きれいな赤い色をしている。これは初めての挑戦だ。
収穫したグミの実は果実酒になろうとしている。
ホワイトリカーを入れて、角砂糖をたっぷり入れた。出張中に妻が残した記録写真だ。翌日になると、これだけの角砂糖が綺麗に消えてなくなった。
その上からグミの実を更に追加投入し、丁寧に蓋をして望桜荘で眠らせた。
インプレッサハウスで、出来上がったらグミ酒を振舞うつもりだ。
「車検お泊りプラン」の楽しみの一つになる。
妻が困ったように言った。「残ったグミの実は捨てても良い?」と聞く。
グミ酒も良いけど、3瓶作ったのが精いっぱいだとこぼした。
とても下処理が大変なんだ。
そこで「じゃあジャムにしちゃいなよ」とアドバイスした。
そう言うと、なるほどと頷いた。
とは言ったものの、とても大変な工程だったようだ。お酒と違って分別は楽だが、裏ごしするまでの工程が面倒だ。でも綺麗な清流の脇で育ったグミの樹は、もともと妻が自分で植えた木だから感慨深いはずだ。
コツコツ作業が続いていた。ここまでは全く知らなかった。
木曜日の夜、ジムから帰ると妻がキッチンに立っていた。焦げないように丁寧に熱している。
あまり匂いがしない。
味見たの?と聞いたら、「見ていない」
なんでと聞いたら、「だって少しも美味しそうに見えないじゃない」
その後は晩酌して眠ってしまった。
かなり体を動かして疲れたからだろう。妻は出来たジャムを瓶に詰めてから眠ったようだ。
朝起きたらキッチンに完成したジャムが置いてあった。
これほど手間暇かけたのだから、不味いはずはない。
冷蔵庫で冷やしてから、スプーン一杯だけ味見した。
恐る恐る食べたら、意外に美味しいじゃないか。
記憶に残らない風味だ。それがつまりグミの味なんだが、グミを取っていると、
その柔らかさにホッとする。
ポピュラーな強い味の果実とは違い、きっとまた新たな発見があるはずだ。
このブログを書きながら、冷蔵庫から出してもう一匙食べてみた。スプーンですくった穴に、絵具を溶かしたような液が滲んでいた。
味が思い出せない。
滲んだ液ごとスプーンですくい取った。そのまま口に含む。
渋味は全く無く、濃密な味が口の中に広がる。
主役の香りが一切なく、優秀な脇役だけで固めた、秀逸な映画みたいな味だ。
リコピンだけの素朴な果実の香りと、ギュッと締まった芳醇な酸味が素晴らしかった。
コンセプトが明確なので、きっと健康にも良いだろう。
プレーンのギリシャヨーグルトに、山盛り添えて食べたい味だ。
「文化の日」の朝、いつもより1時間以上早く目が覚めた。文化の日は特別な日で、雨もめったに振らない日でもある。
SVXに乗って家を出た。まだ暗かった。
結婚記念日なので、馴染みのレストランを予約してある。早く仕事にけりを付けるために、ドンドン前倒しする必要があった。
既に気温は摂氏7度を下回っている。
毎朝この状況になったらスタッドレスタイヤの出番だな。
事務所に入り恵那山を見ると、朝焼けが綺麗だった。今年も晴れることは間違いないと思った。西の方向はどうだろう。
そう思って会議室から笠置山を眺めた。
きれいに見える。
良く見ると木曽川に雲海が出来ている。
こういう日に凄い景色が現れる。
苗木城址からの眺めが凄いはずだ。
「天空の城」の眺望が現れるだろう。
8時になり社員が全員揃った。
活力朝礼で環境改善が始まった。
ブルーベリー畑の草取りと、
望桜荘の石畳づくりと、
カリンとグミの剪定を分担して同時に進めた。
グミの樹を剪定しながら、
この樹の異常な成長を予感した日を振り返った。
上の9月30日に撮影した写真を見ると、
既にこの頃から自重で枝が垂れ下がっているのが解る。
この異様なほど育った姿を見て、
少し違和感を覚えた。
剪定して解ったことがある。
枝の年輪を見たところ、
