ステキなブリッツェン2005を語る
2018年 03月 24日
ブリッツェンの誕生は、
今から18年前の2000年に遡る。


ポルシェデザインとクルマを作るポルシェは全く別の会社だった。
ただし両社の関係は元々深い。
BE5のRSKを開発するにあたり、
シャシーチューニングをポルシェが引き受けたり、
ヴィヴィオでもスポーツシフトに、
ティプトロニクスのエッセンスが入ったりした。
そんな訳で、
ブリッツェンがポルシェデザインの力で誕生した時、
高い整合性を感じた。
ただでさえ歴代のSUBARUセダンは、
どれも本当に格好が良い。
その中でもRSKは特に良かった。
発売当時ライバル視されたアルテッツァを、
販売戦線でかなり窮地に追い込んだほどだ。
ポルシェデザインが更に手を加えたのだから、
見違えるクルマに仕立て上がっても不思議ではない。

ブリッツェンはSTIからコンプリートカーとして誕生した。
でもそれは非常に微妙な位置づけだった。
当時のSTIは今以上に、
SUBARUの下請け的要素が強かった。
食っていくためには色々やった。
SIAから逆輸入したレガシィセダンを登録したり、
クレームで戻ったエンジンやミッションをリビルトして金を稼いだ。
このクルマを、
誰もSTIのコンプリートカーだと思わなかった。
あくまでもファッション性を追求したクルマで、
車体がSUBARUの社内基準より低いので、
SUBARUの工場から出したとは言い辛かったのかもしれない。
だから便宜上STIの名前を使っただけのように感じた。
しかしそれが幸いし、
メーカーラインでは不可能な造形が可能になった。
それはバンパー素材にFRPを採用することが出来たからだ。
そのおかげで素晴らしい造形のバンパーに仕上がったが、
逆に弱点もあった。
こう言っては何だが、
壊れた瞬間を見た人の話が愉快だった。
下手な運転でバンパーを何かにぶつけると、
見事にバンパーは砕け散り、
破片が粉々になってフロントスクリーンをかすめていく。
当時その様子を見て、
ビックリしたオーナーが随分いた。

それでも少しはSTIらしさを持ち、
カタログは22Bを彷彿させるポスタータイプだった。

しかも5速マニュアルなので、
出来ればずっと手元に置きたいほど好きなクルマだ。
このバンパーも徐々に材質を変更し、
ワゴンや6気筒搭載車もバリエーションに加えながら、
定期的に新型が発表された。
そして最後の年の2003年になると、
遂にシリーズのファイナルモデルが誕生した。

実は大きな節目になるクルマになった。
ドイツのポルシェデザインの取りまとめだが、
日本のデザインチームも深く関与を始めた。
その先頭に立ったのが、
アルファロメオから招聘し、
「造形言語」を具現化させたアンドレアス・ザパティナスだ。
SUBARUのリリースするクルマは、
昔から帰国子女のような雰囲気があり、
そこに深い魅力を感じた。
社内独自のデザインもあるが、
ジョルジェット・ジウジアーロに、
オリビエ・ブーレィ。
スペインのフォーレや、
このアンドレアス・ザパティナスなど優れたデザイナーを招聘し、
自社のデザインに足りない部分を補ってきた。
特にザパさんは、
スバルデザイン部のチーフデザイナーとして活躍したので、
彼の薫陶を得た若いデザイナーは多かったはずだ。
今を時めくダイナミック×ソリッドを具現化した、
石井イズムにも少なからず影響を与えているはずだ。
特に戸叶デザイナーを抜擢した事が、
スバルデザインの将来性を大きく明るいものにしたと思って居る。
このブリッツェン2003MODELで、
最も刺激的だったのは、
インテリアのカラーコーディネートだ。
シートに大胆なブリックブラウンの本革を配し、
白と黒を生かしたチェッカードルーフトリムは、
それまでのドイツ的なデザインから明らかに飛翔した。
本当に惚れ惚れしたね。
最近BP/BLにはまりまくっていて、
そういう時にこそ面白いクルマがやってくる。

