「昴中古車道」を極める
2017年 04月 17日
ほぼ満開になった今朝のヤマザクラだ。
同じ場所を観察して記録を残し、
また翌年に備える。
その時から幹の周りが荒れていた。
モグラの活動で掘り返された痕もあった。
地下のトンネルで昆虫食べながら暮らすので、
時折地中のものを外に放り出し、
縄張りを維持管理する。
でもこれはある意味で浄化作用だ。
ここには道路改良時に様々なものが埋められ、
ちょっと穏やかではない状態が続いた。
10年かけて表の砕石を丁寧に取り除き、
草を取り続けたが、
地中のものには手が出せない。
モグラが代わりにやってくれるなら、
感謝せねばならないだろう。
モグラ塚ができていた。
これだけ異物があるとヤマザクラも気分が悪いだろう。
出てきた砕石を綺麗に取り除いた。
きっとこの辺りから望桜荘の庭、
そしてブルーベリー畑まで、
地下には巨大なモグラワールドが広がっているはずだ。
毎年子供を産むので、
子々孫々と繋がっているはずだ。
きっと人が住む以前から、
この辺りに定住しているのだろう。
やたらめったら穴を掘るのではなく、
掘った穴に虫が落ちるのを待って捕食するようだ。
ミミズがたくさんいるので、
彼らにとってユートピアなのだ。
まだ春の気配を見せていなかった。
今朝はすっかり様子が変わり、
3月3日の記録を見ると、
少しずつ芽吹いていたが、
スイセンも色を添え、
今朝はこんなに美しくなった。
こんなに美しくなった。
みすぼらしくなった部分に苔を植えたが、
手で丁寧に押し込んだ。
この堆肥作りに少し拘りがある。
100%この辺りで取り除いた苔や草からできている。
着いた土も一緒に熟成させるので、
菌類も全て再び元に戻る。
3月17日の記録が残っていた。
ちょうどカンゾウが芽吹き始め、
若芽を採っていた時に撮影した。
刈った草を積んでおくと、
自然に発酵して堆肥になる。
日本に生まれて良かったと思う。
フォークでかき分け底から使う。
それを一輪車で運び、
桜の周りの痩せてきた所に入れる。
原料が100%わかっているので安心だ。
どくだみのような強烈な草が他へ転移する危険性もある。
そうなったら早目に抜き取り、
また堆肥にするだけだ。
自然と丁寧に付き合えば、
必ず気持ちの良い環境がお礼のように戻ってくる。
自動車に携わる会社として、
全く関係のない仕事をしているように見えるだろう。
ところが、
実は大きく関係がある。
やれる環境を与えられたことに感謝して、
大切なシンボルを守り続ける。
朝礼を終えデスクに戻ると、
郵便屋さんが大きな包みを持ってきた。
首都圏版なので手に入らない人もいるかもしれない。
興味があったらぜひ読んでほしい。
めちゃくちゃスタイルが良くて、
思わずゴクリと生唾を飲んだ。
WRX S4のような女性だ。
プロのスラッガーのような、
バッティングスタイルを、
確かトヨタのCMで見たことがある。
上手にまとめてあるなと感心した。
中古車を扱う上で、
まず調理人を意識する。
良い食材を仕入れ、
調理して出すからおいしい。
素人が市場に行って、
食材だけ買っても、
素材の良さが引き出せないと美味い料理にならない。
次に農耕型の仕事だと意識する。
中古車はいわゆるブローカーのように、
口利きだけで成り立つ要素がある。
オークション仲介業者が良い例だ。
そちらは狩猟的な商売で、
獲物を狙って狩る。
農耕型の仕事は、
実りを待って刈る。
Gooの記事を読んでいて、
「なんてタイムリーに届いたのだろう」と驚いた。
昨日のブログに、
スバルマガジンのSVXを、
テストしようとして中止したと書いた。
課長が原因究明を続ける間、
吉村メカニックから、
サンバーの確認を依頼された。
このクルマは市場から仕入れた食材のようなもので、
美味しくするにはシェフの腕が大きくものをいう。
とても良い「縁」のようなものを感じた。
エンジンの音は抜群だし、
なんとなく様子が良かった。
受け入れ点検を進めた。
オイル漏れなどの様子もなく、
エンジンオイルも汚れていなかった。
このクルマも床下のパイプなどがかなり腐食していた。
錆を取り、
防錆処理剤を塗って綺麗に整えれば、
よほどのことがない限り心配はない。
ただ、
その仕事は、
庭から雑草を丁寧に抜き、
まとめて保存して堆肥にしたり、
埋まっていた石を雨に晒し、
資材として使うように根気がいる。
かといって管理を怠るとモチベーションが低下して仕事が滞る。
やはり、
補機類などの腐食したパーツは丁寧に交換した方が安心だ。
錆止め作業をしながら、
腐食パーツを見極め、
価格に応じた最も良い選択肢を取る。
年度末の仕事が詰まった状態だと、
なかなか思うように仕事がはかどらない。
感動するほど良いクルマにしてほしい。
吉村メカニックに少々厳しいオーダーを掛けた。
オートマチックで扱いやすい。
人気が高いので、
常に展示場に欲しいクルマだ。
営業と整備課で数回テストし、
その後でフル整備が終わった。
スタート時はオドメーターが76471kmだった。
ブレーキのディスクローターも新品にして、
完全にオーバーホールされているので効き味抜群。
タイヤもBSの新品に履き替えた。
流石に最終型のリヤエンジン方式だけあり、
普通のキャブオーバー型バンより、
室内騒音が少なく乗り心地も良い。
素性の良いクルマで気持ち良く走る。
高速領域の動力性能を確認し、
一般路ではブレーキと装備類の機能をチェック。
気持ち良く走り、
会社に戻った。
相対的な性能をつぶさに確認した。
合格点を与えるにふさわしい仕上がりだった。
縁のあるクルマを仕入れても、
それが直ぐ売り上げに結び付くわけではない。
だが環境を手入れする時の心を大切にして、
植物を育てるようにクルマを扱うと、
やがてオーラを出すようになる。
このB4もそんなクルマだった。
一定期間ごとに点検とテスト走行を続け、
オーナーが現れるのを待った。
一昨日の朝、
出勤して工房のシャッターを開けたとき、
思わずi-phoneで写真を撮ったほど、
瑞々しく輝いていた。
これを見た瞬間、
脳裏に漢字が10文字並んだ。
「斬新感不滅 昴精神魅了」
四代目レガシィB4は傑作車だ。
これを育てる楽しみは格別だった。
大事に持っているクルマを、
これから大事に使ってもらえると思うと、
作業にも力が入る。
杉本メカニックは、
研修から戻って以来ずっとこのクルマと過ごしている。
オプションの取り付けや、
助手席エアバッグの交換もあるので、
室内はほぼバラバラになったが、
そろそろ完成に近づきつつある。
この後完成したら、
中津シェライフェで徹底的に状態を確かめる。
この仕事に遣り甲斐を覚える。
だから一日が早いんだな。
雨が激しく振っている。
環境改善後の様子が楽しみだ。
雨に洗われ落ち着きを増すだろう。
これから泳いで明日も頑張るぞ。
皆さん、
おやすみなさい。
by b-faction
| 2017-04-17 21:55
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