この道が出来ると、中津川市の道路アクセスが劇的に変わる。
その先にアピタが出来れば、中津川市民は喜ぶだろう。
ところが肝心の道路工事が全然進まない。11月5日の朝、
出勤の途中で工事現場を見た時、
一体何をやっているんだと思った。
遅々として進まない工事。
とてもやる気があるとは思えない。
止まってしまった原因は、
金をの算段がつかないからだろう。
それから10日以上経った16日の朝、
とうとう重機の姿が消えた。
やると見せているだけで、
やっぱりやる気が無いんだ。
変だね。
と思ったら、
また重機が来ていた。
何してるんだろう。
無駄が多いね。
中津川インターチェンジと国道257号線の接続は、
完全に欠陥道路と言わざるを得ない現状だ。
それがいつまでたってもこの有様だ。
そうかと思えば、
長野県に三遠南信という名の道路がある。
まだ建設中の高速道路だが、
何年も前から奇妙な場所が出来ている。
突如としてループ橋が現れ、
そこを登ると高規格道路に繋がっている。
凄く長いトンネルも出来ていて、
快適に走れる。
ところが走るクルマは僅かに過ぎない。
優先順位を考えたら、
これは無駄そのものだ。
ゆくゆく前後が繋がれば、
静岡県と南信地域が一気に近くなる。
無駄とも言えるが、
こんなに凄い道路があるお陰で、
厳冬期も安心して難所を走る事が出来る。
政治力で造ったと地元の人は言う。
実績がリアルな形で残っていた。
国から予算を取るのは政治家の大切な仕事だ。
それは政治生命をかけた戦略とも言える。
実績がモノを言うリアルな世界だ。
政治の世界同様に、
世の中にある様々な仕事で同じことが言える。
仕事の段取りが良く、
しかも早い人は仕上げも綺麗だ。
だから信頼を得る。
いつまでたっても出来ない道路を見て、
進捗が遅いと感じた日の事だった。
内装工事のプロ「ウイング吉村」さんが、
インプレッサハウスにやって来た。
計測後すぐ製作に入り、
あっという間に取り付けが終わった。
取り付けが終わった日は、
交差点工事を撮影した日の夕方だった。
狙い通りの仕上がりになった。
さすがに吉村さんは素速いね。
良い仕事をする人は段取りが良い。
頼んだ通りだ。
正面の大きな壁面は、
完全遮光の白いスクリーンに変わった。
これでプロジェクターさえ付ければ、
楽しい空間が誕生する。
他のロールブラインドをどんな素材にしようかと迷った。
散々迷った上げく、
「やっぱり黒だね」と意見が一致した。
少し光が通るので、
打ちっ放しのコンクリートと相性が良く、
空間演出が更にお洒落さを増した。
窓を黒に統一して、
インプレッサハウスを本格的なゲストハウスに作り込む。
ここもどうするか、
思案する内に、
ムクムクとアイディアが湧いてきた。
ここに面白い玄関を作っちゃおうかな。
その前に露天風呂の据え付けなきゃ。
螺旋階段を設置する準備も進んでいる。
それが終わったら、
次は何に取り組むか。
床に掘った穴も掘り炬燵よりも、
もう少し楽しいことが出来そうだ。
今年はインプレッサハウスに始まり、
インプレッサハウスで終わりそうだ。
そんなこともあり、
久しぶりに三代目インプレッサに乗り換えた。
チタンのシフトノブは握り心地が良い。
やっぱりマニュアルが良い。
あっと言う間だった。
走行距離は700kmを超えた。
インプレッサに乗って東京を往復するのは、
至極の時間だった。
東京出張のメインイベントは講演だった。
執行役員兼上席コンサルタントの小平さんから、
最新の時流について解説を聞いた。
幅の広いデータが集まり、
分析能力も一流なので潮目を読むのに役立つ。
広島で未使用者専門店を経営する、
迫田さん親子と一緒のテーブルだった。
真面目な姿勢で参加する人たちばかりだから、
