真のボクサーサウンドが蘇る

今日は嬉しい一日だった。
遠方から関口さんが整備で来訪された。

また廣田さんご夫妻もオイル交換で来訪された。

三田市から鈴木さんもいらっしゃった。
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車検でS402をお預かりした。
コンチスポーツコンタクト5の装着以降、
どんな印象かさっそく尋ねた。

「履き心地は如何でしたか」という問いに対して、
「凄く良かったです」と答えが返り、
ニコリと微笑まれた。

仕事冥利に尽きる瞬間だ。
ありがとうございます。
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めずらしいお土産を戴いた。

外見から和菓子を想像したが、
実際には全く違うお菓子だッた。
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中に添えられたお品書きが秀逸だ。
地名の由来やお菓子の持つ意味が、
解りやすく記述されている。
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中を開けると綺麗なマドレーヌが現れた。
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黒豆が美味しいアクセントを出している。

いつも整備を任せて戴き本当に有難うございます。

自動車を維持管理する上で、
一番重要で的を得た作業は何だと思う?

それは12か月法定点検だ。

車検整備もその上に成り立っている。

リフレッシュ整備の依頼時も、
故障修理の依頼時も、
まず12か月点検と同じ事をすべきだと考えている。

リフレッシュメンテナンスの申し込みや、
急に故障した車両の受付時も、
まず法定点検に沿って作業を進める。

ちょっと見てくれと言われて、
「まず点検をお願いします」と伝えると、
希に大変憤慨される方が居られるが、
そこから入らないと仕事をお受けできない。

最近急激にSUBARU熱が高まっているので、
昔のクルマに対する相談も多い。

先日、
事故した古いスバルの修理を、
たったメール一本で依頼された。

しかも無い部品を作るのに、
それがいくらかかるかと書いてあった。
見積もりだけでも欲しいと言われても簡単な事じゃない。

そんな都合の良い話を、
メール一本で頼めると思うこと自体、
随分勝手な話だと思う。

だが、
会ったこともない人と、
メールで深い話をしてもあまり意味が無い。

だから、
出来ませんと丁重にお断りした。

最近特に思うのは、
初代WRX STIの価値が異常に高い事だ。

先日お得意様の22Bを修理した時にも感じた。

今後は普段から車検や点検まで面倒を見させていただき、
ホームドクター的な信頼関係を構築しているお客様以外、
修理をお断りしなければならなくなるだろう。

困った時だけ都合よく頼まれても、
簡単に仕事を受けられない。

腹を割って話ができないからだ。

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連日の雨模様ですっかり梅雨らしくなった。

昨日の朝の活力朝礼で、
急遽ノスタルジックカーギャラリーから、
スバル1000とサブロクを引き出した。

サブロクもスバル1000も動態保存しているが、
毎日エンジンをかけるわけでは無い。

今になって価値が高まったが、
昔はゴミ同然の扱いをされたクルマ達だ。

正直に言うが、
「いつか価値が高くなるだろう」
そう思ってこのクルマ達を温存した訳では無い。

彼等はずっとここに居る。
だから大切にしたいだけだ。

何しろスバルが他社より優れたメーカーであることを、
一番わかり易く証明する証拠に他ならない。

昔からこの二台に対して、
自主開発の粋を感じていた。

子供の頃から身近にあり、
音や匂いや振動が全て体の中に沁み込んでいる。

他社に比べて、
クルマ造りが違うアプローチで進む会社だと、
幼心ながら毎日刻み込んでいた。
それはいつの間にか始まった。

廃棄するカタログが出る度に、
そこからサブロクやスバル1000の写真を切り抜いた。

それをノートに貼り、
新しいクルマが出るとまた繰り返す。

それが大好きだった。

なぜこの二台を急遽引き出したのか。

その理由は、
某社から取材依頼を受けたからだ。

彼等を目覚めさせるのは、
ベストカープラスの取材以来だ。

あの時の取材も貪欲だった。
当然の事だろう。

編集者は良い作品を作ろうと思えば思うほど、
貪欲にならざるを得ない。

その執念が珠玉の作品として実を結ぶ。

僅かな間に彼等の期待が高まったのだろう。

単なる取材から、
「動かしたい」と徐々に期待が高まっていく。

こんな時に基準となる考えは、
相手を尊敬できるかどうかと言う事だ。

更にどれくらい歴史有る媒体なのか、
それも肝要だ。

もちろん、
それが好きな媒体なら何の躊躇も無い。

その媒体に更に縁を感じた。

直近の特集でモンベルを特集した。

だから二つ返事で快諾したが、
そんなに簡単に事は進まない。

社内の同意を得て、
総力で仕上げないと期間に間に合わないからだ。

だから依頼先がどれくらい「一流」なのかを、
解りやすく社員全員に知らしめる必要がある。

まず丁寧な取材依頼が文書で届いたので、
それを見せる事にした。

その内容は、
英国の国営放送の依頼より、
素晴らしいといえるだろう。
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すぐ書店に娘を走らせ、
実際にその媒体を購入した。
そして、
これくらい面白い本だと全員に見せた。