昨年一年間で急激に太くなった。
年輪から植えて5年経ったことも解った。
収穫する直前のグミの樹だ。
30日の月曜日と翌日の火曜日で収穫を終えた。
垂れ下がった枝の中に入り、
完熟した実を収穫しながら、
放っておいてはいけないと感じた。
それで、
今がやれる時だと思い切り、
妻と一気に剪定した。
ほとんど実をつけたまま廃棄することになる。
可哀そうではあるが、
誰も欲しいと言わないから仕方がない。
せめてもの償いに、
切り口へトップジンを丁寧に塗った。
来年に疲れが出ない事を祈りたい。
このグミの樹のように、
SUBARUは戦後多角化し成長した。
それをここ数年で「剪定」し、
十分な養分が必要な幹に行き渡るようにした。
この機会にSUBARUはどうあるべきだろうか。
そこを深く考察したい。
順調に仕事が始まった。
それに先立ち、
一つ報告することがある。
シルバーのSVXには汎用品のHIDヘッドライトが付いていた。
違法な商品とは思えないので、
特に取り外す必要は無いと考えた。
車検をよその会社で受けているが、
特に検査の必要性も感じずそのままで使っている。
しかし、
忙しい中急遽ヘッドライトを点検した。
当社に来た時から全く異常を感じない。
前オーナーが装着した社外製品のHIDだ。
夜間とても明るいので運転し易いが、
あるブログの読者から「グレアが出ている」と指摘があった。
何のことか良く解らなかったが、
心配しての指摘なら調べる事が肝心だ。
少し疑問に思ったが、
自分の目がおかしいのか、
それとも単なる杞憂なのか。
この年式はハイビームでの測定が基本だ。
しかし指摘ではロービームが眩しいように見える、
と書かれていた。
そこでまずロービームで測定したが、
法規に沿った状態で基本的に何の問題も無かった。
ハイビームに切り替えて測定しても、
何の問題も無く、
必要な照度と方向性を示していた。
ギョッとされた理由は解らないが、
ひとさまから戴く有用な声を、
聞く耳はだけは持っている。
他の面白半分でコメントする人間と、
少し違いを感じたからだ。
この件とは関係ないが、
最近注目を浴びることが多いせいか、
つまらない事で神経質になる奴も多い。
たとえばカメラはメモ代わりだ。
運転中にファインダーを覗くわけでは無いので、
写真撮影することを別に何とも思っていない。
時々刻々と変わる状況を、
最も明確に記録できる。
最も手放せない体の一部だ。
次に駐車する時に、
心がけている事がある。
なるべく被害を最小限に食い止める事だ。
当て逃げに合わないように、
各自で工夫する必要がある。
スライドドアのワゴンが増え、
知らない間に傷が付いていることも多いだろう。
ちゃんとしたドアがあるクルマに乗っている人は、
親として子供に「隣のクルマに気を付けなさい」と教育した。
最近はそういう意味で、
「親らしい親」が居ない。
言い方は悪いが、
何でもスライドドアが良いと思い込み、
我が子を「放し飼い」で育てる親にロクな奴はいない。
ガラガラに空いている駐車場では、
自分のクルマの立ち位置をよく考え、
防衛駐車も必要だ。
ここで、
一度考えていることを明確にしておく。
さて、
シルバーのSVXはなかなか頼りになるクルマだった。
次の動画で緑色のSVXを紹介している。
今年レンタカーとして活躍したが、
先月末を持ってお役御免にしたので、
この場を借りてお礼と共に、
一体どんなクルマだったのか報告しておこう。
SUBARU生誕100年企画として、
水平対向6気筒エンジンの良さを知っていただく事を目的とした。
今月車検が切れるし、
ダンパー交換など思い切ったメンテナンスが必要になっている。
今後は未来のオーナーが現れるまで眠りに就かせる。
そして次の候補として、
