愛媛県松山市にお住いの澤田さんから、
凄く美味しい「丸干し」が届いた。
包みを開いた時から感じたが、
凄く脂がのって美味しそうだった。
知らないだけで、世の中には本当においしいものがある。何と表現して良いのやら・・・・・。絶句するほど美味かった。
桑名のまき子さんに戴いたワインも美味しかった。日本食と相性がとても良かった。本当に薄濁りの残る美味しい白ワインだった。
最近ワインばかり飲んでいる。
でも、
こんなの飲んだ事が無い。
なので、
ちょっと衝撃的な味だった。
美味しいモノを丁寧に作る規準が確実に他と異なる。
新型インプレッサに触れると、
これらの食べ物と相通じる何かを感じる。
少しずつ秘密を解き明かそう。
スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を導入するに当たり、
恐らくスバルは「見える化」に苦しんだはずだ。
どんなに数値で表現しても、
体感する性能を一発で見える化することは難しい。
昔は「買わないお客が悪いんだ」と言っていたくらい、
スバルはプライドが高かった。
下手と言った方が良いが、
それでは失礼に当たる。
世界に先駆けた、
凄いクルマ作りを成し遂げても、
伝えることがスマートでは無く、
顧客の大きな支持を得られなかった。
一部のクルマ好きには喝采を浴び、
スバリストと言われる人々を引き寄せたが、
大衆の支持を受けるには至らなかった。
メーカーが苦労して販売戦略を立て、
売れる方法を死にものぐるいで考えているのに、
売る立場の我々が安穏としていてはいけない。
販売課の二人には毎日資料を勉強してもらい、
インプレッサの大きく変わった部分や、
気に入ったところを箇条書きにして報告するようお願いしてある。
上のレポートを見ると、
+100%とか90%など、
間違いじゃ無いかと思うような数字が現れている。
事実インプレッサのボディ剛性は大幅に向上した。
従来型に比べフロント車体横曲げ剛性が90%も増加した。
フロントサスに補強材を追加したためだが、
そんなに単純な内容では無い。
車体ねじり剛性も従来型に比べ70%も増加。
フレームワークを一新し、
ボディ全体の剛性を高めたからだ。
この辺りの剛性向上は他のメーカーのモデルチェンジで進められる改良と、
段違いの内容だ。
そのあたりの説明をSKCのセンター長でもある藤貫部長はこんな風に回想した。
開発中に上司から、
「おまえらレーシングカーのフレームでも作るつもりか」と言われましたよ、と。
更に続けよう。
フロントサスペンションの剛性も従来型に比べ70%増加した。
クロスメンバーの構造を見直し、
軽量かつ高剛性なアルミ製ハウジングを採用した結果だ。
そしてリヤのサブフレームの剛性を従来型に比べ100%も向上させた。
サブフレームの構造を大幅に設計し直し、
こちらもアルミ製のハウジングに改めた。
これまで我慢していた事を一気に爆発させたと思えるほど、
新しいインプレッサは何から何まで新しくなった。
車体の重量は変わらないが、
重量当たり剛性が過去最高の数値になったと胸を張る理由がここにある。
剛性を高め軽量化し余裕の出来たところで、
ホットプレス加工材をこれまで以上に投入し、
車体強度も大きく高め衝突安全性を更に高いレベルに引き上げた。
こうした事実関係から、
勝手に「世界一安全なクルマ」と称したが、
あながち外れてい無いはずだ。
なぜならば、
日本を含め各国の客観的な評価を受け、
満を持してPRに使うようになれるまで温存せねばなら無い。
だからCM等で聞こえてこない。
だが勝手に推測することは自由だ。
歩行者保護エアバッグを標準装備したことも重要なポイントだろう。
トヨタだとかなり難しい。
あれほど多く売る以上、
相当な覚悟をしないと踏み切れないはずだ。
歩行者エアバッグはフロントバンパーの中にあるリーンホースメントの前に納められた、
圧力チューブセンサーの変形率から割り出して作動する。
パイロンやボール程度の衝突では作動しないが、
ヒトは勿論イヌの衝突でも反応するし、
道路標識にぶつかっても開く。
しかし万が一人をはねた時、
歩行者の安全性が大きく高められる。
それを検査して安全性が評価されるわけだから、
そのチャンスを逃がす手は無い。
アイサイトを僅か10万円で標準装備したように、
歩行者エアバッグに関する部品代を全くもらわずとも標準装備する。
いくつかの理由から、
正に広告宣伝費を顧客にお支払いするような気っぷの良さだ。
背景にはアイサイトの信頼性もあるだろう。
ただでさえ「ぶつからない」クルマだから、
歩行者エアバッグの開く可能性が国産車で一番低い。
こうしてインプレッサが名実ともに世界一安全になることが、
他のスバル車にとっては「下克上」なのだ。
エアコンパネルの機能性も高い。
非常に操作しやすいだけで無く、
暑かったり寒かったりした時はMAX A/Cと表示されたボタンを押すだけで、
最大のエアコン機能を発揮する。
レガシィと同じように左右に分かれたエアコンダクトになって、
これまでとは快適性が一変した。
最大風量でダクトから風が出ているのに、
眼の中に舞い込むような不快さが無い。
これには本当に感心した。
また大型になったマルチインフォメーションディスプレイの、
コンテンツ切り替えボタンが、
ステアリング左側に内蔵されたので、
扱いがとても楽になった。
シートベルトリマインダーや、
エアバックインディケーターはルーフにあるウォーニングボックスにまとめた。
これで情報が整理され、
MFDはよりMFDらしくなった。
このスイッチをステアリングに納めた結果、
オーディオ等のリモコンまで納める決断を下したようだ。
なかなか凄い判断だ。
OPで1万円以上した部品が標準装備になった。
ただし残念な把手が残ってしまった。
ここまで商品力を高めたから許してやれと思う人がいるかもしれないが、
これだけは絶対に譲れない大切なクオリティだ。
ドアを開けてガラスサッシを比べた。
新型インプレッサのドアガラスは、
これまでとは異なる動き方をする。
ショールームに行ったら確かめてほしい。
レヴォーグと比較して、
その差を説明しよう。
ガラスが閉まる瞬間と開ききる瞬間に、
動作スピードが遅くなる。
同じように作動速度に拘ったのがACCだ。
全車速追従機能付クルーズコントロールの加速特性を4通りから選べる様にした。
そのACCのカスタマイズ機能は以下の通りだ。
Lv.1 エコ
渋滞時などに使用し最大加速度はスタンダードの60%
Lv.2 コンフォート
最大加速度はこれまでSI-DRIVEのIモードに相当しスタンダードの80%
Lv.3 スタンダード
SI-DRIVEのSモードの加速度と同等
Lv.4 ダイナミック
スタンダードの1.2倍の最大加速度に設定
このようにインプレッサは何から何まで全て変わった。
インプレッサを是非早期予約してほしい。
ライン速度の遅い初期生産車には、
これまでの過去を振り返って損することは全くないと断言できる。
ショールームへ急ごう。
終わり