さあ、
真打だ。
色々な質問や意見があるだろう。
ルールを守って「正しい名前」でコメントしよう。
「今までは通用した」
それはもうない。
約束だ。
今も昔も変わらない事がある。
フォレスターはインプレッサをベースに作られることだ。
二代目インプレッサをベースに、
二代目フォレスターも生まれた。
だから5速マニュアルは勿論、
6速まで無理なく呑み込んだが、
それ以降は事情が変わる。
より本格的なSUVに脱皮して、
徐々にインプレッサと開きが生まれた。
インプレッサもWRXと開きが生じて、
スバルのポートフォリオは「適正化」の道を歩み始めた。
特に四代目のSJ型は大きな変貌をとげ、
世界中で大ヒットした名車だ。
フロアとトゥボードを専用とし、
広い室内空間に、
抜群のインテリアをはめ込んだ。
従来には無い、
優れた運転姿勢も執れた。
本当に目からウロコが落ちるような、
素晴らしい出来だった。
それまでならインプレッサと共用した部分が、
かなり専用品に代わっていた。
二代目フォレスターのドアには、
把手しか付いていなかった。
このように二代目インプレッサと、
ほとんど差が無い仕立てで、
とても安っぽい。
車格も低いので、
ドアはサイズが小さいから、
この仕組みでも我慢できた。
【車名】
SUBARU FORESTER XT
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
TA-SG5
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4450×1735×1585
ホイールベース(mm):2525
トレッド前/後(mm):1495/1485
最低地上高(㎜):200
車両重量(kg):1390
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブターボ AVCS
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:9.0
最高出力kW(PS):162(220)/5500rpm
最大トルクN・m(kgf・m):309(31.5)/3500rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【ステアリングギヤ比】
19~15:1(可変ギヤレシオ)
【燃費】
13.0km/l (10・15モード)
【標準装備】
5速マニュアル センターデフ式フルタイム4WD
リヤビスカスLD 電動インナースライド式大型UVカットガラスサンルーフ
ABS オートAC MOMO製本革巻ステアリング HIDヘッドライト
ヒーテッドドアミラー フォグランプ フロントワイパーディアイサー
リヤフォグランプ アルミホイール
【変速比】
1速 3.454
2速 1.947
3速 1.366
4速 0.972
5速 0.738
減速比 4.444
クルマの剛性も高い。
初代インプレッサに比べ、
格段に剛性の高いボディなった、
二代目インプレッサがベースだから当然だ。
5速マニュアルで、
WRX譲りのスポーティさを持つから、
走りも確かだ。
だから今でも人気が高い。
しかし、
サーキットが似合うクルマだろうか。
決してそうではではない。
STIチューンの6速モデルもあったが、
モデル末期で投入した苦肉の策だ。
ストラットタワーバー等であちこち固めて、
バチバチのサスチューンにしても、
やっぱりWRXのようなわけにはいかなかった。
その後、
三代目になり徐々に立派なドアが付くようになった。
すると、
欧州車の良い所をきちんと学び、
四代目のドアには、
立派なインナーグリップが備わっていた。
新型フォレスターはアメリカ大陸を意識している。
まあ先祖返りしたとも言えるので、
そう思って納得したい。
費用対効果を考え、
出来過ぎた所は凡庸に戻したとも言える。
それでは、
費用対効果を考え、
何か突出して優れているところがあるのか。
ある!
ボディコンだ!!