シルバーのSVXに白羽の矢を立てた。
そこでSVXのテストを兼ねて、
東京を往復し基本的な実力を確かめた。
SVXはやはりコンセプトが半端じゃ無い。
書きたい事の前に、
まず言いたい事を聞いてもらおう。
10月の東京出張は、
BRZに始まり、
OUTBACKを経て、
SVXで締めることが出来た。
カラダを張って体感した結果、
得ることが出来た正直な感想だ。
反論も欲しいし、
今後のスバルへの意見も欲しい。
今のスバルは「年よりじみた大人」じゃないから、
きっと聞く耳を持つはずだ。
SVXの取り囲むようなインテリアデザインは、
ゼロ次安全性能にも優れるし質感も高い。
エクセーヌをふんだんに使っている。
退色しているものの、
結果的に高い耐光性を有していることが証明できた。
プラスチッキーだと揶揄されたこともあったが、
キチンとしたコンセプトを感じるコンソールデザインだと思う。
当時はナビも贅沢品だし、
規格の統一も不十分だった。
汎用品を装着して、
カバーの開閉が出来るように加工されている。
なかなか丁寧に仕上げられた苦心作だ。
ナビも活かせるが、
むしろオーディオとしての機能を評価した。
少しスピーカーコーンが痛んでいるようだが、
かなり良い音質でCDを楽しみことが出来た。
ボタンに設定温度を出すアイディアは、
最新のアウトバックで復活したほど斬新だ。
シートはレカロに交換され、
ホールド性が良くなっていた。
良くこれだけ違和感のないシートを見つけたものだ。
SVXには十分居住性を確保した後席があり、
4人乗車できるところが魅力だ。
これは真のGTとして500マイル走る高速ツアラーだから、
例えクーペスタイルでも後席居住性は重要だ。
運転席をレカロにしたことで、
インテリアのクオリティも高くなった。
ただし悪くはないが飛び切り良いわけでもない。
東京の往路を走ると、
流石に新型インプレッサのように腰に来たりしない。
けれども「レカロだ」と誇張するほどの性能でもない。
むしろベルトバックルを隠すので、
シートベルトの装着が困難になっていた。
長時間運転すると、
下肢の緊張感が蓄積するのだろう。
降車した時に痛みを感じた。
レカロにも様々なシートがあり、
一概にスバルにとって良いとは言えない。
スポーツシートとして、
世界最高水準にある事は事実だ。
だからサーキット走行にはレカロのスポーツシートが良いだろう。
名だたるコンプリートカーが、
レカロを採用するのも当然だ。
でも昔のSUBARUは、
かなり良いシートを当たり前のように装着していた。
振り返ると、
SVXに装着したシートもかなり性能が良かった。
やはりSVXはグランドツーリングを象徴する、
素晴らしいSUBARUだった。
検査ラインの横では、
もう一つの6気筒が粛々と整備を進められていた。
10万キロをこえたレガシィB4だが、
最近は10万キロを超えてリフレッシュすると、
更に美味しい未知の世界が待ってる。
そう言う事実を理解されるお客様が増えた。
だからこのBLEを使って、
新しいダンパーを開発することにした。
それに備えブレーキをオーバーホールし、
より確かな安全性能に引き上げる。
あらかじめ同形式のダンパーを送り、
当社の好むセッティングを伝えた。
それが完成して送られてきたので、
整備を担当する吉村メカが、
早速包みを開いて作業に着手した。
これを明日までに完成させ、
次の東京出張時に徹底的に性能を確かめる。
まずワンオフで試作し、
走行した結果をフィードバックして、
バルブなどを変更して味を高める。
手間暇かかる作業だが、
一旦作ってしまえばデータを残しておくだけで良い。
いつでも最良のダンパーをリリースできる。
その隣では、
並行して末村さんのリフレッシュが佳境を迎えていた。
