ミニマムからマキシマムへ
2018年 01月 27日
中津川でも、その気になりさえすれば食べられる。「すんきそば」という、
発酵した蕪の茎や葉をトッピングした逸品だ。
慣れない人には理解できない味かもしれない。
でも食べなれると美味い。
特に、
二日酔いで苦しい時に食べると、
超絶にリフレッシュできる。
ソバの汁にすんきの酸味が溶け込んで、
蕎麦をすすり込んだ後味が爽快だ。
最後の一滴まで飲み込みたくなるほど、
汁の味も深くなる。
世界に類のない塩を使わないピクルスは、
開田高原の様な寒くて食べ物も豊富ではない地域で、
古代からの知恵で生まれた伝統文化の結晶だ。
ミニマムな状況下で生まれた食物だから、
やっぱりその場所で食べるのが一番美味しい。
最近ブームで品薄らしい。
確かに持ち帰って食べても美味しいが、
寒い木曽の山奥で食べる味とはちょっと違う。
すんきは固有の乳酸菌を基に、
各家庭で作るので味や風味が微妙に違う。
樽に残った菌が次の年もまた次の年も生き続け、
各家庭の味を作り出す。
スバルもそのように独特の味を燻蒸し続けた。
その成果はSシリーズとなって結晶した。
今朝は冷え込んだものの、幾分厳しさが和らいだ。
西岡さんの愛機も順調に準備が進んでいる。
現在のスバル車を代表するマキシマムなクルマだ。
やっぱり良いよな。音を聞くだけでゾクゾクする。
数日来の冷え込みで、ようやく例年並みの景色になった。日陰はご覧の通りで根雪になった。ストックヤードで、ターボ車や6気筒車が凍り付いて眠っている。
いよいよ2月商戦に向けて準備を始める時が来た。
面白いクルマが山ほどあるので、これから先が楽しみだ。
日当たりが良い場所で、更に自然の土があるとその場の様相は一変する。雪解けした後の庭の表情はとても穏やかだ。春に向かって水面下では着々と準備が進んでいる事だろう。池にも氷が張り寒気の強さを物語っていた。水が枯れるとたとえ小さな庭でも、生態系に変化が生じてしまう。この中に数えきれないほど様々な生命体が息衝いている。
注意深く注水して水道の凍結も防がねばならない。ちょっとした事で断水に繋がる。環境整備に取り組めないので、朝礼で進める作業は内部が中心になった。車両検査ピットを整え、美しく塗り直した。
北原課長は昨年の2月で止まってしまった、サンバー再生に取り組んだ。初代サンバーと言えばバンが代表的だが、中津スバルに残るクルマはトラックだ。
既に望桜荘にレストア済みの二代目サンバーが飾られている。当社に来た直後はこんな様子だったが、埃だらけで愛らしかった。荷台も錆びている割に綺麗で、室内保管が如何に大切かを物語っていた。何十年と降り積もった埃が「誇り」に見えた。この二代目が今の望桜荘の主役さ。初代サンバーも朽ち果てさせたくない。
しかし状態は二代目よりもっと悪いので、出来る範囲でコツコツと改善を続けている。
まずエンジンから綺麗に復旧させている。ここまでで2017年度の作業は終わった。そして久し振りに復旧を再開した。エアクリーナーケースを丁寧に下処理し、もう一度綺麗な状態に戻す。こびり付いた泥や錆を取る作業は、まるで考古学の復元作業そのものだ。(笑)
丁寧に丁寧に続ける。
寒いからこそできる仕事もある。
すんきを漬けこむように、毎年毎年コツコツ続け、中津スバルだけの特異な文化を燻蒸する。
だってこの顔を見たら止められないよ。
「早く綺麗にしてよ」と訴えかけている。この日から今年の11月で15年になる。
歴史の一部に加える日はいつかな。まだまだ先は長い。
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by b-faction
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