
満開は明日頃になるだろう。
天気が良かったので、
ヤマザクラの周りを手入れした後、
全員揃って記念写真を撮った。
撮影し終える頃、
予定通り納車式が始まり、
廣田さんご夫妻にお渡しすることが出来た。

このブログにもしっかり目を通して戴いているので、
初対面の時から、
もう昔から知っている人のような気がした。
末永くお付き合い戴きますよう、
よろしくお願いします。

その後、
井口様にもR2をお渡しすることが出来た。
先々週東京から連れ帰ったクルマの契約もあり、
そんな中、
思いがけない冊子が届いた。
一般のお客様がほとんど目にすることの無い、
スバルチームの機関誌だ。
「スバルだより」から「SUBARU Dayori(筆記体)」になり、
通算で560号以上発行されていた。

それが「SUBARU Dayori」に更新され、
奇妙なことに号数がリセットされた。
しかもペラペラになっている。
次号から隔月になるという。
社名がSUBARUになった途端にペラペラになるとは、
これは非常に嫌な予感がする。
確かに一般的に紙離れも進んでいる。
それも一因だろう。
少しマンネリ化していた。
だからといって、
何も社名変更と同時にペラペラにすることも無かろう。
これは強烈なメッセージだと受け止めた。
いわゆる政策変換の端緒だと言える。
深く考察しながら過去に遡る。

重厚長大路線に方向転換した時、
それが大失敗に終わると、
SVXは表舞台から消え一切が封印された。
長い年月が過ぎ、
ようやくSVXと言う作品がスバリストに再評価されつつある。
喜ばしいことだ。
そしてトライベッカに続き、
3度目の正直で重厚長大路線にチャレンジする。
今の軸足がどこにあるのか良く分かる。
SVXは二度と誕生しないであろう、
真のグランツーリスモだ。
さあ、
長期間に渡って修理してきた、
スバルマガジン編集部のSVXは、
今どのような状況にあるのか。
いよいよ今日の夕方、
遂にそのエンジンが蘇った。
一発で始動出来たが、
一気筒だけ死んでいた。
調べた結果、
インジェクターのつまりが原因だった。

快調になったので、
一安心かと思いきや、
北原課長はすぐ社内にあるSVX用のタイヤセットを持ち出した。
どうしたのかと思い、
外したタイヤを見たら、

見たことの無い劣化が生じていた。

タイヤの山は十分すぎるほど有るが、
湿気と酸素でゴムの分解が進み過ぎた。
「それはまだ良い方ですよ。前輪は酷い!」
課長が横目で見ながらそう言った。
そこで車体に付いたままのタイヤを見たら、
ゾッとするような劣化が生じていた。

サイドウオールが加水分解し、
巣穴が開いている。
「タイヤを交換したら乗ってみて下さい」
「解った」と答え、
デスクワークしながら連絡を待った。
しばらくすると内線が鳴った。
なんと、
「中止です。念のためパワステを事前にテストして負荷を掛けたら、
内部のシールが破裂しました」と言う。

やはり20年の歳月は長い。
一筋縄ではいかないだろう。
ステアリングギアボックスの内部も、
タイヤと同じように各種のパーツが劣化し、
動き始めた途端に悲鳴を上げた。

パワステオイルはダダ漏れだが、
走行中に発生しなくて幸いだった。
でもまだ時間は充分ある。
バリバリの新車のようなSVXに磨き直す。
山本さん、
三澤さん、
もうしばらく待って欲しい。
SUBARUの歴史に残る名車を、
必ず最高の性能に仕立て直す。
静かに回るEG33のサウンドを聴き、
改めて思った。

やっぱりBRZにフラット6が欲しい。