例会を前にして、
船井総研の加藤はる美さんにメールを送った。
若いが礼儀正しく頭脳明晰な女性だ。
「加藤さん、おはようございます。
今回の予定をお知らせします。
そろそろ出発しなければなりません。
妻だけの参加にして僕は会場に行きません。
先に神田のホテルにチェックインして、
山手線で御社まで迎えに行きます。
分科会の進行を誰がするのか知りませんが、
彼女に参加者から色々質問してやる様に促してください。
当社だけがいつも例会で特異なことを発表すると、
彼女も解ったようなので、
上手く対応してお話しするはずです。
これから送る写真を基に話しますから、
ファシリテーターによろしくお伝え下さい」
それだけ指示を出し後は任せた。
そして予定通り東京駅に向かった。
久し振りに北口に降りて、
綺麗になった駅舎に感動した。
素晴らしい首都の玄関口になった。
こんな一等地にある立派なビルで仕事しながら、
最近の船井総研は、
なんだか中堅社員が寝ぼけている。
若手の進歩が著しい割には、
どいつもこいつも雁首揃えて生ぬるい。
まあクルマ好きでも無いのに、
偶然見つけた未使用車ビジネスがツボにはまり、
行列ができるほど繁盛しているから止むを得ない面もある。
軽自動車の未使用車専門店などと言う、
日陰の商売を日の当たる場所に出し、
随分立派なパッケージに飾り付けた。
理念的に変な部分を隠し、
家電業販店のビジネスモデルに基づいたパッケージ化は、
もうほとんど将来性が無いと言って良い。
ところが自動車ビジネスは無くならない。
それどころか有望な未来がある。
と言う事で、
本当に必要とされているのかは定かではないが、
「もう退会してくれ」とは言われない以上、
精魂込めてなるべく役立つ事を話そうじゃないか。
軽の未使用車は、
「専門店」として成り立たせるには、
既に終焉を迎えつつある。
終わりが近い産業分野だと見切ると、
常に客観的に観察することが出来る。
なのでドキリとすることも沢山言う。
だから、
中堅社員はきっと進行を務め難いのだろう。
連続で妻が代理出席することになり、
彼等も気が抜けたようだ。
気が抜けるとまた色々失敗するぞ。
市場を乱して活路を見出すやり方は大好きだ。
しかし他人の褌で相撲ばかり取ると、
そろそろまた痛い目を見る。
新興宗教の御殿の様だ。
東京駅はドエライ物に生まれ変わった。
世の中リノベーションばやりだが、
正にその権化が誕生したと言って良い。
東京駅へ久しぶりに足を踏み入れたら、
文化財の保護など突き抜けて、
まるでエイリアンの巣窟の様だった。
2020年に向けてようやく完成が近い。
あちこちにホツレもあるが、
素材も進歩しているので、
手っ取り早く粗を隠せる。
アルポリックなんて素材を初めて知った。
次から次へ良いものが生まれる。
これは参考にさせてもらうぞ。
建設における分野では物凄く高度な技術開発が進み、
今では作れない物が無いのではないかと驚く事が多い。
だから東京に来ると刺激的で素晴らしい。
道路も昔に比べ素晴らしく良い。
首都高速の進歩も凄くて、
学生時代に青天井の神田川だった所を、
上手く高架を掛けてて道路に仕立てている。
そういう国でありながら、
なぜ自動車文化でこれほど劣るのか。
船井総研がいびつな理由も、
自動車の経営指導をするコンサルタントが、
ほぼクルマ好きではない。
「自分のクルマを持たなくても当たり前だ」と、
ほぼ全員が思っている。
ビジネスとクルマはきちっと区別しているので、
運転免許は持っているが、
自分がどれほど酷い乗り方をしているのか、
恐らく全く気付いて無い。
国も悪い。
免許の更新は税金をふんだくるためにあり、
決して運転を上手にするためのレクチャーではない。
講習する場所も、
余分な人間の受け皿になっていたり、
無理やり教本を買わせる場だ。
あんなものは備え付けで使い回せば良いのに、
なぜか強制的に買わせる。
そして訳の分からない団体に、