場内に熱い空気が漂う。
コンビニチェーンの社長が基調講演をされた。
正直に話すと、
実はまるで興味が無かった。
でもせっかくの誘いなので、
じっくりお話を聞いた。
講和されたのは、
北海道で最大のコンビニチェーンを運営する、
セコマグループ代表取締役の丸谷智保さんだった。
話しぶりは分かり易く、
とても講演慣れした印象だ。
成功した経営者は、
よく「講演ずれ」をおこすものだが、
それと少し異なるスマートさがある。
パワーポイントを駆使したストーリー仕立てで、
聞く者を飽きさせない名調子だった。
不思議に感じたのは、
口調が中央そのもので、
北海道に「土着」と誇張する割にサラリと都会的だ。
もともと、
東北から北海道に渡った瞬間に、
方言そのものが霧散する。
けれども何か匂いが違うのだ。
こういう変な所に興味を持つ。
急激に組織を大きくする人は、
強烈な借り入れにもびくともしない、
「強靭な魂胆」を持つものだ。
北海道と言う特殊性の高い地域、
すなわち政策上「補助金」や「交付金」が湯水のように注入される場所は、
昔から本土とは違う独特の文化風土がある。
そこで独特の商売をやる感覚が鋭かった。
ワイン500円が大ヒットと聞き、
北海道ならではの感覚だと感心した。
「良いものなら1000円くらい出さないと」と思う所を、
「500円で十分旨いワインが買える」と丸谷さんは言った。
最近ワインの価格が下がっている。
それは当たり前だろう。
ドイツのモーゼルワインでも産地のワイナリーなら4ユーロも出せば十分だ。
しかも特定顧客をつかんでいて、
自分でバンに詰め込んで隣のベルギーなど行商して売切る。
家族で成り立つワイナリーだったが、
けっこうそれで良い商売をしている。
日本ではそんな金額で変えないが、
チリ原産のワインだと、
コンビニで500円出せば買える。
最近コンビニで売るワインが美味くなってきたので驚いていたが、
このような背景があったのだ。
ファミマには伊藤忠商事という強いバックが付いている。
今後本気でワインを流通させるのは、
酒屋やワインショップではなくコンビニエンスストアになるだろう。
そのような話を聞きながら、
北海道を知り尽くした男で豪胆な男に興味を持った。
面白い仕事をしながら、
何億と言う借金も平気なのだろう。
苦あれば楽ありだ。
何事も表面に出ていることの何倍も苦しくつらい事がある。
点と点が繋がった。
彼の父親は政治家だった。
しかも社会党の国会議員だった所が特徴的だ。
お父さんの丸谷金保さんは、
国会議員になる前は池田町の町長だった。
その池田町長時代に十勝ワインを開発した。
生産から加工・販売まで全て住民と自治体が一手に手掛けた歴史的な産業になった。
蛙の子は蛙か。
スマートなはずだ。
慶応ボーイで北海道拓殖銀行に入行。
拓銀時代にマーケティングに関わる知見を磨いた。
そして歴史的な経済事件となった拓銀の破たんを契機に、
シティバンクに移籍して人材開発に手腕を振るった。
いわゆるエリートなんだ。
でも深い苦労も知っているのだろう。
「10年偉大なり」を地で行く経歴だ。
拓銀破たんから10年間シティバンクで働き、
そこからセイコーマートの副社長に転じて丁度10年だ。
楽しそうに企業戦略を解説される丸谷社長を見て、
仕事が大好きな人間同士の波長を感じた。
まさに「20年畏るべし」なんだ。
と言う事はあと10年で歴史になる。
だからまだ10年頑張らないとね。
セコマと言う会社、
なかなか面白いね。
小平さん、
面白いお話を企画していただき有難うございました。
インプレッサS-GTは絶好調だった。
STIの陰に隠れるが、
扱い易くて面白い。
価格が安いのも魅力だ。
Dシェイプのステアリングに換装したおかげで、