その上で、
北原課長に直接頼んだ。

この媒体から依頼があったので、
サブロクとスバル1000を動かしたい。

ヒトは心に火をつけないと、
なかなか一生懸命になれない。

逆に期限を決めると、
それに向かって物事を進められないとも言える。

一流の相手から物事を頼まれる事は、
社員全員のモチベーションを、
常に維持できることにも繋がる。

だから感謝している。

ところで、
いくら動態保存しているとは言え、
保安基準に適合させる必要がある。

その状態に回復させるには、
かなりの時間がかかる訳だ。
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金曜日、
ほぼ丸一日を燃料系統の改善に費やした。
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ノスタルジックカーにとって、
キャブレター調整は切っても切れない重要な作業だ。

フロートなど点検し、
ルーティン通りに作業を進めた。

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ところが、
なぜか全くガソリンが流れてこない。

理由が分からないまま夜を迎え、
作業は一旦そこで終わった。

土曜日に月初会議のスケジュールが組まれていた。
かわら版の新聞折り込みも土曜日という、
そんな慌ただしさで一日が始まった。

状況を鑑みてもらい、
前日になり急遽全員で7時半から会議を始めようと提案した。

全員の理解と協力を得る事が出来て、
キッチリ2時間で会議を終え、
通常通りに業務を始めた。

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さっそく北原課長は作業を再開した。

彼は床下にある燃料パイプの目詰まりを推察し、
パイプを外して流路を確保した。

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漸くストレーナーにガソリンが見えるようになってきた。
そっとスターターを回すと、
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エンジンが気持ち良く回り出した。
こうして課長は執念でエンジン始動に成功した。




だが、
どうしても吹き上がりがまだ悪かった。


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旧車のスバルを持つお客様に、
よく言うセリフがある。

世の中には、
スバルであってスバルで無いクルマが存在します。

それらは全て「普通」では無いんです。

だから、
いくらお客様から「俺はスバルに乗ってるんだ」と言われても、
心から「ありがとうございます」と言えないんです。

それがスバルであってスバルでは無いクルマなんです。

その理由は簡単だ。

メンテナンスの採算が合わないからだ。

ディーラーのレバーレートで換算したら、
事業ベースに乗らない。

特に最近、
大量リコールを消化しながら、
本来の車検点検も入庫している。

中古車の整備もあるし、
リフレッシュメンテナンスも順番待ちの状態だ。

新車装着のオプションパーツも山のようにある。

本来の社会的義務を担う必要がある。

その反面、
スバルの文化財的価値を、
世の中に伝える義務も担うようになったと自負している。

それが中津スバルのモチベーションの根底にある。

株式会社SUBARUが、
選択と集中を進めるのも同じ理由からだ。

だからいつも本音の部分で、
彼等の事を理解している。

たとえば、
国内にマニュアルミッション車を投入しても、
絶対に採算が合わない。

だから今後は消滅していく。
「声の大きさ」だけでは、
決して判断できないし、
実績の伴わないモノは消えるのみだ。

だが努力は続ける。

MTの持つ本当の楽しさを教えれば、
彼等は心に火を灯すだろう。

更に正しい乗り方まで教えていけば、
クルマ好きは未だ未だ消えない。

そう真剣に思っている。

だから時には採算に合わない仕事も、
意を決してやらないと、
SUBARUにハッキリモノが言えない。

最近の見苦しい政治家と一緒になりたくない。
言い訳ばかりする仕事しかできなくなる。

その点で恵まれていると思うのは、
本当にスバルが欲しいと思う人を相手に、
毎日仕事を続けられる事だ。

MT好きを間違いなく増やし、
明確に売れる手応えを確保できれば、
SUBARUはまたMTや強烈なエンジンを作る。

彼等はその技術を温存しているので、
復活はそれほど難しい話ではない。

こころから願う。
だから情熱を傾け、
スバルに集中した仕事が続けられる。

すると自然に理解者が集まる。

無口な課長だが、
その理由を理解し納得した。

そうなると、
これほど頼りになる男はいない。
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エンジンルームはほぼ元通りになった。