潤沢なお金がまんべんなく流れる仕組みが出来ている。
警官自身も思っているに違いない。
スピード違反を取り締まるような仕事は、
本来の正義の味方がする仕事ではないからだ。
それでは全く能がないと自ら感じているはずだ。
覆面パトカーも気の毒だ。
絶対に格好の良い仕事ではない。
子供が憧れるヒーローであるべきなのに、
姑息に空いている道路で前方を塞ぎ、
速そうなクルマが追い付くと道を譲る。
最近は見分けが付き難いように、
ヘルメットもかぶらない。
そしてわざとやり過ごし、
遠くに離れて猟場に追い込む。
確かにこれには感心する。
素晴らしい加速と先読みする力がある。
しかし考えようによっては、
まるで因縁をつけるような行為でもある。
国民の側も側だから、
些細な事で人の上げ足を取りヒステリックに騒ぐ。
そう言う奴らを捕まえるのなら文句はないが・・・。
不十分な知識でいい加減な運転をして、
追い越す気持ちも能力も無いのに、
己の習性に従い無意識に追い越し車線をふさぐ。
更に酷いのは、
プロが全くプロらしい運転をしない。
トラックやバスは追い抜く力も無いのに、
自分の都合だけを考え平気で追い越し車線をふさぐ。
恐ろしいほど急激に車線変更し、
追い越し車線に割り込む。
上り坂だと加速が緩慢なため、
それを身勝手に嫌うだけで、
まるでスキを狙うかの如く割り込む。
物凄く危険なのに解っていない。
最近は特に観光バスのマナーも極めて悪く、
一般路でも追い越し車線をコンボイでふさぐ。
集団を維持するための行為にしか見えないが、
追い越し車線を連なって走るのは良くない。
これらの走行マナーは悪質だと言わざるを得ない。
ところで最近一番の極悪ドライバーは、
サンバートラックに乗った鬼畜だ。
白昼堂々とばあさんのカバンをふんだくって、
その上引きずり回した挙句振り切って逃げた。
あれは殺人未遂だ。
あのサンバーの運転手は、
本当にゴミのような国民だろう。
もっと言ったらあんな日本人が居るのだろうか。
被害者は幸運にも軽症で済んだが、
「死んだもの」と思って捜査すべきだ。
あれこそ国を挙げてとっ捕まえて、
素顔を白日の下に知らしめねばならぬ。
あれだけ証拠があるのに、
捕まらないなんて、
警察の捜査がおかしいんじゃないか。
世の中もリノベーション出来ると良いが、
そう簡単にはいかない。
さて自動車産業は壁にぶち当たっている。
立ちはだかる次のハードルが不透明で、
何をどうしたらよいか解らないのだ。
だからリノベーションはとても便利な開発手法だった。
リノベーションと言う言葉は、
建築で良く用いられる。
詳しく知りたい人は、
ぜひ調べると良い。
なかなか便利な言葉だ。
だけど実はこの「リノベーション」という言葉が大嫌いなので、
軽々しく使う人と絶対に深く付き合わない。
最近の自動車開発は、
本来のディベロップメントから外れ、
リノベーションになりがちだ。
「あまりお金をかけず」と言ったら語弊が多いが、
どこのメーカーにも要領よく作ったクルマが増えた。
自動車産業ほど奥の深いモノは無い。
金をつぎ込めばいくらでもつぎ込める。
特にスバルは奥が深いので、
昔から作る人達自身も大のクルマ好きが多かった。
最近その人たちに、
本当にやりたい仕事をさせたのか。
「No」のはずだ。
一度ここで振り返ると良いだろう。
とにかくスバルが好きで堪らないので、
老婆心が疼くと心配性が顔を覗かせる。
水曜日には重要な仕入れと会議が重なり、
妻と二人で分担して参加した。
夜ご飯を食べに行き、
偶然出会ったのがこの二人だった。
前日にSUBARUの吉永社長が東北を歴訪した。
なので、
二人ともテンションが高かった。
最近の吉永さんは、
自分の時間を全て犠牲にして、
全国行脚の真っ最中だ。
岩手スバルの猿方さんは、
吉永さんと前夜夕食を共にしたそうだ。
そして震え上がるほど感動したそうだ。
そのため吉永さんの話が、