それから2年後、
再び赤鰤が帰ってきた。
シートは韻を踏んでブリックレッドと、
パールブラックのコンビネーションレザーシートだ。
ただこれ一本でいく度胸は無く、
オフブラックのインテリアも用意せざるを得なかったようだ。
そちらのシートはパンチングレザーだったので、
クオリティは一段低かった。
クルマの添え書きからポルシェの名が消え、
STIのリリースでもなくなった。
当時誕生したスバルカスタマイズ工房が架装を担当し、
華々しくブリッツェン2005MODELがデビューした。

その名を出すと高い金を要求される。
それであくまでも外注先と割り切ったようだ。
車種構成は単純で、
B4だけに絞り込みナビの有無がまず選べる。
次にオーディオをグレードアップするか決める。

更に上のクルマはLEGACYビルトインDVDナビゲーションシステムも装着できた。

全部で8種類のメーカーオプションがあり、
ボディカラーは伝統の4色だ。
ベースプライスはオートマで330万円。
マニュアル車は7万円安く変えた。

ディーラーオプションのパナソニックビルトインナビが人気を博した。
しかし苦肉の策のため、
オーディオとの整合が悪かった。
だが、
当時のディーラーオプションは、
どれも画面がスライドして現れるので、
凄く使いにくくパナソニックのビルトインナビは人気を博した。
明らかに変わったのはホイールデザインで、

以前のホイールデザインが与えた影響の方が大きく、
XVが誕生した時に、
ポルシェデザインから受けた影響を少なからず感じた。
戸叶デザイナーは絶対に違うと言うかもしれないが(笑)。
やっぱりブリッツェンのホイールにはもっと存在感が必要だ。

最大トルクは旧型の319ニュートン343ニュートンに上昇した。
だがその数値よりも、
むしろ発生回転の変化に注目した。
5000rpmから2400rpmへと下がり、
格段にフレキシブルで使い易くなった。

塩害の少ない良質車だ。
等長等爆エキゾーストシシテムを持と。
このツインスクロール化された、
ターボエンジンはチタンのタービンを持つ。

アクセルワークに対して抜群のレスポンスを示すようになった。
ツインターボにも魅力はあるが、
5速オートマチックと、
このエンジンの組み合わせには敵わないと言うのが本音だ。
こんな珍しいクルマを手に入れたので、
直ぐ内部を分解して清掃に取り掛かった。

当時のブリックレッドが鮮明に蘇った。

意外なほど汚れていなかった。

この状態から明確に判別できた。

気を付けて清掃作業を進め、

本格的な安全整備を済ませたら、
長距離テストでクルマの品質をチェックする。
やっぱり真紅が一番相応しい。
ブリッツェンをピカピカに磨くと、
眩しくて目が眩みそうになった。

ブリッツェンが再び世に現れる日が待ち遠しい。

ポルシェの力を借りなくても、
とうとう実力でここまで作れるデザイン部になった。
石井イズムが各所から感じられる。
それでいてきちんと韻も踏んでいる。
内装はスポルヴィータで具現化したが、
ブリッツェンが世に出る日は遠い。

その理由をはっきり言おう。
パワーユニットが存在しない。
いくらデザインが良くても、
このクラスを求めるオーナーは、
普通の心臓では飽き足らない。
残念なことに、
もし2.5リットルエンジンで売り出したら、
間違いなく誰も買わない。
唯一欲しいのはBOXER6というパワーユニットだが、
米国向けで日本に展開しないエンジンだ。
それも間も無く息を引き取る。

当初から3.6リットルの水平対向エンジンだと言っている。
SUBARUのセダンだけでなく、
トヨタもセダン離れが深刻だ。
クラウンを見ると解るように、
相当の危機意識を持ってセダン開発を進めている。
少量生産がSUBARUの持ち味だが、
最近そのお株をトヨタに奪われている。
2005MODELに乗ると、
BN系レガシィで2018モデルを作ってくれないかなと思う。

ビッグサイズセダンのブリッツェンって、
きっと凄くかっこいいはずだ。
ラストBOXER6を搭載して、
予約販売したら、
かなりのスバリストが心躍らせるだろう。
やってみる価値があると思うが、
如何だろうか。
最新のB4に本来望まれるのは、
飛び切り上質なBOXER6だ。
経営陣も一新する。
この機会に本来の魅力を醸し出して欲しい。

