ほろ苦い朝と甘美なR1

机の引き出しを開け、

薬箱の中を探すと、

二錠だけ残っていた。

冷めたコーヒーで胃の中に流し込んだ。

身から出た錆とは、

まさにこう言うことだ。

昨年の同じ時期と全く同じことが起こった。

尿酸が左足に悪影響を与え、

出張やリンパドレナージュでの刺激がきっかけとなった。

昨夜、

まんきんたんを塗り忘れ、

その上ビールも美味かったので、

今朝は起き上がる時から痛かった。

出社すると、

既に吉村君がシャッターを全て開け、

仕上がりの評価を待っていた。

大変お待たせして申し訳なく思っています。

整備の結果を全てお知らせしよう。

結果は上々で素晴らしいクルマに蘇った。

そもそも１２万キロ近く走行したクルマとは思えないが、

寄る年波には抗えず色々な所に問題が出ていた。

素敵なインプレッサのシートに換装されているが、

高さに少し違和感もあった。

一番の問題はセンターデフが壊れ、

タイトコーナーブレーキング現象を引き起こしていたことだ。

全ての整備が終わったので、

高速テストを依頼された。

トリップメーターをリセットして、

高速道路に乗った。

それにしても素晴らしいカスタマイジングだ。

要所をＷＲＸのパーツを流用して素直に固めている。

手に触れる部分に最高品質の純正パーツを流用している。

今回当社で施工した効果を確認するため、

整備前に荒井さんと同乗走行したシーンを頭の中に蘇らせた。

その上でキーを捻る。
素敵なサウンドだ。４気筒エンジンの良さを引き出す、スポーツマフラーが装着されている。
やはり、スバリストならぜひ一台手元に残すとよい。
はっきり言ってＲ１とＲ２は全く違う。
Ｒ１は軽自動車の枠を飛び出した基本設計だ。
だから作る順番が逆だった。水平対向２気筒エンジンを開発し、このクルマの個性にあったベーシックカーを作れば、失敗作の烙印を押される事はなかっただろう。
軽にこだわったから発売できたが、それゆえ短命に終わった。
そういう苦みを感じる甘美なクルマだ。
高速道路を走ると、このクルマの美点が見事にあぶりだされる。
整備後なのでＮＶＨを特に意識して走った。Ｎはマフラー交換の影響もあり、若干うるさいが問題はない。Ｈは文句なしで抜群だ。非常に高いボディ剛性なので、下手なリッターカーより優れている。Ｖに問題があった。時速８０キロ前後から籠ったような床下振動を感じる。
エンジンマウントを交換し、センターデフも交換したから、各部を見直した後で昨夜最後に再テスト。
その結果を吉村整備士は待っていた。
思い当る所をあらかじめ指摘し、それに従った再調整を行った結果、問題は全て無くなった。
各所を新品のパーツに交換し、適切なトルクで締め直すと隠れた問題が露呈する。
それを見抜き、予想通りの結果になるとビールが美味かった。
なので更に身から錆が出た。
今朝の活力朝礼では、長靴に履き替えることも困難なほど痛かったが、ボルタレンの効果で１時間後に痛みは治まった。
油断せず今日から養生し、明日からの出張に備える。
ビールはしばらく我慢だな。