こんな書き出しをすると、
このブログの読者は、
勘違いするかもしれない。
SUBARUに求めているのだと。
そうではない。
もう無理だろう。

佐用町の池田さんから大好物が届いた。
自然薯だ。
土の中で熟成され芳醇な旨味が、
とびっきりの粘りと共に浮き上がる。
昔は一日がかりで野山を彷徨い、
人の背丈ぐらいの穴を掘った。
採れた芋を皆で分けて、
アクの多い芋を美味しく食べた。
それが今ではこんなにきれいな色で食べられる。
その代わり野性味は無かったが、
何しろ美味いし、
たらふく食べられるので嬉しい。

外垣さんに頂いたお酒も凄い。
美麗水には変わりはないが、
まさに「芳醇」とはこの様なモノを指す形容詞だろう。
酒は辛口と信じ込んでいる人には解らない、
フルーティでしなやかなお味でございます。
グイグイ行けるので、
あっという間に一升胃袋に収まるだろう。
重ねて御礼申し上げます。
昨夜は晩酌を始めたのが12時半を回っていた。
理由は校正作業が佳境に入り、
社員全員で練りに練った。
今年は皆の顔つきが違う。
杉本君も大宮君もグイグイと前に出て、
活発な意見を出してくれる。
絶対に失敗は許されない、
101年目のスタートだ。
冒頭でSUBARUに求めていないと言った訳は、
そんな状態ではないからだ。
世界の情勢に揉まれ、
国内では地雷を踏み、
今はじっと我慢して体制を立て直すしかない。
攻勢に出るまでに、
最低でも一か月はかかるだろう。
その上、
自動車開発も踊り場にあり、
しばらく面白いクルマは出そうにない。
まあ数年は無理だろうな。
SGPを開発し、
自動車の剛性当たり重量は過去最軽量になったが、
その他の増加をイーブンに出来ない。
だから素敵なスバルを自分で探す。
そして楽しいクルマを、
熟成させるのが一番面白いのだ。
先週エクシーガに乗って、
やはり自分の求めるクルマは、
多人数乗りの世界には存在しないことが解った。
道具としては最適で、
とても良いクルマだと思うが、
少しもワクワクする部分が無かった。
恐らくアセントも同じだろう。
だからCO7も迷ったけれど発注を見送った。
手元にあるFWDの方が面白いクルマに熟成できそうだ。
GH8のマフラーを変えたら、
凄く楽しいクルマになった。
「やっぱりそうか」と思った。
このクルマにはツインスクロールターボが付いている。
2000回転ぐらいから力強さが増す。
BP系のチタンターボには及ばないが、
結構良いフィーリングで走れるようになった。
こうなってくると、
ワクワクドキドキは坩堝の中に入っていく。
杉本君の担当したクルマなので、
「プラグを交換した?」と確かめると、
「7万キロ台なので交換してないです」と応えた。
「じゃあルテニウムに換えよう」
解りましたと言う事で作業が始まった。
2次空気導入装置やエアクリーナーケースも取り外す、
結構大掛かりな作業だ。
水平対向エンジンを搭載する以上仕方がない。

ついでにシムスのインダクションボックスを取り付ける。
GRB用に取り寄せてから、
次々と色々なクルマに収まる、
全く便利な製品だ。

重要な正面装備としていつも大事に保管している
いよいよ出番が来た。
ワクワクが頂点に達し、
股間が蠢く様なドキドキが沸き起こる。
こりゃ男にしか絶対に解らない。
クルマを操るのはセックスと同じくらい気持ちが良い事を、
近頃オートマチックで飼い慣らされた男たちは知らないのだ。
ふふふふふふ・・・・、
この秘密の味を知っている人、
中津スバルに集合だな。
プラグの準備が出来たので、
写真を取って下さいと連絡があった。

やっぱり思ったと通りだった。
真黒だし電極も最新のルテニウムプラグに比べるとしょぼい。

黒鰤で出足が悪いと感じた時に、
このプラグで一気に不調が霧散した。

中心電極だけでなく、
マイナス側も特別な仕掛けが施され、
火焔伝搬が凄く良くなる。

エアクリーナーケースもごっそり取り換え、
フィルターも専用品交換する。
実は歴代のインプレッサで、
最も頻繁に乗り換えた大好きなタイプだけれど、
FWDを楽しむ事が多かった。
STIの陰に隠れていたが、
今引っ張り出すと、
現在のスバルで一番欠落した楽しいクルマがこのタイプだとよく解る。
贅沢にツインスクロールターボを搭載し、
レガシィ譲りの排気系を持つが、
その割に価格が安いのも魅力的だ。
今思えば安い。
先週乗ったCO7は256万円で、
7人乗りの自動車としては安い。
けれどこのクルマが当時242万円で買えたことを思うと、
今のスバルにスバリスト達が落胆している理由も解る。
売れないから作ろうとしないのではなく、
楽に売れるクルマばかり作るメーカーになっちゃったな。

要するに現代の自然薯づくりが上手い生産農家になったけど、
小さくても良い酒を造る酒蔵ではなくなった。
地雷を踏んだのも、
そう言う道のりを歩いたからだろう。

【車名】
スバル インプレッサ S-GT スポーツパッケージ
【型式】
CBA-GH8
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1475
ホイールベース(mm):2620
トレッド前/後(mm):1495/1500
最低地上高(㎜):155
車両重量(kg):1360
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCSツインスクロールターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比9.4
最高出力 184kW(250ps)/6000rpm
最大トルク333N・m(34.0kg・m)/2400rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5速マニュアルシフト
【燃費】
13.0km/l (JC08モード)
【標準装備】
HIDプロジェクターヘッドランプ 17インチアルミホイール コールドウエザーパッケージ テレスコピックステアリング
クルーズコントロール レッドルミネセントメーター バケットタイプシート 専用バンパー&サイドシルスポイラー
【税抜車両本体価格】
2,420,000円
クロスオーバー7の1620キロあるボディを、
2.5のNAは173馬力で引っ張った。
トルクは4100回転で24kg・mあり、
下から太くて良いエンジンだった。
タイヤサイズはこのクルマとどっこいどっこいだ。
インプレッサの車重は260kg軽く、
77馬力高い。
注目のトルクは、
10km・mも大きいうえに、
2400回転でピークに達する珠玉のエンジンだ。
排気系を交換したことで、
フラットなトルク特性にかわった。
これが今度はどうなるのか。
さあ走ろう。
今日はリフトの入れ替え工事があり、
思うように仕事が出来なかった。
夜の高速道路を走って
学習機能を活性化させ、
一気に本来の力を発揮させる。
結果をお楽しみに。

残る課題はタイヤかな。