うまく吹き上がらなかったエンジンも、
点火時期の調整に手間取りながらも徐々に回復した。
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無い部品は加工して間に合わせる。

こうしてようやくスバル100のエンジンは復調し、
夜までにエンジンルームの組み付けも完全に終わった。

素晴らしいスバルサウンドが工房の中に響く。

濡れたような囁く様な真のスバルサウンドだ。

決してドロドロ音ではない。

等長等爆でぼろろろろーーーと囁く様に奏でる。

さあ明日も次の仕事が待っている。

何とか丸二日掛けて燃焼系統は元に戻ったが、
この後制動関係を整備する必要がある。

それと全く同じことをサブロクでも繰り返す。

まだまだ頑張るぞ。
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Commented at 2017-07-02 16:22 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-faction at 2017-07-02 18:19
Kさん、ありがとうございます。
Commented by 元林道暴走族 at 2017-07-04 14:31 x
毎回楽しみに拝読させていただいています。
やはりマニュアルは消えゆく運命でしょうか?
昔はそれぞれの車種グレードに2ペタルとマニュアルが選択できたのですが・・・
マニュアル乗りたい人は現在も沢山存在すると思います。
地元に限ってかもしれませんが、マニュアル教習車もそこそこの
人数見かけますし(女子も)乗りたい車種、グレードに2ペタルしかリリースされないので仕方なく2ペタルを買う。そんなユーザさんも存在すると思います。 輸出仕様はマニュアル設定もあるのですから、なんとかなるのではと勝手におもっている次第です。マニュアルが採算ベースに合わないのは、メーカーさんの姿勢にもあるのかと・・・「作ったものを買えばいいんだ」の企業姿勢は???です。
スバルさんもせめて、それぞれトップグレードにマニュアルも設定していただけるとありがたいのですが・・・
昨今多いお年寄りの踏み間違え防止にも少しはマニュアル車は貢献できるのではないでしょうか。ブレーキを踏むと無意識でクラッチを切る(通常同時ではないですが)、が体に染みついているはずです。今まで乗っていた車はマニュアルで買い替えで、乗ったことのない2ペタル車に乗っている方も多いのではないでしょうか?(多分脳と体が順応しないのでしょう)根本的には、自動ブレーキであり、誤発信防止デバイスかと思いますが。「手道」の火は消したくないと思う一人です。
何か自分の感覚・意思と今一つズレの有る国産2ペタルはいまだに好きになれません。(もちろん良い2ペタルもあると思います)クルマはやはり「マニュアルで操ってなんぼ」と思いますが。 長々と勝手な意見ですみません。
Commented by b-faction at 2017-07-04 15:47
元林道暴走族さん、年齢と家庭環境で価値観には大きな差が出ます。ゼロにはなりませんが趨勢と言う事でしょうね。昔のスバルはもっと酷かった。(笑)「買わない客が悪いんだ」の姿勢です。どっちが良いですか?「笑顔を作る会社」と「戦闘能力を重視する会社」と。
Commented by 元林道暴走族 at 2017-07-05 12:49 x
お忙しいとこ、お相手有難うございます。
おっしゃる通り年齢と家庭環境で価値観が違います。
確かに昔のスバルさん(ディーラーも含めて)「買わない客が悪いんだ」&「ほしい人だけで良いよ」が有りましたね。
病人?は「戦闘能力重視=笑顔」ですかね?一般受けするのは笑顔・・ですかね?操って笑顔でしたらOKかな?!
他のメーカーさんからの乗り換えが多くなると、やはり万人受け狙いになるのでしょうかね?昔よく聞かれた某メーカーの「車造りは80点主義」はスバルには似合わないと思いますが。
企業ですから利益出さないといけないでしょうが。
「ユーザーからこんな声があるよ」聞く耳を持たないのは企業も
個人も成長しないのではないでしょうか?変にT社寄りにに感化されない、軸のぶれないスバルでいてほしいと思います。
Commented by b-faction at 2017-07-05 22:21
元林道暴走族 さん、こんばんは。株価が想定以上に上りすぎたからではないでしょうか。あぶく銭はスバルに似合いませんね。
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by b-faction | 2017-07-01 21:27 | Trackback | Comments(6)

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