まだリフトに上がった状態だが、
ダンパー交換が終了し、
前輪のブレーキラインも新品になった。
後輪右側も完成し、
杉本メカは最後の調整に取り組んでいた。
お客様から預かったクルマだけでなく、
売ったクルマの整備も忙しい。
手塩にかけたディアスクラシックも、
遂に次のオーナーは嫁ぐことになった。
リコールがきっかけで当社に来られた、
熱烈なサンバーファンの許へ渡る。
新品のナビを装着し、
ドラレコまで装備した。
実はここまで紹介したクルマは、
先ほど剪定したグミの樹のように、
選択と集中で切り落とした枝たちの一部だ。
その結果、
SUBARUは実に強くなり、
良い実を成らせて人気もある。
しかし表明的にはそうであっても、
実は従来のスバリストより、
株主や新規の顧客だけを喜ばせる会社になりつつあった。
その結果が「今回の遠因」にあるとプラス発想しようじゃないか。
そしてこのように捉えると、
これから益々スバルブランドは輝くはずだ。
それは、
6気筒エンジンを捨てず、
STIに磨かせて本物の水平対向エンジンを維持し続けることだ。
妻は残りのグミを捨てたいと言った。
それは当然だ。
更にひと瓶作るには大変な労力だ。
逃げちゃうのは簡単だったが、
「ジャムを作れば」と言う提案に耳を貸し、
素直に従った結果、
素晴らしい「美白の素」が誕生した。
抗酸化作用が素晴らしいので、
水泳など激しく酸素を吸う運動に効果的だ。
決して安全で健康に役立つ多は言えない、
軽自動車を切り捨てることに元々何の異論もない。
しかし水平対向6気筒エンジンを切り捨てることは、
苦労して枝から摘んだグミの実を、
面倒だと捨てる行為に等しいと思う。
この機会にそこを見直さないと、
今の経営陣は結局「勝ち逃げ」したかっただけで、
本当に将来のスバルブランドを考えていたわけでは無かったと、
未来永劫まで言われるはずだ。
だからこそ、
だれも責任を取る必要は無いので、
真の「スバリスト」達が望む「本物」を世に出す必要がある。
まず典型的な「実」が、
水平対向6気筒エンジンだ。
今年で誕生から30年になる。
10年偉大なり、
20年畏るべし、
30年で歴史が生まれる。
中国の格言だ。
更に50年で神の如し、と続くと聞いた。
だから神でもない現経営陣に、
水平対向6気筒エンジンを絶やす権利など無い。
だから冒涜しようとする姿を、
神が咎めたと見るべきだろう。
そう捉えると、
今回の事件がますます薬になるはずだ。
さて、
その奥にフォレスターが届いていた。
部品装着の途中でキャンセルされたクルマなので、
そこからの作業をディアスクラシックの後で引き継ぐ。
事の重大さが車庫証明のステッカーから良く解った。
登録直前だったので、
最小限の被害で済んだ。
一般的には売り難い色だが、
この色の素晴らしさを良く知っている。
だから中津スバルで良い色として室内展示すると、
目の肥えたお客様に対する品選びの場が整う。
近くに素敵な色のクルマを置くと、
嬉しくなっちゃうから一石二鳥だ。
人生何事もマイナスに考えるより、
プラスに考える方が良い。
その方が良いアイディアも沢山浮かぶ。
今度の「事件」でキャンセルするのは自由だ。
だが、
これを機会にSUBARU全体が、
クルマを売る姿勢を見直すべきだ。
このフォレスターが絶好の対象だと言える。
経路販売をトコトン見直し、
真の「ブランド」になるための仕分けが必要だ。
流石に大メーカーらしく、
マーケティング能力は抜群だった。
今回のS208も順調に応募が伸びた。
発表から一週間、
11月1日の段階で2.8倍弱の競争率となった。
そう言うわけで、
即日完売が決定的だから、
書きたい事を書かせてもらおう。
続きは次のブログで。