代田社長おはようございます。
ラストBOXER6ですが、経営陣英断してくれませんかねえ。本当はラストでなく、ツービーコンテニューを願いたいのですが。
全世界限定生産666台?…いや666はまずい数字ですから、6,666台にしましょう。
どうせなら「はっちゃけて」ほしいですね。NAモデルだけでなく、チタンツインターボ(T3)で450PSぐらいやっちゃえSUBARU。もちろんMTオンリー。H6のT3のMT6で有終の美を飾ってほしい。
ラストBOXER6ですが、経営陣英断してくれませんかねえ。本当はラストでなく、ツービーコンテニューを願いたいのですが。
全世界限定生産666台?…いや666はまずい数字ですから、6,666台にしましょう。
どうせなら「はっちゃけて」ほしいですね。NAモデルだけでなく、チタンツインターボ(T3)で450PSぐらいやっちゃえSUBARU。もちろんMTオンリー。H6のT3のMT6で有終の美を飾ってほしい。
0
T2さん、おはようございます。2つを直下ターボにして左右別の排気系を持つ凄いクルマにして欲しいですね。ブリッツェンがまた輝く日が待ち遠しいです。実際に乗るとこの赤鰤も凄いんですよ。あの頃の良さが滲み出てます。

代田社長、こんにちは。
メルセデスが新開発の直6搭載車を発表しましたね。
WLTP対応のためにはダウンサイジングターボより一定排気量を持つNAが有利なため、とのことです。マツダも以前から実燃費向上には一定以上の排気量があった方が良いと言ってましたし。
それを考えると1.8Lと1.5Lのダウンサイジングターボを主力としてNAを無くしていく方向のSUBARUは大丈夫かな?と思ってしまいます。
メルセデスが新開発の直6搭載車を発表しましたね。
WLTP対応のためにはダウンサイジングターボより一定排気量を持つNAが有利なため、とのことです。マツダも以前から実燃費向上には一定以上の排気量があった方が良いと言ってましたし。
それを考えると1.8Lと1.5Lのダウンサイジングターボを主力としてNAを無くしていく方向のSUBARUは大丈夫かな?と思ってしまいます。
jechtさん、良くないと思います。幼稚なエンジンしかなくなってしまいます。

アトラス
全く同感です。(久しぶりに投稿させていただきます)
その時点で最も排気量の大きいNAのレガシィを乗り継いできましたが、メーカーとしてこれを棄てるのはもったいない気がしています。
丁寧に踏み込んだ時の、新型のハイブリッド大型セダンにも負けない、ピッチングの「挙動の少なさ」は、ダウンサイジングターボでは、なかなか再現できないと感じています。
スバルに乗ってきた人は、すぐにそこに気がついてしまうので、つい6気筒を謳ってしまうのかと思います。決して時代にそぐわないこだわりや懐古主義ではないのですが、ダウンサイジングターボ、PHVへの全面移行は、デザインが当たった時に気が向いた人しか買わないメーカーになってしまわないか、時折心配になります。
ブリッツェン6 2018
是非、現行アイサイトとサンルーフ付きで。
全く同感です。(久しぶりに投稿させていただきます)
その時点で最も排気量の大きいNAのレガシィを乗り継いできましたが、メーカーとしてこれを棄てるのはもったいない気がしています。
丁寧に踏み込んだ時の、新型のハイブリッド大型セダンにも負けない、ピッチングの「挙動の少なさ」は、ダウンサイジングターボでは、なかなか再現できないと感じています。
スバルに乗ってきた人は、すぐにそこに気がついてしまうので、つい6気筒を謳ってしまうのかと思います。決して時代にそぐわないこだわりや懐古主義ではないのですが、ダウンサイジングターボ、PHVへの全面移行は、デザインが当たった時に気が向いた人しか買わないメーカーになってしまわないか、時折心配になります。
ブリッツェン6 2018
是非、現行アイサイトとサンルーフ付きで。
アトラスさん、今晩は。発動機に何のこだわりもないブリッツェンでは意味が無いですね。水平対向エンジンあh低速トルクが薄い代わりに回転上昇が良きのでそこに頼り過ぎてます。フラッグシップがいつまでも幼稚な味では困ります。
by b-faction
| 2018-03-24 21:58
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