とにかく基本骨格だけは、
簡単に変わらない。
スバル1000の頃から始まり、
レオーネで完成したボディ構造が、
実はつい最近まで生き永らえてきた。
だから途中でどう取り繕っても、
解消出来ない特性は残った。
特に最近は安全性能を引き上げたボディになり、
その特性を根本から見直し、
国際的にみてもトップクラスに引き上げる必要が生じた。
フォレスターも、
遂に五代目となった。
簡単に諸元を比較してみた。
数値の後にカッコを付けて増減を示してある。
【車名】
SUBARU FORESTER X-BREAK
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
5BA-SK9
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4625(175up)×1815(80up)×1730(145up)
ホイールベース(mm):2670(145up)
トレッド前/後(mm):1565(70up)/1570(85up)
最低地上高(㎜):220(20up)
車両重量(kg):1530(140up)
最小回転半径(m):5.4(0.1up)
乗車定員 5名
【エンジン】
FB25/水平対向4気筒2.5L DOHC16バルブデュアルAVCS直噴
内径×行程(mm):94.0(2up)×90(15up)
圧縮比:12.0(3up)
最高出力kW(PS):136(26down)162(220(36down))/5800(300up)rpm
最大トルクN・m(kgf・m):239(70down)(24.4(7.1down))/3500(900up)rpm
【燃料供給装置】
筒内直接燃料噴射装置
【変速機】
リニアトロニック(マニュアルモード付)
【ステアリングギヤ比】
13.5:1
【燃費】
14.6km/l (JC08モード)
【標準装備】
パドルシフト17インチアルミホイール オールシーズンタイヤ シートヒーター
サイドビューモニター 撥水ファブリック/合成皮革シート
パワーリヤゲート サイドビューモニター ステアリング連動LEDヘッドライト
LEDフロントフォグランプ 撥水カーゴフロアボード
【変速比(マニュアルモード時)】
1速 3.600
2速 2.323
3速 1.647
4速 1.241
5速 0.979
6速 0.746
7速 0.557
減速比 3.700
サイズは二回り大きくなり、
パワーはかなりダウンしている。
ところがサーキットでは、
まるで水を得た魚のように俊敏な走りを見せるのだ。
SGPを入れた途端に、
物凄くロール剛性が高くなり、
サーキットも似合うんだな。
こんなに面白いとは思わなかった。
抜群のロードフォールディングで、
サーキットを翔けた。
客観的に走りを見る機会は少ない。
なので、
気を利かせて妻が撮影した動画は役に立った。
これはとてもありがたい。
何故なら姿勢変化が良く分かるからだ。
まだ1000kmも走らない新車だから、
ポイントを押さえて走った。
とにかく安心して走れる。
実はスバルグローバルプラットフォームに適合する、
シャシーパーツは存在しない。
仮にあったとしても、
それは十分効果を発揮しないマヤカシモノだ。
なぜなら、
SGPのボディを解析し、
抜群のシャシーパーツを作るなどそう簡単に出来る事ではない。
その証拠に、
フォレスターは「素」のSUVだが、
物凄くコーナリングが素晴らしい。
タイヤに頼らず流しているので、
外からの画像はゆっくり走っているように見えるが、
要所要所でボディコンの凄さを味わいながら、
タイヤを傷めないように走った。
ここは舗装が普通なので、
タイヤに優しいし本当の意味で練習になる。
直線は結構元気に加速した。
クリッピングポイントをうまくつかみ、
愉しく走るうちに、
このクルマの凄さが解ってきた。
アウトバックよりも更にトルクが持ち上がり、
凄くスポーティーに走るんだ。
現行のアウトバックで2度ニュルブルクリンクを走った。
その時に、
「スポーティ」という意味で、
リニアトロニックと相性が一番良いのはFB25だと直感した。
フォレスターにもど真ん中に刺さった。
現行フォレスターとは格の違いを見せた。
更に、
アウトバックのトルク特性とも段違いになって、
気持ち良いほど高回転まで伸びる。
パドルシフトも面白いが、
オートマチックモードでも、
「およよよ」と思うくらい小気味よく走る。
これはリニアトロニックのステップ制御のおかげだ。
走り方によってアダプティブ制御が働くので、
サーキットでも順応性が高い。
何しろ良い汗をかいた。
あっという間の50分だった。
面白い。
動画でスバルサウンドも堪能して欲しい。
最高気温を更新する中で、
フォレスターには試練かと思ったが、
全くそんな事は無かった。
新型フォレスターにはストラットタワーバーが不要だ。
ボディコンの効果がものすごく解った。
インプレッサと格の差が出た。
これは初めて世に出た「真のボディコン」だな。
妻のサポートが機敏だ。
早速クーリングのためにボンネットを開けてくれた。
勝田さんの指導の賜物だ。
のりさん、
ありがとうございます。
タイヤは傷んでいない。
コース上のデブリを拾い、
融け合ってしまった。
しばらく走って、
良く見るとくっついたデブリは取れていた。
しかし、
過酷な条件下であることは間違いなかった。
たった一日でオフロードからワインディングロード。
そして高速道路からサーキットへと、
あらゆる道路を走り回った。
オフロードで川を渡ったその足で、
サーキットに持ち込める許容性が凄い。
やってみれば分かるはずだ。
午後からサーキットに行く前に、
大きな石がごろごろする場所に行く勇気があるか。
無いだろう。
オドメーターは627kmとなり、
慣らし運転は完全に終わった。
さあ、
新しいフォレスター準備万端だ。
是非乗って、
深く味わってほしい。