まるで雲をつかむようでさっぱり解らなかったという。
それはスケールが大きいから仕方がない。
宮城スバルの阿部さんも、
レベルが高すぎて理解が難しいとおしゃった。
そこで分かり易く吉永さんのお立場で、
噛み砕いてフォローした。
ようやく「なるほど解った」と喜んでいただけたので、
ここで彼らと出会ったのも、
正に「神の思し召し」だと感じた。
翌日の仕入れは大成功だった。
そろそろ市場にレヴォーグが潤沢に行き渡り、
これまでより買いやすい環境が整いつつある。
欲しいなと言う若者にも、
手の届く良質車を手に入れることが出来た。
充実感に溢れながら順調につぎのホテルへと移動した。
もう一つの常宿にチェックインすると、
何と見た事もない部屋があてがわれた。
丁度その前にホテルのフロントマンと、
偶然エレベーターで一緒になった。
東京の宿泊事情を聴くと、
2020年に向けて予断を許さないと言う。
実はあてがわれた部屋は、
1月の終わりに予約しようとした時には無かった。
なのに、
突然ネット上に一部屋だけ売りに出た。
扉を開けて驚いた。
まさにリノベーションだ。
大都会のど真ん中に、
お布団が二つ敷いてある。
どう見ても敷きなれた様子には見えない(笑)
ベッドメーキングとは勝手が違うから仕方がないが、
これはこれでフレッシュだった。
和風の畳の部屋だが、
柔道場のようなヘリの無い面白い構造をしている。
テレビも壁掛けでスピーカーもコンテンポラリーだ。
最近のユニットバスは凄い。
大きなバスタブが豪華だし、
水栓も最新式で老人にも優しい。
照明の配置がうまい。
立体的に演出するだけでなく、
勝手に点く。
消し忘れが無いから省エネになるはずだ。
トイレも最新のTOTO製だから、
飛行機のようにフラッシュする。
スイッチが無くても電灯がセンサーで働き、
色温度も自在に変えられる。
和紙風のクロスと白木風のリノリュームを、
ホンモノの木材と融合させる。
リノベーションの町「東京」を、
まざまざと感じた。
本当なら宿泊施設を新規で作りたいが、
そんな危険なことはできない。
だからリノベーションなのだ。
文化財を残すのとはちょっと訳が違う、
面白い革新的手法がリノベーションなのだ。
こうして東京に来ると、
東京に本社を構えるスバルの現状も良く解る。
このブログは様々な人に読まれているから、
スバルで働く人たちも見ていてくれるだろう。
警察官がやりたい仕事をやれないように、
SUBARU人もやりたくてもやれない開発者が多いに違いない。
彼等も本来ならデベロップメントがしたいはずだ。
ところがリノベーションの方が上手くいく。
それでリーマン以降の苦境を乗り切って来た。
でも本来ならばディベロップメントしたかったろう。
その典型がBP系の開発だった。
6気筒を積んだアイボリー内装のアウトバックには、
当時最新鋭のアイサイトも装着した。
この惚れ惚れする様なクルマを、
SUBARUはもう2度と作れなくなった。
だからこれからも、
リノベーションするしか手は無いだろう。
だからリノベーションの対象にならない物は、
捨てるしかない。
価格競争で勝てない、
あるいは開発投資が割に合わないと、
やっぱり捨てざるを得ない。
SUBARUはプレミアムメーカーではないので、
米国で分かり易くバリューなクルマをリリースしないと生き残れない。
ツーリングワゴンの5速マニュアルを手に入れて、
このクルマを捨てる理由も解る。
クルマ業界を支援するコンサルタント会社で、
最前線に立つ戦士たちにとってさえ、
5速マニュアルなど死語に過ぎない。
だから捨てて当然なのだ。
これはもっともな話で悪い事ではないのだが、
リノベーションだけで綱渡りすると先が無い。
だから常に見ていることが一つだけある。
今年の年初から株式が大暴落して、
SUBARUにとって幸運だった。
皆下がれば怖くない。
今スバルの経営陣は、
「いろいろご心配ご迷惑をおかけしております」と口をそろえる。
