その日の朝、近藤さんのインプレッサが完成間近だった。
ロイヤル車検を承って、お返しする日が迫っていた。
ロイヤル車検とは、通常の車検より予防整備に重きを置き、
仕上げにも徹底的にこだわる自慢の作業だ。
既にスチームクリーナーによる室内除菌作業も完了し、外装仕上げの真っ最中だった。
ドアの内側までスクラッチした後、ポリマーコートを掛ける。
クルマの裏側もピカピカになっている。錆び止めパックで念入りに洗って塗装を施した。
二代目インプレッサの最終バージョンだ。三度も大きく顔を替えたケースは稀だ。
結局オリジナルの丸目デザイン以外、全て外国人の力を借りた。
丁度この頃は、フォーレによる造形言語の提案や、アンドレアスザパティナスの吹き込んだ、新たな旋風の洗礼を受けていた。
とにかくお尻より顔顔顔と、性能向上と共にデザインも常に磨かれていた。
結局のところ、スタートでは躓いたが大成功で終わった二代目インプレッサ、結論付けると基礎が良かったと言う事だ。
トランスミッションをしっかり作り、車体剛性も高めるという、クルマの基礎的な部分が非常に良かったから、今でもWRXが残る事に繋がった。
今でも最高の性能を保持するので、世界中で人気が全く衰えない。
近藤さんもこのインプレッサを苦労して手に入れた。どこでも引っ張りだこだから、良いものはなかなか手に入らない。
近藤さんから素敵なお土産を戴いた。
京都の老舗が作った洋菓子だ。
フレッシュな味覚が素敵だった。
レモンの方を戴いたが、香り高くて美味しかった。
オレンジの方は、スライスして砂糖で煮しめた果実が載っている。そちらも美味しそうだ。
お見送りするつもりが、連絡が徹底しておらず、気が付いた時にはすでにお帰りになられていた。
大変失礼しました。
でも一つだけ良かった事がある。下水道工事が全て終わり、綺麗に整った望桜荘の周りを見て戴けたことだ。
近藤さんのクルマを磨いている時に、梅田組の杉木さんがやって来た。
彼は非常に律儀なので、仕事の節目節目でちゃんと挨拶に来てくれる。

言うに言えないような苦労が、
本当に多々あったそうだ。
熱い思いが胸をよぎったのだろう。
工事が始まったのは4月12日だった。

本当に二ヶ月なんて「あっ」という間だ。

その翌日にはここまで進んだ。
桜の木を傷めないように、
丁寧な仕事を進めてくれた。

土台ができたのは4月23日、
本管用の道路掘削も始まった。

配管が固定されたのが5月17日で、

その二日後の5月19日に、
セパレーターが取り外された。

こうして翌日から仮舗装され、
工事は北東へと進んでいった。
この区画の配管作業が全て終わったので、
仮舗装を全て元通りに直す作業が始まるので、
その説明に来てくれた。
杉木さんにお願いした。
桜の周りの土をなるべくすくい取らず、
コンクリ片やアスファルト屑だけを除去して欲しい事。
表面発酵して熟成した腐葉土は、
そう簡単に入手できない。
ここで長い間かかって出来た土だ。
ヤマザクラにとって環境の大きな変化は好ましくない。
せっかく石垣に使った岩石が残っているので、
処分せずにうまく残して欲しい事。

立ち会って丁寧に説明したら、
「捨てちゃうよりその方が良いんですか。
解りました」
と、
快諾してくれた。
彼は非常に呑み込みが早い。
早速どこに置くか組み合わせ始めた。

舗装の厚さを計算して、
元の土を損なわず上手く盛った。
路盤を整えて、
舗装に備える。

実にスピーディだ。
気が付くと夕方には舗装が完了していた。

こうして山桜の周りが遂に落ち着きを取り戻した。

感謝ディに間に合って良かった。

少し景観が変わるけど、
まあこれも乙で良いじゃないか。

ベンチも以前よりしっかり地に着いた。
流石にプロの仕事は違う。

散らばっていた大きな石が、
サイドテーブルのように並んだ。

梅田組流枯山水と言ったところだろう。
ありがとうございました。
並行して進めていた望桜荘のベンチ改善も、
吉村君の努力でほぼ同時に終わった。

まず川の中から石を集めた。
こちらも始まったのは4月23日だった。

Before
約二月掛けて綺麗に石を並べ終えた。

After
感謝デイの前に美しくなった。
これでまた皆さんに素敵な環境を楽しんで戴ける。
本当に嬉しい。
下水道工事にもデザインがある。
石一つ並べるにも作業者はデザインを考える。
デザインは重要な基幹性能だ。
現在のフォレスターは非常にまとまりが良く、
大きなマイナーチェンジを受けたものの、
そのスタイルにほとんど変化は無かった。
デビューした時から完成度が高く、
とにかく乗って驚いた。
新型車は実に斬新なデザインを予感させた。

コンセプトカーは張りぼてなので、
何でもやりたいことが出来る。
ただ、
SUBARUはちょっとやりすぎだ。
この後出てくるWRXやレヴォーグが同じような事を繰り返すと、
スバリストは本気で怒るかもしれない。

リヤビューは確かに面影があるけれど、
フロントとサイドビューは現行車とあまり差が無い。
デザイン力に製造現場が付いて行けないと、
マツダにますます水をあけられる。
そんな危機意識を感じて欲しい。
三代目から四代目での変化は、
質実共に完全な大人への脱皮を感じた。
五代目はそこが少し浅いので、
価格上昇を分かり易く納得させるだけの特徴に欠ける。
SGPを採用し明らかに質感は向上したので、
お買い得なクルマであることに変わりはない。
当社もXVに続いて3台導入し、
様々なシチュエーションで使い倒そうと考えている。
正式に発表されたら詳しく紹介したい。
お楽しみに。