
あのコーナーの向こうに、
気が付かない何かがあった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23111456.jpg
カーブの頂点まで来た。
あのS字カーブが衝撃を受けた場所だ。
近ずくと走行中は気にも留めなかった側溝が現れた。

スバルと相性が悪い周波数を感じた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_23112812.jpg
遠くに見える電柱まで戻れば、
原因が良く解りそうだ。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11200005.jpg
電柱を通り過ぎて、

S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11221820.jpg
その先から振り返った。
右手方向に電柱が見える。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11202328.jpg
さあ加速だ。
左いっぱいまでクルマを寄せ、
ステアリングを右に切ると、
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11231160.jpg
この位置に来る。右側のガードレールの切れ目に大きな木がある。
それを目印に左コーナーを攻める。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11212875.jpg
よく見たらAPEXの刻印がある(笑)
これは歩かないと気が付かなかった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11253160.jpg
そこから右側のガードレールの頂点を狙う。
ガードレールの頂点から、
クルマのラインがぴたりと狙えた。
この目線だとなだらかで何の問題もない溝が正面にある・・・ようにしか見えない。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11254346.jpg
そこを気に留めず通り過ぎると、
タイヤがこの辺りを通過するはずだ。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11260197.jpg
さあ、次のコーナーへ・・・
と思った瞬間に「がんっ」と強烈な衝撃を感じた。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11261201.jpg
あの突っ張ったような独特な動きは、
レガシィB4が発売になった平成10年ごろから徐々に顕著になった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11262570.jpg
この僅かな起伏で何がどうして突っ張るのか。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11263773.jpg
R2も苦手としていたが、
あの時は後輪のダンパーストロークに問題があった。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11265425.jpg
借り物ではわからないな。
S207の広報車両に乗った時、
克服したと思った。

こうして愛機として乗り回すと、
慣らし運転では気が付かなかった特質が現れた。

S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11270718.jpg
元気よく走ったので燃費はトータルで1リットル当たり8.5kmだった。
道路状況や気温を考えたら不満は無い。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_11141373.jpg
最近、
気になることがある。
ガソリンのブランドで走りに違いが出ることだ。

中津川ではガスリンスタンドのほとんどがエネオスだ。

2店舗あったシェルは廃業してしまった。
だから入れることが困難だ。

そう言えば栗原さんが、
ガソリンのブランドに拘りを持っていた。

次はシェルを入れて走らせてみるか。

ところで、
また面白いクルマを手に入れた。
16万km走ったWRXのSTIだ。
S207のダンプマチックを高原で試す_f0076731_22015435.jpg
このクルマこそロバスト性の権化だ。
かなり思い切って走ったけれど、
これがなかなか面白かった。

動態能力の高さは凄い。
時間を作ってS207と、
身体能力を比較してみたい。

お楽しみに。

ー終わりー



Commented at 2016-08-09 23:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-faction at 2016-08-09 23:31
ひょっこりさん、おまちしてます。お気をつけて。
Commented by りょうじ at 2016-08-10 12:30 x
初めまして。時々のぞいて参考にさせてもらっています。
同じ車に乗っていますが、つい最近同じような経験をしました。何てことなさそうな道路で突然ガツンと衝撃を感じました。レヴォーグGT-Sで通っても何ともない場所なのですが、何度も確認しましたが、道路の荒れだけで理由が解りませんでした。サスペンションの特性なのでしょうか?
引き続きのぞかせていただきます。
Commented by b-faction at 2016-08-10 19:48
りょうじさん、今晩は。レヴォーグGT-Sでも通過した時の前輪荷重や速度で発生する時があります。それはBP/BLでもビルサス搭載車で起きる現象です。それを全く感じさせないのがクレードル搭載したBM/BR系レガシィです。スバルって面白いですよね。
こうした様々な工夫からSGPが生まれてくるわけなので、実は「ものすご~~~~く」注目してるんです。動的質感って奥が深いですよ~~~~~。
Commented by STELLA55 at 2016-08-11 08:42 x
切り立った数センチの段差でのガツン。ありますね・・・。
こちら来られるときありましたら、いつでもお寄りくださいませ。
Commented by b-faction at 2016-08-11 15:56
STELLA55さん、いつもありがとうございます。ぜひ寄らせてください。その節はよろしくお願いします。
Commented by しんご at 2017-12-21 20:32 x
はじめまして、楽しみに拝見しています。
wrxstiのd型に乗っています。タイプsです。
最近何気ない段差で強い衝撃、突き上げを感じました。びっくりするくらいでした。
これは仕様でしょうか?対応策はないですか?
Commented by b-faction at 2017-12-22 10:30
しんごさん、現行のD型ですか?多分ですが走らせ方で変わると思います。
Commented by しんご at 2017-12-31 08:17 x
はい、現行D型です。走らせ方ですか?ストロークを使い切ってるわけでもないのでしょうか?
メーカーに問い合わせしましたが、どうも仕様みたいです。
度重なるとボデイーへの負担が心配になります。
現行S4のビルシュタインでも出ていました。
Commented by b-faction at 2017-12-31 08:51
しんごさん、道を読んでください。かなり違ってきます。
Commented by しんご at 2017-12-31 09:45 x
道を読むですか。
走り込めば癖もわかるようになると思いますが。
具体的なアドバイスを頂ければ幸いです。
Commented by b-faction at 2017-12-31 15:57
しんごさん、いつでもDEにご参加ください。お待ちしています。
Commented by しんご at 2018-01-03 17:47 x
ありがとうございます是非参加してみたいです。
もう1つ気になる事があります。
コーナーの途中に段差などがあると、ステアリングからカタカタと音がします。
この音は直線では鳴らずに、決まってカーブを曲がって途中に段差を越える度に鳴ります。
少しハイペースでコーナリングしている時です。
ラックの遊びか、アッパーマウントなのか、それが仕様なのか?
今ディーラーに相談していますが、中々再現できず難航しています。
Commented by b-faction at 2018-01-03 20:02
しんごさん、ご連絡お待ちしてます。音などにはあまり過敏にならない方が良いです。気にすればするほど出ます(笑)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by b-faction | 2016-08-09 20:39 | Comments(14)

毎日の活動やスバルについてご紹介します


by b-faction
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31