滑らかな肌触り。心地良い排気音。
クルマを抱くように走る喜び。東京への往路で爽快な走りを楽しんだ。
確実に景気は悪い。
道路が混雑していない。
年度末を控えた月末なのに、
物流はそれほど盛んでは無い。

観覧車のイルミネーションが美しかった。
高速道路を降りて直ぐに給油した。
先月とは異なり、
一度も途中で氷点下にならなかった。
だから単純に比較できないが、
燃費は約8%向上した。

中津川で給油して出発したが、
その価格に較べ19円も安い。
油の値段ほど不可解なものは無い。
しかしそれに対する政府の姿勢も不可解だ。
仕事を終え、
同じランプから高速道路に入ろうとすると、
白バイが交差点で警邏中だった。

バイクに跨がったまま待機しているので、
スクランブルをいつでも掛けられる態勢だ。
けれども、
堂々と赤色灯を回転させ、
危ない場所だと誇示する姿勢は潔かった。
この地域は朝の混雑時だと、
おまわりさんが交差点の真ん中で交通整理する時もある。
警視庁、
なかなかやるじゃないか。
頼もしいぜ。
帰りの高速道路も順調だった。
途中から雨が降り出したが、
往路と同じように快適に走れた。
帰りも同じように先月の出張に較べ、
8%の燃費向上という結果を残した。
帰る途中で娘に電話を掛けた。
「悪いけどインプレッサハウスの風呂にお湯を張ってくれ」
余り嬉しそうでは無かったが、
とりあえず貯めてくれると言ったた。
先月後半から忙しく、
露天風呂にまだ一度も入った事が無い。
雨が降り始めたが、
露天風呂に入ればそれも一興だ。

出張前にシンボルも飾ったので観るのが
楽しみだった。
帰路を急いだ。
気温は3度だったが、
衣類を濡らすのが嫌でほぼ裸になり、
外の階段を登った。

さあ入ろう、
そう思って風呂桶をみた。
何と空っぽじゃ無いか。
雨が降ってきたし、
お湯が出ないので貯めなかったよ~~~ん!と、
その後にメールが来た。
あの寒さには参った。
期待と落胆の、
落差が大きすぎた(笑)
慌てて家に帰り、
風呂に入ったが指先が真っ白でなかなか元に戻らなかった。
3月を迎え、
朝から月初の全体会議に臨んだ。
北原課長が松井さんから届いたミニカーを興味深そうに観ていた。

テーマの一つにインプレッサハウスがあった。
方向性を論じるにあたり、
まずこれらのミニカーをどうやって綺麗に並べるか思案した。

それにしても美しい。
22Bが美しく輝いている。
STIの純正だけあり、
細部の仕上げも見事だ。
抱くように走りたいクルマだ。
会議の後で長距離を走ったXVの5000㎞点検を済ませた。

実に肌が合い、
少しも飽きない。
スポーツカー並の走らせ方をしているので、
オイル交換を早めに済ませたかった。
エンジンオイルもかなり汚れていた。

エンジンブロックから抜いている間に、
吉村メカニックが手際よくデフオイルの交換作業に取りかかった。

フロントデフからオイルを抜き、

ドレンプラグを点検する。

鉄粉で真っ黒になった。
中に磁石が仕込まれている。
そこに内部から出た金属粉が吸着される。

こちらはリヤデフのドレンプラグだ。
上下にあるプラグがそれぞれ違う働きをしている。

ギヤオイルを交換する前に、

まず下側のドレンプラグを外す。

黒くなったオイルが勢いよく出る。

そして上部の注入用プラグを外す。

下側のプラグは、
上のプラグとは形状が違い、
前と同じように磁石が仕込まれている。

5000kmで生じた鉄粉をウエスで綺麗にぬぐい取る。
機械に愛着を感じる瞬間だ。
面白いクルマを観た。
27年も前に登録されたクルマだった。

だから製造されたのは昭和の時代だろう。

ウオールナットの可動式テーブル。

渋いドアトリム。
思いっきり引っ張って着けられたタイヤ。

これでディーラーものだから驚きだ。
このリムジンはSUBARUと何の関係も無い。
但し次のクルマは大いに関係がある。

SUBARUに乗り換えた下取り車だ。
黄色いクルマは直ぐ飽きるのか。
いや、
そんな事は無い。

グレーも下取りに出たようだ。
判で押したように似たような値段で売れていった。
2年で愛着が失せたのか。
先の昭和のクルマは、
思いっきり機械らしさを讃えていた。
スクラップとは言わないが、
もう良い所が「済んだ」ように見えた。
しかし3万キロしか乗っていないクルマだった。
二台の軽自動車より走行距離は多かったが、
年月を考えたら飾られていたような車だ。
だからかもしれない。
軽自動車のオープンカーより、
約20万円高かった。
これには驚いた。
昭和の香りが漂うクルマに、
愛着を覚える。

出張前に部品を整理した。

もう手に入らないSVXのパーツを綺麗に整え、
新品の箱に入れた。
見方を変えれば、
有効利用。
心を込めて箱に詰めた。
これから役立つ時が来るだろう。
SVXも抱くように走る事の出来るクルマだ。
覚えておいて欲しい。