マツタケに合う料理は何か。丸ごと焼く、土瓶蒸し、炊き込みご飯・・・などそれぞれの家で馴染みの料理があるはずだ。
我が家では、
真っ先にすき焼きが浮かぶ。
但し、
気を使って買って来てくれたのだが、
別に飛騨牛じゃなくても良い。
特にサシの入った上級のお肉は、
全く食べたいとは思わない。
正直な所を言うと、
体の中に入れることに抵抗がある。
まだステーキ肉の周りにある脂身の方が旨い。
そんな事を言うと罰が当たるので、
皿に装って戴いたお肉を食べた。
比べると、
やはり上の赤身の方が食欲をそそる。
枯れてきちゃったんだなぁ。
と、
少し寂しくなる一瞬ではあった。
兎にも角にも、

すき焼きの前の静寂が素敵だ。
白いクッキングペーパーをめくると、
娘が丁寧に下ごしらえした、
ご立派なブツが登場した。
大胆にすき焼きに投入すると、
あたりに良い匂いが漂った。

肉の味も染み込み、
火の通り方の丁度良い所で箸で取り上げた。
さっと卵に通して、

頬張った。
じゃきっとした歯ごたえと、
独特の良い香りが鼻腔に広がった。
いつもは網焼きにするが、

少し旬を過ぎたマツタケなので、
香りを逃がさぬようにホイールに包んで焼いた。

反省点はただ一つ。
卓上七輪の上でホイル焼きにすべきだった。
塩味だけで十分美味だが、
少し火が遠かった。
まだ若く(笑)、
少し味が濁ってしまった。
とは言うものの、
やはりマツタケの効果は偉大で、
秋の食卓に大輪の花が咲いた様だった。
機会があれば再度入手を試みたい。
しかし思い込みもかなりある。

すき焼きが進めば進むほど、
実は一番美味しいキノコは、
味の染み込んだコイツだったりする。(笑)

この瞬間は肉が脇役で、
「えのきだけ」が主役だった。
工房でマスコットの改修作業が進んでいる。
永く作られたkV系のサンバーだ。
SUBARUオリジナルのクラシックが有名だが、

ワーゲンのバン風にデコライズされたサンバーも好きだ。
これはL1ラリーのサービスカーとして、
中津スバルで第二の人生を送り始めたが、
それ以外の用途は単なるマスコットだ。
お荷物扱いされ始めたので、
もう一度社員に気を引き締めるよう気合いを入れた。
このクルマは大病を患った状態で当社に来た。
それを綺麗に治しせっかく維持したのに、
何故ぞんざいな扱いをするのかと。
その理由は、
水漏れが酷くなってきた事と、
乗り心地がとても悪いと言う理由だった。
ハハア!
普段の仕事も忙しく修理するのが煩わしくなっているなぁ!!
そう気づいたので、
必ず早急に抱えている問題を全て解決するよう命じた。
現在の状態を万全にすることが、
今後に予想される、
様々な修理の参考になる。
もともとお客さんの問題を、
早急に解決するための切り札にする予定だった。
しかし人間とは悲しいもので、
ちょっと面倒だと思うと視界から消し去ろうとする。
そのモチベーションの低下を、
どのように防いで車輪を前に回すのかが管理者の責務だ。
スバルのサンバーを、
軽貨物車の中にある「マツタケ」の様に思う人は多い。
確かに良い所もあるが短所も多い。
もし優れた所ばかりなら、
他の軽自動車が絶滅するはずだが、
他が残ってサンバーが絶えた。
アライアンスで誕生した最新のサンバーは、
実はオリジナルのサンバーより、
すき焼きの中で美味しく感じる。
ならば、
オリジナルのサンバーは、
すき焼きに入れたマツタケなのか。

そう言う事なのだ。
TV系と呼ばれるKV系の後に生まれたサンバーは、
3速ATを持っている。
これも頑強で悪くない。
使い倒しても音をあげないのだ。
但しメンテナンスが悪いと内科的病状が深刻化する。

特に冷却系統に気を遣おう。
それがKV系と共通する重要な点検項目だが、
軽視する人間が多すぎる。
中にはクスリを飲ませれば治ると、
短絡的な処置を施す輩がいる。
根本的な治療をせず、
不適切な冷却液を注入すると、
人間と同じように水面下で成人病が深刻化する。
大切に思う人ほど、
短命に終わらせたくないはずだ。
冷却液は純正を使い、
液漏れや軽度なオーバーヒートを甘く見ない事を忠告しておこう。
RR方式のサンバーは、
スバルの屋台骨を支えた歴史的価値を持つ遺産だ。