が、
スバルのために今後どう精進するのかが良く見えない。
と言うか、
まだはっきり言うことが出来ない。
なので注目していることは一つだ。
「敵前逃亡」は許されないよと言う事だ。
このところ注目しているのは、
誰が都合よく役員を退任するか。
そこに尽きる。
そういう人は、
全て敵前逃亡だと思っている。
今回の一連の出来事は全ての自動車メーカーに当てはまり、
これからの荒波を誰でも簡単に乗り切れる訳ではない。
これは吉永さんにとっても宿命であり、
彼だからこそ何とか出来ると期待している。
すると、
モーターショーやオートサロンで感じた技術的枯渇をも、
全てのSUBARUに関わる人が一丸となって乗り越えねばならない。
ここを体良く離脱する人を見れば、
誰が戦犯か炙り出されるはずだ。
あえてこれを書く理由は、
スバルチーム全体に本気で危機意識を持ってもらわないと、
沈む時、船は一気に沈む。
真のSUBARUマンを数多く知っているが、
中にはそうでない人も居る。
だからこの「一大事」の前後に、
誰が逃げ出すのかを常に見ている訳だ。
だから油断しないで欲しい。
ここまで舵を切った人たちは、
次の回復基調を見据えるまでは船から逃げてはいけない。
韓国のフェリーを沈めたセヲル号の船長の様な、
卑屈な国民は日本には居ない。
景気が良くなるように、
神田大明神にお参りした。
ここはやっぱり夜が良い。
スッキリと目覚めたので妻と珍しくモーニングを食べに出かけた。
久し振りに純喫茶(死語)に入ると、
美味しそうなフレンチトーストが選べた。
久し振りだ。
食べ終えて東京を後にした。
東京の変化も刺激的だが、
ちょっと寄りたい場所があった。
中津川を出た時、
諏訪湖で湖面を見ながら、
どこに御神渡りがあるのか聞いた。
ここからは見えないらしい。
話には聞いたことがあるけれど、
実際に見た事は無い。
諏訪湖にちょくちょく通うようになったきっかけは、
昨年の正月だった。
その時は凍るどころか、
船にも乗れる勢いだった。
高速道路の眼下に見える場所に着くと、
「あるやん」と妻が言った。
いや待て、
これは認定されて無いそうだ。
そう言うと妻は「なんでや」と言う。
つまり横切っているだけで、
向こう岸に向かっていない。
あの対岸には秋宮と春宮がある。
4つあるお宮に、
それぞれの神が渡り合うなんてロマンチックじゃないか。
これは横切っていないから、
御神渡りではない。
向こう岸まで続く場所があるはずだ。
近くのファミリーマートで聞くと、
親切に教えてくれた。
新聞の切り抜き場所まで用意した、
素晴らしいコンビニだった。
ありがとうございました。
そのまま真っ直ぐ行くと直ぐわかる。
何と無料駐車場が現れた。
きっと土日は混むのだろう。
地域の人たちが伝統を大切にする姿が垣間見えた。
琵琶湖らしさを守る。
そんな力が溢れていた。
今回現れるまで何年も見る事が無かったのに、
この辺りにはこうした習慣がきちんと残っている。
WRXを置かせてもらって、
御神渡りの場所を求めた。
道路には渋滞が出来ていた。
でもみんな親切で横断しようとすると待ってくれる。
おお!
何となく向こう岸への道が出来ているじゃないか。
まさしく認定済みの御神渡りだった。
ここにはリノベーションもへったくれも無い。
自然現象は、
在るか無いかの世界だ。
でも観た時に感じる、
何かいいようもないパワー、
それこそがまさに「気」なのだろう。
良いタイミングだった。
妻に乗るんじゃないと叱られながら、
ちょっとだけ乗ってみた。
先週散々氷の上を走り回り、
氷に対する警戒感が抜けるので用心しないといけない。
ここは高い山の上では無いし、
気温も上がる。
必ず守ろう。
でも凄いとこだな。
アチことで温泉が湧きあがってると、
当たり前のように書いてある。
パワースポットなんだ。
今年はなんか凄い年になりそうだな。
頑張らなくっちゃ。