開田のプルーンとレガシィの2.5GT6速MTを味わう
2017年 08月 25日

これを見ると、
ちょっと目頭が熱くなり、
鼻の奥がツーンとする。
亡くなった二宮さんの大事な仕事だった。

開田高原の名物に育ってほしい。
種は簡単に取れるし、
川を剥く必要は無いし、
飛び切り甘いし、
本当に何も言う事が無いほど美味しい。
トウモロコシは既にブランド品に育ったので、
直接農家と取引する人も多いはずだ。
中津川からなら、
好きな時に買いに行ける。
でも最近は先日紹介した清内路のように、
周辺でも美味しいトウモロコシが獲れるようになった。
開田もうかうかしていられない。
だからプルーンが成功することを祈りたい。
まだまだ収穫量が少なく、
一般の人が簡単に買えない。
ある意味、
開田ファームに行った人だけの特権だろう。
それはそれでいいかもしれない。
プルーンのように甘いクルマが存在する。
久し振りに酔いしれた。

とっておきのマシンだ。
スバルを代表する、
フラッグシップのトップグレードだ。
スバル レガシィのMT車の歴史は、
2.5GT Spec.Bで幕を閉じた。
その最後を飾るにふさわしいツーリングワゴンだ。
セダンも良いが「レガシィ」と聞くと、
やはり「ワゴンだよね」と言う声は多い。
実際に用途も広がるから、
人気が高い。
ようやく完成したBR9は、
クラッチとブレーキをオーバーホールし、
油脂消耗品を新品に交換されていた。

並行リンク式からワイヤー方式の変速に構造を改めた。
小型軽量な5速ベースに、
一速ギヤを追加した最初のギヤボックスだ。
軽い事と安いことが最大の武器だと言える。
車体も磨き上げられ、
ピッカピカだ。
「オーバーホールが終わりました。乗ってみて下さい」
担当した吉村整備士から声が掛かった。

日月専務がPGMとして開発した5代目レガシィは、
アウトバックを中心にアメリカで爆発的なヒットを放った。
性能が解りやすく、
価格もその性能に比べ非常に安い。
しかもPGM本人がスバルオブアメリカの社長になれば、
当然販売にも勢いがつく。
レガシィは日本の状況とは裏腹に、
アメリカで販売記録を塗り替え続けた。
そういうクルマだから、
確かにマニュアルシフトには向いていない。
例えばこのクルマには、
大きなセンターコンソールBOKがあるけれど、
2速に入れる度に肘が当たる。
静かだが全体的に「あっさり」した感じがするので、
濃い味を好む4代目のユーザーには合わなかった。
本来のレガシィの成長戦略から見ると、
全く間違っていないので、
当時快く受け入れたがターボ車がメインストリームの時代ではなかった。
この辺りが日米の明確な差になって表れた。
基本的な構造はレガシィらしく面白い。

中央に液晶モニターが浮かび上がる。
レガシィからメーターの改革や灯火器の改革が始まるのが常だった。
最近では以前のヒエラルキーが崩壊し、
様々な車種でそれぞれの改革が進む。
灯火器の改革はフォレスターから始まった。
エアコンシステムはレガシィらしさを滲ませる。

ブラインドタッチを必要としないデザインだ。
このシンプルでスカッとしたインテリアデザインが、
発売当時の評価を分けた。
前モデルでナビの汎用性を逸したことが、
大きな営業上の課題になり、
5代目では逆に汎用性を優先してデザインされたように見える。
ナビの付け替えや、
拡張性に対して実に柔軟だ。
このクルマからシフトインディケータが導入された。

走行中にギヤのポジションが解らなくなる時がある。
特にこのエンジンのような、
高トルク型だとそれが顕著だ。
液晶の画面に大きく3速に入っていると表示されている。
高速道路を気持ちよく飛ばし、
下りのワインディングを駆け抜け、
登りになったところでS#モードに切り換えた。
「オーホッホッホ」と高笑いしたくなるような変身ぶりだ。
グワーっとパワー感が高まり、
エンジンサウンドも高揚する。
S402を思い出させる走行性能だ。
Iモードでも一向に不自由はないが、
ターマックのワインディングを思いっきり走るなら、
絶対にS#を選ぶべきだろう。
燃費もそれほど悪くない。
WRXを楽しむように操って、
夢中で駆け抜けた。

一旦停止すると同時に燃費を確認した。
Iモードで高速道路を、
思いっきり飛ばした部分も含め、
ここまでの燃費は1リットル当たり8.6kmとでた。
これは決して悪くない。
多分同乗していたら驚いたに違いない。

ここからSモードにトーンダウンした。
ほとんど下りなので、
最大出力は必要ない。
追い越し可能区間があるので、
Iより瞬発力が欲しい。
それらが「S」に切り替えた理由だ。
これがドンピシャで、
物凄く楽しく走れた。
クイクイ曲がるし、
サスストロークが長いのでクルマの動きが気持ち良い。
国道19号線に繋がる交差点で信号を待つ間に、
SI-DRIVEを最終変更した。
ここからは「I」モードで十分だ。
トラックが多く淡々と走るしかない。

あれだけの走りをしたにもかかわらず、
6速MTはやっぱり良い仕事をする。

すぐ前の赤信号で右折を待つ間、
10.4を達成していた。
アイドリングストップさえあれば、
もっと良い燃費になるはずだ。
ここが遅れている。
それが残念でならない。
走りは大満足。
さすがにレガシィは一味違う。
仕事を終え、
ジムにかっ跳んだ。

サウナに入り帰宅の途に就いた。
思わず右手でスタータースイッチをまさぐった。
ニンマリした。
そうそう、
これはピュアスポーツカーだった。

高速巡洋艦とスピードボート、
趣味と実用性で選び分けてほしい。
どちらも期待に十分応えるはずだ。
by b-faction
| 2017-08-25 22:00
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