コーナーでノーズをインに向けやすい。
5速ミッションは時代遅れのように感じるかもしれないが、
2リッター程度の排気量でライトチューンのBRZやGH8なら、
かえって乗り易く面白い時もある。
このようなシチュエーションだと、
完全に軽さが長所に変わるので、
手のひらサイズのGH8なら限界ギリギリの走りも楽しめそうだ。
間も無く本格的な冬が来る。
駒ケ岳の千畳敷カールがくっきりと見えた。
遠い太古に氷河が削った痕跡が、
今でもクッキリ残ってる。
ジワリジワリと氷河は山肌を削り、
擂鉢のような形状を造った。
真ん中の上の窪んだ場所が千畳敷カール。
そこからナイフで削ったように流れ落ちていく様子が見て取れる。
この地形のおかげで、
山麓には溢れるばかりの良質な地下水に恵まれている。
GH8に乗って爽快に走ると、
まだまだエンジンはこれからだっていう気になれる。
内燃機関を悪者呼ばわりするが、
それはヨーロッパのエネルギーバランスから生じた嘘と、
中国やインドが自動車で覇権を握りたいための「嘘」が複雑に絡んでるだけだ。
まあ、
別段どうでも良い。
全ての内燃機が明日や明後日になくなるわけでは無い。
そのうえ珍竹林な軽自動車に辟易とした人たちがあちこちにいる。
日本の国策で軽自動車を作ったが、
いびつな税制で為政者そのものが「じだんだ」を踏む。
一気に変わる日までにカウントダウンが始まった気がするが、
それは杞憂にすぎないだろうか。
酒の税制も歪だった。
昔は2級酒というものがあり、
米の不足を言い訳にアルコール添加が許され、
多分「巻き直し」も行われただろう。
それが日本酒を駄目にした。
軽自動車が日本車を、
強いては日本のクルマ文化を駄目にしたようなものだ。
GH8の荷台は満タンだ。
インプレッサハウスにふさわしい逸品を運んだ。
このために買ったホシザキの冷蔵庫は、
意気揚々と到着を待っていた。
いつの間にか棚にヘルメットが収納されていた。
これはぴったりだ。
GC8の正面装備だからこの場所にふさわしい。
冷蔵庫には電源が入り到着を今か今かと待っていた。
ホシザキ認定中古機のため、
完全にリフレッシュされピカピカだが、
脱臭剤だけは常に入れたほうが気分が良い。
4つある部屋のうち右上が冷凍庫だ。
プロ用の凄さは使ってみると良く解る。
大量のスチロールケースを順番に開けた。
流石に平成25年に作った酒は全て飲み干したようだ。
一本も無かった。
これは立春の朝に蔵元と酒販店が協力して瓶に詰める、
とても丁寧に作られた美味しいお酒だ。
いたやの修二さんに無理を言って、
少しずつ冷蔵庫に残して置いてもらった。
自宅ではとても管理できない。
倉庫のような冷蔵庫があるからこそ、
何年も保管できる。
とは言うものの味は変わる。
悪い方に降ると、
死んだ酵母が断末魔の味を残す。
良い方向に降ると、
ひね香が出るがまろやかで極上の舌触りに落ち着く。
過去に経験したどれも、
不味くなった酒は一本もない。
平成26年に詰めたものが二瓶あった。
これを今夜開けようか開けまいか悩むところだ。
27年の酒は10本ある。
いずれインプレッサハウスが出来た時に、
尽きない話を夜が更ける迄続けるためだ。
GC8が復活した翌年のお酒だ。
笹子トンネルの事故で破損したインプレッサが蘇り、
元の走りを取り戻した記念の酒だ。
ブルーの車体がラベルに輝く。
なるべくじっくり飲みたいね。
次の箱には28年に詰めた酒が入っている。
その年その年でラベルを微妙に変えた。
心に残ったクルマと共に記憶を残す。
というわけで、
冷蔵庫はあっという間に賑やかだ。
これも大切なインプレッサハウスの財産だ。
GH8の味も、
純米無濾過の生原酒だ。
離れられなくなる。
飲み過ぎないよう注意しなくちゃ。