二代目インプレッサWRXを乗り較べる
2017年 04月 26日
インプレッサの走行性能を比較するため、
二代目インプレッサの集大成を用意した。
かわら版を受け取るために岐阜へ向かった。
久しぶりにS204で180㎞ほど走破した。
改めてその実力を恐ろしいほどに発揮した。
一つ一つ手作業で計測し、
ピストンなどの重量を揃えた。
クランクシャフトも調整研磨し、
完全にバランスがとれているエンジンは、
ピップアップが強烈に良い。
ヒール&トゥで軽く煽るだけで、
320馬力の水平対向エンジンがバンッと鋭く反応する。
当時の4輪ストラットは高速時走行安定性が素晴らしく、
飛ばせば飛ばすほどクルマが安定する。
三代目のWRXと最も異なる点だ。
特にS204には、
ヤマハと共同開発した前後のパフォーマンスダンパーは、
抜群の安定装置として機能している。
そのモッチリとした走行感覚は、
非常に心地良いし、
また頼もしくもある。
大げさな話だと思うかも知れないが、
本当のことを話そう。
STIがこのクルマを創らなかったら、
トヨタ自動車とのアライアンスは、
もう少しやっかいだったかも知れない。
S204はその前のS203発売から、
さほど間隔が開いてなかったこともあり、
600台完売までには至らなかった。
勿論tSのように大幅に売れ残ったわけでは無く、
僅かに残っただけだが、
その良さに気付いて買う人にとっては、
容易に購入出来るチャンスが残っていた。
この恩恵を被ったのがトヨタ自動車だ。
当時スバルとの協業が持ち上がり、
相手の体力を探ろうと試験車両を導入した。
当時、そのクルマに乗ったトヨタ関係者は「たまげた」そうだ。
まさかこんなに良いクルマを創っているとは夢にも思わなかったらしい。
当時を知る関係者によると、
「ほんま、み~~んな驚いた。実際の事言ってあれより良いクルマ、まだ出てないよね」
その通りだと思う。
静粛性や、
動力性能、
それに装備など確かに新しい方が良くなっている。
安全性も高くなった。
それでは何が一番違うのか。
懐の深い足回り。
軽くて柔軟な身体能力。
この二つが大幅に違う。
S207はとても素晴らしくなった。
動力性能も凄いし、
曲がる能力も抜群だ。
何より世界で一番安全なレベルに、
車体骨格を引き上げたことが凄い。
ところがS204と比較すると、
「良いクルマ」と言う物が「醸し出す味」がまるで違う。
最近のクルマは安全になったが、
クルマの締結感がもの凄く、
操る楽しみを多少ながらスポイルしている。
重量差もかなりあり、
204は207より60kg軽い。
大きさにかなり差があるので、
207も頑張った数値だが、
1.5トンを超えるか、
それとも超えないかという差は結構大きい。
それとシートの持つ凄みは、
もう比較しようが無いほど大きな差だ。
RECARO社とSTIが共同開発した、
ドライカーボンシェルをアルカンターラと本革で覆ったバケットシートだ。
いくら上質な張り物をしても、
ホンモノを好むスバリストにとって、
カーボンシェルのシートは垂涎物だ。
またブレンボ製のブレーキも異次元の効果を発揮した。
BBSの鍛造ホイールで吸収している。
この柔軟性を最近のWRXは失ってしまったが、
恐らく誰も気付いていないだろう。
それが解る運転スキルを持つ人が少ない。
追い越す車のドライバーは、
ほとんど誰もが片手運転をしている。
後ろもろくに見ない。
「制限速度で文句があるのか」と正義感を丸出しにして、
平気で追い越し車線を独占する。
そんなドライバーこそ、
運転が下手くそで危ない。
例えつぶさに乗り較べたとしても、
それが解る人は少ないかもしれない。
WRXのCタイプは高速交通機動隊にも採用例があるらしい。
実際にはほとんどクラウンばかりだが、
最近レクサスらしきクルマを中央自動車道で見た気もする。
もの凄く運転が上手い。
たまに追い越す時もあるが、
どのドライバーも正確にドラポジを取り、
きちっとステアリングを握っている。
これだけ運転スキルの高い人が、
本当にねずみ取りをやりたくてやっているとは思えない。
ある意味おまわりさんも犠牲者だろう。
常々言う事だが、
日本の交通行政はおかしい。
世界有数の自動車生産国でありながら、
自国の国民に対して、
軽自動車ばかりにシフトせざるを得ない重税を課す。
運転免許の取り方を教えても、
正しい運転スキルを学ばせようとしない。
技量の問題や、
横着なドライバーの性癖を、
全てスピードの出し過ぎに責任転嫁する。
最近事故が増えている。
これは高齢化だけが問題では無い。
若い時から軸が狂った運転を、
当たり前だと思い込み矯正しないからだ。
DEを初めて気がついたことを、
最近リアルワールドで検証している。
高速道路を走っているクルマは、
覆面パトカー以外ほとんど自己流の危ない運転だ。
その結果、
歳を追うごとに下がる体力で、
軸の狂いを修正出来なくなり、
誤った操作に繫がるのだろう。
さらにAT車ばかりになり、
半身で運転することも火に油を注ぐ。
車に乗り込むルーティンワークを決めることも大切だ。
こうした話をすることで、
クルマ好きがもっと増えるように働くつもりだ。
こういう事こそライフワークなのかも知れない。
S204の話はまた改めて。
次のブログはもう一つのWRXでまとめる。
by b-faction
| 2017-04-26 18:50
|
Comments(0)