正直なところ「動的質感」とは何を指すのか知らない。あまりに概念が掴み難く、捉え処が曖昧になる。
ところで、最近のかき氷には美味いね!
S207の動画も撮れた事だし、書きたい事を思いつくがままに書かせてもらうとするか。暑さに耐えかね「かき氷」を探し回った。
久しぶりだ。
高校生の時、
同級生と「寿がきや」でラーメンやかき氷をよく食べた。
名物のかき氷にはソフトクリームも入っていた。
喰い応えがあり、
冷たさのアンバランスを楽しんだ。
ただし「食的質感」は低かった。
かき氷のキメが粗く、
ちょっと食べただけで、
こめかみが「キーン」と痛くなった。
遥か昔の事になるが、
中津川駅前にはかき氷の店が沢山あった。
背の高い鉄でできた機械に、
製氷所から運ばれた氷のブロックを挟む。
それをくるくる回転させると、
きめの細かいフワフワのかき氷が生まれた。
それに白いシロップと、
レモン、メロン、苺の三色からどれかを選んで甘く味をつけた。
ちょっと贅沢が出来る時は、
ミルクを加えた。
宇治金時という選択もあったが、
「食的質感」は練乳に負けた。
まずふわふわの氷に透明なシロップを掛ける。
その上にもう一度ふわふわの氷を雪が積もるように掛ける。
真冬の山のような姿に整えたら、
まるでマッターホルンのように練乳を掛けた。
当時は缶入りしか売っていなかった。
どこの店でも缶のてっぺんに二つ穴を開けた。
左右対称に開け、
片一方は空気抜きで、
もう一方が注ぎ口だった。
トロトロと掛けて、
練乳の重みで氷が沈み込むと「ハイッ」と手渡された。
もう一滴お願いしますと心の奥で叫びながら、
声には出せない年頃だった。
練乳によって少し氷が解け、
回りの冷たさで再び凍る。
その「食的質感」は夏の大きな楽しみだった。
あのような機械を見なくなった。
電動で削るようになり、
食的質感が下がるにつれ、
かき氷に対する興味も失せた。
さて水曜日の話に戻る。
練乳だけのかき氷が欲しかったけれど、
マンゴーに宇治金時と苺ミルクしか選べなかった。
500円と聞き高いと思ったが、
その価値は十分あった。
ふわふわで舌触りが良い。
氷が細かいため、
こめかみにキーンと来る辛さがない。
なるべく掘り返さず、
上から綺麗に食べていく方がおいしいと思う。
お店が食べ方をアドバイスすると親切だな。
昔のかき氷は残り少なくなると、
氷の結晶が大きくなった。
ざらざらして痛いほど冷たく感じるようになる。
ところがこれくらいになっても柔らかくて美味しい。
雪の様に細かく削れるからだろう。
その辺りをもっと胸を張って説明する一手間があると良い。
神戸の斉藤さんに頂いた、
壺入りのお菓子だ。
ケーニヒスクローネというお店の、
壺に入った「はちみつアルティナ」と言う、
見るからに美味しそうなお菓子だ。
袋から出して僅かな時間だけ電子レンジに入れる。
ちゃんと食べ方が添えてある。
書かれていることを守り、
電子レンジに入れた。
20秒くらいでも良いと思うのだが、
熱くした方が食材的に良いのだろう。
蓋を開けると良い匂いが漂った。
栗の甘露煮がホクホクして美味しい。
温める手順を加えるだけで、
お菓子の魅力が倍増する。
愛機のリフレッシュを承った。
お目にかかるのは一年半ぶりだ。
お出かけいただきありがとうございました。
愛機はBP5の2.0R spec.Bだ。
リフレッシュメンテナンスを施して、
最良の状態に蘇り、
今度は車検もご用命いただいた。
室田さんのBP5は5速の手動変速だ。
何度も言うようで恐縮だが、
並行リンク式の5速マニュアルMTには、
何とも言えない極上の良さがある。
柔らかくて軽い美味しさだ。
大事に育てている、
とっておきの限定車を紹介しよう。
【車名】
スバル WRX 2003 V-Limited
【型式】
TA-GDA
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1425
ホイールベース(mm):2525
トレッド前/後(mm):1485/1480
最低地上高(㎜):140
車両重量(kg):1360
最小回転半径(m):5.4
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブAVCSターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:9.0
最高出力:184kw(250ps)/6000rpm
最大トルク:333N・m(34.0kg・m)/3600rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5速マニュアル/E-4AT
【燃費】
11.8km/l(ATは11.4km/l) (10・15モード)
【標準装備】
ビスカスLSD付センターデフ式AWD シュアトラック リヤLSD
倒立式4輪ストラットスポーツサスペンション
【税抜き車両本体価格】
2.590.000円(5MT車 E-4AT車は2.721.000円)
【特別装備】
大型リヤスポイラー RAYS鍛造アルミホイール HIDヘッドランプ フロントスポーティシート
このWRXの美味しさは、
冒頭に紹介した「苺ミルクのかき氷」みたいだ。
2003年にWRCでドライバーズチャンピオンを獲得した時に発売された特別仕様車だ。
ドライバーはペター・ソルベルグ
コ・ドライバーはフィル・ミルズ
最終戦での逆転勝利は今思い出しても鳥肌が立つほど興奮した。
スバルもその機会を逃さず2つの限定車をリリースした。
ひとつがこのWRX2003 V-Limited
2004年3月までの期間限定車で、
台数限定ではない。
それをベースにしたレプリカもある。
この秋に開催される22Bオーナーズミーティングに備え、
現在エキシビジョン用に動態保存するために整備している。
WRXとコメットマークの組み合わせが懐かしい。
偶然とは面白い。
まるで兄弟が呼び合うように集まってきたのだ。
5月25日の事だった。
その日もS207で出かけた。
S207には魔力がある。
