もの凄い風と雨だった。
環境整備を終え、
堆肥を敷いたら大雨になった。
ちょっともったいない気もしたが、
桜を見たら、
更にもったいなかった。
満開になるかならないか、
そんなタイミングで強風が吹き荒れ、
望桜荘の桜はかなり花を減らしてしまった。
杉本メカニックが付きっきりで整備したB4が遂に完成した。

お客様に渡す前に、
最終テストを終えた。
その途中で暴風雨に負けなかった、
強い桜を見つけた。

以前から知っていたが、
満開時にタイミング良く通れることは希だった。
ちゃんと名前があることも初めて知った。

蜂蜜の無料販売所もある。
ドイツを思い出した。
あちらでは5ユーロで買えるが、
日本では高級品だ。
2000円が安いのか高いのか良く分からないが、
もう少し上手に売ると食指が伸びそうな気がした。
まあ、
この売り方なので2000円なのだろう。

いつ頃からあるのかこの家の人も知らないらしい。

ダイナミックな桜だ。
これは史上最強のB4、
2.0GT spec.Bを例えるのに相応しい。
嵐の後の爽やかな空が印象的だった。

関口さんに渡す前に、
徹底的に整備して最高の状態に整えた。
このクルマは凄いと知ってから、
最終的に愛機にしても良いという想いで仕入れている。
じっくり熟成させ育て続けたクルマなので、
良さの解る人に渡せることがとても嬉しい。

チタンターボエンジンと5速オートマチックの組み合わせを、
VTDとマルチリンク式リヤサスがガッチリ受け止める。
黄金のタッグだ。
レガシィB4の歴史上、
Sシリーズを除くカタログモデルで最強のクルマだろう。

納車準備に時間が掛かった理由は、
ナビやドラレコを装備したからだ。
元々ライン装着のビルトインHDDナビを持つので、
そちらをインフォメーション専用に使い、
最新のメモリーナビを装備した。
ツインモニター風に仕上がり、
とても面白いクルマになった。
関口さん、
末永く可愛がって欲しい。
この時代のSI-RRIVEは、
ステアリングに狼スイッチを持ち、
3通りに切り替え可能な水平対向4気筒DOHCチタンターボエンジンを搭載

今でこそ右側のステアリングナセルに、
エンジン特性の切り替えスイッチを持つが、
当時は手を離さなくてもS#だけは親指で操作出来た。
このタイプのB4は、
とにかく塊感のある速いクルマだ。

予防整備を施し、
最上のコンディションに維持し続けた。
最もB4らしい後期型の上質車だ。
テスト中もパドルシフト付ダイナミック5ATの反応抜群。
走行距離も少ないので、
ビルシュタインダンパーの動きも良い。
18インチアルミにピレリのチンチュラートP1を組んだ。
お客様の好みでマフラーを交換し、
ダイナミックな排気音を奏でる。
若干低速トルクを犠牲にするが、
高回転域で恐ろしいほどパワフルだ。
ほとんどドライターマックだが、
走り続けると時折濡れた路面に遭遇する。
そこでB4の実力が良く分かる。
強靱なボディとサスペンション。
リヤをマルチリンク式にしているので、
とても動きが良く走行安定性は抜群だ。
全行程の70%程が終わり、
国道に合流した。
そこで初めて酷い雨が降ったことが解った。
昨夜降った雨が木曽川に注ぎ込んでいた。

正面に見えるのは以前蛇抜けした南木曽岳だ。
重流の周辺から流れ出た雨水は全てこの木曽川に集まる。
もの凄い濁流になるはずが、
ダムがあるので蕩々と流れている。

昔このダムを乗り越えて、
下流の大井ダムの下にある橋を破壊し、
犠牲者が出た水害があった。
水が橋のギリギリまで迫っているのに、
道があると勘違いした乗用車が何台も進入し、
そのまま濁流に呑まれたのだ。
そして更に下流の美濃加茂辺りで、
沢山の床上浸水を引き起こした。
鵜沼辺りで堤防ギリギリまで水が登ってきた時、
付近を走行中のドライバーは、
もの凄い恐怖を感じたそうだ。

全てのゲートが開かれ、
ここまで飛沫が上がるほどの勢いで水を解放していた。
この程度で雨が止んでくれて本当に良かった。
春の嵐が去って、
ようやく本格的な春が来たようだ。

途中で気がつきリセットしたので、
トリップメーターは75km程だが、
スタート時のオドメーターは68427kmだった。
今日もきっちり80km走行し、
お客様に渡す準備もいよいよクライマックスを迎える。
お目に掛かる時が待ち遠しい。
終わり