














奥村さんにとって、
コンクリート直付けの木製トラスは、
思わぬ難儀な仕事だった。
分厚いコンクリートなので強度は十分だが、
下からアンカーボルトを打ち付けるのは大変だった。
本当にお疲れ様でした。
室内の置物にカバーをかけてくれたが、
どれも真っ白になるほど粉が付着した。
難儀な様子が想像できた。
なので心を込めて掃除した。


そして本館に移動中だったインプレッサWRXを再び飾った。




やせた土地で強い植物は、
冬でも青々と元気だ。
似たような花の咲かせ方をするのに、
真逆な植物もある。

霜が降りたように白く枯れた植物は、
理由絶欄の増殖と同時に増え始めた野萱草だ。
若芽の誕生を確認し、
その後の様子を観察した。

枯葉の周りを調べたが、
目立って大きなものはない。
少しかき分けると、

少しだが確認できた。

すぐそばを川が流れるだけで、
たとえ数メートルでも環境に大差が出るのだろう。

さっそく掘り出して、
茎に絡みつく枯葉を取り除いた。

食べられるのではないかと気付いたのは、
望桜荘の庭で庭で繁殖が始まった時だ。
2年ほど前、
この木の根元にニョキニョキと若芽が現れた。
その時は何かわからず、
草と一緒にむしり取った。
瑞々しくて匂いも良かったので、
本能的に食べることができると感じた。
後日それがオレンジ色の花を咲かせる野萱草だったと分かり、
調べると食用可能であることが証明できた。

実にタフな植物だから、
まだ残っているのではないかと目を凝らすと、

やはり若芽が現れていた。
これもきれいに抜き取り、
ヨーグルトの空き箱いっぱいまで集めた。
今夜の晩酌で、
茹でたての若芽を酢味噌で楽しむつもりだ。

これからしばらくすると、
様々な野草がこの周りでどんどん生まれる。
食べられないと思っていただけで、
雑草という植物は存在しないと思い知らされた。
タネツケバナはピチンと種を飛ばす迷惑な草だと思っていた。
ところが、
はじける前の茎を集めて湯がくと、
アスパラガスのような味がする。
ウジャウジャ生えるカラスノエンドウは、
草刈り機に巻きつき厄介だ。
ところが、
成熟前の「さや」は、
卵とじで食べると柔らくて美味しいそうだ。
ちょっと臭いが強いが、
野蒜も美味い。
こうした自然の恵みを、
インプレッサハウスでも楽しめるように工夫する。
何しろ長い間放置され、
建物の周りはおあつらえ向きの自然繁殖状態。
それを刈り取り冬を迎えたが、
当然春の息吹で目を出しそうだ。
そこにスパイスを与えてある。
望桜荘の周りに10年ほど敷き詰めていた、
ニードフルシートを全て移設した。
かなりのミネラルや、
土壌微生物がしみ込んでいるはずだ。
食べられる植物が自然発芽し、
どんどん繁殖する要素を、
インプレッサハウスの周りに持ち込んだ。
不燃物として厄介な処分品とされるより、
インプレッサハウスの周りで第二の人生を送る。
凶と出るか吉と出るか、
それは解らないが、
実験する価値は十分ある。
なぜなら
商品作物を目指さないなら、
放っておくだけでも野菜はできるはずだと思うからだ。
野萱草の若芽を集め工房に戻ると、
大宮君から「テスト走行をお願いします」と声がかかった。

明日は倉敷から石田さんがいらっしゃる。
WRXの納車日だった。
安心して高速道路を走れるよう、
最終テストに臨んだ。
ちょうど良いので、
あの場所を目指した。
恵那山トンネルを抜ければ、
あっという間に天空に着く。


目的地にはすでに役者がそろっていた。

群馬は恵比寿より100年祭に熱心だ。
そりゃそうだ。
中島知久平のお膝元だもの。
無関心なわけはない。
希望ナンバーが足りなくならないかと心配するほど、
今年は100番が増えるだろう。


新型フォレスターだ。
このクルマには高い評価を与えられないが、
そういうクルマが売れるというジンクスがあるので、
スバルにとっては良い評価かもしれない。
一般消費者の生の声が楽しみだ。

電通のケンジュウさんにお目に掛かれた。
カタカナで紹介したが、
決して外国人ではない。
劒重と書く凄く珍しいご苗字で、
変換することが簡単にできないからだ。
新型インプレッサの導入も担当され、
現在流れているCMだけでなく、
次のXVにも関わられている。
仕上がりが楽しみになった。
今日は暗くなってから、
ナイトドライブの仕込みを始める。

既にプローバも待機していた。

みんなとはすっかり顔なじみなので、
久しぶりに会えて嬉しかった。
どうも「そのうち現れるぞと」思っていたようだ。
彼らのドライブなら安心して楽しめるから、
ぜひこのフォレスターに搭載されている、
アダプティブドライビングビームを体感してほしい。
ぎょろぎょろ動く目も、
暗い場所ほど効果が良く解るはずだ。
劒重さんは明日も大忙しだ。
何しろ縦横が19m×14.6m、
高さが9mもあるドームテントを、
わずか1時間30分で設営する。
中にはエアコン5台を設置し、
ぽかぽかに暖めるそうだ。

そしてスバル360を美しい星空を描いたバックボードの前に置く。
そこが参加者の記念撮影に用いられる場所となる。
なかなか気の利いたアイディアだ。
真っ暗だと写メが残せないからね。
さあ、
いよいよ舞台は整った。
明日、ぜひ阿智村を目指してほしい。
待っているぞ。