一風変わったスバルを惹きつけるのだ。
このクルマが新車から1000kmを数え、
少しずつ馴染んできた頃の事だ。
ある場所で「ドキン」とした。
まるで待っているかのように、
WRブルーのGDBが車両置き場に佇んでいた。
不思議だった。
ナンバーから想定し、
誰がここに連れてきたのか何となくわかった。
しかも、
このSTiはかなり遠くから来ていた。
理屈ではなく、
出会った途端に感じるのだ。
走行距離は凄いが、
それを感じさせない内外装だった。
すなわち前のオーナーが、
どれほど深く愛したかが滲み出ていた。
ただ不思議なことに、
ボンネットとフロントガラスの間にペイント容器が挟まって、
それがだらしなく漏れて固まっていた。
ペイントが固着するなど、
何ともおまぬけな話だが、
それくらい慌ただしく運ばれてきたのだろう。
いわゆる仲買人さんが、
この場所まで連れてきたのだ。
「連れて帰る」と心に決めた。
そして昴整備工房に入れた。
下回りは融雪剤の影響を激しく受けていた。
ハイドロフォーミングという凝った作りのサブフレームが、
激しく腐食していた。
この部品は車体の剛性を高めるのではなく、
衝突時の生存空間を作り出す部品だ。
従って強度を出すために装着されているので、
取り外して交換することが可能だ。
GDBの防錆品質はかなり高い。
設計の段階からロバスト性を意識しているので、
このように耐久力のある車になった。
製造時に厳しい品質調査はあっても、
防錆能力は長期に渡って使わないと解らないこともある。
ブレーキも同じで、
ハブの耐久性は抜群でも、
バックプレートやローターがそこまで防錆能力を有していない。
従ってボロボロに腐食していた。
こういうところは交換すればすぐ元に戻る。
ただし誰が外し、
誰がネジをまた締めるのかで結果は大きく変わる。
腐ったパーツはすべて破棄し、
新品に交換した。
キャリパーもオーバーホールをしっかりやりさえすれば大丈夫。
リヤの状態もひどい。
前後とも綺麗に蘇らせる必要がある。
ディスクブレーキキャリパーを、
正確にオーバーホールすることで、
安心してフルブレーキが踏める性能が確保できる。。
いくらエンジンにパワーがあっても、
ストッピングパワーがそれを上回らないと危険極まりない。
こうしてブレーキがまず完璧に蘇った。
ローターは試験的にサードパーティの供給する部品を使った。
そして腐食してボロボロのサブフレームを交換した。
取り外して、
取り付けボルトを確認した。
酷い腐り方だ。
新品に交換し、
一旦機能面の整備を終えた。
保安関係の整備が終わり、
安全に走れる状態になった。
そこで次に色褪せの生じていたエクステリアを改善した。
インテークダクトやリヤスポイラーを外し、
ルーフベンチレーションの蓋もペイントをやり直した。
そして室内の状態を徹底的に調べた。
分解したインテリアの様子からも、
全く走行距離を感じない。
やはり目に狂いはなかった。
室内にスチームクリーナーをかけ、
除菌と同時に汚れを浮き出させる。
シートもきれいに除菌清掃し、
天日干しで乾燥させた。
リヤシートの座面をひっくり返して、
丁寧にスチームクリーナーを掛けた。
そうすることで物凄く綺麗になる。
それから2か月以上が過ぎた。
そこで火曜日から木曜日にかけて300kmほどテストした。
さあ、まるで「はちみつアルティナ」のような、
このWRXの正体を明かそう。
【車名】
スバル WRX STi 2003 V-Limited
【型式】
GH-GDB
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4425×1740×1410
ホイールベース(mm):2525
トレッド前/後(mm):1490/1485
最低地上高(㎜):125
車両重量(kg):1440
最小回転半径(m):5.4
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブAVCSツインスクロールターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:8.0
最高出力:206kw(280ps)/6000rpm
最大トルク:394N・m(40.2kg・m)/4400rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
6速マニュアル
【燃費】
10.4km/l(10・15モード)
【標準装備】
大型リヤスポイラー クロスパフォーマンスロッド フロントストラットタワーバー ブレンボ製ディスクブレーキ
インタークーラーウオータースプレイ
【税抜き車両本体価格】
3.510.000円
【特別装備】
オートモード付ドライバーズコントロールセンターデフ式AWD オリジナルサスペンション 機械式リヤLSD
BBS鍛造アルミホイール HIDヘッドランプ アルミ製シフトノブ ルーフベンチレーター
Toshi Araiがダンパーをセッティングした限定車だが、
それよりもっと面白い秘密を持っている。
まず軽く走らせて状態を確かめた。
すごくクルマのカラダが柔軟で、
走りの質感が高い。
だから思い切って徹底的に改善した。
サブフレーム同様にクロスメンバーも腐食していた。
クルマの走りに感覚的な影響は無くても、
この状態では気分が悪い。
そこでパワーユニットを支えたまま、
ごっそり取り外した。
そしてひっくり返す。
上にあるのが新品で下が外した腐食品だ。
ここまで徹底的に進めた理由を後編で明確に説明する。
流石に並行してブログアップも限界だ。
今日で無事に夏祭りが終わった。
イベント期間中に来場された皆様に心からお礼申し上げます。
タクシーライドは延べ走行距離で270kmとなった。
このクルマの完成も近づいたので、
これから夜間走行で性能を確認する。
肉体的な疲れもたまったので明日はのんびり仕事する。
このクルマでオープンエアモータリングを楽しみ、
T-topの状況を報告したい。
そのブログの後で、
この続編を紹介する。
お楽しみに。
-終わり-